【感想・ネタバレ】アーモンドのレビュー

あらすじ

【2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位受賞作!】“感情”がわからない少年・ユンジェ。ばあちゃんは、僕を「かわいい怪物」と呼んだ――韓国で30万部突破!「書店員が選ぶ今年の本」(2017)に選ばれた感動のベストセラー小説、ついに上陸! 扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳のユンジェは、目の前で家族が通り魔に襲われたときも、無表情で見つめているだけだった。そんな彼の前に、もう一人の“怪物”が現れて……。「わが子が期待とは全く違う姿に成長したとしても、変わることなく愛情を注げるか」――出産時に芽生えた著者自身の問いをもとに誕生した、喪失と再生、そして成長の物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

非常に面白い作品でした。
主人公の暗い展開から、ゴニが登場して、ゴニによる胸糞悪い展開が続いたが、2人の関係性の変化が非常に興味深かった。感情は言語化できるものが限られていると思っていますが、感情による社会形成は大きなものであるからこそ、難しいのだと感じた。

個人的には、バッドエンドのまま持っていっても良かったのかなと思いました。(否定しているわけではありません!)

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感受性が乏しいが愛を受けて育ったユンジェと、感受性豊かだが環境に恵まれなかったゴニ。友情を通してゴニは愛を、ユンジェは感情を獲得していく構図が美しい。
作中に登場したフロム『愛の技術』とサリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』が象徴的だ。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

感情を感じられない主人公がゴニという荒々しい少年に会って色々か感情に触れていくお話。文を追うごとに主人公のことを知りたくなっていく。彼には、普段私が置き去りにしてきた思いや疑問を淡々と口にする。そこにとても惹かれた。

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2025年11月22日

匿名

購入済み

何度も目に触れる機会があり、気になっていました。
すごい衝撃を受けました。すごく力強い文章だと思いました。女性の作家さんだと知り驚きました。ほんと話に引き込まれていきます。

#アツい #泣ける #感動する

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

生まれつき”感情を持たない少年”が
沢山の人と出会い、感情を取り戻そうとする物語

作中の多くの場面で、少年の優しさが伝わってきて、
色んなことを経験して、徐々に感情を知っていく過程を応援するような気持ちで読み進めました。

人の感情がわからなくて、不自由に感じることも多いはずなのに、諦めずに”相手の気持ちを理解しようとする姿”に少年の強さと自分を変えようとする勇気が伝わってきます。

「どんな人も変わることができる」と教えてくれた作品でした!!

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

ずっと積読にしていて読めていなかった本。

主人公は感情が感じられないけど主観が入らない分物事を公平に考えて人と接せられるし、喜怒哀楽が結びつかないからこそ感情が少しずつ増えるたびに形容詞が言語化されているのがすごくよかった。

沢山の愛情を受け取ってきた一方で感情がわからない主人公に対して、愛情を受けられなかった一方で感情豊かな友人のゴニ。主人公がゴニに出会え、ゴニが主人公に出会えて本当に良かった。最後号泣しながら読んだ。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

2025年31冊目『アーモンド』
韓国旅行を前に、韓国文学を読みたいと思って手に取った一冊。失感情症だけれど親の愛をたっぷり受けて育ったユンジェと、強い感情を持ちながらも愛情に恵まれなかったゴニ。対照的な二人が互いに学び合い、少しずつ変わっていく姿が心に残った。日本語訳がとても自然で、最後まで読みやすかった。

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2025年08月21日

ネタバレ 購入済み

話題のヤングアダルト……ということで読むのを後回しにしていたが読み出すと止まらず、遅読な私には珍しくあっという間に読了。感情を理解出来ないという主人公の語り口が淡々としており、不必要な描写がなく、結果的にかなり読みやすく仕上がっている。

いやあ……海外文学を読んでいると度々遭遇する理不尽な暴力に、誰も彼もがぶち当たって、そのたびに涙が溢れて止まらなかった。主人公は愛が理解出来ないというが、母や祖母の愛でもってよほど人間らしく育っていると思う。
偶々愛情と疎遠になってしまったゴニが周囲の人々によって怪物になろうとするのはどうにも痛々しく、悲しい。よくある事なんだけど、本来はとても素直な子供が環境に歪まされるのは、やっぱり辛い。
しかし同時に、大人になった自分はこういう子供達に向き合う事ができるだろうか?と考えさせられた。綺麗事じゃない。たぶん難しいだろう。共感ってのは人と違うものを避けるためにも使うから。
共感とはなんだ、助けない人々、遠巻きに見ている人々の気持ちとは、と考える主人公の言葉があまりに真っ直ぐで、読み終わってもまだ泣ける。
取り敢えずヤングアダルトらしいすっきりした終わりで私は救われた……。本当に良かった……。

#切ない #感動する #ドキドキハラハラ

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2024年08月13日

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生まれつき扁桃体が小さく、感情を理解することができないソン・ユンジュ
持って生まれた障害による、家族の愛、悲劇、出会い、
ちょっと変わった人との関わり、友情、愛、人間関係が主人公の言葉で
淡々と語られる。

ゴニ、ドラ、シム博士の出会いで
少しずつ変化していく主人公。

韓国作家さんの作品は初めてですが、
読みやすかった。
読後感もよかった

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

なんか、最後はとても良かったけど
読んでいる間、どことなく不気味で怖さを感じていた。
そういう感想って、あんまり正しくないのかもしれないけど。結構暴力の描写が少なくなくて、私には刺激強めだったのかな。

そしてそれにつられたのか、物語の上っ面というか表面だけを読み終わっただけな気がする。
珍しく翻訳ものだからなのかな?
韓国の小説は生まれて初めて読んだのだ。

再読しなくちゃな。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の終盤で「感情を取り戻すかもしれない」示唆が出てくる構成は、少しきれいすぎるし、
物語として“回収”されすぎているようにも感じる。
でも、それを予感として提示するだけで、
完全に説明しきらないところは、この作品の良心だとも思った。

語り口が一貫して淡々としているのも良かった。
泣かせようとしないし、
感情移入を強要しない。

この本を読む前私は
「共感って意味あるのかな」という疑問を持っていた。

人はそれぞれ違う世界を生きていて、
不幸に見える人が不幸とは限らないし、
無口な人にも、豊かな内面世界がある。

それを知ってしまうと、
手を取り合って生きること、分かり合うこと、
共感し合うことが本当に必要なのか分からなくなる。
共感は、救いにもなるけど、時にはただの“安心材料”や一時的な麻酔に過ぎないのかもしれない。

『アーモンド』は、
ただ、共感がなくても、人は誰かのために行動できる
という事実を静かに差し出してくる。

感情を持ち、愛を語り、怒り、恐れる、
“普通の人間たち”の方が、
残酷で、無自覚で、他人を傷つける。
一方で主人公の行動は、
恐怖がないからこそできた行動ではあるけれど、
外側から見れば「愛」に見える。

でもそこで問いが生まれる。
それは本当に愛なのか?
恐怖や損得や感情が伴わない行為を、
私たちは愛と呼んでいいのか?
だから読み終わったあと、
「じゃあ愛って何?」となってしまった。
本を読むことで知的好奇心が刺激されて
色々な分野に興味が湧く日々です、楽しい。

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰かに愛され、そして愛した。「愛」っていいなと実感した本

内容は、感情が生まれつき乏しい少年ユンジェの話。良かった所としては感情が豊かで持ちたくなかったと思う問題児ゴニとの対比がとてもいいなって思ったし、2人の友情がよかった。
1度、刺されて「感情がないユンジェ」は死んだけど目を覚ました時は「感情のあるユンジェ」に生まれ変わったのかなと読んでて思った。

あと個人的な話だけどこの後に「ライ麦畑でつかまえて」を読む予定だったから話にでてきて「え!」となった。少し楽しみが増えた笑

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

愛を持って生きていきたい、誰かを惜しまず愛したいと感じる作品だった。

実際に感情を持ちにくい人などは、ソン・ユンジェのように誰かと関わりたいと思うことがないかもしれないけれど、誰かに愛されたり、愛を伝えられたりしたらいいなと思った。

著者が映画にも関わる人だと知って、文章がより映像的に頭に浮かんでくることに納得した。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

2020年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位作品
当時話題になっていた作品でしたが、読まず嫌いで放置していました。もっと早く読んでおけばよかったと、今更後悔してます。
これは一気読みでした。とても良かった。
読んでいる間の自分の顔、どうなってたんだろう?
感情の置き場がむずかしくて、素直に読めばいいだけなのに、どうしても気持ちが入ってしまう。そんな作品です。
こんなにも愛おしい物語って、そう多くないと思う。
人は誰かしらから愛されていて、誰かに触れられることで、ようやく“自分”が輪郭を持つ。
登場人物それぞれの存在が、それを静かに、深く教えてくれる。
読んでいて何度も胸が締め付けられる。気づけば突然涙が出てくる。そんなふうに感情をぐちゃぐちゃにされる本でした。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語が面白く、一日で読み切ってしまうほどぐいぐい読めた。

主人公・ユンジュは感情がない。感情に大切な脳の偏桃体(アーモンド)が小さいから、らしい。
そのため淡泊な描写で主人公の幼少期から学生までの成長の過程を描いていく。
ゴニが蝶を苛めるシーンは読んでいてつらかった。主人公となかよくしたいだけなのに、うまくいかない。
ゴニは愛をもらったことがないから、そういったコミュニケーションしかできないのだ。
最後はやや駆け足であり、ある種のご都合主義感が否めなかったが、そういうラストであってもいいか、と思えるほどには彼らの幸せを祈って読めていた。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

脳の扁桃体が小さく感情が分からない少年ユンジェと、怒りと暴力の塊のようなゴニ。
二人が出会い、対話を重ね成長していく話。
文章が読みやすく、ユンジェの行く末も気になってあっという間に読み終えてしまった。

ユンジェの淡々と現実を受け止める姿は全くおかしくはなく、むしろ素直で微笑ましいし、シム博士とのやり取りでは知性も感じられてすごく好感が持てる。
その真っ直ぐさがあるからこそ、ゴニのことも偏見なく受け入れることができた。
一方、その無表情や無反応ゆえ人からは「怪物」と言われるユンジェ。
彼を何とかしようとする母の気持ちも痛い程わかる。
「平凡」「普通」であることがある意味めちゃくちゃ尊いっていうのは、子育てしたことある人なら理解できるんじゃないだろうか。
ユンジェに感情を教え込もうと必死な母の姿に、正しいことなのかは分からないけど、それも愛だなと強く感じた。

韓国の小説は初めて読んだと思う。
そもそも翻訳小説自体滅多に読まないが、思った以上に読みやすかったし、韓国の高校事情みたいなものにも少し触れられる(夜間学習みたいなのにびっくり)楽しさもあった。

著者のあとがきによると、「この子がどんな姿であっても、変わりなく愛を与えることができるだろうか。期待とまったく違う姿に成長したとしても?」と我が子に抱いた問いから生まれたというストーリー。
人に必要なのは何よりも愛なのだということを、一冊通して感じることができた。

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2025年11月06日

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ネタバレ

ユンジェとゴニ…真っ直ぐすぎる愛でお互いが成長していく姿が…何ていうんだろう…それこそ運命の出会うべくして出会えた2人だったんだなと思った。
ゴニはいい子だと思う。やりたくないような蝶の出来事とか、ユンジェのために教えようとしていたし、それも自分が傷つき?(辛い思いし)ながら。
最後はそれぞれの想像にお任せだけど、ゴニもきっとユンジェに再開して、2人はこれからも大切な友達同士として生きていくんだろうなと思ってる。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたかった本。
思った以上に読みやすかった。
感情がわからない主人公が、これは恋?という異変を見つけたところで感動してしまった。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

表紙の少年の顔から、冷徹で暴力的な主人公なんだろうなと感じ、読み始めた。
冒頭からささやかに暮らす家族の不幸が描かれていくけど、失感情症ながら観察力が鋭くて、読書家で、自らを切り開いていく力のある子だと感じた。でも最終的に人を変える力があるのはやっぱり人なんだと思わせてくれる作品だった。主人公はみんなの深い愛情で変わっていくけどゴニだって、ドラだって、ユン教授だって主人公によって変わって行けたから。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

韓国作家さんの作品を初めて読んだ。
泣いてしまいました。ゴニは良い子です。に。あと最後のゴニの手紙に。
ゴニに泣かされてるな私。
感情に振り回される事が多々ある中で、感情が無くなれば人生楽なのにと思った事があるけれど、他者と共感が出来なくなるという事は孤独な事。
でも感情が無ければ孤独という事も哀しくはないわけで。
ただこの作品を読んで、恐怖心が無くなるのは生きてはいけないのだなと。
ゴニが蝶々の羽を掴んで、それじゃダメだその痛みを自分のことのように感じないとみたいなことを言った時に、あー最近簡単に人に危害を加える犯罪者達はこの感覚がないんだろうなと。
最後本人生きてて母も目覚めてちょっとうまいこと行き過ぎな感はありましたが、読みやすくゴニの不器用さが琴線に触れる作品でした。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

100文字感想
ユンジェが生きていて、素敵な人たちに囲まれていて良かった。
人と人が違うのは誰もが同じで、そこを結ぶのは結局は「愛」。
簡単に語られる、どんな形の、どんな大きさの愛だって、
育むのは容易ではないんだろう。

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

ソン・ウォンピョンの才能に、ただただ惚れ惚れしながら読んだ。
とにかくテンポが良く、ユンジェの世界が可視化されるように読み進めてしまった。
感情のないユンジェの世界は、ネット社会で生きる私たちの環境と何ら変わりないと筆者は表現したかったのだと思う。そのモノクロの世界から恥肉臭のゴニに共感を覚えた瞬間、読む速度がヒートアップした。もっと共感したい。そういう欲求が読書で心が走った。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

韓国作品に初めて触れた小説でした。文化の違いから読みにくそうな印象がありましたが、かなり読み易く驚きました。なぜタイトルがアーモンドであのインパクトのあるイラストなのかすごく納得がいきました。
どうすることもできない苦い状況をうまく表現し、いつのまにか本の中に惹き込まれていました。読み終わった後はどこか優しい余韻に浸れる不思議な感覚になりました。
SFが好きなので韓国SF作品も読んでみようと思います。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

感情を持てない主人公の成長を描く物語。
感情を持ってないー、非行少年と思われているーいわゆる足りていないと思われている人こそ、意外と人として大事なものを持っているのかもしれない…。人として1番大切なものって何だろうと考えさせられる。良い作品だった。

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2025年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずしっと重たい
どこか傷を負った、傷つけられてきた人たちの
というかみんな何かしら傷を負ってて
傷ついてて。
それに抗おうとしたり受け入れてみたり
目を背けてみたり諦めたり。
それでもどこかで誰かと繋がっていたいと思う。
無謀なことだけど、確かに、何よりも大事な繋がりがあることを知っている。
誰にも邪魔されない確かなものが
そこにある。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感情が分からない&表現できない少年がいかに生きていくか…。ユンジェの周辺、若干物騒過ぎませんか?!と思ったけれど、極端に不安を煽ってくるわけでもなく、それらも淡々として伝わってきました。

『僕の頭の中のアーモンドは、どこかが壊れているみたいなのだ。刺激が与えられても赤信号がうまく灯らない。だから僕は、周りの人たちがどうして笑うのか、泣くのかよく分からない。喜びも悲しみも、愛も恐怖も、僕にはほとんど感じられないのだ。感情という単語も、僕にはただ実感の伴わない文字の組み合わせに過ぎない。』

韓国文学を読んだのは初めてでしたが、日本語訳が素晴らしいものあって、読みやすかったです。

2025.4

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2025年10月25日

匿名

購入済み

初っ端で衝撃的な展開で、一瞬置いてけぼりになったけど翻訳?がすごく丁寧で、普段小説読まない人でも読みやすいと思います。今の時代にもあってる。

#深い #タメになる #怖い

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2024年07月20日

購入済み

「コンビニ人間」を想起させる

「共感能力の低い主人公」と「"普通"を理解しつつ、そうは振る舞えない社会不適合者」との交流は村田沙耶香著「コンビニ人間」を想起させる。作者のソンウォンピョンが「コンビニ人間」の作者と同世代の同性であることも興味を引く。

 日本の「コンビニ人間」は、ああいった結末で芥川龍之介賞を受賞したわけだが、韓国の「アーモンド」はどういう結末を用意しているのか?

 純文学と、エンタメ小説との違いがあるから、どちらがどうとは言えないが、私はコンビニ人間の終わり方が好きだった。ただ、この本のような終わり方を好む人も多いだろうなとは思う。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生まれつき感情を持たないユンジェのことを悪く言うとき、人は「サイコパス」と言う。けれど、いわゆるフツーの人の罪とは言えない行動の中に「サイコパス」的な無関心さと残酷さを感じる。無実の級友を疑っておいて誰一人自分は悪くないと言ったクラスメイト、地球のどこかで起こっている戦争のニュースを聞き流す人、目の前でおきた事件を傍観する人。
人の心の中にある無関心と非共感は、生まれつき扁桃体が小さくて特別なユンジュとなんら変わらないんだなと思った。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

扁桃体が小さい故に失感情症の青年が主人公の物語。
一人称の心理描写がほとんどなく、感情移入・共感の余地なし。そこが良い。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

扁桃体(アーモンド)が人より小さく感情を感じることができない 16才の高校生ユンジェの喪失と再生、そして成長の物語。
感情を感じない主人公が周りの人々と関わりを持つなかで少しずつ感情らしきものが芽生える。特に、激しい感情を持つ少年ゴニとの出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく。残酷さの裏には愛がある…韓国文学特有なよい物語でした〜


「ばあちゃん、どうしてみんな僕のこと変だって言うの」
「人っていうのは、自分と違う人間が許せないもんなんだよ」
扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ無表情でその光景を見つめているだけだった。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記させることで、なんとか“普通の子"に見えるようにと訓練してきた。
だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。
そんなとき現れたのが、もう一人の“怪物"、ゴニだった。
激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく――。
「わが子が期待とは全く違う姿に成長したとしても、変わることなく愛情を注げるか」
―― 出産時に芽生えた著者自身の問いをもとに誕生した、喪失と再生、そして成長の物語。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

主人公のユンジェは失感情症で、自分の感情を認知して言葉や表情で表すことができない。

どんな時も無表情な彼は、周りからも気味悪がられます。

自分の気持ちさえわからないから他人の気持ちも想像できないし、相手の気持ちを汲み取って適当な言葉をかけることもない。

『ばあちゃん、どうしてみんなは僕のこと変だって言うの?』
『人っていうのは、自分と違う人間が許せないものなんだよ。』

一般的に円滑に見える人間関係というのは、「共感」というコミュニケーションの上に成り立っているのだということに改めて気付かされます。

同じベクトルの共感がないと、人同士はうまく付き合えないのかな。

私も普段何となく共感という相槌を多用してしまいがちだけど、果たしてそこにちゃんと本当の感情はあるのかな。

『ほとんどの人が、感じても行動せず、共感すると言いながら簡単に忘れた。
感じる、共感すると言うけれど、僕が思うに、それは本物ではなかった。
僕はそんなふうに生きたくはなかった。』

この便利な「小手先の共感」こそ本当はいちばん無表情なものなのかも。
シンプルにそんなことを、また考えさせられてしまったなぁ。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

残虐なシーンはあるけれど、内容は大人向けというよりは中高生の時に読んだ方が響く本。とても読みやすいが、フェミニズムや若者の生きづらさが最近のトピックである韓国文学を期待して読むと少し物足りないかも。映画化に向いている小説。

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

海外小説は読みにくいと感じることが多かったけどこの本は非常に読みやすい。無駄な言葉や文がなく淡々と書かれているからかな。
「ほとんどの人が、感じても行動せず、共感すると言いながら簡単に忘れる」 たしかに。蝶の場面のユンジェのように、共感してるようで実は自分事には捉えていない、自分と切り離して考えてて、それって共感なのか?っていうことあるよなぁ。

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2025年08月13日

購入済み

読むべき

読み終わった後に、考えさせられるずっと余韻が残りました。

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2021年04月26日

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