小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ杉原爽香53歳!
シリーズ開始が15歳なので、40周年まであと2年……。
なんとか作者に頑張ってもらいたい。
(まだまだ元気そうだが)
しかし、田端の息子があんなクズ息子に育つとは……。
3代目が会社を潰す、あれ、良久はもしや3代目では・・・?
前の社長は田端の伯父だったけど。
今更ながら真保がいないことが悔やまれる。
そして祐子……。
当初から一貫していけ好かないキャラではあったけど、それでもシリーズ初期からいるキャラだしそれなりに感慨はあるが、ついに堕ちるところまで堕ちてしまった。
犯罪やぞ。
祐子としては、元カレを切って新卒で入った会社の社長の甥とうまいこと結婚して社長夫人になったのに、憎き恋敵の爽香は自分が捨てた元カレと結婚して、私の方が格上!と思ってたのに、なんで爽香の方が幸せなの!?みたいな気持ちなんだろうな。
まあ、大学生の祐子にとって(しかも美人でモテたろうに)、彼氏が10歳くらい?年上の人妻に寝取られるというのは屈辱だっただろう、とは思うけど。
で、心機一転玉の輿にのったのに、爽香が夫の会社の社員になるのは想定外だったろうな。
その辺で性格が歪んでしまったんだろうか。
30年以上主要キャラの一人ではあったので、次作で完全に堕ちきってしまうのか、踏みとどまるのか……。 -
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎大好き人間で、店頭にこれが並んでいるのを見た時からずっと早く読みたいと思ってた!家にスペースがなくて文庫にならないと買えないと待ってたけどオーディブルに入ったのでそこで拝聴。
しょっぱなから、これだよこれ!と言いたくなるような急展開。小説の冒頭というのは度々取り沙汰されるけど、表紙をめくって1発目、漫才で言うつかみの部分であっと声が出るような事件が起こって、私たちをグッと引き込んでくれる。
小説に限らず大御所になると、スタートから面白くなるまでもグッとためることができる。消費者側がこの人の作品なら面白くなるだろうと待ってくれるからだ。どんどん章が長くなってるワンピとか。勿論それも、より重厚なストーリーを展開してくれてるということで悪いことでは無いが、これだけ人気作家になっても変わらず初手からエンジンを全開にかけてくれる伊坂に嬉しくなってしまう。
過去にどこかで、伊坂の描く世界は、現実の仙台を舞台にしながらも少しファンタジーが混ざる、イーハトーブなのだという話を読み、その通りだと思ったことを思い出す。私たちはまさに、ふとしたきっかけで穴に落ちてちょっと何かがおかしい世界に迷い込んだアリスのように、伊坂の作る世界を探索することになる。
複数視点を交差するオムニバス形式の物語展開は伊坂の十八番と言っていいと思うが、今回もそれが遺憾無く発揮されている。
そしてラストまで読み切った時、自分がオーデュボンの祈りで初めて伊坂を読んだ時のことを思い出した。伊坂の作品はどれもだーーいすきなのだが、オーデュボン、重力ピエロ、フィッシュストーリー、アヒルと鴨のあたりの読後感が本当に大好きだ。穏やかな5月の風が吹いたあとのような爽やかさ、それは作品内での謎、ミステリが解決したという爽快感もあるけど、そういうのとはまた違うというのは、読んだ人ならわかってくれると思う。なんとも言えないやさしい気持ちになって、読んでよかった、と思えて、ちょっとページを戻ってあれこれ照らし合わせてみて、暫しその作品の世界観に浸る。それができたのが嬉しかった。そう思うと、私がとりわけ好きなタイプの伊坂作品の要素がふんだんに詰め込まれてて、ほんとに素晴らしい作品だったな。
伊坂先生、あと100年生きて毎秒新作出してください。 -
Posted by ブクログ
姫川玲子、勝俣健作、倉田修二、葉山則之――それぞれが関わる、一見無関係な事件。別々に見えていた物語が少しずつ結びつき、やがて一つの大きな輪郭を浮かび上がらせていく。
面白かった。勝俣、倉田、葉山が違和感なく主役級に物語を背負えるところに、このシリーズの登場人物の厚みを改めて感じた。
勝俣はたっぷり出番があり、その存在感を存分に味わえる。姫川玲子を嫌っているようでいて、完全に彼女を意識し、対抗している。その様子を見ていると、むしろ好きなのではと思ってしまうほどで、この二人の関係性も面白い。
倉田は登場こそ短いものの強烈な印象を残し、個人的には『シンメトリー』のとき以上に興味を持った。葉山も、これから本編でどう成長し、どんな活躍を見せるのか楽しみになった。
そして不思議なのは、これだけ周囲の人物が濃く活躍しているのに、姫川玲子が前面にいないことを寂しく感じることだ。それだけ玲子というキャラクターの存在が強い。スピンオフでも十分に濃厚で重厚。それでもやはり、姫川玲子シリーズなのだと思わされる。
タイトルの「感染遊戯」とは、正義そのものが感染していくことなのだと感じた。情報や印象の与え方ひとつで誰かの正義感を刺激し、自ら手を下さず、その人自身に「裁くべきだ」と思わせる。何より怖いのは、悪意ではなく正義感が利用されること。自分では正しいことをしているつもりだからこそ、その感染には気づきにくい。
復讐したいという感情そのものまで悪だとは思えない。けれど、復讐という行為を正義と呼ぶこともできない。憎んでいる相手と、知らず知らずのうちに同じことをしてしまう。そんな人間の皮肉まで含めて、「何が正義なのか」を考えさせられた。
『シンメトリー』のような短編集にせよ、『感染遊戯』のようなスピンオフにせよ、本編とは違う角度から人物や世界を楽しめる。その振れ幅こそ、このシリーズのエンターテインメント性なのだと思う。
姫川玲子シリーズの懐の深さと、正義が凶器にもなり得る怖さ。その両方を堪能できる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
大好きな恒川光太郎さんの作品。期待した通り、その世界観に引き込まれて、あっという間に全部読み切ってしまった。マヤ文明に詳しくない私でも楽しんで読めた。エルテカ王国と言うひとつの国が滅びるまでを描いていて、登場人物はだいたいろくな死に方をしないのが逆に清々しい。スレイとシベリア、ドルコとフォスト、注目すべき関係性が何組書いたけれどこの2組が特に好き。元々のレリイの教えが信者たちに伝わっていないくだりが切なくてよかった。続編があれば是非とも読みたい、キャラのその後がどうなったのか気になりすぎる。
スレイにとっては仇だけれど、シベリア•ワカが1番かっこよくて好き。
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