あらすじ
名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。ミステリ界に大きな波紋を投じた名作。
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Posted by ブクログ
噂に違わぬど傑作。
ミステリ作品の技法として、当時の読者からすると、かなり先進的、なんなら反則スレスレぐらいに感じたんだろうなと思う。しかし、そのグレーなラインこそが当時の読者を魅了し、よりクリスティー作品に引き込んでいったんだと考えられる。
そんな擦られまくった技法の作品を今読んでも面白いと感じれるのは、やはり、「ポアロの魅力」と「圧倒的構成力」だと感じた。
過去に数作『ポアロ』シリーズを読んだが、最初の頃は「理屈っぽいウザいオジサン」的な印象が強かったが、このシリーズを読めば読むほどポアロの理屈っぽさが論理的な推理を生み出し、その度に脳に強い刺激を受けていることに気付いた。今作も終盤の推理パートは、パズルが完成に少しずつ近づいていくかのような気持ちよさがある。
また、中盤にポアロが主要な登場人物に「あなた達には、それぞれ秘密があり、意図的に隠している」という旨を伝えるシーンがある。ここから謎解きにアクセルが掛かるとともに、物語的にも重要なシーンなのが、見事だなと感じた。
Wikipediaで調べるとクリスティーの生涯作6作目であり、『ポアロ』シリーズとしては2作目らしい。
この飛び道具を6作目に持ってくるのも、ポアロが隠居するためにカボチャ農家になるという設定も、「なんちゅうタイミングで書いてんねん」となった。
Posted by ブクログ
これも有名な一冊。ミステリーに興味あるなら早めに読んでおいた方が良いと思います。トリック的にも。
途中からもしやと思ったがやはり。文章だからこそ面白いので映像にしたら魅力半減でしょう。麻雀シーンは一回手止めてくれと思うなど。
キャロライン姐のその後を思うとちょっと複雑。
Posted by ブクログ
クリスティ作品はランダムに読んでるので、「これ読んでたかなあ、覚えがないなぁ」と思いながら読んだ。途中から、「全くトリックとか分からんけど犯人この人じゃね」という気がしていた。正解だった。記録を見返すと、児童向け翻訳で読んだことがあるものだった笑
ポワロさん、キャロラインには好感を抱いていたんだろうな。ラルフ・ペイトンとフローラは似た者同士だから、やっぱりその2人が結婚しなくてよかったと思う。しっかり者のアーシュラとブラント少佐に上手く支えらないと何処かで道を踏み外すんじゃないかなw
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろかった!!!
いわゆる叙述トリック物で、そもそも「アクロイド殺し」自体が犯人の書いた小説、という体になっている。
善良でポアロの相棒的立ち位置だと思っていたジェームズが最後の最後に悪人の顔になる瞬間がとても気持ちよかった。気のせいか、文体も少し悪そうに感じた。これは私がジェームズを悪人だと認識したからかもしれないけれど。
真相を知ったあともう一度読み返したいなと思った。
真相を知らないヘイスティングス視点で語られていた前作までとは違い、語り手が犯人を完全にわかっている状態で進むので、ヘイスティングスの様にポアロの言動1つで容疑者がコロコロ変わるという事がなかったなと読み終えて感じた。
語り手が誰かを考慮した内容作りがとても良かった。
現代ではありきたりな手法として使われる叙述トリックだが、発売当時は少なかったのだろうし、その時代を生きた人間として本作を読めたらとても楽しかっただろうなぁ、と発売当時の人が少し羨ましくなった。
Posted by ブクログ
読者という第3の立場から気付けば舞台上に立たされ、ポアロにナイフを向けられる感覚にゾクゾクする。終始うざったい口のうるさい女もアクセントとなっていて、私が死んだ後1人で生きていれるのかと罪悪感を持つことができてとても良かった。自死を勧める結末も現代では考えられなくこの時代の感覚も併せて感じられる。記憶を消してまた読みたい本。
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ ③
大富豪のロジャー・アクロイドが刺殺される。
ロジャーの友人であるジェイムズ・シェパード医師と、私立探偵を引退し、からまつ荘でカボチャ作りにいそしむポアロ(ただし、カボチャ作りには飽き飽き)が捜査に乗り出す
これも、ですが約100年前に書かれたってことが、すごいなぁ。面白いもの。
ロジャー・アクロイドの死で利益を得る者。謎の人物。ワクワクします。
風のように広がる村の人々の噂話。詮索が好きだけど人がいいキャロライン。クスッとしてしまう。
ジェイムズ・シェパード医師が書く、この事件についての手記の最後の言葉が大好きです。
Posted by ブクログ
今読むと、こういう感じね。となるが当時はかなり衝撃的だったのではないかと思う。
犯人も予想しやすいのだが、それでも面白いのはすごいと思う。
Posted by ブクログ
完全に騙された。
笠井さんの解説を読んで、頭の中が大パニック。
まさか最初から騙されていたなんて、思いもしなかった…。
初めて海外作家のミステリー小説を読んで、やっぱり言い回しとか登場人物の名前とか、どうしても難しいと感じてしまった。
途中で読み進めるのがしんどくなって、読んでいる途中でネットでネタバレを調べてしまったので、途中からは犯人がわかっている状態で読み進めることに。
ネタバレを調べていなければもっともっと衝撃を受けただろうなと思う。
他にも色々な作品にチャレンジしてみたい…!
Posted by ブクログ
当時賛否両論巻き起こったのも頷ける。一人称の小説だと思わせておいて、その実犯人の手記だったとは。だから全てを語っていなくても全然問題ないし、読者はまんまと騙される。勘が鋭い人なら語り手の医者に違和感を抱くんだろうな。騙された方の自分は悔しい。序盤の電話の件は違和感あったけど、医者が犯人だと確信は持てなかった。
こんなのズルじゃんと思わなくもないけど、よくよく考えたら途中で医者が手記を書いてるの明かされてるし、気づいてないだけで伏線は精密に張られていたのではないかと思う。もう一度読み返したらまた新しい発見がありそうな推理小説だった。
Posted by ブクログ
集中力と記憶力がいる小説だった。事実と虚構を自分でも疑いつつ、しかもポワロの一歩先をいく推理についていくので精一杯だった。というかほとんどついていけてすらいなかった。人物関係も複雑で、数分単位の時間のずれも気にしなくてはいけないのが大変。こんな複雑な設定と展開を描けたアガサクリスティの脳みそが知りたい。オチは予想はしていた。こういうパターンもあるだろうなと。ただそれ以前に自分は内容を50%くらいしか理解していないだろうと思った。ミステリーは、メモをとりつつ、吟味しながら読んだ方がいいのだろうか。それとも今回のようにスラっと呼んでもいいのだろうか。この気持ち悪さとどう対峙するべきか気になった。真実は一つしかなくて、しかも全ての謎に必ず意味がある作り方は素晴らしいし、この作品はその作り方の限界に達したものなのではないかと思った。濃度もすごいし、ポワロが完璧なのがいい。
Posted by ブクログ
「そうきたかー」というのが正直な感想。言語化できない第六感でなんとなく予期していたけど、シェパード先生が犯人だとは…!
確かに語り部(ワトソン役)は『推理小説の十戒』のルールに反するだろうと思ったけど、手記ならこれはクリアしているし、なんだったらかなりヒントがちりばめられていたのだ。にしても…アガサ・クリスティはやはりすごい。見事に騙された。コレだから読書はやめられない!
あー!やっと1冊読み終えたー!!!!
Posted by ブクログ
オーディブルにて視聴。
初アガサ・クリスティ作品でした。
「ここにいる全員が隠しごとをしている」と言ってからのひとりひとり回収していく展開がとても綺麗だと感じました。
自分があまり翻訳文章に慣れておらず、特に音声で聴いたせいで完全に理解しきれなかった部分もあり悔しいです。
次に読むときは本で読んでみたいです。