インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

小説・文芸
495円 (税込)

2pt

【第7回開高健ノンフィクション賞受賞作】広大なユーラシア大陸を横断し、イスラム圏の国々を越えてアフリカ大陸へ――。絵葉書を売るカンボジアの少女に凜とした生きる意志を感じ、排他的な印象を抱いていたイランで受けた細やかな配慮に戸惑い、ザンビアでは貧富についての議論を交わす。周囲の声に惑わされず、自らの素直な感覚を頼りに47カ国を旅した著者が綴った684日間。

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インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    沢木耕太郎さんの紀行小説「深夜特急」を彷彿とさせるノンフィクション。

    300頁にも満たないこの1冊に、広大な世界が広がっていた。
    異国の文化や国民の気質、それらを著者の目を通して感じたり疑似体験できることが、たまらなくおもしろい!
    これだから読書はやめられない。

    その国、人の考え方や感じかたによって交わされる会話も違う。
    ◯◯人というカテゴリーでしか知らない異国に住む生身の一人一人と向き合い、肌でその人の暮らしや思想、体験と向き合えることが、私の目にはとても眩しく映った。
    まさに一期一会の世界が広がっていました。

    日本にも言えることだけど、その土地の食文化や気候、慣習に身を置いて過ごすのは、想像するだけで楽しそう。
    素晴らしい読書体験でした!

    沢木耕太郎 著「深夜特急」を初めて読んだのは昔、新卒入社の夏。あの時、「もっと早くこの本に出会ってたら旅に出てたのに…」と思いましたが、こちらの作品もそうかもしれない。


    『子供たちは、声には出せない大きな思いと、言葉にできないたくさんの意図を、その小さな体の深いどこかに密かに隠し持っている……そんなふうに感じられた。』

    『臆せず抗せず慌てずいれば、地球は勝手に自転を続け、やがてすべてはあるべき場所へと落ち着いていく気がしていた』

    0
    2025年03月08日

    Posted by ブクログ

    将来、国際協力をしたいと思っていた身としてはとても興味深かった。作者が実際に様々な地に足を運んで、日本との生活を比べた時に、物に溢れていたり、経済的に裕福であれば幸せであるという固定観念は必ずしもそうではないことを再確認できた。

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

     開高健ノンフィクション賞を受賞した時から気になっていたけれど、今まで読まずにいた。読み終えた今思うのは、『15年間損した。もっと早く読んでおけばよかった。』と。

     文章は簡潔でいて筋肉質。それでいて情緒はあり、読後は感慨深い。

     ユーラシア大陸からアフリカ大陸を旅して2年。序盤のアジアと終盤のアフリカではタッチが異なるが、それは国情の違いか、流れた旅の経験がそうさせているのか。

     あったことをそのまま並べ、全てをアピールするのではない。

     大きく心を動かされたこと、強く感じたことを、その出来事と著者の心を両方描写しているので、より著者の心の内が強調されている。読者である僕に伝わるのは、著者の個人の尊厳のとらえ方と幸福の感じ方が一貫して変わらないことだ。この感覚が旅行記に深い読後感を与えていると思う。

    0
    2024年02月25日

    Posted by ブクログ

    各国での印象に残った出来事を繋いで行くスタイル。答えがない、唐突なエピソードも多いので初め慣れるまで戸惑った。旅をつらつら書いた旅行記かと思ってた。

    精神性の豊かさと貧しさについて考える。わたしも自分の哲学をもっていたい。

    こういった旅をなぜするのか。特に危険地域だったり、国際援助も偽善やバランスなど考えると、何が正解か、何が個人にできるかはもとより、個人の数週、数ヶ月の体験で目に見えることも限られている。例えば"日本"という章があって、どのような1つのエピソードが相応しい?それに対しての筆者の考えがこの本に残されているのは読む価値があると思われる。先日テレビでみた、沢木光太郎の自由に対しての考えと多少重なる部分を感じた。言葉だけを取ると、現地で乗り物の手段を使いこなすことが自由にどう繋がるのか、と言う気がするが、その奥のいいたいことはなんとなくわかる気がする。言葉にするのはとても難しい。

    2022.1.18

    0
    2023年01月20日

    Posted by ブクログ

    こころが大きく揺さぶられる一冊。すべてが生々しく、リアル。読み終わるとどっと疲れが出るくらい、内容も文体もパワフル。
    自分の足で旅をして、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分のこころで感じることの大切さを思い出させてくれる。

    0
    2022年09月08日

    Posted by ブクログ

    友達のおすすめ本。英語で書いて和訳したような、簡潔ですっきりとした文章だった。本当にそうやって書いてるのかも?これを読んで行った気分になるのは傲慢すぎるけど、筆者が感じたその国の風景や、空気が鮮やかに伝わってくる。アフリカに根付いた、将来の計画や貯蓄はないけど、助け合って生きていけるという、いわゆる「その日ぐらし」の価値観は、やっぱりなかなか理解しがたいところもあるけど、あたりまえに尊重すべきだし、先進国がズカズカ立ち入って否定していいものではない。記録に残らなくても、他人に評価されなくても、目の前の人を助けるってことをちゃんとしようと思った。

    0
    2022年03月26日

    Posted by ブクログ

    26歳の女性が、アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパを684日間、貧乏旅行でまわる。訪問した国数は47カ国。野宿は当たり前で、途中で身体を壊したり、とっても過酷な旅だ。旅行記は、たくさん読んでいるが、女性の旅行記で、ここまで過酷なものは読んだことはない。
    文庫本で、だいたい280ページ程度の本だけれども、約50の短い章に分かれている。旅行の記録も書かれているが、彼女自身の感情の動きを示している部分も多い。物事を、とても真っ直ぐに見て、真っ直ぐに書いている。読んでいて、清々しく感じる部分も多かった。

    書名の「インパラの朝」は、ケニアでサバンナ旅行に参加した3日目の朝に、一頭のインパラに遭遇した出来事を書いた章の題名でもある。
    そこの部分を引用したい。

    【引用】
    すると、私の眼前に一頭のインパラが現れた。黄金の草地に足を着き、透き通る大気に首を立て、たった一頭でたたずんでいた。インパラは草を食むこともなく、歩きまわることもなく、緊張している様子でもなく、だからと言って気を抜いてくつろいでいるふうでもなかった。誰かに追われることもなく、何かを追いかけることもなく、静かにそこに立っていた。インパラの濡れた美しい目は、周囲のすべてを吸収し、同時に遠い世界を見据え、遙か彼方を見渡していた。
    ヴァンは速度を緩めることなく、近くをそのまま走り過ぎた。私は体を乗り出してインパラの姿を追いかけた-そのしなやかな筋肉と悠然としたまなざしを。
    【引用終わり】

    書名にしているぐらいなので、彼女にとっては、とても印象に残った場面だったのであろう。
    周囲のすべてを吸収し、遠い世界をも見据えることができる悠然としたまなざしを持つことを彼女は強く望んだのであろう。
    確かに本書は、そのような本だ。

    0
    2020年08月30日

    Posted by ブクログ

    2019年9冊目。
    著者の旅のテーマのひとつといえそうな、世界の人々にとって「何が必要なのか。何が適切な支援なのか」。
    授業でも単元計画の軸に据えたりしている。
    この作品を読み進める中で、「やっぱり」と思う部分と、「そうか」と気づかされる部分があり、大変勉強になった。レビューをみると批判もあるようだが、個人的には示唆を受けた。

    先進国と途上国。支援とは?国際貢献とは?そして、真の幸福とは何なのか。
    支援することによって地域社会のバランスが崩れ、紛争の火種になる可能性もあること。
    バランスが崩れることで、モラルやその類の「大切なもの」が消えたと嘆く人の存在。

    特に印象深い箇所メモ。
    p246
    「国の宣伝や未来投資から場合によっては距離を置き、もう少しだけ純粋に地域の実態を考慮しながら、素朴な支援を試みている。だから日本の協力は、質や金額に見合うほどには世界で評価されていない。国際競争にしっかり負けて、真の協力で勝利する。評価されないことを謙虚な姿勢でやっていく。もっともっと評価されずに、それでも淡々とやっていく。」

    p248
    「助け合うということは、予算額の大きさではない。慈悲の精神の量でもなければ、それをどれだけ大々的に宣伝するかということでもない。(中略)数千億円の予算を使って世界を救済できなくても、東京の満員電車の中で妊婦に席を譲れる人は、十分深い「思いやり」を心の中に秘めている。(中略)大きな評価は得られなくても、相手の気持ちに耳を傾け、今日目の前にいる人々に、そっと手を差し出せばいい。それを教えてくれたのは、当のアフリカ自身だった。」

    0
    2019年02月26日

    購入済み

    2回目

    一回目はハードカバーで、二回目が今回。
    正直に、一回目のことは忘れて今回読んだことだけ念頭に置いて書くと、一回目より感動は薄れた。一回目は「途方もなく壮大な女性の旅」という印象で沢山の人に勧めて回りたくなったほど感動したものだが、二回目は「一人旅世界一周したことを書いた本」という平凡に近い感想を抱いた。完全にただ二回目で、知ってるつもりで読んでしまった自分の問題なのかもしれない。でも、だからといって自分の中でこの本の価値が下がった訳でもない。
    一回目はなんか感動がでかすぎて発言のほとんど全てを盲目的に吸収した部分があったけど、二回目の今回は、冷静に批判も含めながら読んだことに要因があると分析できる。
    二回目で知ってるつもりになってる部分があることは否めない。また、半ばもう読んでるから飽きて読んでる部分があったかもしれないことも否めない。長いし。
    ただ、書いたときと、一回目と、今回、それぞれで時代が移り変わって変化していることと、自分の状況も微々たるものだが、あのときよりはこの本に託していた理想に近づいてることも、感じかたが変わった要因になってるのかもしれない。
    一方でもしそうだとして、それで傲慢になって上から目線で批判を与えているのであれば情けない話だが。
    二回目。一回目と感想が変わった。一回目より感動が薄れた。当たり前かもしれないけど、今回の感想。
    魅力的な旅を綴った魅力的な本であり、一番好きな本の一つであることに変わりない。

    0
    2018年11月22日

    Posted by ブクログ

    久々に旅行記が読みたくなって、手に取った本。
    最初は、やけに淡々と書く人だなあ。なんて感じたが読み進めていくにつれて、この著者の性格が率直で、なかなかの切れ者なんだと気づいた(良い意味で)
    根性と体力、精神面においても非常にタフ。
    相手が誰であろうと、主張するべき時はしっかり主張する。
    だからこそ、この過酷すぎる旅を成し遂げる事が出来たんだろう。

    そして、この本では特に中東〜アフリカ地域に関しての現実と理論が大きくかけ離れている事を初めて知った。
    私は中東やアフリカ地域に関しては、ニュースやネットで得た情報、もしくは学生時代に社会科で勉強した事がほぼそのままだと思っていた。
    けれど、この本の中ではこれまでの意識をガラリと変える出来事の連続だった。
    ネットやテレビが伝えられない、人々の表情、優しさ、おもてなし。。。
    テレビやネットでは伝えられていない、現実、問題。。。
    あたかも当然のように伝えられている情報は、実はその何十分の一でしかない。
    本当の事は、実際に行って確かめてみないと何も分かりはしない。

    私はこの本を読んで本当に、良かったと改めて感じる。
    著者のフィルターを通してではあるが、著者の言う”騒音”から少しだけ離れることができたからだ。

    ぜひ、できるだけ多くの人に読んでもらいたい一冊。

    0
    2017年08月27日

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