小説・文芸の高評価レビュー
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探偵というのは、誰かの過去や因果関係を調べる仕事な訳で、つまりそれは常に、誰かの「影」として跡を追うことで初めて存在意義が生まれる。
その意味で、主人公の「ぼく」と失踪人の「彼」は、初めから対の関係性だった。
p.390「誰だって、どんな健康な人間だって、自分の知っている場所以外のことなど、知っているわけがないのだ。」
確かにそうだ。この世界の知らない場所が自分の世界の延長であるように過信するのは、傲慢だ。
知らない道を通っても、また知っている道に戻れるとは限らない。迷い続ければ、それは失踪になる。
p.359からは、失踪者側の目線で語られる。
追跡者側と失踪者側で対比させていながら、主人 -
Posted by ブクログ
もし、猿にこの本を渡せば『罪と罰』を枕にして眠るかもしれませんし、羊に渡せば美味しく食べてしまうかもしれません。そんな風にこの長大な文章を読みながら、ラスコーリニコフの背負った『罪と罰』を愉しむのには人それぞれのやり方があるのだろうと思います。
僕はとても楽しませてもらいました。1行もつまらない文章はなく、ドストエフスキーの小説家としての格の違いを見せつけられました。どうして素晴らしいと思ったのかを説明するにはおそらく一万字以上の言葉を費やす必要があるため、割愛させていただきます。
ただし、一つ言えることはもしたった今、自分の犯した罪について苦悩している方がいらっしゃれば、あなたの前でこ -
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伊与原さんの小説には地学の分野が登場する。いろいろな人生の悩みや事情を抱えた登場人物達が、自然科学の真理に触れることによって、日頃の悩みから解放され、生きるヒントを得る展開である。今回もきっと、科学のパワーで人生が変わる奇跡のストーリーなのだろうと期待し、手に取った。特に今回は都心の繁華街にある定時制高校が舞台であり、さぞかし多種多様な登場人物による、波乱万丈な人生が交錯して化学反応が生まれるのだろうと期待が高まった。
地学の知識が必要なハードルの高さは無く、頭の良い悪い関係無しに、純粋に興味をそそられるものばかり。身近に存在する自然現象だから、興味さえ持てば誰であれ門戸を開いてくれる身近な学 -
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「ガザから世界を見ると」をわかりやすく丁寧に書かれた本。なんとなくわかった気になって、ちゃんと見ていなかったんだなと改めて突きつけられた。高学年にでもわかるように、自分たちに置き換えて考えられるような説明がされている。難しく複雑な対立と命があまりに軽く考えられているこんな地域が今存在していることに大きなショックを受けた。自分たちにできることまで書かれていて、目を背けていたことを恥ずかしく思った。この問題に真摯に取り組み解決へと導いてくれる世界の何人かの指導者は出てくるのだろうか。今の現状を深く知るにつれて、絶望的な気持ちにもなった。とにかく、知ること、関心を持つことから始めるためにまず読むべき
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Posted by ブクログ
作者の田中慎弥さんは幼い頃に父を亡くし、父の書棚にあった本を読んで過ごしていたと聞きました。実際に父と関わることがなくても、自分の中に受け継がれた父を感じながら大人になった方なのではないかと思います。
共喰い、第三紀層の魚、どちらも母親が責任感のある人ですね。人間としてのどうしようもなさを抱えながら、自分の人生に向き合い、我が子の事も大切にしているように描かれているなと思いました。強く素敵な女性です。
最近読んだ中では、1番私の心の芯の部分に届いた作品でした。情景描写が美しく、心情を表現しています。引き込まれました。さすが芥川賞です。
ただやっぱり共喰いの方は内容が性と暴力なだけあって、読んで -
Posted by ブクログ
これSuperflyの曲でこんなフレーズ聞いたことある…って思って購入
(結局ちょっと似ているだけで違った)
父親を知らない息子がひょんなことから自分のルーツについて探すというのが、一口にいうあらすじなんだけど、「自分はなんのために生きるんだろう」というのが大きなテーマ。
人はみんなどこかで自分はなんのために生まれてきて、なんのために生きているのかを漠然と理解しているような気がするけど、それがないとこんなにも生きるという当たり前のことが苦しくなる時があるのだと感じた。
それから、人生のそばにあってくれる音楽というものは、人の心を常に奮い立たせ、癒し、生きがいになるんだなとつくづく感じた。
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