小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ穂村弘選の短歌アンソロジー。
著者の各作品に対する思い入れが滲み出る感想が、作品の魅力をさらに高める。
本書で扱う作品には、相反する事象や感覚が同時に表現される作品が多い。現在と過去、または未来が同時に顕在するような、私と他者の境界があいまいになり混ざり合うような。例えばこちらの作品。
・幾たびもあなたの頬を拭ってた泣いているのはわたしなのにね(鈴木美紀子)
しかし、私には抽象度の高い感覚を含む作品はどうも持て余してしまうようだ。付箋を貼った作品には日常の何気ない一瞬や感情の起伏を切り取ったものが多い。
・イルカがとぶイルカがおちる何も言っていないのにきみが「ん?」と振り向く(初谷むい -
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夏川草介さん作品は順番に読んでいこうと考えていたが、本作品を本屋であまりに目にするために、こちらから読むことになった。
夏川さん作品を読むのは2作目であるが、毎回(なのか?)、主人公医師が働く地域や季節感等について詳細な描写がなされ、ひとつひとつ調べながら読むことが楽しい。
今回の舞台は京都だったが、知らない場所や知らない甘味が多く登場し想像しながら読み進めた。
当然、主題は医療を中心にした人生そのものであり、この内容も心に響いた。
詳しくは書かないが「急がない、急がせない」ことの重要性にはハッとした。また患者の一人、辻さんの生活保護に関する考え方に大いに共感した。
神様のカルテ同様、次作が既 -
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真山さんの圧倒的取材力には脱帽である。
国や地方自治体の現実的な振る舞いをこの文書の中に再現して余りある。
それにしても、危機を目前にして変われない日本の現実に、改めて嫌になる。
小説が悪いわけではなく、現実社会に。
であるならば、日本人としての個人、私自身は地方議員として、どう振る舞えば良いのか、そう簡単に答えが出るものではない。
しかしながら、この本で桃地教授が小説の中身として語られるように、繰り返し繰り返し、気がついた人から出来ることを動いていくほかないのだろうと思う。
太平洋戦争後、幕末維新後、その他の歴史的転換点にあっても、市政の日本人、社会が大きく変わる中で、1日1日を必死で -
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本当に美しい本だった。人の醜い部分と美しい部分が様々な視点で描かれていた。主人公の貴湖が成長するにつれて、見えている視点が変わったからなのだろうが、人の美しい部分の描写が増えたように思う。その中で唯一醜い部分として描かれていた52の親とおじいちゃん。成長していく貴湖との対比や、過去の貴湖との重なる部分を通じて、どんどん感情移入させられる物語だった。絶対悪は52ヘルツのクジラの声を聞けなかった人たちではなくて、聞こうという気が全くをもってなかった人達。それ以外のみんなは、醜い部分は持ちつつも、美しい部分も持っている。もちろん辛い部分はあったが、それがあったからこそ最後の僕らからしたら何気ない日常
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すっごく面白かった!
老舗の大店のあるじと賭場の胴元の、大人の友情物語なんだけど、この二人が出会った場所というのが書道教室(筆道稽古場)なのよ!
幼なじみではない。
いい大人が、知り合ってすぐに互いの器量に惚れて、月に一度だけ食事をともにする、という関係。
ところが、太兵衛の店の為替手形が、猪之吉の賭場で使われる。
普通、真っ当な店のそれが、賭場で使われるなんてことはあり得ない。
猪之吉は換金することをやめ、事件の裏を探ると、太兵衛の店は騙り屋に狙われ乗っ取られようとしているのだった。
知り合った時からすでに嫌な咳をしていた太兵衛は、後事を猪之吉に託してなくなるのだが、普通大店に渡世人が出 -
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これはとても好みでした。前半はちょっと旅行記みたいで退屈かなぁと思ってたら中盤からちょっとハードボイルド味がでてきて面白い!
王族の殺人は現地では大事件ではあるけど、あくまで主人公は直接目撃したわけじゃない。周りで起きたのはある意味地味な日陰の事件。でもじわじわ身に迫ってきているという不穏な感じ。
巻き込まれた主人公は常に冷静で、自分に問いかけ続ける真摯な態度を持っていてかっこいい。エンタメとしても面白いけど、それだけじゃない。風景の描写が美しく、物語全体のテーマがあって主人公の迷いや悩みも描かれてて読書ならではの醍醐味があったと思う。
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