あらすじ
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える自動二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事と家族のバランスに悩むアクセサリー作家。 つまづいてばかりの日常の中、タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』の月に関する語りに心を寄せながら、彼らは新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく。
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月がすきな私にはドンピシャな物語。ラジオという媒体を通じで繋がる心たち。間違ってもいい。焦らなくていい。そのまま、そのままであろうとしなくていい。いいんだ、その私がすき。という気持ちを確かめられる物語。
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5人こ人物にフォーカスが当てられ、短編集のように物語は進んでいくがそこに出てくる5人それぞれが自分の見えないところ思わぬところで何かしらの関係で物語の中で繋がり、「関わってる人」になったいた。この本を通して自分じゃない誰かのためにしたことがまわりに回って自分のためにも、自分の大切な人のためにもなると思えた。またこの本は5人それぞれの現状の悩みを解決するヒントとしてポッドキャストの月のお話をしてる人の話を参考にするのだが、自分は月が好きなので月の豆知識みたいなのも知れて良かったし、新月や満月を形容的に捉えるのではなく占星術のように捉えるというのは自分があまりしてこなかった見方で興味を持てた。
そして最後少し驚く展開からの感動!よかった
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タケトリ・オキナは劇団ホルスのお父さんかなと思ってたので、息子さんの方で良い意味で驚きました。父視点で嫁いでいく娘への想いを綴った話は泣いてしまった。芸人をもう一度頑張ろうと決意する話も良かった。私も上京組なので励まされました。仕事を辞めた人、将来が不安で悶々とする人、親子関係に確執のある高校生、夫婦関係と仕事の両立に悩むアクセサリー作家など各々悩みを抱えるスタートなのも良かったし、気付きを得て希望が見える温かなお話ばかり。とても前向きな気持ちになりました。誰かの蒴/レゴリス/お天道様/ウミガメ/針金の光
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青山美智子さんの2023年本屋大賞ノミネート作品ということでかなり期待して読みましたが…期待以上の面白さでした!連作短編集で最終章で明かされた事実に鳥肌が立ちました!
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前向きな気持ちになれる本でした。
短編が続きますが、意外なところでの登場人物のつながりも面白かったです。
普段通勤時間に本を読むのですが、
涙を堪えるのに必死になる本でした。
私が涙脆いだけかもしれないですが笑
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もうこういうので(いや、こういうのが)いいんですよ、今の私にとっては。
人が傷ついたり苦しんだりするような話ではなく、綺麗すぎるかもしれないけど純粋に読んでいて気持ちが良い文章とストーリー。
そして油断していたら急に涙を誘うような展開。
老若男女どなたにでもおすすめ出来ます。
これで私は間違いなく青山さんの作品が好きだと認識しました。
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周りの人の幸せを願って頑張ること
気持ちに余裕がない時ほど
自分のことばかり考えてしまって
結局焦って、何をするにも雑になってしまっている気がします、、、
焦っているときほど、周りの人のことを意識して、
気持ちを自分ばかりに向けすぎないようにしたいです
大切なことに気づかせてくれた作品です!
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『ツキない話』で登場人物たちが
繋がっていて、えっ!ここで繋がるのか〜!という発見もあり、楽しめました。
ラストは涙がこぼれます。
ほっこり癒やされました。
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月の話興味深かったです。ポッドキャストっていうのも聴いたことないので、興味持ちました。聴いてみようかな。
青山美智子さんらしい、温かい作品でした。自分なんてちっぽけだし、誰かの役に立ってるのかな…って思うときもあるけど、直接的でなくても自分の今の小さな行動が巡り巡って誰かのためになってるんだ!って思える話でした。
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青山先生本当に素敵な世界観を持っていて、読んでて心地がいいです。寒くなってきたからこそ物語の暖かさが沁みる。読みやすくてページを捲るのをやめられず、一気読みでした!!!なるべく大事に大事に言葉を飲み込みたいけど、すーっと読めるので読書初心者におすすめです♡
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五章編成の小説でした。普段この系統の本を読まないので新鮮で楽しかった。
どの話も主人公は違うが、どの話もつながっていた。誰かの日常が誰かにとって特別で、誰かの特別が誰かにとっての日常で、人の思いは繋がっていて素敵なお話だった。また読み直そうと思った。
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穏やかであたたかくて、ありのままの貴方でいいんだよって包み込んで優しく背中を押してくれるような作品。デトックス効果すごい。
なにか壮大な出来事が起きる訳ではないけれど、読み終わった頃にはなんだか自分の悩みや生きづらさが良い意味でちっぽけなものに思えてくる。テーマである「月」は、物理的にも時間的にもスケールの大きな世界にいながら、どこかいつも静かに私たちの傍に寄り添ってくれているように感じる存在。その二面性が、ほっと息をつけるような安心感と同時に前向きな気持ちにさせてくれるのかもしれない。
この本に出てくる5人、この本を読んだ何万人、そして私、この地球の80億の中ではありきたりでちっぽけな存在と人生なのかもしれないけど、一人一人の人生に素敵なことも辛いこともたくさんあって、その連続の中で懸命に生きている。月が満ち、欠け、そしてまた満ちていくように。
このお話が登場人物達の人生のほんの一部なように、私の人生もこれから続いていくし色んな経験をしていくだろう。少し心に余裕がなくなったり自分を大切にできないなって感じる時に、体を暖かくして一息つきながら読み返したいな。
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連作短編集は私が1番好きな形式の小説なんですよね。この小説もびっくりするような伏線回収はなかったけれどどこか物語同士に繋がりがあって面白かったです。どの短編も前向きになれるような小説でした。人生では必ずつまづいてしまうところもあるけどそれを乗り越えて頑張ろうと思える作品でした。
見えなくても存在する新月
美しいブルーと白の切り絵と猫のシルエットの表紙が一目見た時から印象に残って読んでみたくなりました。「月の立つ」とはどういう意味だろう?と思っていたのですが、読んでみてなるほど…と納得しました。
自分の生き方や周りの人との関係性、距離のとり方を見直すタイミングを、月が見えなくなる新月になぞらえてまた新しく掴んでいくお話し。各話ごとに主人公は異なるけど、みんなそれぞれどこかで繋がっている。まるで竹林の竹が地下の根っこでは繋がっいるように。
近くにいる人ほど本当の気持ちに気づきにくくなっているのかもしれないですね。勝手な思い込みで人を評価してしまう罠に私もはまりやすいので、主人公たちを見ながら正される思いがしました。気持ちが和らいで角がとれていくみたいな癒しを感じました。
月を見上げるのがますます楽しみになってきそうです。
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登場人物はそれぞれの立場、属性の人たちなのに全員に対して不思議と「わかる」って感覚が湧いた。
竹林の根はひとつに繋がってるって話が出て来たけど、表面的には全然違っても人間をふかぼっていくと根底に同じものを抱えてることも多々あるんだろうな。それを柔らかな文章で示してもらった感じで、だからこそ登場人物に対して「わかる」って感情が湧いたのかなと。
新月のように表に見えないって成長とともにあえて見せないようにしてみんな踏ん張って日常を送ってる部分なんだろうな。けど、そこを見せてもいいんだと自分を許せること、それと同時にふと相手はどうだろう?と思い遣ることが大事なのかなと、感じた
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小熊みたいで可愛いと思ってたんだという不器用な親父さんの話はたまらなく愛おしかった。
車内で鼻がツンとなって我慢するのに苦労するくらいでした。青山さんの描くお話は、いつも読みやすく自分の今の人生と重ねながら寄り添ってくれる読書体験を与えてくれます。
帰宅後すぐに娘に大切だよって伝えました。
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安心安定の青山先生。それぞれの短編に出てくる登場人物が少しづつ繋がっているいつもの作風だけどとても自然で違和感なし。日常に追われているときに気分転換に読むと頑張れる気がする。
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仕事なのに1日に2冊も読んでしまった日。
次はどの人が出てくるんだろう、今まで出てきた人たちとどういう繋がりがあるんだろうってワクワクしながら読めるのが本当に好きだった。実際の現実社会でもこうやって人と人とが繋がってるのかなと、青山さんの作品を数冊読んで思った。
バイクイジリ・オキナが個人的には胸熱で少しうるっとしてしまった。
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心温まる話だった。個人的には急に結婚して家を出た娘との関係性に悩む父と、娘の夫の話がいちばん好きだった。本を読んで感動して泣いたのは久々だった。
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心があったかくなった!こういう小説大好き!人と人がつながりあっている…。
特に3章の「お天道様」が良かった。一人娘の急な授かり婚、しかも相手はさえないような男性。しかし、無口ではあるんだけど思いやりがあるんだなぁ。それを徐々に知った父親がついには信彦になら娘を任せられるとの思いに至る所にじわっとした。
全体に思うことは、言葉で伝えることの大事さ!今回は時間がかかったが、伝わったから良かったものの、そうではないこともたくさんあろう。自分の大事な人には感謝や思いを拙い言葉でも伝えていこうと思った!
「才能よりも大事なのは環境かもしれない」
それも一理あり。
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人との不思議な縁や繋がりを描いている、青山美智子さんの本を読みました。このお話は、大切なもの、こと、人や離れてる人のことを月に例え、その距離感の大切さを表しているお話だと思いました。印象的な言葉は、「あたりまえのように与えられ続けている優しさや愛情は、よっぽど気を付けてないと無味無臭だと思うようになってしまうものなのよ。」です。人と人との愛情は、気をつけないと気付かないことがあるということを、改めて思ったので、自分の教訓にします。
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「連作短編集の母」青山美智子さん。
相変わらず安定して心温まる内容でした。
今作は、月の話から物語が発展します。
このなんとも言えない感じはなんなんだろう?
青山美智子さんの本は、どれも内容が同じように感じるんですが、なぜか新鮮な感じもするんですよね、、、
不思議です。
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5章構成の連作短編小説
「人を助けるって、なんだろう。どういうことなんだろう。」
1章の主人公の静かで切実で何かに縋るかのような問いに、ちりちりと胸の奥が痛んだ。
いずれかの登場人物の心情に自分自身を重ね合わせてしまう読者も多いのではないかと思う。
人間が嫌いになっているとき、心がよわっているとき、読み手の心にそっと寄り添ってくれるような本だった。
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★★★★☆星4【月】疲れた心を癒す読書。
正直言って期待以上でした。派手な仕掛けはないけれど、静かに読んでいればついつい感動させられた。第一章誰かの朔、看護師さんなら安心ねとか、看護師のくせにわからないのとか、あるあるなんだろうなと思った。尊敬する素晴らしい職業。第二章レゴリス、夢を追う姿って眩しいって言ってくれる友人が素晴らしい。第三章お天道様、これが一番感動した。結婚妊娠出産って世界からしたらありふれた日常だけど本人や家族にとっては一大イベント。家族の絆が深まったり、やる気がでたり、前向きになれたり。
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子どもの性悪説を書いたゴールディング「蠅の王」の次に読んだ。蠅の王で練って荒れたボコボコの生地を、平らにならすような優しい本だった。
タケトリ・オキナが配信するポッドキャストを聞く人々がそれぞれの人生を歩み、少しだけ繋がっている短編集。お月様がテーマだからか、読みながらまんまるに膨らんだパンの生地が頭に浮かんでいて、柔らかい気分になった。丁寧に、優しく過ごしたくなる本だった。
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素晴らしい一冊でした。5つのストーリーが重なって最後の仕掛けに胸が熱くなります。私がいるよというのは、あなたがいるよと伝えること、いいフレーズです。やはりみんな繋がって、支え合って生きているんだ。
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読みやすくて、毎度ゆったりとした気持ちで読書ができた。登場人物たちの暗い気持ちを描いているのに、終始嫌な気持ちにならず、青山先生は言葉紡ぎがとてもお上手なのだろうなと感じた。ただ、他の方も書いているけど、ラストが少しファンタジー感がありすぎて、もう少し現実味のあるほうが私は好きだったかな。