小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
最後まで読んで本当に良かったです
こんなの泣いちゃうよ(´;ω;`)
終盤は涙、涙、涙………
平家が滅ぶことは誰でも知っているのに、それでも生きていて欲しいと願ってしまうような展開でした
壇ノ浦の戦いってこんな感じだったんですね
これを中学生の時に読みたかったです( ̄▽ ̄)
もし読めていたら日本史がもっと好きになっていただろうし、古典ももっと好きになれたと思います笑
「見るべき程のことは見つ」
この有名な言葉の意味をこれほどまで深く考察したのは初めての経験でした
ただ教科書を眺めるだけでは想像できない歴史の深さを感じました
人の生き様が胸を打ちます…本当に感動しました
私も彼らのように最期 -
Posted by ブクログ
ネタバレエド、またやったのか…というところからの反転に驚いた。手記の矛盾を紐解いていくのがいい。
怪我人を看たり、死因が気になったりと、エドもクラレンスもダニエル先生の弟子なんだな、と感じるシーンが多かった。時おり解剖ソングが出てきて空気が和らぐのが嬉しくもあり、ロンドンで全員が揃っていたあの頃との距離も感じて切なくもあった。
エドがモーリスの前で仮面を脱ぎ、ナイジェルへの思いを自ら語るシーンが心に残っている。エドは三部作の主人公であり、わたしたちは彼が全てを背負ってしまう人物だと知っているけれど、彼が自ら吐露するシーンはそれほど多くなかった気がする。「愛という言葉には当てはまらないのに、愛と呼ぶ -
Posted by ブクログ
一人殺したら死刑になる社会になったお話
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ここは、人を一人殺したら死刑になる世界――。
私たちは厳しい社会(harsh society)に生きているのではないか?
そんな思いに駆られたことはないだろうか。一度道を踏み外したら、二度と普通の生活を送ることができないのではないかという緊張感。過剰なまでの「正しさ」を要求される社会。
人間の無意識を抑圧し、心の自由を奪う社会のいびつさを拡大し、白日の下にさらすのがこの小説である。
恐ろしくて歪んだ世界に五つの物語が私たちを導く。
被害者のデザイナーは目と指と舌を失っていた。彼はなぜこんな酷い目に遭った -
Posted by ブクログ
本書には、「夢十夜」「文鳥」「永日小品」の3つの小品がおさめられています。
「夢十夜」
人間の深層心理をえぐっているような、とても怖くてゾクゾクするもの(第三夜)もあれば、漱石の芸術観が表れていて興味深いもの(第六夜:運慶の彫刻)もあります。何度も読み返したくなる文章です。さすが!と思いました。
「文鳥」
漱石が執筆するときの“さらさら”というペンの音。文鳥の“千代々々”の声。静かな場面を演出していました。文鳥の観察がとても細やかで、文鳥を“淡雪の精”と表現しているのが素敵でした。漱石のちょっと不器用な一面や、もの悲しさが感じとれました。
「永日小品」
漱石の人柄を垣間見ることのできる随 -
Posted by ブクログ
今年読んだ本の中で、いちばん心を揺さぶられた一冊。30歳の女性死刑囚・幸乃の数奇な人生を辿る物語。
元交際相手の妻と幼い子どもたちを焼死させたとして死刑判決を受けた彼女は、執拗なストーカーというレッテルも貼られ、世間から厳しい目を向けられていた。本当にそうだったのか。読み進めるほど、その問いが胸に残り続ける。
幸乃が生涯求めてきたのは「人に必要とされること」。
つながりを渇望しながらも、誰かに迷惑をかけることを恐れ続けた彼女の姿が、胸の奥を静かにえぐってくる。
読みながら、私は幸乃の人生を追体験していた。
母の胎内でまどろんでいた時間から、幼い頃の幸せの崩壊、無条件に愛してくれるはずの家族