あらすじ
大家族で生まれ育ち、高校を中退してキャバ嬢をしていた天使(えんじぇる、本名)は、裕福な老人、光子の住むホテルで働き始める。長期滞在する孤独な老人たちが住むホテルで、光子に、天使は生きる術を教えてほしいと願い出る――。蓄財のノウハウを伝授され、天使の生活は少しずつ変わり始めるが、やがて世代が違うふたりの持つ過去と秘密が明らかになって――? 「天使のその後」を描く特別スピンオフ短編付き。
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Posted by ブクログ
老人たちが連泊を続けるホテルで清掃員をする主人公のお話。
主人公、天使は生活保護受給する両親のもとで生まれ育ちました。 両親はいわゆる毒親で、何の努力もせずに大人になった主人公が変わろうとする瞬間にも邪魔をしてきます。
この変わろうとしている最中に急に物語が終わったので驚きましたがお話は面白かったです。
独身の高齢者が賃貸契約がしにくい事があると聞いた事がありますが、こういった対策もあるんですね。
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主人公の名前のせいか、前半を読んでいるとき、柚木麻子さんの「本屋さんのダイアナ」を思い出しながら読み進めた。後半は、原田ひ香さんのお金系の感じで、どんどん読み進む。実用的なところもいい。そして、ラスト…「DRY」を読み終えたときのような、背筋が凍るエンディング。ハッピーエンドでないところが、現実味があって考えさせられた。
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主人公は大家族で育った末っ子で名前が天使と書いてえんじぇる
兄弟姉妹の名前は、長女、大天使(みかえる) 長男、堕天使(るしふああ) 次男、羅天使(らふあえる) 次女、我天使(がぶりえる) 三男、亜太夢(あだむ) 三女、衣歩(いぶ)こんな名前をつける親って?
想像通りひどい親でした。
天使は老人が多く滞在するホテルで清掃の仕事をしています。
そこに滞在する老人からお金持ちになる方法を教わります。
老人から教わることをきちんと守り貯金も毎月出来るようになります。
ひどい家族で育ったえんじぇるを応援する気持ちで読み進めましたが結末がすっきりしないので
☆3.7くらいで、、
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TVで特集される大家族で粗野で無知で育ち天使が出会った老女の光子。「金持ちになれる方法を知っている」と言った光子に近づく為、光子が暮らすホテルの清掃員として働き出し。
人は環境に左右される。
ラストの追い込みスピード感がすごい。
金は人を幸せにするの…か?
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最後は幸せになって終わって欲しかったけど、なんとも不完全燃焼な終わり方。面白くなってきたところで、ストンと終わってしまった。読者の想像力に委ねる終わり方は、どうしてもモヤッとしたものが残ってしまう。スピンオフも、結局幸せなようでそうでもない。本人もこの状態では辛いやろうに…
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日村天使(エンジェル)は、大家族でテレビ特番が放送される裏では仕事せず生活保護を不正受給し、天使にも嘘をさせる生活。家を出て「金持ち」を目指す。そこでキャバクラでビルオーナー光子に出会い、そのノウハウを知るために長期滞在ホテルに光子を、そこでは幸子など様々な人物にも出会う。
ビジネス書的に、節約、金利や融資について
そしてラストはスッキリする展開に
しかし…
結果目が離せない内容に
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読んだらお金を貯めたくなった、というか20代、いやできるだけ若い時にお金の勉強をきちんとすべきだった、と反省。なんとなく使ってなんとなく生活していたら、現状、お金に余裕がない。これからお金と時間を大切に生きていこう。
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表紙とタイトルのみで事前情報無く読んだ。想像とは全く違う展開にどんどん引き込まれた。確かに家庭環境が悪く世間の一般常識も知らずに生きている人たちもたくさんいる。大家族しかり。底辺でしか生きることを知らなかった主人公が一つ一つ知恵を付けていく姿にかなり興味深いものがあった。スピンオフも成長し成功した主人公の姿が頼もしくもありつつ、不安要素が残るラストに余韻を感じさせられた。とても面白かった。
勉強になりました。
半分くらいまでは、老人たちの介護ドタバタ劇なのかな?となんとなく読んでいたのですが、途中からようやく違うと気づきました(笑)
想像していた話と違ったけれど、悪人もおらず、読後感爽やかでした。
お金の勉強になりました。
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なんだかよくわからないけれど、引き込まれる作品だった。
あらすじにあるような、“蓄財のノウハウを伝授”してもらうシーンには、思いの外なかなかたどり着かなくて、恵まれない(という言い方が適切なのか?失礼に感じる人がいたら、ごめんなさい)人生を送ってきた天使が、ホテルの清掃の仕事や周りの人たちとの関わりの中で変わっていくストーリーかと思えば、それだけでもなさそうで。
天使と光子さんの交流が始まってからは、少しずつ変わっていく天使の様子がポジティブに感じられて良かった。
が、読後感はなんとなく微妙…。うーん。この先の天使に希望はあるのか?未来は明るいのか?結局変われないのか?変わらないのか?結局は、自分次第ということなのか?
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天使が成り上がっていく姿は見ていて面白かったのだがラストの展開はリアルを感じて少し儚かった。
それほどまでに現代のリアルを伝えてくれた本だった。
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老人が多数長期滞在するホテルにいる金持ちの老婆と、金の無い主人公が出会い、金融知識を学んだりして人生を立て直そうとする話
毒親、孤独な老人、金融知識の無い若者など、社会の陰の部分の話題が多く出てくる
前半はなんの話をしているのかさっぱりわからないが、登場人物の過去がわかるに従って徐々に面白くなっていく。
Posted by ブクログ
天使の出自の話とか、不動産の話とか面白くてワクワクした。けど、この作者の作品は基本的に、結局お金を貯めるにはまずは節約で元手を増やすっていう結論になるのが多い気がする。
Posted by ブクログ
毒親のもとを離れ、金持ちになれる方法を知っているという光子にノウハウを教えてもらう天使。
天使はあまりにものを知らない、なにも教えてもらってこなかった女性。その彼女が、光子や周りの人の優しさに触れながら少しずつ生活を立て直していくところは面白かった。
だが、最終的に光子のお金を盗んだのは誰だったのか、過去の自分から逃れられなかったのは天使が報われなくてモヤモヤした。
駐在中の焼魚のくだりは、自分にも経験があったのでそうそう、と共感してしまった。
Posted by ブクログ
子沢山の毒親に育てられ、きちんとした教育を受けられないまま大人なった主人公・天使(エンジェル)。
高校中退後、世間に放り出される。生きていくために働き始めるが、学もお金もなく、親の援助もない彼女がいかに成り上がって行くのかを描いた作品だ。
「老人ホテル」というタイトルだけに訳あり老人達が長期滞在するホテルを舞台にお金持ちになるためのノウハウを学んでいくことになるのだが、ラストが後味の悪い感じだった。
途中まで楽しく読めてただけにモヤモヤ感が残ってしまった。
解説によると単行本と文庫本ではラストに違いがあるらしいが、読後にスッキリ感を求めるタイプなので、いつもより星の数が1つ減ってしまったかな笑
Posted by ブクログ
題名から想像していた話とは違った。
大家族で育ち、テレビにも取り上げられる中で育った天使(えんじぇる)は高校を中退し、キャバクラで働いていた。
その時に店で出会った不思議な老女・光子に興味を持ち、彼女の後を追う。
やっと見つけた時、光子はあるホテルに長期滞在していた。
そこには光子の他にも訳ありな老人たちが住んでいた。
天使は光子に近付くため、そこの清掃員として働き始める。
そして光子にお金持ちになる方法を教えてもらう。
一般常識とか常識とか、殆どない天使が変わっていく様は興味深いものがあった。
他の老人との絡みもあったけど、そこは少し中途半端な気も…
最後に収録されていた天使のその後を書いたスピンオフもなかなか面白かった。
2025.8.19
Posted by ブクログ
原田ひ香さんの作品は毎回一気読みしてしまう
とても読みやすい。ただ今回の作品で言うと
決してハートフルでも、かと言って
ミステリーとも違う。
どちらかと言うとリアル感が先行していて
タイトルを見た時に感じた違和感が
そのまま当たってしまった。
なにより驚いたのは単行本で発行されたものと
今回の文庫本ではラストが異なる。
加筆修正されたものが今回文庫化され
更にスピンオフで主人公の「天使」の結末が
わかるのか!と思ったもののスピンオフで
更にモヤモヤが残ってしまったのが残念。
結果的に最終最後でも天使を苦しめた
人物も分からず、想像に任せます的な
モヤモヤ感。うーーーん……。
解説を読み、そういう事かぁ。と納得できたような
出来ないような不穏な空気が最後まで
残りました。
Posted by ブクログ
三千円の使い方の著者で面白そうな見出しで購入。
だんだんいい展開になってきたところで、急展開。
個人的にはいい方向で終わって欲しかったが、これが現実世界に近いのかもしれないです。
Posted by ブクログ
「ホテル暮らしの老人たちに教わるお金のこと、生きる知恵」の帯を見て「三千円の使いかた」や「財布は踊る」を連想し読んでみた…けど、ちょっと趣きが違った。
最初、主人公や登場人物になかなか気持ちが寄り添えず捲るページが進まず…途中からは天使の人生の行く末が気になり一気読み!
本編もスピンオフも結局結末がモヤモヤ…
読者に委ねるということでしょうか。
光子の伝授を実行する天使の姿をもう少し明細に見たかったなぁ!
ちゃんと再生する姿見たかった!
ひ香さん、すごく好きな作家さんだけど、時々このモヤモヤ感が残る小説がある…
でも好きだから読んじゃう(^^)
Posted by ブクログ
「老人ホテル」
解説に寄ると、単行本と文庫版では結末が違うらしい。文庫版にはスピンオフとしてヒロインのその後の短編が掲載されている。これが何とも苦い。どんなに努力をしても、充分な成功者でも。振り切っても振り切っても逃げられない・捨てきれない・自ずと滲み出てしまうものを思う。そして、その象徴が「ファーストクラス・ラウンジ」での珍事(その後の事はある意味どうでもいい蛇足のようにさえ思う)というのは、作者の巧さが際立っていた。
しかし、ヒロインの光明となった光子もまた別種の毒親であった、という皮肉。ホテルの誰が金を?という疑心暗鬼の人間の闇。救いがないなぁ、と思う。
ヒロインは離婚になり(ヘタすっと慰謝料を請求されそう。夫は賢いし悪人でもなかろうが、ヒロインの境遇や心情を察せられそうな類の懐の深い頭の良さはなさそうだ)、裁判にもなるかもだが、状況は良い弁護士を雇うなどすれば再起不能とまではならないだろう。
光子のように奮起し、光を希望として全てを話せる誰か数名と関係を築き(逆に裁判となればヒロインの境遇を知る理解者が現れる可能性もないではない)、誰かを頼り、同じく誰かを助け、光子より穏やかに、ある意味平凡に生き抜いて欲しいと願っている。
「劣悪な毒親の呪いはどんなに努力しても3代までたたる」と個人的に思っている。それでも子が孫がその周囲が立ち向かわねばずっとアン・ハッピーエンドのままなのだから。
Posted by ブクログ
自己肯定感が低いってこういうことか。疑われたらもう終わり。無実であれば、真実を訴え続ければいつかわかってもらえる(かもしれない)という発想が全く湧かないようだ。
ご老人たちも主人公も妙にリアル。どこかにいそうな気さえする。主人公が幸せになってくれるといいな、と思うけど、多分光子さんみたいになる気がする。でも。もっと強くなれ。がんばれ!
Posted by ブクログ
原田さんの本は、面白いものもあるけど、この主人公の物語はあんまりいい気持ちがしなくて残念。
読みやすくていいのだけど、昔あった大家族のドキュメンタリーも好きではなかったし、なんとなく品の良くない感じが物語全体にただよっている。
それは、著者の上手さだと思う。
Posted by ブクログ
原田ひ香さんの小説はたまに何か引っかかりやモヤっとする感じの小説がある。冷や水を浴びせられたようなガツんと来るものでもない。何かやるせない、持って行きようのない感情が湧いてくる物語だ。今回もその類に入るかもしれない。人生そんなに甘くない、育った環境から滲み出る品格、性格もそうそう変わらない、という事を読んでると突きつけられたような気がしました。少し残酷で悲しいお話しでした。
Posted by ブクログ
老人ホテル
原田ひ香
サクサク読めると思ったら意外と読み応えあった。
不動産バブルで儲けた老女と金なし大家族で育った女性の話。
人生やり直すってほど爽快でもなくてどん底てほど暗くもなくて、なんだか妙にリアルだった。
2週間ギリギリで読破ー。最近本読めないなぁ。
#読書
Posted by ブクログ
えー!!
途中まで、最悪な育ちを光子の知見で跳ね除けて、良い人生に向かって行こうと希望が持てていただけに、最後の後味が悪すぎるよ…
山田さんに「逃げられないよ」なんて言わせて。
しかも、その山田さんがとった可能性もある…というところに、
ホテルの良心として応援してた山田さんにまで最後砂をかけられた気分。
ファーストクラスラウンジは、その嫌な読後感に拍車をかける!
あんなに頑張ってたのに、天使はこれからもずっと過去に怯えながら生きていくの?嫌だなぁ…
彼女が幸せに生き抜けますように。
Posted by ブクログ
えー!!
途中まで、最悪な育ちを光子の知見で跳ね除けて、良い人生に向かって行こうと希望が持てていただけに、最後の後味が悪すぎるよ…
山田さんに「逃げられないよ」なんて言わせて。
しかも、その山田さんがとった可能性もある…というところに、
ホテルの良心として応援してた山田さんにまで最後砂をかけられた気分。
ファーストクラスラウンジは、その嫌な読後感に拍車をかける!
あんなに頑張ってたのに、天使はこれからもずっと過去に怯えながら生きていくの?嫌だなぁ…
彼女が幸せに生き抜けますように。