あらすじ
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組む――初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に繋がる三作も収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こんな風に最初から心を掴まれる小説には,なかなか出会えない。
紅茶を飲みながら,大切に読んだ。
そして,読み終わるのが惜しくて,もう少し,もう少しだけ...と願っていた。
細やかで鮮明な描写には植物のきらめきやパンの匂いを感じた。
おばあちゃんの生き方,考え方,言葉...全てが尊い。
間違いなくわたしの人生において、なくてはならない宝物になった。
植物のこと,もっと知りたいなあ
- 心に残った部分のメモ -
「まいは、自分が相手によく思われたいのではなくて、正しく理解されたいだけなのではないですか」
と、繭の中からそっと糸を繰り出すようにいった。
* * *
「どんなことが起こっても、『こんなことは私の致命傷にはならない』って、自分に言い聞かせるんです。そうすれば、そのときはそう思えなくても、心と体のどこかに、むくむくと芽を出す、新しい生命力の種が生まれます」
Posted by ブクログ
どのお話も素晴らしく、どこか切なくて、優しい気持ちになれる小説でした。
苦しいとき、穏やかでゆっくりとした時間を思い出させてくれる、ずっと手元に置いておきたいお守りのような本になりました。
Posted by ブクログ
静かなエールがもらえる本。
本編と別のモノローグも良かった。
疲れきった様子で突然帰省した娘と、くすんだ銀食器を磨く。
「ひとの心の傷つきは、簡単に癒されるものではないけれど、こういう昔ながらの地道な作業は、古い友人のように、ひとを励ます。傷が残ることは仕方ないにしても、その炎症作用のようなものを鎮めてくれる。」
一定の距離感を保ちつつ、優しく見守ってくれる存在は、どんなに心強かったかと思う。
自分は、子供にとってそんな存在でありたいと思った一冊でした。
Posted by ブクログ
何とも優しい文章、そして表現。
その文章を味わいながら読むだけで自分が癒されていくのが分かる。
作者のあとがきで、この本自身に語りかけた「行ってらっしゃい。〜必要とされる人びとに辿り着き、寄り添い、励ましておいで」という言葉通りだった。
手元に置いておきたい。
Posted by ブクログ
まいとおばあちゃんの日々が書かれた優しいお話でした。
まいの日々の葛藤や心の動きの描写に共感するものもありますし、おばあちゃんの魔女の修行で自分で決めてやりとげることを学んだり、おばあちゃんや家族の愛を受けたり、暖かいお話しだなと思います。
子供の時以来15年ぶりぐらいに読みましたが、また泣いてしまいました。
Posted by ブクログ
これからも自分には手痛いことが起こり続けるだろうこと、それに自分がひとつひとつ、心身ともに傷つきながら関わらざるをえなくなるだろうこと、
こんなことは私の致命傷にはならない。
こんなことで、あなたはだめにならない、決して。
この本を必要としている私に、この本が届きました。
20 年ぶりに。
小さな声で力の限り、励ましてもらいました。
ありがとう。
Posted by ブクログ
いいお話だった
おばあちゃんの自然の中での暮らしが理想すぎる
まいを自分に重ねてしまった
わたしも魔女修行というか自分の内面磨き頑張りたいって思った
Posted by ブクログ
上手く言葉にできないですけど読み終わってから、なんかずっとじーんとした感情になっています。
物語中に大きな出来事は何も起こりませんが、身近な出来事、物、人に尊さを感じることだけで世界がどれだけ豊かになるのかを考えさせられました。
今snsで良くも悪くも、全てと言っていいほど様々な情報、出会いなどを引き寄せることが出来ますが、自分の力で、見て、聞いて、感じる事がどれだけ人生に大きな意味をもたらすのか、言語化はできませんが感じることができました。今20歳段階でこの本に出会えたことに感謝です。自分の目で見る世界にもっと関心を持ちたいです
Posted by ブクログ
うまく言葉にできないけど、とにかく良かった。
愛情表現が上手くできなくても、それを感じ取ってくれることそのものがとてつもない愛だなあと、自分の祖父に重ねていました。
また何度も読み返したいと思う作品。
Posted by ブクログ
小学生の頃に出会った作品で
大人になった今も強烈に覚えている言葉があって
今も大好きな作品。
小説の面白さに出会わせてくれたのはこの作品でした。
生きやすいところを選ぶことは悪いことではないんだと、花やサボテンやシロクマの例えから気づかせてくれる。
そしてこの作品集はおばあちゃんの目線もあるので、単行本よりさらに楽しめる。
Posted by ブクログ
水彩画のような本だった。
森や草木、おばあちゃんとの暮らし、季節の移ろい。淡く優しい色が少しずつ重なって、一枚の絵になっていくような物語だった。
特に心に残ったのは「自分で決める」ということ。
自分の人生なのに、自分で決めることは案外難しい。私自身にもまだ足りないところだと感じた。
自分で決める力を持つこと。それが、不安や恐れ、自分を惑わせるものから自分自身を守ることなのかもしれない。
そして、おばあちゃんには自分の死が近いことが見えていたのだろうか。
最後のメッセージには胸がいっぱいになった。
身体がなくなっても魂まで消えてしまうわけではなく、身体から離れた魂は自由になれる。
静かな物語なのに、生きることや死ぬこと、自分の人生を自分で選ぶことについて、たくさんのものを残してくれた。
読み終わったあとにも淡い色がずっと心に残っているような、優しくて美しい一冊だった。
Posted by ブクログ
「西の魔女が死んだ」は私が大好きな本で何回も読んでいます。何回も読んでいるのにラストシーンでは必ず泣いてしまいます。
おばあちゃんのしている田舎の暮らしにもすごく憧れます。読んでいるだけで自分もスローライフを味わってるようで心が穏やかになるようで癒されます。
この作品集は「西の魔女が死んだ」の他に、その作品に出てくる登場人物のアナザーストーリーの短編も入っており、本編を読み終わった後もより味わい深く楽しめます。短編は短いですがどれもこころがほっこりと温かくなるようなお話で素敵でした。とくに最後の「かまどに小枝を」は、孫を思う大きな愛と温かな気持ちと切なさもあり、短編の中で一番心に残りました。
Posted by ブクログ
はじめてちゃんと読んだ小説。ほんとうに面白かった。この本を初めて読んだのは小学生のころだけど、もう少し大人になったらまた感じ方も変わってくるのかな。
Posted by ブクログ
自然の豊かなところにあるかわいらしい家。花の咲く庭。畑で育てる野菜。お茶にしたり、料理に使ったり、洗濯したシーツをかけて干して香りをつけたりと大活躍のハーブ。そして、愛情深く、良き理解者となってくれるおばあちゃん。素敵なもの、「こうだったらいいな」と思うものをこれでもかとたくさん詰め込んだような物語だ。そういう意味では現実味がないと言えるのかもしれない。でも、たいていの人は多かれ少なかれ主人公のまいのように悩みや生きづらさを抱えているのだから、「こうだったらいいな」を詰め込んだ物語は必要なんだろうと思う。精神的栄養補給になるような心温まる物語だった。
ありがとう、ありががとう
Xで話題になっていたので、再読。
新たに付け加えられた祖母のモノローグがとても優しく丁寧で、祈りに満ちてる日々だったことを知りました。
そして若い頃に読んで、無意識に私の理想的な暮らしになっていたことを認識しました。
魂と身体のこと、死後の世界のこと、生きる理由、大切なことが明快に描かれています。そして、亡くなった動物でさえ、愛があればあの世から守ってくれる。
自然と共に、他者に与える生き方があり、そこに私は本来の人の生き方を見出します。
現実世界で社長としてお金集めと再配分をしなくてはならないけれど、本当の幸せってみんながこうして自分の土地と繋がってサンクチュアリを持つことなんじゃないかなぁ。
まいのように癒しが必要な人、そして祖母のように癒せる人、若い娘に誤解されつつも日常を豪快に生きるお爺さん、働きながら時間と愛の間で揺れる全ての父母に、みんなに幸せが訪れますように。
梨木先生、素敵な作品をありがとうございました。
Posted by ブクログ
陽だまりのように暖かく癒してくれるお話。
日常に生き急いでいるときに読み返したい本。
美しい自然はすぐそこにあるのに、少し立ち止まらなければ見つけられない。
まいの思いには共感するものがあって。
学校という閉鎖的な空間に閉じ込められ、決められた人たちと、6年、3年と過ごしていかなきゃいけない、学校という場所は、息苦しい場所だと感じた。
でも、そこだけが自分の居場所じゃない。逃げたって良いし、とらわれる必要はない。
学生だった頃の私に送りたいお話。
おばあちゃんの、娘と、その娘を想うささやかな日々が素敵だった。
Posted by ブクログ
小学生の時、塾の国語のテストで西の魔女が死んだ、が題材として出ました。小説の面白さに、塾の帰りに本屋さんに行き、黄緑色の背表紙の小さな文庫本を買って、それから私の読書人生は始まりました。
社会人になって、一年に数冊しか本を読まなくなり、引越しのタイミングでほとんどの本を手放したりしましたが、何がきっかけであったか。また、すっかり読書は生活の一部に戻ってきました。
年老いた父に貰ったら図書カードで、ずっと大切にできる本を買いたいと思い、約20年振りに、このとても素敵な装丁の西の魔女が死んだを購入しました。
父の膵臓癌の手術の待ち時間で読もうかと思い、手術の待合室に持っていきましたが、どうしてか、持って行っていた別の本を読んで過ごしました。
そして手術から10日、今日は見舞いはやめて部屋の掃除でもして、のんびり過ごそうと決めた午後に、手に取り読んでみました。
どうしてこんなにこの本が好きだったのか、当時は分かりませんでした。
私は学校にずっと行っていましたが、わたしもまいのように敏感なところがあったのだと今は思います。
そして大学生の夏休み、海外で暮らす父の姉と、ワイルドベリーを摘んでジャムを作った記憶が鮮明に蘇ってきました。
私には西の魔女は居ないんだと思っていましが、確かにいるんだと、わたしもとても、貴重な体験をしていたんだと記憶に感謝しました。
自分で決めて、傷つきながら、後悔しながらも生きていかなければいけないと、大人になっても励まされますね。
こんな風に、人生を通して心に寄り添ってくれる本に出会えたことを幸せに思います。
Posted by ブクログ
普段読まないジャンルだけど
すごく良かった
西の魔女の家や生活が素敵すぎて
まいが羨ましい
胸が暖かくなった
子供に読ませたい
どんな花なんだろう、どんな木なんだろうと調べるのも楽しかった
Posted by ブクログ
さすが、愛蔵決定版、と銘打って紹介されているだけある。3冊読んだけど(正確にいうと『西の魔女が死んだ』部分は1冊分しか読んでないけど)この1冊が一番好き。読む前からそんな予感はあった。シンプルな表紙の深い緑色がこの話にとてもよく似合うこと。スピンオフの関連話が3つも入っていること。その3つどれもが素敵な話だったこと…
ふーーー。しみじみ満足です。
「こんなことは私の致命傷にはならない」
うーん。沁みる。おばあちゃん、私も大好き。
おばあちゃん目線で書かれたお話『かまどに小枝を』も、とても素敵。
私も子どもを育てるようになって、母の偉大さを思い知っているのだけど、母も私や私の子どもたちのことを祈ってくれているのだと思う。なんともありがたい。
今週は私の子どもたちは相次いで体調不良になった。娘が「ばあばと話したい…」と言うので電話した。具合が悪くて泣いていた娘だったが、話しているうちに落ち着いた。ミラクルだ。私の母も魔女なんじゃないかと思う。
まいにとってのサンクチュアリに、大人になったまいが足を踏み入れたとき、どんな言葉を聞くだろう。
まいが大人になったときの物語を読んでみたいけど、いろんな想像ができるっていう意味では書かれてなくてもいい、かな…。いやー、でも、まいが子育てしてる話として、おばあちゃんからバトンをつないでいるエッセンスが入ってるような話も読みたいなぁ。
文字の大きさや行間は、ピンクの表紙の小学館が一番読みやすいけど、いい歳した大人として手元に置きたいのは、この1冊に決めた。まさに、愛蔵モノ。
巻末に載っている梨木香歩の他の作品紹介を読んで、何冊か気になるものをメモした。
読みたい本がたくさんあって、幸せ。
Posted by ブクログ
話は、マイが中学3年の授業中に西に住む祖母が心臓発作で倒れた連絡が来た所から始まり、母と車で祖母の家に向かう時に、2年前の祖母と2人での生活を思い出す。
中学1年の春マイは母親に「わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの」と告げ、不登校に。
人里離れた山の中で1人暮らしの祖母(イギリス人)に預けられる事に。
祖母は母から電話で、マイは「扱いにくい子」「生きにくいタイプの子」と説明されても喜んでマイを引き受けた。
「私(祖母)の家系は魔女の能力を持つ人が多いからマイにもその血が流れていて、鍛練すれば、あなたにも出来る様に成るわよ。」
マイと祖母の生活が始まった。
祖母はマイの色々な不安に優しく向き合ってあげるとても素敵な魔女でした。
マイに「人は死んだらどうなるの?」と聞かれ、「実は、私も死んだ事が無いからわからないのよ。」と答えながらも、自分の死生観を説明し、最後に「おばあちゃんが死んだら、マイに知らせてあげますよ」
って。
「扱いにくい子」「生きにくいタイプの子」
と思われている人々に、「それはそれで良いですよ。」と。私もエールをもらった気がしました。
最後はグッときちゃいました。
Posted by ブクログ
温かくて優しい本です。
読んでいると祖母との記憶が蘇ってきます。
どんなことが起こっても「こんなことは私の致命傷にはならない」って、自分に言い聞かせる。とても強い言葉で、胸に響きました。何かにぶつかった時は思い返します。
Posted by ブクログ
庭やまいのお気に入りの場所を想像しながら読んでいました。おばあさんはソフィーを想像しながら。楽しくさらっと読めました。みんな生きてりゃいろいろある。と思いました。
Posted by ブクログ
学校の中でうまく立ち回るのをやめてみたまいは、しばらくおばあちゃんのところで過ごすことに。ママに「生きにくい子」と言われるまいはおばあちゃんの元で魔女修行を始める。シンプルに暮らすおばあちゃんにジャムの作り方を習ったり花や草の名前を教えてもらったり。
人は死んだらどうなるのか、私も子供の頃何回も父に聞いたなぁ。
おばあちゃんがそうなったとき、ちゃんとまいに教えてくれた。
まいがおばあちゃんのことを大好きなこと、ちゃんと知っていますよ。そしておばあちゃんの魂はちゃんと脱出しましたよと。
Posted by ブクログ
とてつもなく有名な作品、このタイトルと始まりの1文だけは幼い頃から知っていました。それを大人になって改めて読んでみましたが、まず文章の美しさに感嘆します。西の魔女、おばあちゃんの家での暮らし、その生活の青々とした豊かさが情景として浮かぶようでした。ただ暮らしがそこにあるだけなんですけど、やっぱり文章で彩りを加えられることの素晴らしさを感じましたね。さすがの名作。幼い時にこの本を読んでいたらきっと文章がもっと好きになってただろうなぁと思います。こういう豊かな知識と語彙力、創造せいに富んだ文章は昔の作品の特徴ですよね〜昔の名作はこの文章力という点で評価が高いものが多い気がします。特に子供向けの作品では顕著な気がします。日本人の書く文章の素晴らしさをこういう所から知っていけるのはとてもいいですよね。
内容としては中学生の不登校になってしまった子がおばあちゃんの家に暮らすという話なのですが、終わり方がとっても好きですね。おばあちゃんは本当に魔女だったのかなと思える、希望のある終わりは亡くなった悲しさのあとの前向きな気持ちを与えてくれます。
名作とよばれる所以が分かりますね。短編集も良かったです。主人公が大人になった姿も見てみたくなってしまいました。
Posted by ブクログ
すてきな物語としか言いようがない。有名な作品すぎて逆に読まずにいたけれど、どうせ読むなら書き下ろしの短編も収録されたこちらにしようと決めていた。本編はもちろん、「ブラッキーの話」「冬の午後」「かまどに小枝を」の短編たちも本編のやさしい余韻を広げてくれていてほんとうによかった。それにしても梨木香歩が書く自然のうつくしさや、空気の温度や、光の加減はすばらしすぎてうっとりしちゃうな。
Posted by ブクログ
中高生に薦める本として上位に上がっていることは知っていた。読んでみると確かに10代で読んだらそれなりに影響を受ける名作と感じた。45歳の私が読んでもいいこと言ってるなあ、と思うのだから。
決めるのはいつも自分。これは何かあるときは思い出したいワードだ。
Posted by ブクログ
一度は読んでみたいと思い手に取りました。
まいの繊細な心情が僭越ながら私と重なるところがあり10代の時に読んでいればなぁと思いました。20代の今読んでも、心に響くものはありました。おばあちゃんとまいの魔女修行、それを通してまいが成長していく様子に私も、明日も頑張ろうと思えます。
中学3年の時に同級生が「西の方向に魔女がいるんだって」と言っていたことを思い出しました。何を言っているのかと呆れていましたが、気づいたら掃除の時間になると西側の窓を見つめていました。
今思えば、その子はきっとこの本を読んだのかな。
Posted by ブクログ
題にもあるように、物語の結末は薄らと分かりながらも進んでいく物語。
学校に馴染めない少女が社会に生きていくための力をつけていく成長を魔女修行とし、頑張る姿は健気であった。
魔女が死んでからのその後の物語もある作品集でした。最後だけが魔女視点で描かれている。