小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ高校生の時に毎日嗅いでいた早朝に雪が降り積もった匂い。上京してからはあまり嗅ぐことは無くなったけど、帰省するとあの時の記憶として蘇ってくる感覚がある。朔さんの「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」という言葉にとても共感した。ふと香ってくる匂いが保育園を思い出させる時だってあった。匂いって無意識下にあると思っていたけど私たちはそれをちゃんと記憶していて、良くも悪くもその当時のことを思い出せることは人間味があって好きっていうか、もっといろんな場所に行って、視覚でも感触でもない、いろんな「香り」に出会えたら楽しいだろうなって思った。ラストに朔さんが現れたの本当に激アツ展開っていうか(
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ネタバレ読者の興味が、記憶喪失の男の正体、女性の恋愛の行方、有栖川の新作の構想、事件の調査と一気に増える関係者、と変わっていき、ちょっと読みづらいところがあった。プロローグが魅力的すぎたからだ。中盤からは一気に読めた。
犯人の動機が見当たらないことが事件の謎である。被害者が殺される理由が分からない。必然的に、記憶喪失の男、記憶のない過去の出来事、が怪しいのだが、行方不明になっている。
この男、事件には部外者なのか、中心人物なのか、よく分からず、事件の全貌がつかめない。家族に馴染めず、行方不明になっていても、またふらっとどこかに行ってしまったのだろう、と思わせてしまうのが本作の特徴である。そこから関係者 -
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弓が丘中学校の水泳部は、主将を交通事故で亡くし、大量の退部を出した結果、同好会に格下げになりそうになっていた。3年生の龍一は後輩たちの顔も名前も覚えていないが、とにかく県大会には出たかったし、水泳部を部として存続させたい。1年生の勧誘に励み、なんとか存続のため弓が丘杯のリレーで優勝すれば存続させるという条件を顧問から捻り出すことに成功した。しかし人員が足りない。ほぼ泳げない2年生も鍛えなければならない。そこに謎の同級生雪村襟花が参戦する。
マカン・マランシリーズの第0弾なのかな?シャールの店に顧問の柳田が通っていないし、まだカフェが開かれている様子がない。 -
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以前読んだこの作家の「魔女の檻」でランナーズハイ状態になった。満を持して代表作「魔王の島」を手に取る。確かにすごい。話はこんなだ。
ある日、新聞記者のサンドリーヌは祖母の訃報を受けて遺品を整理するためにノルマンディー沖の孤島を訪ねる。いわく有りげなその島には4人の老人だけが住んでおり不吉な気配が島を覆っていた。かつてこの島にいた子供たちを死に至らしめた魔王とは?島には第二次大戦中のナチス・ドイツが残していったトーチカが不気味に聳え、姿はないのに鳴き声だけ聞こえる野良猫、島内で不意に流れるシャンソン。そして島の秘密を語ろうとしたフランソワーズが急死し、サンドリーヌの不安は恐怖に変わっていく…。 -
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私の中で『サロメ』といえば、ビアズリーの悪魔的で蠱惑的なあの絵、あるいはモローのあの幻想的でアイコニックなあの絵。どちらもインパクト抜群でつい見入ってしまう歴史に残る絵ですが、当の文学作品は読んだことがなく、結局このワイルドの『サロメ』に私を導いたのはやはりビアズリーでした。ビアズリーの生涯を知るにつけて、ワイルドのサロメを読まずにはいられないわけだったのですが、もうひとつ、オスカー・ワイルドという人間への興味も、そこにはありました。
本書はオスカー・ワイルドのサロメを平野啓一郎版新訳として、現代に生きる私たちに馴染みやすい文体で読める、という楽しみ方だけでなく、平野氏によるサロメの解釈、さら -
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