小説・文芸の高評価レビュー
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千早さんの紡ぐ世界はやはり繊細で、儚くて、胸がきゅうっと締め付けられるような切なさを覚える。
銀の山を舞台に、間歩で生きる男たちと、それらにどうしようもなく惹かれながらも、女であるために同じようには生きられないウメ。
どの人物もぶっきらぼうながらも愛に溢れていて、とても魅力的だった。
長く生きられないと知りながらも、間歩に入り銀を求め続ける銀堀たち。
夫が死ぬたびに他の銀堀のもとに嫁ぎ、男が生まれればまた間歩へと送り込む女たち。
銀の山で命を繋いでいく覚悟や強さが物悲しい。
子猿のようだったウメも立派にその環の一端となったことが、嬉しいような、切ないような。
千早さんは色や香りの表現が美 -
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辻村さん作品初めて読みました。
読みやすく、引き込まれる内容ですらすらと読めてしまいました。
ドラえもんに出てくる道具を題材に物語は進んでいく。ドラえもんという身近な存在が小説というハードルの高さを一気に下げてくれているなとまず思いました。
当方もドラえもんはよくコミックスで読んでいたことから知ってる道具達が話に出てきて、なるほどこの未来の道具達を現代においてこう解釈していくのかと驚かされるばかりでした。
物語の迎える結末も納得のいくものだったと同時に、
ネタバレの瞬間はミステリーが謎解かれたあの爽快感を味わわせてくれました。
今まで未読だったのを後悔したほどです。
好きな本として勧めたい。
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特に『杜子春』『蜜柑』『トロッコ』が好きだ。
『杜子春』は、人情を捨てず、正直に生きるということの大切さを語っている。
困窮した若者の杜子春の前に仙人が現れ、お金持ちにしてくれるも、豪遊して使い果たしてしまった杜子春は、再度会った仙人に「仙人になりたい」と頼み込む。仙人は了承、修行を言い渡し、杜子春も良いところまでいくが、最後に両親を想う気持ちから修行は失敗し、元の困窮した状況に逆戻りする。
仙人から「これからどうする」と問われた杜子春はこう言う。
「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」(p66)
お金でも仙人の超人的な力でもなく、ただ正直に生きることを願うようにな -
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心よりご冥福をお祈りいたします。
未来と過去を手紙を通じて繋がる話。
1つ1つの物語が丸光円と雑貨店を通じて繋がっていくところ、悲しい出来事でもそれがきちんと残されていくこと、読みながら心が温かくなり不思議な世界ながらもその世界に引き込まれていきました。
それぞれの伏線が回収されていくたびに、
ああやっぱりかぁ、うわぁ、
といった感情が掻き立てられましたが最後の手紙の場面では、
これもちゃんと意味があったの!?
みたいな気持ちの高ぶりが最高潮に達しました。
どんな助言を受けても自ら考え、その出した答えを信じ行動する気持ちがないと何も生かせない。
この奇跡のような体験を通じて彼らの未来もき -
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単行本は1968年刊、森茉莉65歳の時のエッセイ集。もとは「熊本日日新聞」連載。
父・鷗外のこと、子どもの頃のこと、最初の結婚のこと、パリ時代のことなど、各3ページのミニエッセイが110篇。ミニだから、容易に読めそうだが、そうではない。後半にゆくにつれて、スノッブな書き方(カタカナのフランス語やドイツ語が頻出)になり、(たぶんわざと)意味のとりにくい書き方をしている。ふつうなら放り出すところだが、内容はおもしろく、意味深なだけに、そうもいかない。それに、文豪・鷗外の娘だもん。
森茉莉(1903-87)。17歳の時に10歳年上の山田珠樹と結婚。山田はパリに留学するが、1年して、茉莉も(2歳になる -
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劇的な展開や息をのむようなスリルがあるわけではないのに、読み終えた後には何物にも代えがたい大きな学びと、温かく深い充足感が残っていました。一つの壮大な旅を最後まで共に見届けたのだという静かな達成感が、胸の奥をそっと満たしてくれます。
物語の終盤、松本先生からの手紙を読むシーンで流れた涙は、ポロポロとこぼれ落ちるような激しいものではなく、心の底からゆっくりと溢れ出してくるような、とても温かなものでした。言葉という果てしない海を渡るための舟を編み続けた人々の情熱と、そこ注ぎ込まれた途方もない時間や思いが、一文字一文字から伝わってきて胸を打ちます。辞書を一冊作り上げることがどれほど大変な営みである -
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面白くてシリーズ一気読み。読み終わるのが寂しくなる作品に出会えて感謝です。
箱根ランナーではあっても、その後実業団にはすすまない人のリアルを描く。仙波千早がんばってるなぁ。と母の気持ちで読んだ。
学生スポーツの【その後】を描く力量に、漫画ハイキューに通じる感動があり、大人としてはそちらに心を動かされた。
かなり緻密な取材をもとにして描かれた無観客東京オリンピック、選手村の舞台裏。2021年から5年経過した現在、あの頃の報道、なんともいえない空気感は忘れてしまっていたが、リアルに思い出すことができた。
改めて東京オリンピック、残念だったなとも思った。
作中で早馬28歳、春馬27歳とあり
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