【感想・ネタバレ】リボルバーのレビュー

あらすじ

パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に? リボルバーの真贋は? 調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ゴッホの死に新たな解釈をもたらす作品。
ゴーギャンとゴッホの関係性を調べる中で、ゴッホは悲観的に語られがちだが、どちらの方が不幸だとかそういう切り口でなく、どちらも幸せで、双方にとってお互いの存在が重要だったと信じたいと常々思っていた。この作品はそんな思いを持たせてくれる作品で、自分に希望を与えてくれたように思う。
ノンフィクションではないが、完全にフィクションとも言いきれない作品を生み出す、筆者の美術史に関する知識と、物語の構成力、そして人物の思いを緻密に描写する筆力にはいつも感嘆してしまう。

0
2025年11月16日

Posted by ブクログ

たゆたえども沈まずと比べて少しコミカルな所もあっておもしろいストーリーでいて深いお話でした、ラストも僕好みで⋯素敵な1冊でした

⋯⋯⋯失った大切な物が戻って来てよかった

0
2025年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私は美術作品の知識は全くないが、原田マハさんの作品の美術小説を読むたびに愛が溢れているなと感じる。今回も主人公の冴がゴーギャンやゴッホに対する愛を持って仕事をし、温かい結論に達する。読後感がとても良く温かい気持ちになった。どこかロマンがあるのもいい。

0
2025年11月09日

Posted by ブクログ

ゴッホの死に関係するという一丁のリボルバーの真偽を巡って、ゴッホとゴーギャンの関係性を辿っていく物語。ゴッホの死に関してこれが真実だと思わせられるほど納得できるストーリーだった。ゴッホだけでなく、ゴーギャンに対するイメージも大きく変わった。

0
2025年10月22日

Posted by ブクログ

俳優の奥平大兼くんが面白かったとおすすめしていた本。読み始めは高田馬場にあるブックカフェで読んだけど続きが気になって購入。原田マハさんの美術史に対する専門性の高さも垣間見える。最後らへんが怒涛の展開で特に面白く、伏線回収が見事。ゴッホとゴーギャンのタブローに向ける熱意は理解できなかったもののこういう人間もいるのだと思った。

0
2025年10月09日

Posted by ブクログ

好きなものをただひたすら求めるとこうなるんだ。何かを捨ててまで大切にタブローを守り抜く。それがいいのか悪いのかはともかく私もゴッホにいい意味で嫉妬する。

あらゆる大切なもの、家族、恋人、お金、すべてを捨ててでも絵画(タブロー)に情熱を注ぐゴッホ。それに対し、大切な物も持ち合わせていたゴーギャン。どちらが不幸だったのか。お互いに嫉妬し、高みに、誰も届かない所へと競い合った画家たち。その熱い思いに涙した。

原田マハさんの作品はいつも芸術への距離を近づけてくれる。難しいと思ってる美術史もスルスルと頭の中に入っていく。もちろんフィクションもあるんだけど、それが作品に花を持たせ、小説としてたのしめる。ゴッホの手紙を見てみたいなと思った。

0
2025年10月08日

Posted by ブクログ

ゴッホが拳銃を受けて命を落としたのは、史実として知られている。
しかし、誰が拳銃を撃ってゴッホの命を奪ったのかは解明されてなく謎のままになっている。
原田マハさんの解釈でその謎を解き明かした本作は、サスペンスもありつつ、ゴッホの人柄やゴッホが住んでいた南フランスのアルルの様子が感じ取れ、歴史小説としても読めるようだ。
現代に登場したゴッホの命を奪ったとされるリボルバーが、鍵となり現代とゴッホが生きた時代を繋ぎ、読み終わった時「ゴッホはどんな気持ちで絵を描き続けたのかな」と考察するほど作品の世界に入り込めた。

0
2025年09月30日

Posted by ブクログ

ゴッホとゴーギャン。フィクションなのに、現実と交差しているような、不思議な感覚で読み進める。冴の感情表現も素晴らしい。

0
2025年09月15日

Posted by ブクログ

久々の原田マハさん!
ゴッホやゴーギャンなど絵画に詳しくないが、どのような心情で様々な絵を描いていたかありありと想像できて、9月からはじまるゴッホ展に行きたくなった。

0
2025年09月14日

Posted by ブクログ

2.3年前に山田五郎さんのYouTubeをきっかけに美術にハマり、印象派を中心に色々な美術展に行ったりしていたので、
進研ゼミで習った!という感じで面白かったです。

史実である部分もありつつ、足りないピースを創作で補うマハさんの想像力が素晴らしいです。

0
2025年09月08日

QM

購入済み

おもしろい

ミステリーを楽しむと同時に美術史の勉強にもなる1冊だった。今やこんなに有名なゴッホ、ゴーギャンにそんな過去があったなんて。ゴッホ、ゴーギャンの実際の作品を見てみたいと思った。

0
2024年08月07日

購入済み

久々に夢中に

ゴッホはあまり興味がなく、手に取った本でしたが読み進めるごとに、ゴッホとゴーギャンの魅力にどんどん引き込まれて、読み終わる頃には実際のタブローも見てみたい!と思うほどに。読み終わるのが勿体無い、もっと読んでいたいと思わせてくれる臨場感溢れるストーリー展開でした。

#感動する #ドキドキハラハラ #タメになる

0
2024年01月19日

Posted by ブクログ

「ゴッホのリボルバー」を調べていると「ゴーギャンのリボルバー」ということばにたどり着き、二転三転と話が進んでいく。

ゴッホに関する物語は数あれど、こんなにもゴーギャンについて描かれた作品を読むのは初めてで、とても新鮮だった。

0
2025年11月18日

Posted by ブクログ

ゴッホ美術館に行ったばかりだったので、絵の存在含め、実感を持って読めた一冊。
フィクションだろうけれども、ほんとにあった話なのではないか、と思える程、史実と登場人物双方が研究され尽くされたことがわかる。
世界の巨匠たちにこの本を読ませて、ああでもない、こうでもない、と酒のおつまみに楽しんで欲しいな、と思った。

0
2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゴッホの絵が特に好きだったわけではありませんが、ずいぶん前にゴッホが主人公の映画を観て、ゴッホの人となりに興味をを持っていました。

ゴッホの自殺に対しての真相部分はフィクションとはいえ非常に衝撃的でした。

ゴーギャンにまるわる目線のお話の方がゴッホのそれよりも詳しく書かれていましたが、個人的にはやはりゴッホの生涯と絵に対して興味が深まりました。

ゴッホの画集を観てみたいと思いました。

0
2025年11月08日

Posted by ブクログ

幸せとは何だろう――『リボルバー』を読んで、改めてそんなことを考えました。

僕にとって幸せとは、自分が思い描く理想の人生と、現実の人生との距離のことです。
もちろん、その距離が近ければ近いほど幸せであると思いますが、たとえその距離が今は離れていても、少しずつでも理想に近づいていけているならば、その道中も幸せなのかなと。

そして本作『リボルバー』を読み、ゴッホもゴーギャンも幸せだったのかもしれない。しかし、僕は何よりテオにも幸せであってほしいと思いました。

作中にもあるように、芸術家であるゴッホとゴーギャンは、人生のすべてを投げ打って、自分たちの芸術を追求し続けます。それは周囲の人を巻き込み、時に負担をかけながらも、それでも当の本人たちは幸せそうに見えてしまいます。

そして、そんな自分を燃やし尽くすほどの才能を抱えた天才たちに比べれば、テオは「普通の人」かもしれません。
ちなみに『たゆたえども沈まず』のときもそうでしたが、いつも自然と感情移入してしまうのは弟のテオです。

そんなテオが、最愛の兄であるゴッホはまだしも、他人であるゴーギャンまでも真摯に、限界まで支えようとする。
その姿に感動するとともに、そこまで誰かを支え、他人の理想を現実に近づけてあげたいと思えること自体も、また一つの幸せなのかなと思いました。

もちろん、それぞれ幸せの形は違うし、辛い場面が多々ある人生で本当に幸せだったかどうかは、結局本人たちだけが知っていることですけどね。

0
2025年10月28日

Posted by ブクログ

たゆたえども沈まず、とはまた違った角度からゴッホを知ることができる作品。
ただ個人的にはこれはゴッホの物語というよりはゴーギャンの物語という感じがしました。
ゴーギャンの作品は東洋美的なところがあって個人的になかなか親しみを持てなかったのですが、リボルバーを読んで(あくまでフィクションとしてですが)彼の背景や歴史を知り、次に彼の絵画と向き合うときはもう少し仲良くなれそうな気がしました。

0
2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近読んだ本だからか、なんとなく三島由紀夫の金閣寺が浮かんだ。
息を呑む美しさに取り憑かれる苦悩。
アルルで2ヶ月共同生活をしたゴーギャンとゴッホの関係性はどういったものだったのか、興味がわいた。

作品は様々な道をたどる。黒山の人だかりに囲まれ穴の開く程に見られるもの。ある邸宅の応接間に静かに佇むもの。人知れぬ暗闇に紛れるのも。そしてすでにこの世から姿を消してしまったもの。作家の思いとその後の絵画のある場所の不思議。

解説で圀府寺さんもおっしゃられているが、ゴッホ他殺説が血生臭くならずにオシャレに仕上げられているのは原田さんの凄さなのだろうなと。

=====
読書メモ

高遠冴 ー主人公。パリのオークション会社CDCに勤務。
小坂莉子 ー冴の学友。父がNYのアートディーラー、母はフランス人でNY大の美術史教授。ザザビーズ勤務の交渉ディレクター。
エドワード・ギロー ーCDCの社長。
ジャン=フィリップ・ブノワ ー冴の同僚。
サラ・ジラール ーリボルバーをCDCに持ち込んだ。画家。ゴーギャンの曾孫?
アデルホイダ・エイケン ーファン・ゴッホ美術館のキュレーター。
リアム・ペータース ーラブー亭のオーナーのインスティテュート・ファン・ゴッホ代表。p99にプロフ。サラがリボルバーを冴の前に見せた人。
X(イクス) ーリボルバーの在り処を病の床でサラに伝えた。ゴーギャンの孫。女性?←サラの母、エレナ。ゴーギャンの最後の妻(愛人?)のヴァエホの娘。

0
2025年10月05日

Posted by ブクログ

Audibleで聴読。原田マハさんの美術絵画とフィクションの融合に面白みを感じ、興味を持ち始めていたゴッホと関連していたので読んでみた。ゴッホだけでなくゴーギャンとの関係性や、死の状況や原因についての考察が新しく、当時の情景をイメージしながら読むことが出来た。ゴーギャンについての情報が多く、タヒチに行って絵を描いていたことや、ゴッホと対照的な性格や、女性関係が多かったことを知ることが出来た。

0
2025年09月06日

Posted by ブクログ

フィクションと史実の境界線がないと感じる話だった。
私は現代アートは好きだが絵画は疎い。
でも原田マハさんの作品を読むと、絵画の魅力に気付かされる。
ただ芸術家や音楽家によくある行き過ぎた行動はまったく理解できないけれど。

0
2025年08月21日

Posted by ブクログ

ゴーギャンとゴッホの話。この作品も、どこまでが史実でどこからがフィクション?と頭がごちゃごちゃになるほど、史実の中にフィクションが上手く溶け込んでいると思う。

それにしても、ゴーギャンの愛人の多さにびっくり!絵描きとしてのモデルが必要だったのだろうか。でも、だからと言って、愛人にする相手が揃いも揃って子どもだった所がなあ。
たゆたえども〜を読んで、ゴッホの絵にはとても惹かれて、特にアルル以降の作品が大好きになったのだけど、ゴーギャンのタヒチで描いた愛人たちの絵には何故か惹かれないのよね。

0
2025年11月04日

Posted by ブクログ

アートに疎くても誰もが名を知っているゴッホ。そしてゴーギャンのつながりと、絵を描き続けることの情熱。長い時を経てもなお語り続けられる、2人の画家のミステリーを感じました。

0
2025年10月24日

Posted by ブクログ

オークションに持ち込まれた、ゴッホの自殺に使われたものだといわれる1丁の銃を巡るアートミステリ。

史実をもとにして作成したフィクションだとしてもちょっと出来すぎじゃない?と思う部分もあったけれど、そのあたりはご愛敬。

ゴッホとゴッホの弟テオ、テオが援助するゴーギャン。
どこまでフィクションなのかはわからないけれど、銃の真贋を追う過程で明かされる3人の苦悩や関係性はストーリーとしてとても面白かった。

これまでゴーギャンは少女を現地妻にする汚い親父というイメージであまり好きではなかったけれど、アートを描く原動力、ミューズとして必要だったのかもしれない。
この作品を読んでゴーギャンにも興味が湧いてきた。

0
2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ゴッホを殺したのはゴーギャンだった」という非常にぶっ飛んだ設定。「たゆたえども沈まず」はフィクションだけど本当にそうだったかもしれない...とちょっと思わせてくれる。しかし「リボルバー」はファンタジーに振り切れているなというのが正直な感想。でも実はゴーギャンの方がゴッホに嫉妬や憧れを抱いていたという表現は素敵だなと思う。

0
2025年10月07日

Posted by ブクログ

『たゆたえども沈まず』ではゴッホは自殺として描かれているが、本書では他殺説がとられている。
別の作品だから仕方ないが、「たゆたえども沈まず」のゴッホとテオの関係を読んでいた分、解釈が違うのは少し違和感があった。

フィクションとはいえ、ゴーギャンの嫉妬心やゴッホの自己犠牲的な描写は、画家のファンとして少し複雑な気持ちになった。
ただ、読みやすくて全体的には悪くない作品だと思う。
リボルバーが2丁出てくる理由については、もう少し説明が欲しかった。

0
2025年10月06日

Posted by ブクログ

『たゆたえども沈まず』を読んだときから同じゴッホにフォーカスした本書を読みたいと思っていました。

原田マハさんの美術をテーマにした小説は著者の造詣の深さと美術作品の背後にある世界観を膨らませてくれるので好きです。本書も面白い視点で物語を構築していて流石。

ただ、個人的にはゴッホの半生を描いた『たゆたえども沈まず』の方のインパクトが強く、ちょっと薄味だったかもです。『たゆたえども沈まず』を読んですぐに本書を読むとまた感じ方が違った可能性も。

0
2025年09月27日

Posted by ブクログ

史実とフィクションが絶妙に混ざりあっていてさすが原田マハさんという作品でした。
ただ期待していたほど物語に引き込まれなくて、なかなか読む手がすすまず。
最後まで拍車がかからなかったのはわたしの好みかも。たゆたえども沈まずが良すぎたのも然り。
でも毎度のことながら自分の触れたことのない世界に連れていってもらえて学びがあります。

0
2025年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

原田マハさんの本格ミステリー小説。以前最果ての彼女を読んだが、ほのぼのできるストーリーであったのでギャップがすごいと思った。

内容は、小さなオークションサイトに勤務する冴の元に一丁の寂れた銃を鑑定するところから始まる。その銃はかつてゴッホを撃ち抜いたとされる銃であると依頼人は主張する。
実際にゴッホを撃ち抜いた(自殺か他殺かは不明)銃はこの世に存在するのだろうか?と思いながら読んでいた。画家の作品以外にも有名な画家にまつわる品も価値を生むのだと再認識した。

もう一つのリボルバーとして、このリボルバーがゴッホと関係があるものなのかを調査する中で、ゴッホとゴーギャン、テオに関する事実に触れていくが、それはあくまでも実際に起こったことを伝えているだけであり、事実ではあるが真実ではない。事実では、売れない画家としてこの世を去ったゴッホとゴーギャン。どうしても不遇な生涯と言わざる負えないのだが、本当にそうだったのだろうか?この本を読んで、事実よりも真実はどうだったろうと考えてしまう。ただしそれは当人にしか分かり合えないことである。だからこそ、勝手に不遇と決めつけるのは、浅はかだと改めようと思った。

絵画になんて全く興味もなかった。しかし画家の生涯を知った上で見る作品には、迫力というか躍動感というか命が宿っているかのような錯覚を覚えるのは自分だけじゃないはず。この本で出会えて良かった、絵画に興味が湧いてきました。

0
2025年09月12日

Posted by ブクログ

解説まで読み終わると爽やかな気持ち。これ、ゴッホとゴーギャンをそれぞれ本当に大好きだと、より面白いのだろうな。

0
2025年08月31日

Posted by ブクログ

物語としてはおもしろく、ほんとにこんなやりとりがあったんだなと錯覚してしまう
物語の中心となる絵ではないが、ニューヨークまで行ったのに見れなかった星月夜、絶対また行って今度こそ実物を見たいと思った

0
2025年08月27日

Posted by ブクログ

今年はゴッホイヤーとの事で各所でゴッホ展が開催されているようですね。今朝のニュースで知りました。大阪は今月末で終了・・・・うーん、遅かった。

『たゆたえども沈まず』でアート小説の面白さを知り、おかげさまで私のゴッホ知識は全て原田マハ氏からご伝授いただきました。いつか酒席でゴッホについて能書きを垂れてみたいと思っております。お前ら待ってろよ。

ゴッホは拳銃自殺との説が有力でありながら、まだ真相は解明されていないのが事実で、そこで今回はゴーギャンがやっつけたんちゃうん?説で話が進みます。いや、これゴーギャンでしょ。ゴーギャン確定でいいです。お疲れ様でした。

もちろんフィクションです。『たゆたえども沈まず』でもそうですが、読んでいると真実味を帯びてくるんですよねー、え?私だけ??まるで原田氏が見てきたようなその流れ。もう犯人はゴーギャンやで。はいはいゴーギャンゴーギャン。

全般的には『なるほど!うまい!』と掛け声だけで、特に感動する事もなかったので☆3つ。

何よりもゴッホ・ゴーギャンの作品を見たくなるのは間違いない。
9月に神戸で開催される『大ゴッホ展』は絶対見にくでー!!

0
2025年08月25日

Posted by ブクログ

 ゴッホとゴーギャンを研究している高遠冴という三十代女性が主人公。冴はアート好きの母を持ち、日本の一般的な家庭で育つ。自信もアートに関心を寄せ、フランスへ留学・就職する。就職先はオークションを運営して7年?になる新しい会社であり、オークショナーとして働いている。冴の友人莉子は冴とは対照的にフランス人ハーフで父親の仕事で3か国に渡って生活しており、両親共に美術関係の職についているエリートである。
 冴の研究対象であるゴッホとゴーギャン、ゴッホは絵に対して情熱が強く、生真面目で精神的に病むこともあった。若い頃は画商で働いていたが解雇されている。画家となってからも自分なりの新しい画法を探求しながらも思うように評価を受けず悶々と過ごす。ゴーギャンは画家となる前は株式仲買人として成功しており、結婚し子供も5人授かっている。しかし、画家を目指してからは嫁に見放され家族と距離を置かれる。画家としてはゴッホよりは評価されたようだが、自分がおもうような成果は上げられていない。この2人は一時期、2ヶ月間だけお互いの美術を高めるために共同生活をしている。ゴーギャンは気難しくやる気満々なゴッホに嫌気がさし共同生活の解消を申し出る。それに対してゴッホは片耳を切り落としてゴーギャンを止めたとする話が有名らしい。そして、ゴッホは小さな町のオーヴェル・シュル・オワーズで銃で自らの左腹を撃ち抜き自殺する。この物語はゴッホの最後は実際どうだったのか?に焦点が当てられ、2人の友情から解き明かされる模様。
 今後、史実上のゴッホとゴーギャン、そして実際の女2人(冴と莉子)の関係性がどうなっていくのか気になる。

0
2025年08月04日

「小説」ランキング