小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初はルビだらけの用語に戸惑ったが、一旦慣れるとぐいぐい読めた。
機械が心を持ったらどうなるのか。
見かけるテーマながら、この世界における機械の設定、心を持つまでに至る過程、心を持った際の行動原理、暴走のトリガーなどなど、とても細やかに練り込まれていて、その世界観に一気に引き込まれた。
主人公の惚れ惚れする特技、今回の件の前から機械と「そう」接していたところ、無自覚の洞察力も素晴らしかった。
前半、割と「彼」を受け入れる人が多くて簡単な世界と思わせておいてからの後半の怒涛の展開。
つくづく作者様の手のひらで踊らせれている感じがあった。
それだけ精巧に作られた作品だと感じた。 -
Posted by ブクログ
南極点到達を競ったアムンセンとスコット。
勝敗を分けたのは「累積思考量」の差だった。
”一言で言えば「夢中な人」と「頑張る人」とでは「累積の思考量が全く違う」のです。”
「頑張る」状態では、思考はいずれ限界を迎える。
しかし「夢中」な状態であれば、寝ても覚めてもそのことを考え、あらゆるリスクをシミュレーションし尽くすことができる。
アムンセンのチームは、一見スムーズすぎて「運が良かった」と言われることがある。
しかし、それは違う。
スムーズに見えるのは、圧倒的な思考量でトラブルの芽を摘み取っていたからだ。
「運が悪かった」という言葉は、準備不足の言い訳でしかない。
仕事でも、日常生活でも、 -
Posted by ブクログ
十数年ぶりの再読。面白いけどちょっと重い内容だなという印象があり、なかなか読み返す機会がなかったが、全国高校ビブリオバトルの動画を見て久々に手に取った。結果、この本は再読必須だと痛感。
物語は現在と二年前が交互に語られていくカットバック形式。現在と過去のつながりが分かってくる一方で何か引っかかりを感じる。それは物語の序盤でちょっとした「仕掛け」が施されるからなのだが、物語終盤までその種明かしはされない。初見ではこの種明かしで「やられた」、と思いながらすべてがつながっていく爽快感が得られる。そして再読では結末を知ってるが故にそれぞれの人物描写や言葉の重みを感じた。
初めて読んだときは学生だっ -
Posted by ブクログ
世界はきみが思うより、、、。
この後は、どんな言葉が続くのだろう。
色んな人達のことが描かれていた。
当事者や当事者同士ならきっと様々な悩みは少なく穏やかな幸せがあるのだろうと思える。
けれど、それ以外の人たちが関わると、何となく心にある想いを秘さなければ生きていくのが辛くなるのだろうと思える。
物語に出てくるような人には、多分、会ったことはないと思っています。
色んな人がいるんだよ
という世の中にはなってきているけれど、やっぱり少数派と思われる人には辛く苦しい世の中だろうと想像はできます。
そんな彼ら彼女らを優しく包み込んでくれるように感じる、とても素敵な作品でした。
作品の最後 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦国時代に詳しくなくても、まぁタイトルから終わりは察せられましたが…。
一色五郎は正しく”怪物”であるんだけど、下巻に入ると彼の人間らしさが見えてくる。
でもそれは彼の弱さでは決してない。一色五郎の”怪物”らしさは、言ってしまえば能力の高さに起因するんだろう。一足飛びになるから(家臣のような)只人には理解できないけど、それは人間らしさが根底にあることと矛盾しない。
一方で忠興も、(その時代の)”当たり前”から乖離していく。
”怪物”にはなれなかったけど、己が為したいことを為していく将の器。中盤から一色五郎と通じ合えたのは、互いの在り方を互いが理解したからじゃないかな。
ただ結末として、” -
Posted by ブクログ
ネタバレ和田先生の新作だァー!!!
本屋で思わず二度見してしまった。そういえば事前情報とか回ってこなかったな(笑)
時は戦国。丹後の国には、一色五郎という怪物が居た──。
戦国時代は戦国時代の倫理があり論理があるから、今を生きる私たちが一概に彼らを推し量ることはできないんだけど、それでも一色五郎は正しく怪物だねー。
齢17にして、人の上に立つ者の器というか。機転の利き方や判断力、カリスマ性。そのどれを取っても一流。
だからこそ家臣の一部は彼を誤解してしまうんだけどね。只人では”怪物”を理解することなどできないのだなぁ。
長岡忠興は逆に、”怪物”に焦がれる人としての立ち位置だよね。
忠興も忠興で優秀