小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
知的障害者のチャーリイ・ゴードンのお話。
物語は心理学者のニーマー教授やストラウス博士宛ての「経過報告」という形式で、チャーリイの一人称語りで進んでいく。
チャーリイの始めの経過報告は漢字もほとんど使えず、句読点も十分に使えず、数少ない使える漢字も間違っていたり、「は」と「わ」の区別や「っ」も書けなかったり、彼が大人の年齢だけど幼稚園生くらいの知能しか持っていないことがわかる。原文もどう書かれているのか気になるが、翻訳者もよく翻訳したなと思った。あとがきを読んだら、著者も翻訳者も書くにあたって同じ工夫をしたらしい。
チャーリイは実験動物のように、研究の被験者として知能を高める手術受ける。そ -
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Posted by ブクログ
ノーベル賞を取る天才も当然ながら人間だ。天才じゃないとノーベル賞は取れないけれど、天才だからと言って、必ずしもモラルや道徳面でも聖人君子というわけじゃない。ノーベル賞を取るには運も必要で、科学者として大成功とも言える人生にも苦悩があるのだなとしみじみ思った。
ノーベル賞受賞者が専門外のことについて誤った方向に進むことをノーベル病と呼んでいるが、ノーベル賞を取るほどの人は専門という概念はなく、自分の興味のあることを研究し続けてしまうものなのかもしれない。それがノーベル賞を取った分野と同じように成功するとは限らないということなのだろう。
大昔のギリシャなんかの哲学者は自分の専門という概念はなく、森