あらすじ
名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。ミステリ界に大きな波紋を投じた名作。
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Posted by ブクログ
【再読】
医者のシェパードはある日、名士ロジャー・アクロイドに呼び出された。そこでアクロイドは、村に住む未亡人のフェラーズ夫人に結婚を申し込んでいたことを打ち明けた。だが同時に、アクロイドは夫人から、実は夫人が夫を毒殺したのだということを打ち明けられていた。さらに、そのことを知った何者かに夫人が恐喝されていたことも知る。
そしてフェラーズ夫人は、そのことを苦に自殺してしまった。シェパードがこの話をアクロイドから聞いていた最中、死ぬ直前に夫人がアクロイドに宛てて出した手紙が届く。そこには恐喝者の名も書かれていたが、アクロイドは頑なにその名を言わず、シェパードは渋々屋敷を去ることに。
その夜、アクロイドが何者かに殺害される。
警察は事件直後に行方をくらました義理の息子ラルフを犯人と見て、捜査を進める。しかし真実は別のところにあると睨むポアロは、全ての事件関係者が何かしらの嘘をついていることを見抜き、対話を重ねる中で一つ一つの嘘を暴いていく。
そして全ての関係者を集め、推理を披露する。
フェアかアンフェアか。大きな論争を巻き起こした作品。解説でも述べられているとおり、あくまでシェパードによる手記であることを考慮すればフェアと呼べる。つまり、終盤で手記の話が出た段階で疑わなければならないということ。
今回改めて読み直してみると、
(意図しているかは別として)早い段階からシェパードはポアロの動向を気にしている。
シェパードが書き溜めていた手記を読んだポアロが「あなた自身が果たした役割については、適度な沈黙を守っていらっしゃってますね」と述べている。
姉のキャロラインには推理を披露する集まりに来ないよう告げている。
など、シェパードが犯人であることを示している部分はいくつかある。
物語の展開としては至って平坦だが、個人的にはシリーズの中で一番好きな作品。当然のごとく語り手が犯人であるはずがないと思い込んでいると、最後の集まりのあたりから「まさか」という感覚がじわじわと這い上がってくる。シェパードがついていた本当の嘘を見抜くポアロの冷厳な眼差しに恐怖すら覚える作品。
●見どころ
・ポアロを「人間牡蠣」と呼ぶヘイスティングズ
・サザエさんのような情報通、キャロライン姉さん
・カボチャ栽培に精を出すポアロ
・麻雀をしながら情報交換する住民たち
●名言
「ただ———恋に落ちた愚か者というだけです」
Posted by ブクログ
10年以上前?のドラマを観たことがあったため、なんとなくトリックを覚えている状態で読んだ。
トリック知らないで読んだら「!?!?」って言う感覚になれたのかなと思い、何も知らない状態でも読みたかった…と思ったけど
トリックを知っているからこそ、気づけるポイントもあって別角度からも楽しめた。
Posted by ブクログ
推理だけでなく、登場人物の人間模様まで克明に描き切る著者の手腕に舌を巻いた。
そして誰もいなくなったからアガサ作品に入り、本作が2作目の初ポワロでした。
推理を楽しむあまり、作者の罠にしっかりとかかってしまいました。
ポアロや人間模様に翻弄されて、作者の掌の上で踊らされておりました。
ミステリーという触れ込みで読み始めたものの、圧倒的な人間関係の濃さに驚いた。
犯人と思しき目星をつけるも、ポアロの一言で何度もひっくり返されてしまった。
一筋縄ではいかないうえ、翻弄されるのを楽しんでいる自分もいた。
事実と思っていたことを、いともたやすくひっくり返して、真実を暴く。
もしかしたらミステリーとして賛否両論あるかもだが、この発想にびっくりした。
そして今後も心して著者の作品を読み進めたいと思った。
Posted by ブクログ
語り手が犯人?と思ったがその理由とトリックが分からず、じゃあこの人が犯人?とずっと考えながら読み続け…ラストで衝撃。今まで読んでいたのは手記だと?!犯人が誰かとかの次元じゃないんだ…すごい。読んでよかったです。
Posted by ブクログ
犯人の手記という形をとることで、ラストにこれまで読んできた無味乾燥で冷めた文章が、殺人者の冷酷な目線という印象にガラリと変わり、アクロイド殺しという作品自体が、シェパードの人格の結晶になる。ゾッとする裏切り。それでいてキャロラインとシェパード姉弟の切なさまで感じさせる。
何度読んでも面白い
Posted by ブクログ
傑作。
ミステリ作品の技法として、当時の読者からすると、かなり先進的、なんなら反則スレスレぐらいに感じたんだろうなと思う。しかし、そのグレーなラインこそが当時の読者を魅了し、よりクリスティー作品に引き込んでいったんだと考えられる。
そんな擦られまくった技法の作品を今読んでも面白いと感じれるのは、やはり、「ポアロの魅力」と「圧倒的構成力」だと感じた。
過去に数作『ポアロ』シリーズを読んだが、最初の頃は「理屈っぽいウザいオジサン」的な印象が強かったが、このシリーズを読めば読むほどポアロの理屈っぽさが論理的な推理を生み出し、その度に脳に強い刺激を受けていることに気付いた。今作も終盤の推理パートは、パズルが完成に少しずつ近づいていくかのような気持ちよさがある。
また、中盤にポアロが主要な登場人物に「あなた達には、それぞれ秘密があり、意図的に隠している」という旨を伝えるシーンがある。ここから謎解きにアクセルが掛かるとともに、物語的にも重要なシーンなのが、見事だなと感じた。
Wikipediaで調べるとクリスティーの生涯作6作目であり、『ポアロ』シリーズとしては2作目らしい。
この飛び道具を6作目に持ってくるのも、ポアロが隠居するためにカボチャ農家になるという設定も、「なんちゅうタイミングで書いてんねん」となった。
Posted by ブクログ
面白かったー!
現代ではよくある読者を罠にかける形式だけど、長編の大衆向け推理小説で初めてやったのがクリスティで、当時大炎上レベルで賛否両論だったとのこと。
現在の読書家たちにとってはこの形式は共通知識になっているから、驚きはないかもしれないけど、驚きがなく読めるということが“ミステリ史の進化を体感している”ということなんだよね。
ミステリ好きとして履修してよかった!!
読んで損無し
面白いです。良くできてます。
好みは分かれるかもしれませんが、
好みに合わなくても読んで損はないと思います。
読んだ直後は、損したと思うかもしれないけど。
私はまんまと引っ掛かったので、
二回読みましたが、
二回目も答え合わせとして楽しめました。
皆さん書いてますが、犯人が誰か知っていても楽しめます
疲れている時、ミステリー読みたいけど残酷なのは嫌だと思う時に繰り返し読んでます
ホント、クリスティは凄いです
Posted by 読むコレ
日曜夕方、独居中年の部屋から「ブラぁボォ!」との叫びと共にまばらな拍手が聞こえたとしても怯えることはありません、お隣さん。
恐らく彼はアクロイド殺しを読了しただけなのだと思います。
そんな侘しい話はさて置き、オリエントでは味わえなかった氏の真価を見た気がしました。
これは面白かった!
所謂フーダニットの真骨頂。
登場人物の巧みな使い方で真相を消臭した読ませ方にも唸らせられますが、それを終盤徐々に緩めて読者に嫌な予感を植え付けていく展開では頁を捲る奴隷と化すしか道はありませんでした。
今日という記念日を覚えておこう。
Posted by ブクログ
中学生の時以来の再読。 なぜか結末をアクロイドの自殺と思っていたため、結末には非常に驚いた。この結末、私は全然「アリ」だなぁ。ポアロは事件を解決する時に、関わる人の幸せを思ってくれるので好きだ(まあ、今回の犯人に対しては少しモヤッとするけど)。先日スタイルズ荘の怪事件を読んで、ヘイスティングズが大好きなので、所々にポアロから彼の話が出てくるのも、嬉しかった。当時のブルジョアたちがディナーの後にお茶をしたり、ゲームしたりするの羨ましい
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの代表作。
犯人を知っていてもなお、丁寧に張り巡らされた伏線や、巧みに積み上げられていくサスペンスに惹き込まれてしまう。
精巧な構成と確かな筆力によって、今では見慣れた要素すら新鮮に感じさせるのが本当にすごい。
語り口は終始穏やかで、物語が日常の空気の中から少しずつ立ち上がっていく感じもとても良かった。
Posted by ブクログ
100年前に書かれた本作品。真犯人だけでなく、容疑者全員が少しずつ嘘をついていて、その嘘に隠された真相から点と点を名探偵はつないでいく。そして手記という語り手の手法をとることで読者を混乱に陥れる叙述トリック。やはり名先は色褪せない。
Posted by ブクログ
この話が手記だと分かった時点で犯人の察しは付いてたから驚きは無かったが、各々が付いてた嘘とそれを暴くポアロは見事だった 相手に真意を悟らせないような質問やこういう可能性もあるのか…と唸ってばかりだった
Posted by ブクログ
アガサクリスティを何冊か読んで来て、犯人とは一番思えない人が犯人ではないかと思いました。ですので、その線で犯人はこの人かな?と想像しながら読みましたが、今回も見事に騙されました。
ラストの方で、ポアロとある登場人物の会話を読み始めて、「まさか、あなたが?」と思い始めたり、「でも、まさかそれはないでしょ」と打ち消したり。
本当に有り得ない人が犯人でした。これも読者の先入観を見事についたものだと思います。楽しめました。
しかし、あの終わり方というのか、あの独白が与える余韻は大きいです。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの名作として挙げられる理由がわかる。
ラストで思わず「おお〜!」と拍手。
読みやすい、わかりやすい、読み応えありで私みたいなミステリ初心者にもありがたい。
シャーロック・ホームズよりさらさら読めると感じた。
Posted by ブクログ
大昔の本とは思えぬほどわ面白い
オチもいいけどその過程もいい
これが100年前なのはすごすぎる
多数の登場人物それぞれに裏があり
事件をややこしくする
それを少しずつ紐解いて散りばめた伏線を回収していく鮮やかな過程は現代ミステリーでもなかなかないよ
Posted by ブクログ
なかなか長くて読むの大変だった。やっと病み終われたー。
そして前評判とか煽り文からもしや?と思いつつその通りだった。なんだかんだ信頼できない語り手ものは読んだことないような、読んだことあっても数は少ないと思う。これがオリジンなのかぁーと感心。
ネタが分かっても作品として美しい。
こんなしっかりしたミステリがこの時代に作られてたのな、個人的にそして誰もいなくなったよりミステリ要素がしっかりしていて面白かった。ラストの締め方もなんかいいね。
匿名
クリスティーの代表作
アガサ・クリスティーのチャレンジ精神の、一つの到達点。中心となるトリックは、一度読めば単純明快なんだけど、それを盛り上げる細工も上手くできてて、何度読んでもクライマックスはドキドキできる。
アイリッシュのファントム
ウィリアム、アイリッシュのファントム、レイディのお手本になったお話。
クリスティさんの良さ、ポアロのうまさが遺憾無く発揮されている作品。
アイリッシュの方も面白いです。お好みで。
Posted by ブクログ
淡々と王道ミステリー。3.8
ポワロの登場から事件が詳らかになっていき、小さな物的証拠から徐々に登場人物達の後ろめたさを暴いていく話。
アクロイド氏の殺され方がもっと劇的かと思いきや、殺され方はあっけない。犯人の動機も、恐喝していたファラーズ夫人の亡くなった後に仲良くしていたからとのことで、身の安全のためにといったもの。
殺人現場の物的証拠になりうることを登場人物達が各々隠しているので、読んでいて誰が犯人になりうるのかと予想して読むのがとても楽しめた。
イギリスのケント州、ハンカチの糊、当時アメリカで流行っていた塩素塩モルヒネを使った鵞鳥の羽根から、ラッセルには息子がいてーーとのくだりは読み応えがあった。
容疑者4人で麻雀をしている場面がシュールで面白い。指輪から誰かとの結婚を予想していたが、うまい具合に真実と外されていて驚嘆した。
イギリスの女は恋愛に関しては秘密主義、といった伏線も、後に明かされるフロラの本当の想い人がいて、経済的世間的家系的に打算を選んだフロラの思いを打ち砕くのには感嘆した。
シェパードの犯行がせせこましくて、運もはらんでいたなと思った。
ポワロが一つ一つ事件を暴く姿が目に浮かび、圧倒的な推理力の前じゃ隠し事はできないことの怖さを痛感した。
事実だけを求めるポワロは犯人がどうなろうと知ったこっちゃない主義なのがかっこいい。
Posted by ブクログ
ストーリー ⚫︎⚫︎⚫︎⚪︎⚪︎
キャラ ⚫︎⚫︎⚫︎⚪︎⚪︎
文章力 ⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚪︎
読みやすさ ⚫︎⚫︎⚪︎⚪︎⚪︎
トリック ⚫︎⚫︎⚪︎⚪︎⚪︎
このトリックと書き方を約100年前に書いたのマジで天才だと思う。
まあ、現代に読めば真犯人はそこそこわかってしまうのだけれども、それにしても楽しめた。
フェアか、アンフェアか。そんな事は一旦置いといたとしても全然面白い。
「たった1行」や「たった一言」で物語がガラっと変わる小説も好きだけど、ジワジワと名探偵が犯人を追い詰めるシーンはやっぱりワクワクする。
Posted by ブクログ
犯行動機やどのように犯行を隠したのかを見破れたわけではないけど、途中から何となく感覚的に「コイツが犯人じゃないか?」という考えが頭に浮かんできて、実際その通りだったので終盤にそこまでの驚きはなかった。
しかしながらこれは今から100年も前に書かれた作品であり、この手のトリックの始祖とも言えるような存在であるという。そう考えると名著と呼ばれるのも納得できる。
海外小説の登場人物の覚えにくさや、言い回しの独特さのため中盤くらいまでは話がすんなりと頭に入らず苦しめられた。
Posted by ブクログ
現在ではよく使われる叙述トリックだから読んでる途中で犯人の予想は大体ついてたけど、これを100年前にすでに思いついてたってのがすごい。
Posted by ブクログ
月並みだが面白かった。犯人はあの人しかいないとは思っていたので案の定だった。ただ空白の10分に素朴な疑問が足りてなく、余りにも怪しすぎるだけで分からないことだらけではあった。
手記の一人称のなんちゃら論争の解説は分からなかったし、シェパードが書くあっちこっち行ったりが多く1日48時間あるかのような区切りがなく疲れることも。
勿論 犯人を当てることだけがこの本の魅力じゃなく、灰色の脳細胞が盗み聞きしてたのをすぐ告白するのとか、かたや犯人を追い込む闇のような姿、人間という弱い内面から導く真相真理を約100年も読み継がれてた魅力を感じれた。
Posted by ブクログ
少しずつ登場人物の秘密や嘘を解明していくポアロの姿が非常に格好良かった。後半から加速度的に真実が明らかになっていき最後の結末は圧巻でした。
たくさんミステリー小説を読んでいる人程騙されちゃうんじゃないかなと思ってしまった。
内容に賛否があると解説で書かれていたが、十分に楽しませてもらった作品でした。
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ3作目。
主人公:シェパード先生が怪しいと思って読み進んでいたけど、途中で普通に忘れていた。
和訳のためか、文章は結構クセがあって、話が飛んだりする感じもあって少し読みづらい。
語り手が犯人という当時としては斬新な展開はすごく読みごたえがあった。
キャロラインが噂好きで色々聞きだしたり推理を披露してくるのがやや苦手。なのに主人公の犯罪は見抜けなかった。
Posted by ブクログ
これが100年の作品なのかということに驚きでした。
オチが読めず、ハラハラしていました。最後まで読んだ後、残される家族を思うと居た堪れない気持ちです。
Posted by ブクログ
言わずと知れた古典的名作。
この作品なんと、10年前に創元推理文庫版の新訳を読んでるみたいです。このブグログに登録してあります笑
期せずして読み比べをしたみたいですが、創元版の細部は覚えていません。よってどちらが良かったかは分かりません。
この作品に関しては、よくフェアかアンフェアかが問題になっているようですが、現在の目から見ればアンフェアだと言う人の気持ちが全く理解できません。訳のせいもあるのかもしれませんが、極めてフェアな記述がなされていて、いやフェアすぎて、ほとんどの人が犯人に関しては、かなり早い段階で気づくのではないでしょうか。人間関係のドロドロさや、ややご都合主義的な事には気づかないまでも。
この事件に巻き込まれた結果、幸せを掴む人がいるのには救われましたし、ポアロの事件の後処理の仕方も例によってなかなか味な感じです。