あらすじ
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える自動二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事と家族のバランスに悩むアクセサリー作家。 つまづいてばかりの日常の中、タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』の月に関する語りに心を寄せながら、彼らは新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく。
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ツキない話のタケトリ、オキナ。
一つのポッドキャストを聴き、心を傷めたり、癒やされたり。
月の満ち欠けにも似た気持ちを寄せる5人の物語。
新月は物事の始まり。
見えないけど、そこにある新月に願いを込める。
祈りを捧げる。
太陽と重なり、姿を消してしまう月。
お月様とお天道様が沢山登場する。
全部の話が、お月様とお天道様が寄り添うことで、新しい何かが始まりそうな終わりを迎える。
天才。
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第3章 お天道様
不器用な親父の娘思いなストーリーに泣けた!
自分が思春期をのりこえ、結婚、妊娠、出産した時を思い出し、幼少期から私の成長を見届ける父母の気持ちもたまに想像しながら読み進められた
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今年読んだ本でナンバーワンかも!今の私に寄り添ってくれるような優しい本。
5章からなる短編。
章ごとに切り取られている人物が変わるんだけど、
みんな繋がっていて、ラストに集約されるような構成。
こういうの、好き!
なんでもない日常のひとコマも
主人公がいる。
そう、誰もが人生の主人公なのだから。
そのひとコマで起きている事象も、
人と人との関係も、俯瞰で見たら
事実はひとつなんだけど、
自分というフィルターを通してしか
見ることができない。
「ツキない話」というPodcastを聴いている、というのが、5章全ての主人公の共通点。
月に関する話を若い男性タケトリオキナさんが語る10分の番組だ。
ここで話される月にまつわる科学的雑学も
興味深かったな。月と太陽と地球の実際の大きさ。私たちが見ている大きさとの違い。何故そう見えるのか?新月は見えない、というのもポイント!
新しいことを始めるのに相応しいと言われている。
新月の神秘。それは科学的にどんなことが起きているのか?人はそれをどう捉えているのか?感じているのか?それは何故?
1章 看護師を辞めて新しい道を模索している怜花。minaさんのブラックムーンの指輪に出合う。一年で3.8センチ離れて行く月。自分なりの距離感で一歩踏み出し始める。
2章 お笑い芸人を目指す、
ポン重太郎。靴擦れにならないために、裸足で行く決意をする。地に足つけて。
3章 板金工の父親、高羽。愛情は溢れているのに微妙な家族関係だと感じている。
離れて生活してみて、あらためて肌身にしみた家族の優しさ。
4章 なっちゃんとジン。学校では友達がいない2人が淡い恋に。親の離婚で味わっている苦さも、理解し合える。
5章 アクセサリー作家mina アクセサリー作家という、クリエイティブな仕事と夫との日常生活の不協和音。しかし、ある小さな出来事をきっかけに気づく、まわりの人達の優しさに。
見えない新月、
大きな満月、
白い月、
ピンクムーン、
細くて繊細な三日月。
月は、ただ月として
そこにいるだけなのに。
見ている側の、このちっぽけなニンゲンは、
いろんな見方をしている。
人と人との関係も
自分が勝手に見方を歪めているだけなのかもしれない。
もっとシンプルに
生きていいのかも?
その方が楽だし、優しさに気づけるコツなのかも?
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お月さまが好きなので手に取り読んでみた。
読み進めていくうちに人とが繋がっていくステキな物語だった。人との繋がりの大切さ、誰かの言葉に助けられたり自分はダメだと自信がなくても少しの気遣いで誰かの役に立っていることがある。読み進めていく中で何度も感動しました。
読み終えてまたもう一度読んでいくとまた違う感動があった。とても素敵な本に出会えたと思っています。
毎日を大切に頑張ろう!と思えました。
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青山さんの本は毎度疲れ切った心を浄化してくれる。ポッドキャストって自分には馴染みがないけど聴いてみようかな。人間関係につまずいた時、人のやさしさに触れたい時にまた読み直したいと思った。
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とても良かった。
普段はドキドキハラハラが好きで、何事も起こらないと進みが悪くなってくるけど、この本は最後まで全く飽きずに読み進められた。
登場する人物が皆自然体で、良いところも悪いところもある、人間らしさが感じられたからだと思う。
皆んな色んな想いを持ちながら、色んな人に助けられて支えられて生きている、自分も誰かの為になれているのと良いのだけど。
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これまで、青山美智子さんの作品は、『マイ・プレゼント』や『リカバリー・カバヒコ』を読んだが、どれも魅力的な中で、『月の立つ林で』は特に印象に残る作品だった。最近読んだ本の中でも特に好きな一冊。
それぞれの物語がどれも温かく魅力的で、最後の章でそれらがつながっていく構成がとても面白かった。読み進める中で、「人は思っているほど他人を悪く思っていないのではないか」と感じる場面が多くあり、自然と家族や友人、恋人のことが思い浮かび、温かい気持ちになれた。自分のことで精一杯になった時こそ、そういった人たちのことを見て自分も周りの人も大切にしたいと思う。
特に印象に残ったのは、物語の終盤で語られる言葉で、
「大切な人にはいつも自由でいてほしいと願う気持ちや、自分が相手に求めることと相手の望むことが一致しているかどうか自信が持てない臆病さ」
「ただ幸せでいてくれたらいいな。そして僕や父さんと会いたいと思ってもらえるのは、今はまだ、ここまでなのかもしれないけど…少しずつでいいから。気長に、待ってるから」
という部分である。
この言葉から、大切な人を思う気持ちは、相手を縛るのではなく、自由を願う優しさや、不安や迷いが含まれているのだと感じた。相手の幸せを一番に考えながらも、自分の気持ちとの間で揺れる感情が、すごく心に響いた。
Posted by ブクログ
自分の物差しや価値観で人を判断してしまうことってどうしてもあるけど、それが愚かな事なんだなと思わされる。好きなことばかりして人生を楽しそうにしている人だって、見えないところで見えないように努力をした良い結果だけが、周り人に見えてるだけかもしれない。それを安易にいいなと思ってしまうのは仕方はないとは思いつつ、その人のことをちゃんと見ようとしてないことでもあるんだなと感じた。
見えなくても存在する新月
美しいブルーと白の切り絵と猫のシルエットの表紙が一目見た時から印象に残って読んでみたくなりました。「月の立つ」とはどういう意味だろう?と思っていたのですが、読んでみてなるほど…と納得しました。
自分の生き方や周りの人との関係性、距離のとり方を見直すタイミングを、月が見えなくなる新月になぞらえてまた新しく掴んでいくお話し。各話ごとに主人公は異なるけど、みんなそれぞれどこかで繋がっている。まるで竹林の竹が地下の根っこでは繋がっいるように。
近くにいる人ほど本当の気持ちに気づきにくくなっているのかもしれないですね。勝手な思い込みで人を評価してしまう罠に私もはまりやすいので、主人公たちを見ながら正される思いがしました。気持ちが和らいで角がとれていくみたいな癒しを感じました。
月を見上げるのがますます楽しみになってきそうです。
Posted by ブクログ
自分では気づかないうちに、誰かに届いてる優しさがあるのかもしれない、誰かとの縁が繋がっているかもしれない そんなふうに思える作品
月と地球の距離のように、人もお互いが必要な距離で存在している
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一気読み。相変わらず読みやすい。青山作品は2作目。本題ではないが、惹かれ合う男女が相手を求める切なさを描写する天才だな、と思う。
全てが繋がっているお話し、全てタイトルに関係する月から物語が始まる構成に、ただただ関心。出来過ぎ?とも思うところから、最後読みながら少し冷めてしまったが、忘れていた自分、人の思いやり、愛に気付いていく展開に、「ええ話やー」と思った。
Posted by ブクログ
ポッドキャストのラジオを通じて繋がる人々。一見現代的なつながりにも感じるが、月という普遍な自然の存在をそれぞれが何を思い見上げるのか。決して希薄なつながりではなく、目に見えずとも優しく広がっている輪に心が温まった。
文章も、久々の読書に易しかった。
Posted by ブクログ
人間関係の構築には思い込みと誤解とコンプレックスが強く作用している。
それを再認識させられる内容でとても興味深かった。
精神が安定した状態が人間にとって一番の幸せなのでしょうね。
Posted by ブクログ
行き詰まりを感じている5人の主人公たちが、あるポッドキャスト番組を通じて繋がり、再び前を向く姿を温かく描いた物語
全5話の連作短編集で、各主人公は独立しているが、実はどこかで少しずつ繋がっている。
ポッドキャストという架空の場所が、物理的に合うことはなくとも、同じ音声を聴いているという連帯感が、現代的な「救い」として機能している。
ps
ポッドキャストの存在をしらなかったので聞いてみた。現在は「朝井リョウ・加藤千恵の信頼できない語り手」を聴いている。
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大好きな青山 美智子先生シリーズ。
今までとは少しちがう作風だな?と思いながら読み進めましたが、登場人物が1つの世界線で色々な繋がりをもっているところや、人間がそれぞれもっている痛みや繊細さが描かれている部分は、青山先生らしさがでてるな、と感じました。
青山 美智子先生の作品は、生きている上での大事な部分を言葉にして教えてくれる、温かな作品が多いな、と今回も改めて感じることができました。
チョコレート・ピースも、読むのが楽しみです。
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STUDIO推薦「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」2位本屋大賞2023年5位。
「大事件や劇的な展開をほとんど起こさず、日常のささやかな出来事・細かな心理描写・何気ない会話・物のディテールなどを丁寧に積み重ねて、登場人物の心の機微や「ただそこにある」人生の機微を描く手法」をなんというかAIに聞いたら
スライス・オブ・ライフ
存在感描写文学
日常のリアリズム
微視的日常叙法
微視的リアリズム
だそうです。まさにそういう作品。
職業まちまちですが、どのケースも行き詰まりを見せていて、それが最後は人とのつながりで少し好転するという終わり方です。
短編集ですが、たがいにゆるく関係しあっている仕掛けになってます。
短編なので個人の苦悩がそこまで深くなく、最後好転するのが少し予定調和なとこもありますが読み心地はいいですね。
Posted by ブクログ
タケトリオキナのポッドキャストのリスナーの人々が、人生色々ある中でもがきながら自分の幸せを見つける話です。
バイク店のおじいさんの話がよかった。
おまえのことを熊みたいって言ったのは、小熊みたいで可愛いなぁって思ったからだよ、で泣きました。
娘さんと仲良くやってほしい。
タケトリオキナはてっきり舞台監督かと思ってましたが息子さんの方でしたね。
恥ずかしながらポッドキャストの存在を初めて知りました。現代版ラジオみたいな感じなのかな。
みんなそれぞれの人生がある中で、同じ配信者の配信を聞いて元気をもらったり逆に落ち込んだりしてるって不思議ですね。
Posted by ブクログ
全部繋がってる系!伊坂幸太郎とは違ってガッツリ関係を描写してた、個人的にはふんわり匂わせるくらいの方が好き
とてもほっこりする良い本だった
最後は騙された。たしかに伏線はあったもんなー
夜中に散歩して月を見上げたくなるし人間関係に困った時にまた読みたくなる本かもしれない
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連作短編集。ポッドキャストでの「タケトリのオキナ」という名の投稿者の、ほんの数十分ほどの語りを心の癒しとしている人々の話し。
うまくいかない現実のなか、彼の語りを聞いて少し元気になって明日を迎える。
売れないお笑い芸人、娘に突然遠距離結婚された父親、などがモヤモヤしてる生活を送っている人たちがオキナの語る月の話を聞いて少しだけ元気になる。
最終話、伏線が回収されるのが気持ちいい。
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やっぱり青山美智子さんの本を読むと涙が出てきてしまう。
独りよがりな部分は誰にでもあるかと思う。でも、自分の思う以上に周りは自分のことを思ってくれている。太陽と月。近くの存在の人(太陽)を意識して信じる。自分のこと(月)を信じる。
満ち欠けを繰り返しながら自分を進化させていきたいと思う。
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ラストの部分が意外な展開だと感じた。
「ツキない話」の主さんの声を私も聞いてみたい。
月に関する豆知識は、読んでいて楽しく、
新月意外の話ももっと聞かった。
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一つ一つの人生が少しつづ繋がっていて、一人一人が前向きに進んでいくお話だった。お父さんの話には感動した
作中の、濡れていないダンボール、自分から言わないお土産の描写で、無言の心遣いに気づく人間になりたいし、無言で見返りを求めない人になりたいと思った。また、「距離と角度を自然に整えながら、その時その時の関わりを変化させながら」という1文が、恋人と自身の友達との関わり方を羨ましく思っていた自分に刺さった。お互いの距離と角度を整えているだけで、それぞれに適したものがあることを忘れていた
Posted by ブクログ
ポッドキャストの「ツキない話」のリスナーとなる人たちの連作短編集。
本の紹介の「月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのはい毎日を紡いでいく」という文章が素敵だなと感じました。
現状孤独を感じている人たちが周囲の人々との関係を修復していくのだけど、新しい出会いではなく、「あるものに気づく」「いつもそこにあるのに見えてなかったものに気づく」というかんじなので、一貫して新月がテーマなのかなと思いました。
現実の人間関係でも大事な視点だな。
不器用なお父さんと娘の「お天道様」
高校生男女の「ウミガメ」
の2作が好きです。
タケトリ・オキナの正体は予想が外れました。そっち?!ってなりました笑
ちょっと不満だったのは
太陽は男性神、月は女性神っていうだけで終わっているところ。
たしかに世界的にはそっちが多いかもしれないけれど、日本だと太陽神はアマテラス、月神はツクヨミって男女が逆なのに。
そこには全く触れられていなかったことに、違和感がありました。
あと佑樹の章と神城龍の章もあったら嬉しかったなぁ。
Posted by ブクログ
.評価は限りなく4⭐️
たけとりのおきなさん こんなポッドキャストが有るなら毎日聴いてみたくなる。
そして 配信者が思っていたより若い事も
ネタバレになるので書きませんが
Posted by ブクログ
青山美智子さんの本を初めて読みました。繋がりのある5篇の短編集。穏やかな空気感のある物語で読んでいると気持ちが落ち着きました。気持ちを落ち着かせたいときに他の本も読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
青山さんの小説を久しぶりに読んだ。これまで読んだ作品は主人公が前向きな設定のものが多かったので、人生のつまづきに重きを置いた今作は、新鮮な気持ちで楽しむことができた。人と比べて自分はどうなんだろう、頑張ってこなかったわけではないのに(むしろそれなりに努力もしてきたし、今もしているのに⋯)という主人公達のプライドや葛藤、焦りから、周りの人たちをラベリング化して距離をとってしまう流れまで、青山さんらしい優しい表現でするすると語られていた。特に最終章は青山さんの真骨頂。あらゆる点が、つながる、繋がるー。月の満ち欠けと同じように、日常は繰り返される。その循環のなかで、日々、たくさんの小さな点が生まれ、誰かと誰かが出会い、誰かの行いが、遠い誰かの日々を支える。遠くても、近くても、周り回ってつながっていてる。そんな温かい世界が伝わってきた。
Posted by ブクログ
月をテーマにしたポッドキャストが共通点の、連作短編集。
登場人物達の孤独や現状に対する悩みが、劇的に改善する…訳では無いけれど、視界が開けていく感じというか、前に進む力を得る様子に励まされる作品です。予想と違う展開もあったりして、少し驚かされました。
Posted by ブクログ
会社を辞めて何ヶ月も実家に居ると、居心地が悪く感じる40代の元看護師。
コンビでお笑い芸人を目指していたが、相方がさって置いてけぼりの配達員。
娘の彼氏を紹介したタイミングで結婚と妊娠の話しをされ、言葉数も少ない頼りなさで納得できない自営業整備工場のお父さん。
早くこの部屋を出て自立したい、シングルマザー環境で育った女子高生。
人に必要とされ仕事がうまくいけばいくほど、旦那との距離が段々と開き、離婚を考えるアクセサリー作家。
ポッドキャストの月に関する素敵な話しから、彼らの気持ちが変わっていく姿に感動します。
ちょっとポッドキャストの宣伝にも聞こえてきますが、まぁこういうのも有りなのかもしれませんね。