小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ一つの学校の中で自他を見つめ合う青春群像劇。
誰もが経験したことのある嫉妬・羨望が重なり合う痛気持ちいストーリーには何とも言えない切なさが詰まっていた。
陽キャグループに所属し何でもできる低体温の広樹が羨むのは、映画部で周りから笑われることに苦しむ前田涼也だった。
それは、目標と生きがいを持ち高揚感に溢れる「ひかり」を前田が宿していたから。
広樹が前田に話しかけるラストシーン、前田は広樹の野球バッグを見て目を逸らす。自分の内面を見られなかった広樹は自己嫌悪に陥り物語は終わる。
周りからどう見られるか、コミュニティの中でどんな立ち位置にいるのかなんてことは、どうでもいい。熱量を持つ人間になりたい -
- カート
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試し読み
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ネタバレオムニバス形式で一つの車両事故を中心にそれぞれの過去や事故後の人生が描かれていく話。
死んだ人に強い思いを持っている人だけが幽霊列車に乗ってまた会えるという設定が良い。
比較的新しい作品やけど、和幸がストーキング行為をしてるのは少し心配になった。個人的には美しい感情やと思うけど、今の時代気持ち悪い人もいるんちゃうかな。
好きな設定だけど、何か心が大きく揺さぶられる事はないなぁと思いながら読み進めたけど、終盤登場人物達の物語がクロスオーバーする辺りからは盛り上がったし、最終章は泣いた。
お父さんの運転士の職務に忠実な姿勢に心打たれたのが大きいかも。しかも父親譲りで血統が立派なのにも憧れる -
購入済み
恥ずかしがりながらも
作者坂口安吾に限らず太宰治にも見られるように、皮肉っぽく斜めに構えた物言い 表現が洒落ている と思われていた時代である。にも関わらずこの作品は恥ずかしがりながらも、臨床医という職業に殉じた「肝臓先生」を手放しで褒め称えている。この作者の作品としては珍しく感涙ものであった。
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ネタバレ
チャーリーがあの刹那的に生きてたときに、最初で最後、アリスと交わったときに、彼にとっての本当の幸せに気づいたのだろうと思う。
なんだか皮肉なものだよな。人が輝くのも星が輝くのも、いや命が輝く瞬間というのはいつも、命が消えゆく瞬間でもあるのかもしれない。
儚いとはこういう事なのだろう。
遺された人や想いは生き続けるし、世界も周り続ける。
のちの解説でその人は人生で3度アルジャーノンに花束をを読んだそうだが、3回目の涙はチャーリーが救われたという涙であったそう。あれを救いと捉えるのは僕にはまだ少し難しい。今の僕には救いとは言えそうにない。言語化できない。救いだけでは言い表せない最後のような気 -
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ここ数年で1番心打たれる小説でした。
キーパーソンは、教えてくれるのではなく「気づかせてくれる」存在。
悩める人に対して人は色々アドバイスしがちだけど、的を得た言葉で、本質を気づかせてくれる。こんな司書さんが身近にいたら、私はどんな言葉をもらっていたのだろうと想像しました。
名言が多すぎて、初めて読書メモをつけました
笑
5章から成る小説だけどちょっとずつ世界が繋がっていて、他の主人公の成長が垣間見れる場面が多くてほっこりします。
よくある人生の悩みがテーマになっているからこそ、全ての話に共感し、時には涙し、感情移入できました。
読むと生きる勇気が湧いてくる、そんな作品です。
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ネタバレ先日「傲慢と善良」を読んで、この筆者さんの話はあまり自分には合わないな~と思っていたんだけど、同僚にこちらの本を進められて再度辻村作品にチャレンジ!
読み始めたときは、主人公が自己中心的な感じがして(勝手に「ここでは学校の事は話さないのが暗黙のルール」と勝手に思い込んでいるとか…)が苦手だな~って思ってたんだけど、徐々にみんなの背景が分かり始めるとそういうところは気にならなくなった。
寧ろどうなるのか気になってどんどん読めてしまった。
そして、7人の成長っぷりが良い。がんばれ!って応援してた。
最後は大団円になって本当に良かった!
そして、プロローグからエピローグまで伏線回収がすごくて、とて -
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小さい頃に見たきれいなもの。あの時に感じた気持ち。あれは一体なんだったんだろう?を形にしたお話。
筆者の講演会を聞いてから読むと、子供の頃のほうこちゃんと今の方子先生が出会ったら…という風に読めてファンとしてはワクワク。
作中作もキュンキュンしちゃうすてきな可愛いお話ばかりだよ。特にもぐらのお話が好きでした。
ほうこ先生の作品では今作のように年齢を超えた友情が度々描かれるよね。これがかなり素敵な関係性で、自分も小さき人々を尊重して一人の人間として接したいなと強く思わされる。
今回は挿絵はご自身ではないんだけど、高橋和枝氏の柔らかい色使いやほんわかした作画が物語にマッチしていてすてき。
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ネタバレタイトルだけは聞いたことがあって、てっきりファンタジー系か比喩表現としての「撃て」だと思っていたら、ガチなやつでびっくりした。
独ソ戦(第二次世界大戦)のロシアの女性狙撃手の話。
かつ、戦争系でよくある人格が壊れてしまったという話ではなく、(いや、そうなんだけど、視点が違う?)女性の社会での立場や扱いについてを考えさせられる話だった。
本書にでてきた「戦争は女の顔をしていない」も読みたくなってしまった。
この作者は女性なんだろうか、男性なんだろうか。
この題材でそこに視点を持っていくとは…と若干驚いた。
ただ、セラフィマが自分が戦う目的を「女性を守るため」とした理由が希薄にも感じて、ちょっと唐 -
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続けて、湊かなえさんの 未来 聴いた!
ずっとずっと壮絶で、だけど健気で
小さいながらもしっかりしなきゃ、守らなきゃ
ひとりでどうにかしないと
そんな風に毎日頭をぐるぐるさせてしまう環境が
あとがきまで聴いて、フィクションでは無いこと
自分も思い返してみれば沢山経験があること
登場人物は言葉にする力があるのに
それを誰かに伝えようとせずに
自分でなんとかしてしまうところが
家庭環境のせいなのでは無いかなと、思ったりもする
誰かに頼ることを幼い頃からしていれば、
目を向けて助け合って、支え合える余裕のある
大人になっていきたいなと思った
書くこと 聴くこと 読むこと 知識は大事
思いやりの