【感想・ネタバレ】アーモンドのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月01日

本屋さんでたまたま手に取って軽く読んで興味が湧いたので購入した『アーモンド』、読み始めたら止まらなくて2日間で読み終わった。

感情を感じることもできず他人の感情も読み取れないユンジェがゴニとの関わりの中で成長・変化していく様子がとても自然に描かれていて読みやすく、次々とページをめくってしまった。
...続きを読むゴニは不良少年だけど本当は弱くて優しくてかわいい男の子だということを、ユンジェの目を通して読者の私は感じることができた。
何も感じられなかったユンジェは、ゴニのことを知りたいと思ったのをきっかけに少しずつ変わり始めた。ゴニは、自分のことを決めつけないユンジェと友だちになりたいと思うようになった。感情が乏しいユンジェと激しい感情を持つゴニ、客観的に見るとユンジェが一方的にゴニから感情とは何かを学ぶ図のように見える。でも実際はそうではなくて、ゴニもユンジェから学んだり、ユンジェに救われたりしていた。
針金のところへ向かったユンジェは「友だちを助けるために恐怖に打ち勝って」その場へ来たわけではないけれど、「友だちだからゴニを探す」という自分だけで決めた固い意思と、「ゴニに申し訳ないと伝えなければいけない」という、"申し訳なく思う気持ち"を持ってきた。
ドラのことを好きと思う気持ちも、ゴニとの関わりがなければ生まれなかったのだろうな。印象に残る女の子だな、程度で終わってしまっていたのかもしれない。

嘘や忖度のない物言いだから信じられるということ、たしかにたくさんある。ゴニがユンジェに告白した本音のように、「何も感じなくなればいいのに」と思うことは生きていると結構ある。こんなこと言ったら嫌がられるかな、あの人の機嫌が悪いのは自分のせいかな、他人の感情を気にしすぎたり共感しすぎたりして疲弊することもある。淡々とこなしたい場面もたくさんある。でも感情がなかったら物事がただの結果でしかなくて、流れる景色のように次々と出来事だけが通り過ぎていって、自分の中には何も残らなくなってしまうのかもしれないな。
うまくまとめられない.....。

ユンジェのお母さんとおばあちゃんが通り魔に襲われた場面はすごくつらかったけど、だからこそお母さんが生きていてくれてよかったと心から思う。眠っていたユンジェの心が活動を始めたとき、お母さんがこの世界にいてくれてよかった。
ロボットだとかサイコパスだとか、「心がない」と言われてきたユンジェがゴニの心を動かした、こんなにすてきなこと無いなあ。

※過去に別のところへ載せていた感想をコピペ。

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Posted by ブクログ 2024年02月24日

ネットでおすすめされていて手に取った。人の感情が理解できないという主人公、という設定が、その前に読んだ、「コンビニ人間」と少し似ている。でもこちらはいわば青春小説で、主人公は成長の途中にある。
韓国語の翻訳なので、作者本人の文体とはまた少し違うんだろうけど、本当にものすごく読みやすい。ぐっとくる表現...続きを読むがたくさんあって何箇所もメモした。ここで自分がお伝えしてしまうのがもったいないくらい素敵なので、ぜひ読んで確かめていただきたい。
辛いことがあったとき、「感情のスイッチを切って、楽になりたい」と思うこともあるけれど、感情や情緒というものは、本当に不思議だ。それがなければ得られない喜びもあるし、それがあることで過剰なダメージを受けてしまうこともある。
感情がわからず、でも愛を受けて育ってきた主人公ユンジェと、愛を知らないまま育ってきて感情むき出しのゴニが、少しずつ関係を深めていく過程が、とてもよくて、ずっと心の中に残っている。
あまり本を読み返すことはないけど、これはまたいずれ読むことになるだろうなと思うし、子どもがこれを読める年齢になったら薦めたいと思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

久しぶりに小説を読んだ。
そして、久しぶりに感じたこの気持ち。
私の表現したい気持ちをこの本は文章として表現してくれている。読んでよかった。

内容は、
人の頭の中にアーモンドみたいな形をした扁桃体と呼ばれるものが、耳の裏側から頭の奥深くにかけて埋め込まれている。
外部から刺激を受けるとアーモンドが...続きを読む反応し、恐怖・気持ち悪さを感じ、好き・嫌いの感情が生まれる。
主人公ソ・ユンジェは生まれつき扁桃体が小さく、大脳辺緑系と前頭葉の間の連絡がうまく行かない
周りがどうして泣くのか笑うのか、喜び・悲しみ・愛・恐怖・共感がわからない=表現できない

そんな主人公と、
突然親と離れてしまい不良少年になってしまったゴニとの成長物語。

表現がシンプルゆえに突き刺さる言葉。
どんどん物語に引き込まれる。
人の気持ちを知りたいと思った少年と愛を知りたいと願った少年。
2人の物語。
友情、愛、共感、競争、たくさんのことが詰め込まれている。
なんか、すごく心が動かされた。

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Posted by ブクログ 2024年03月21日

愛について。
感情や共感について。

読んで本当に良かった。

感情(特に恐怖)を司る扁桃体(アーモンド)が小さく、普通の人の「感情」が分からない。だけど誰よりも感情について敏感で、興味を持っている少年。

感情を「怒り」という方法でしか吐き出せない。自分の感情をうまくコントロールできない。
けれど...続きを読む、本当は誰よりも優しい心を持った少年。

衝突しながらも、徐々に2人が心を通わせていく姿に胸を打たれた。
ラストの残虐なシーンでは、情景が目に浮かび、本当に怖かった。ハラハラした。涙が出た。
ページを捲りたい気持ちと、捲りたくないという気持ちで葛藤しながらも、一気に読み終えた。


パン屋のおじさんが何気なく見ていたテレビに、少年が疑念を抱くシーンが、非常に心に残った。
「普通の」人々が、遠い世界の惨事に抱く感情は、結局、「他人事」であり、「無関心」なんだと改めて気付かされた。
そんな世界を変えたいと思ってたのに、「普通の」人になってる自分に嫌気がさした。


終始考えさせられる、良い本と出会えたなぁ。


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Posted by ブクログ 2024年01月30日

以前読み始めた時はなかなか前に進まなくて途中で止まっていたところ、2年ぶりくらいに読み始めたら面白くて、読むのが止まりませんでした…。
感情がないユンジェが、お母さんとおばあちゃんから自分の知らないうちにたくさん愛をもらい、みんなが見えない本質を気づかないうちに感じていたところに胸がギュっとなった。...続きを読む
周りから見たら荒れているゴニは繊細で人に共感をしていて、本当はいい子なんだと感じていたのは、ユンジェがたくさん愛をもらっていたからだと思う。

淡々と進みながらもぐっとくる箇所が多くて、他の作品も読んでみたいなと感じた!
またユンジェが感じる本の世界がとっても素敵だった!

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Posted by ブクログ 2024年01月20日

もっと早く読むべきだった、と思うくらい良かった。
“感情”が分からないユンジェと激しい感情を持つゴニ。
水と油のような二人が互いに影響し合って徐々に変わっていく。
微笑ましい過程のはずなのに、どこか切ない気持ちにさせる。
ユンジェ目線で語られる文章には一切の無駄がない。
感情を排した分だけ読みやすく...続きを読む、誰とも共感できない彼の感覚を表現しているようだった。
でも、彼が本の魅力を語る場面は好きだった。
ホントそのとおりだと思ったから。

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Posted by ブクログ 2024年01月14日

とても気になっていた作品。

本に関する描写でとても素敵な箇所がたくさんあった。主人公の母が開いた、夢の古本屋、そこで出会ったたくさんの物語、違う人生。
本の魅力、心から共感。映画やドラマ、漫画とは違って、自分が読みたい速度で、その世界に入りたい時に、好きな分量だけ入ることができる世界。自分の生きて...続きを読むきた、経験してきた人生によって感じ方が変化し、何度でも読み返したくなる本。恐ろしい人間たちや汚い人間社会への皮肉、スリル、SF、ありえない世界、外国の街中、違う時代の中、どこへでも飛べる、どこへでも旅立てる、本の中に入り込める。
親に一番感謝していることの一つは本を与えてくれたこと。読書の楽しみを邪魔せずにいてくれたこと。


本書のストーリーは、救いと、ものすごい残酷な出来事、身を切るような辛さが交互に来て、著者はさすが映画の作り手というだけある。

最後に生き延びたことは奇跡だが、『一度死んだ』のは、それまでの『感情』を感じられなかった主人公であり、本当に死んだのかと思ったが、助かっていた。

ただ、彼の行動を賞賛はできない、ゴニのような不良と関わらなければ、彼を探しにいかなければ、命の危険には遭わなかった。危険を察知できない彼だからこその行動。祖母と母が存命であれば起こらなかっただろう出来事。両手をつないで離さないでいてくれていた肉親に起きた惨事に対しても淡々とした感情。目覚めた彼に、苦しみが一気に来るのではないか。それも含めての人間ということなのだろう。

ゴニと出逢わなければ主人公の成長や生まれ変わりとも言える体験はなかった、少なくともこのお話の中では。彼の父も病床の妻のところへ不良息子の代わりに主人公を連れて行って、たいがい自己満足の塊では?その後息子がその子をいじめるというところまで考えが及ばなかったのか。その後の接し方も全く間違っていて、怪物を生み出すという、体面重視が招いた愚かな物語。主人公のあたたかい家庭との対比。最後にもう一度向き合ってみると言っているが、根本的に合わない親子は離れた方がいいのではと思った。

肉親ではなく、友人や出会っていく人たち、恋人、そして自分がつかみ取り新しく築いた家族の方が大切になっていく。彼らのおかげで日々が豊かになり、悩みも頻出するが、心の支えを増やしていく。
それが成長であり、親離れ。本作は極端すぎるけれど、大切な人たちのことを思う。いずれわが子がその段階まで成長した時、この本を紹介したいと思った。

短めながら、心をかき乱された作品。

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Posted by ブクログ 2023年12月14日

涙とともに読み終え、私にはしっかり感情があるんだ、あって良かったと思った。

アーモンドのような扁桃体が生まれつき小さく、感情を持たず、相手がなにを感じてるかもわからない主人公。

目の前でお母さんとおばあちゃんが殺されても無表情だった。

そんな主人公が人との出会い、成長によって変化していくお話。...続きを読む

「アルジャーノンに花束を」を思い出した。

普通と言われる人間が本来持っているもの(知能や感情)を一生知らないままで生きていくことと、知ること、どちらが幸せなのだろうか。

知らない幸せ、もあるかもしれないが、私は知った方がいいと思う。
なぜなら、辛いことや現実を知ることで人間としての深みが増していくから。

この主人公は、感情を知ることで今までされてきたことの全ての感情を一気に理解し、壮絶な苦しみを感じると思う。
だからこそ、人の辛さや苦しみを理解し、より一層周りに優しくなれるのではないか。


あとがきから
「ちょっとありきたりな結論かもしれない。でも私は、人間を人間にするのも、怪物にするのも愛だと思うようになった。そんな話を書いてみたかった。」

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Posted by ブクログ 2023年12月06日

感情のない少年に友達ができたことがまず劇的。人との関わりのなかで少年は感情を取り戻していく。
人との関わりってやはり人間を成長させるものなんだな。辛いこともあるけど、、。とても良かったです。

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Posted by ブクログ 2023年11月12日

近年韓国文学が流行っているみたいなので、興味を持って手に取った。
感情のない人間の考えていることは、全然想像がつかなかったが、この本を読んできっとこうなのだろうなと納得した。
まだまだ理解できないところもあるけど、ある意味それこそが自然なことのように思えた。
感情を持ち始めたゴニの、私たちのような所...続きを読む謂「普通」の人に対する疑問は心に刺さった。
この本では、「普通」から見たら良い人が残酷に見え、悪そうな人が良く見える。
「普通」は必ずしも正しくないし、そもそも「普通」なんていうものは存在しない。
ゴニのキャラクターは本当によかった。

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Posted by ブクログ 2024年04月19日

良かった。ユンジェの特異な体質が、まったく普通に感じた。彼と彼の家族の努力によるものかもしれないが。

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

今回はなおなおさんに教えて頂いたK文学です。
本屋大賞とってるのも全く知りませんでしたが、
韓国文学はやはり日本よりもあっさりとした文体なのがいつも印象的です。日本の良い所でもあるのですが情緒感が強いのが日本文学の象徴な気がしてます。
本作をもし日本の作家さんが書かれたとしたら主人公ユンジェを取り巻...続きを読むく様々な事件や感情などがよりエモーショナルになっている気がしますが、題材的に淡々と書かれている方が感情を持てないユンジェの臨場感が増して良かった気もします。

表紙で分かるように、ユンジェは生まれ付き脳の扁桃体が小さく、人間の持つ喜怒哀楽どころか恐怖心までもが抜け落ちています。家族への愛や友人への愛、恐れすら分かりません。
熱い鍋の恐怖が分からず火傷をしそうになる程。
父親はおらず、母と祖母がユンジェが普通の人達の中に入っても苦労を少なくする為に、愛情を持って検診的に教育してくれます。
外に出る時は必ず手を強く握って歩いてくれる母。この手を繋ぐと言う行為の意味も彼は分かっていません。
母親が営む古本屋で仲良く暮らしていましたが、ユンジェの誕生日に3人で外食をしに行った際にとある事件が…。

この後に母の手を握るユンジェの姿を見て、確かに母の愛は伝わっていたのではと感動したものですが、その後の出会いがユンジェの運命を劇的に変えて行きます。

感情が分からない彼は周りの普通の人からは「怪物」のように見えてしまいます。陰口を言われても平気、殴られても動じない、そんな彼に勿論友達はいません。別にそれに対して何の感慨も湧きません。
一見、羨ましい事にも思えますがやはり喜怒哀楽が人生のスパイスですし、悲しいから嬉しい事もより有難く思えますし、何より恐怖心が無いという事は身の危険にも関わります。

ユンジェ自体は悩みも持てないので葛藤したりなどはしないのですが、逆に早や15歳位で人生に失望してもがいている少年が出てきます。
このゴニとの出会いが彼の運命を揺り動かします。

ユンジェも確かに大変なのですが家族含めて周りの助けてくれる人達に恵まれており本当に良い人なので、むしろゴニの方が大問題に見えました。

韓国文学は割と社会問題を風刺したものが多いとなおなおさんに教えて頂きましたが、確かに冒頭の方で貧富の差が激しい韓国社会の問題を提起したエピソードが出ては来ますが、本作は単純に愛の物語に感じました。
家族愛、友情、恋愛、全ての愛についてです。

最後の方でユンジェがゴニの為にとった行動は、例え恐れを知らぬ身であったとしても間違いなく愛です。怪物のユンジェだからこそ見返りを求めないその行動に感動しました。
実際に巻末の作者の言葉でソンさんが「人間を人間にするのも、怪物にするのも愛だと思うようになった。そんな話が書きたくなった」と子育てをきっかけに思ったことを仰っていました。

久々に爽やかな世界観に入り込んだので上手く感想が書けませんね。いや、普通の基準で言うとこれも爽やかではない気がするなあ…。
でも読後感は非常にスッキリ!三ツ矢サイダーを一気飲みした後のような気持ちになれます。
(一気飲みは拷問の類か…)

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Posted by ブクログ 2024年04月11日

愛が人間を育てる物語。
あんまり文字数が多くない割に、しっかり感動できたし、ユンジェを濃密に味わえた。
主人公のユンジェは初めお母さんとおばあちゃんに言われたように、目立たないようあまり喋らずに生きていた。でも物語が進むにつれてたくさんの愛のある人たちと関わり、自分の言葉で話したり自分の意思で行動す...続きを読むることで、心が育っていくのが読んでいて感動した。
そして、結末はもちろんのこと私は作者の言葉に大号泣。読む人は最後の1行まで見逃さないで欲しい。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

扁桃体が他の人よりも極端に小さく、他の人の感情、自分の感情がわからない1人の少年が感情豊かで自分を強く見せようとする少年と出会い成長していくお話。感情がわからない人の気持ちを客観的に読めて面白かった。大切な人と真摯に向き合うことの大切さを教えてもらった。

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Posted by ブクログ 2024年02月29日

感情を表に出せない少年。彼は周囲の無理解の中成長していくが。
本書の出来事が対岸の火事に思えなかった。
疑問に思った事を考え続けるのか、それとも放棄してしまうのか。ここに本書の問いかけがある。理解できない人間には偏見と差別の目を向け続ける。それで良いのか。
考えること、疑問に思い、問い続ける事。大切...続きを読むなのはそこなのだ。
悲しく切ない。けれど読後にはささやかな爽やかさが残った。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

感情とは⁡
⁡⁡
⁡ってな事で、ソン・ウォンピョンの『アーモンド』⁡
⁡⁡
⁡何を書いたらええんじゃろ。⁡
⁡⁡
⁡感情の無い感覚とはどんな感じなんじゃろう。⁡
⁡⁡
⁡自分の感情もちゃんと分かって無いのに、人の感情を知りたいと思うのは何でじゃろ。⁡
⁡⁡
⁡結局、人の感情なんて分かりきれるものじゃ...続きを読むないのにね。⁡
⁡⁡
分かりやすい人より、解り難い人の方に興味が湧くのはなんでじゃろ
⁡⁡
⁡そんな人の感覚を知りたいとよく思うんよ。⁡
⁡⁡
⁡結局は分からんけど
⁡⁡
⁡本の内容はグッときたとしか言えんかな。⁡
⁡⁡
⁡ユンジェ、ゴニ、ドラ、みんな好きなキャラじゃった。⁡
⁡⁡
感情の無いストレートな言葉には恐怖や不安も無い分、心に刺さりやすいのかなっと。⁡
⁡⁡
⁡ソンさんの他の本『三十の反撃』も読んでみたいな。⁡
⁡⁡
⁡2022年25冊目

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月26日

感情の無い主人公が、周りの人たちとの関わりの中で、成長して行く姿にとても感動しました。
感情の無い主人公の視点で、世界がどのように見えるのかが細かく描かれており、より主人公への理解を深めることができました。
感情とは何かが全くわからないのに、感情を得ようと努力を続ける姿は、本人には理解できなくても、...続きを読む人の心を動かしている、自分にはわからなくても伝わる物があるだなと感じました。

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

悲劇を受けたユンジェがゴニやドラ達と出会い、友情や愛を知り、傷つきながらも、成長していく姿に引き込まれました。今後の人生をより良いものにしてほしいと心から思います。

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Posted by ブクログ 2024年01月21日

ソン・ユンジェは、感情がわからない、でも感情がないわけではなく、優しさも初めから持っていたのだと思った。
そして、周りの人達のおかげで、ユンジェは成長していく。知識や技術は1人でも成長させることはできるかもしれないけど、感情は、決して1人では成長できない。周囲の人たちや環境が、とても大切だと思った。...続きを読む


印象に残った場面

“担任の先生が、皆の前で事件について話し、なにをしてあげたらいいかと聞かれた時に大丈夫ですと答えたのは間違えだった。「放っておいてもらえると助かります」と言うべきだった”

この先生のようなことは意外としてしまいがち。そして、それに対して放っておいてほしい、と思うこと(人)もたくさんあると思う。真の優しさとは…を考える。



“ドラの髪がユンジェの顔を打った。「ごめん」とドラが言い「いや」と僕が答えた。胸がつかえて声が裏返って出てきた。”

ユンジェが恋をしたことが、とても嬉しかった。
自分の症状を、国語辞典で調べようとするところがかわいかった。
そして、シム博士が、話を聞いてくれる場面がとても良かった。恋だと気づいても、それを恋だと博士が言いきらなかったところや、ユンジェに心を教えてくれたとこ。

“「僕はその子のことが好きなのでしょうか」
「さぁな。それは君の心だけが知っていることだよ。」
「心じゃなくて、頭ですよね?何でも、頭の指示に従っているだけなんですよね」
「それはそうだけど、私たちは心って言うんだ」”

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

人の気持ちを理解することと人を愛することは別なのだと思った。人を愛することって意外と単純で簡単なのかも。

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Posted by ブクログ 2023年10月10日

 2020年度本屋大賞翻訳小説部門1位に選ばれた本です。主人公のユンジェは、感情をつかさどる扁(へん)桃体(とうたい)(アーモンドのような形をしている)という器官が生まれつき人より小さいため痛いときに泣いたり、楽しいときに笑うことができない少年でした。彼の母と祖母は感情と事象をイコールで結び付け、普...続きを読む通の人たちの中で彼が浮いてしまわないように、暗記させていきました。ある日、彼の目の前で祖母と母が通り魔に襲われてしまいます。血だまりの中泣くことも、叫ぶこともなく立ち尽くす彼の姿は、周囲の人から見れば異常でしかありませんでした。
ひとりぼっちになった彼はあることをきっかけに、ゴニという激しい感情を持つ少年と出会います。この出会いをきっかけにユンジェは少しずつ変化していきます。
赤ちゃんは言葉を発することができないうちから親の顔を見ることで感情を覚え、共感教育により自然と感情を身につけていきます。何かを思うこと、感じることは私たちにとって当たり前のことすぎて「感情」がなければどのような問題があるのか考えもつきませんでした。しかし、この本を読むと「感情」の重要さを実感します。いちばんその役割を感じるのは人と会話をする時ではないでしょうか。相手の発した言葉の真意を読み取り、相手が求める返しをするためには「共感」することが必要です。でもその「感情」がなかったら。。。
この本を読んで、ユンジェに「共感」することは、私たちにとってとても難しいことなのかもしれません。

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購入済み

「コンビニ人間」を想起させる

2020年07月27日

「共感能力の低い主人公」と「"普通"を理解しつつ、そうは振る舞えない社会不適合者」との交流は村田沙耶香著「コンビニ人間」を想起させる。作者のソンウォンピョンが「コンビニ人間」の作者と同世代の同性であることも興味を引く。

 日本の「コンビニ人間」は、ああいった結末で芥川龍之介...続きを読む賞を受賞したわけだが、韓国の「アーモンド」はどういう結末を用意しているのか?

 純文学と、エンタメ小説との違いがあるから、どちらがどうとは言えないが、私はコンビニ人間の終わり方が好きだった。ただ、この本のような終わり方を好む人も多いだろうなとは思う。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

感想
感情がわからない。でもそれは誰でもそう。相手がなにを考えてるかわからなくなる時がある。人間なんて不器用。支え合って生きるしかない。

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Posted by ブクログ 2024年04月01日

扁桃体が生まれつき小さい
主人公の視点から物語が始まり、
淡々とストーリーが進んでいくので読みやすさを感じた。また他者を理解しようとする姿勢や、心境の変化などや成長過程も興味深く読めた。

訳者あとがきで、著者が語っていた
【人間を救うのは結局は愛なのではないか】
内容も含めて昔読んだ【アルジャーノ...続きを読むンに花束を】を少し連想させた。

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Posted by ブクログ 2024年03月21日

ユンジェとゴニは対極にあるようで実は似ている。 2人とも愛を知らない。

だからこそ余計に愛という概念へのあこがれや要求度が高いのではないか?
そして周囲の軽く無責任な愛や共感が許せないのではないか?

そんな2人を純粋だとも思うし危ういとも思う。

終わって始まった物語が喜劇ではなくとも悲劇でな...続きを読むいことを願う。

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Posted by ブクログ 2024年02月12日

スピード感はあったけど、終わり方がしっくりこないかも。
とにかく2人の化け物の心・感情の細かい移り変わりが、美しかった。

優しすぎる弱い化け物
心に鈍感だけど誰よりも心に関心を持つ化け物
そして、それ以外の人間が心にもつ化け物

2人の物語は正解なのか?
その問いの答えは出なかった。
でも、2人の...続きを読む人生が互いに出会ったことで大きく変わったから、人間っていいなと思った。

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Posted by ブクログ 2024年01月30日

初めての韓国作品。目の前にある現実から目を背けず、自分なりに考えて、向き合って成長していく少年の姿はかっこいいなと思いました。

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Posted by ブクログ 2024年01月25日

『実際の話、どんな物語でも、本当のところそれが悲劇なのか喜劇なのかは、あなたにも僕にも、誰にも永遠にわからないことだから。そんなにすっぱり分けることなんて、初めから不可能なのかもしれない。人生は、そのときそのとき、いろんな味を味わわせてくれながら、ただ流れていく。』

感情が豊かなゴニと感情が分から...続きを読むないユンジェ2人の成長していく過程に心打たれた。共感しようとすること、相手の気持ちを考えること=愛というメッセージがすごく伝わってきた。

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

ずっと気になっていた本。やっと読めて嬉しい。
ハッピーエンドですごく良かった。
遠ければ遠いで共感できずに近すぎても怖くて何もできないってのがすごく心に残った。
とても読みやすくてサラサラ読めた。けど蝶々のシーンとかすごく酷く感じた。あとがきにもあったけど、ユンジェが物事を客観的に捉えすぎて婉曲的な...続きを読む表現が少ないからかーってとても納得した。
むかしは作者の後書とか読まずに飛ばしてたけど最近は作者の人柄とかを知った方が楽しめるなぁって思うようになった。

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Posted by ブクログ 2023年12月08日

ずっと読めないままいた本をやっと読破。
感情が無いからこそ、その理由を知りたくなる。幼い子供が、そのまま大きくなった少年の話。
感情的になるのは、成長の過程で身につくものかもしれないとも思わされた。
感動!という作品ではないものの、親子愛・友情、だけでなく、隣人の愛の大切さは伝わってきた。

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Posted by ブクログ 2023年10月24日

真逆の二人が出会い心通わせていく、最後は荒療法だが、明るい方向に向かっているので、良かったと思う。家族の愛、育てられた環境がその子の人生に大きく影響していることがよくわかる。

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購入済み

読むべき

2021年04月26日

読み終わった後に、考えさせられるずっと余韻が残りました。

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