小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
本屋大賞8位
低評価のレビューがめだったし、まず、表紙の絵が私のような年代の者には抵抗があるものだったため、期待感が薄かったからか、概ね楽しめた。
中高生が好きそうなラノベっぽい文章(あんまり読んだことがないから、偏見です)で、冒頭なかなか入り込めなかったし、私の苦手なはずのファンタジー要素もあったのに、楽しく読み終えられた。
小石と蓮杖の会話で繰り広げられるラノベっぽいと思っていた文体も、慣れて、楽しいと思うようになったし。
推理小説をあまり読み慣れていないので、情報を整理するのがなかなか大変だったが、次々と伏線が回収されて行くのもなるほどと思わされた。(結構、無理やり感はあったけど)
もう一度読んだら面白さが増すだろうな。
細かいことだが、バリバリ博多弁の人と、標準語の人がいるが、誰の会話か分かりやすくするため?
続編が出るようなので読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
面白かった〜!
あぁ私やっぱり伊坂さん作品大好きだなぁ…って改めて思いました。
こちらは普段の作品とは一味違って、奇人変人や物騒なキャラクターが出てくるわけじゃないんだけど、すっごく笑ったし、短編だと思って油断していたら最終的にそれぞれの世界が交錯するわするわで驚きの連続、ラストは時空も乗り越えたジェットコースターに乗ってしまったように楽しませてもらいました。
ルールも知らなかったボクシングの世界に魅了されたり、大雑把な夫に対する神経質な奥さんの態度を見てコレ私じゃんと可笑しくなったり、こんなふうに過去に自分を傷付けた人に寛容になれたらなと思ったり、色んな事を思い巡らしました。
読み終えて爽快感と、諦観とともに過去の自分を優しく肯定できるような…温かい気持ちが広がってきました。また読み返したいです♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編小説だけど、登場人物に繋がりがあったり、全体を通して大きな物語になっていたりで、文章構成がとても好き。
「死」をテーマにした涙なしに読めない重めのストーリー展開だが、「ぎょらん」を軸としたミステリー展開や、人間関係の描写は軽々としていて読みやすかった。
朱鷺、美袋、小紅などなど、言葉と漢字のチョイスが美しくて儚くて秀逸だなと思う登場人物の名前ばかりだった。
私は大切な人を亡くした経験がないから、表面的な感情でしかまだ読めてないんだろうけど、亡くなった人の想いを知りたい!というのは残された人たち誰もが思うんだろうなとは思った。
その人が目の前からいなくなっても、その人のことを知ってる人たちのなかでずっと生き続けているという最後の終わり方がじんわりと温たかかった。 -
Posted by ブクログ
江戸末期、漂流日本人としてロシアに渡り9年9ヶ月を過ごした光太夫たちの記録。
それはあまりにも壮絶で過酷な体験だった。
極寒の地で、凍傷で壊死したり、桜の木の皮を食べて飢えを凌いだり、生きるだけでも大変なのに次々に町を移動しなければいけない。
気の遠くなるような移動距離に、無理だよ、、、とこちらも絶望的な気持ちになった。
作者は様々な記録を元に、できる限り詳細に当時の様子を書き記そうと努めている。
そのため記録を忠実に引用したり、作品が書かれた時代が古いので難しい表現や漢字があったりで、読むのに少し苦戦した。
エピローグや本文からは、当時は光太夫たち以外にも遭難してロシア領に漂着した船がたくさんあったと知って驚いた。
時代のせいで手続きや移動には恐ろしく時間がかかりもどかしかったけど、ラックスマンを始め、ホッケイチ、ブーシュ、ニビジモフなど彼らの力になってくれる素晴らしい人たちに出会えたことは幸運だった。
というか、出会ったロシア人や土人たちは概ね親切で漂流日本人に手を貸してくれる。
それに比べて日本は、官僚主義でなんと情け無いことか。
仲間との別れや出航には胸が締めつけられ、日本の対応には不安と重たい気持ちでいっぱいになった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白い。好き。もうずっと好き、って思いながら読んでいた。空気感が心地よい。
「君が手にするはずだった黄金について」を読んで面白いなーと思って、パートナーの本を借りただけだったのに小川哲さんという人間にのめり込んでしまった。他の本も買います。
見開き2ページのエッセイ集で読みやすかった。カレーの話はめっちゃ分かる。あえて他の野菜買ったりまではしないが、自分カレー作って食べようとしてるの丸出しで恥ずかしいなって思ったりする。
お金を渡すのとお土産を渡すの話を、専門的かつ分かりやすく説明されていてとても腑に落ちた。何かを頼む時はモノを渡そう。
私もあけおめって言うのなんか恥ずかしいというか、年変わっただけなのにって思ってしまって、良いお年をもあけおめも言いたくない。
大好きすぎて色々書きたいが、早めに他の作品も読もうと思う! -
Posted by ブクログ
おうい応為の原作なのかな。北斎の娘、東洋のレンブラントと言われた絵師の話。脳卒中後に北斎が富嶽三十六景を描いたのに驚いたとともに、というか脳卒中後には無理でしょ!90歳近くまで生きたのもびっくりだし、というかそれは寿命だよね。面白かった。
お栄は北斎の娘。夫の吉之助は南沢等明の画号を持つ絵師だ。お栄は他の弟子と肩を並べて絵師としての修行をしていた。火事見物に行って、兄弟子の善次郎にあう。
お栄は離婚する。姉のお美与も離婚して時太郎と帰ってくる。姉の夫だった柳川重信は南総里見八犬伝の挿絵で当たった。馬琴がカナアリアという鳥を持ってきた。目が覚めるような黄色だ。善次郎も八犬伝の挿絵で当てた。お栄は善次郎にお前の美人画には艶がない。線が硬いと言われる。
お栄と善次郎は花魁道中を見に行く。妓楼の襖絵の仕事を受ける。善次郎の妹たちはここで芸者をしていた。北斎にオランダから絵の注文が入る。浮世絵ではなく、西洋の画法で描いてほしいらしい。15枚の風俗画。お栄は納めにいく。注文主はシーボルトだ。
善次郎の妹が白粉屋に嫁に行く。北斎が中風に倒れる。滝沢馬琴が見舞いに来る。ようやく北斎が動き始めた。散歩もするようになった。しかし母が亡くなった。善次郎はお滝と暮らしているというのに、恋に落ちた。西村屋は火事で板木を焼かれて身代が傾く。大仕事をしたいという。富嶽三十六景の誕生である。お栄は画号を応為とする。
姉の息子の時太郎が方々で借金して北斎におっかぶせる。家の物は全て売り払い、家には何もないくらいだ。だご所帯を持って真面目に生きていくと誓ったばかりで、また姿をくらます。
天保の改革で本屋はまた酷い目にあった。 -
Posted by ブクログ
「1984」で有名なジョージオーウェルによる、底辺生活の体験ルポである。彼自身はアッパークラスの出身で超名門イートン校を出ているエリートである。どういうわけか、パリとロンドンで、その日暮らしの肉体労働に就き、周りの様子などを克明につづっている。一部フェイクになっているようだが、当時の労働者の暮らしぶりを描く貴重な本らしい。
パリではホテルの厨房で皿洗いをした。地下の蒸し暑いところでの過酷な労働、パリの道や厨房の不衛生さが生々しい。なけなしの賃金は煙草を買うかパンを買うかの選択のようだ。ロンドンでフリーランスライターの仕事を見つけ移るが、そこでも浮浪者用宿泊施設を毎晩転々とする(1泊しか泊まれない)。なかなか強烈な体験だが、表現の端々にそこはかとなく気品がにじみ出てしまっている。
とても面白かった。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。