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Posted by ブクログ
なんかすっごくいい本に出会った…。ほとんどジャケ買いで、おいしいものがいっぱい出てくる旅エッセイなのかな、と軽い気持ちで買ったけれど、この濃さは何。深夜特急をはじめて読んだときのような感動。それは旅のハードさを大げさに語るでもなく、つまらない自分語りばかりをきかされるのでもなく、ほんとうに、ただ、旅。その視線がまっすぐでシンプルでただ美しくて、まるでそれが当たり前のことのような感じで書かれているのがいい。すごい高尚なことは何も書かれていないけどなぜかこの人の魂の気高さに触れてしまう。そんなにひどくないはずの解説ですら、この人の透明すぎる文章の前ではくすんで感じられた。すごい人が現れたな。
Posted by ブクログ
本書の筆者である中村安希を最初に読んだのは、3年ほど前のことであり、それは、開高健ノンフィクション賞を受賞した「インパラの朝」という本だった。「インパラの朝」は旅行記だった。アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパの47か国をを684日間まわる、とても過酷な旅の記録だった。私はこの本がとても気に入り、その後も中村安希の本を何冊か読んでいる。
本書「食べる。」も久しぶりに中村安希の本を読んでみようと思って手にとったものだ。「食べる。」という題名から考えて、当然、何か「食」「食文化」等に関するノンフィクションだと思っていたが、実際には、この本も旅行記だった。「食べる。」ことは、収載されている16話に必ず出てくるが、それがメインのテーマではなく、旅先での出来事の一つとして位置づけられている。「インパラの朝」のような旅行記をまた読んでみたいな、と思っていたので、そういう内容であったことは、嬉しい勘違いでもあった。
最後の16話目、ルーマニアでの話の中で、彼女は「旅」についての自分自身の考えを書いている。それは、彼女の旅のブログを読んでメールをくれた、ルーマニア人の女性に対しての返信のメールとして書かれている。
【引用】
私は、旅を全くしない人生は、意味や特徴が少ないと考えています。旅をする以外の方法で、どうやって世界のことを知ればいいのかが私にはよく分からないし、さらに言うと、この世界のことを何も知らないままでは、自分が何をすればよいのかを正確に知ることはできないと思うからです。だから旅をしています。
【引用おわり】
このような考えを持つ人の旅行記として、「インパラの朝」に続き、本書も楽しく読んだ。
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小説・文芸
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