小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
読み終えたあと、不思議なことに物語の筋よりも、夜の空気だけが身体のどこかに残っていた。街は現実の京都でありながら、角をひとつ曲がるたびに別の世界へ滑り込んでしまう。その曖昧さが心地よい。
黒髪の乙女は自由に歩き続け、「先輩」はその背中を追いかける。その距離は近いようで遠く、遠いようで近い。人と人との関係というものは、結局そんなふうに少しだけ届かない場所にあるのかもしれない。
この物語を読んでいると、人生は最短距離で進む必要なんてないのだと思えてくる。少し遠回りをし、寄り道を重ね、思いがけない誰かと出会う。その積み重ねが、いつの間にか目的地そのものになっている。
本を閉じても、夜はまだ終わってい -
Posted by ブクログ
長編小説を読み始める直前の、あの期待のこもった緊張感が好きだ。これから数か月、この本が描く世界とともに生活していくのだと思うと、まるで長い旅に出る前夜の眠れない気の高ぶりに似たわくわく感が胸を満たす。
登場人物の来歴、信条、性格、容姿などが細かく描写されている作品はすべからく名作である——これが私の持論だが、本作はその条件を完璧に満たしていた。そして『風と共に去りぬ』第1巻を読み終えた今、やはりそれは間違っていなかったと確信した。
主人公のスカーレット・ハラは、笑ってしまうほどわがままで高慢ちきだ。最初は「大丈夫か、この子は」と呆れながら読んでいたのだが、物語が進むにつれてその印象は一変する。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近町田そのこさんばっかり読んでいる自身ですが、これまた今回も胸が苦しく、けれど結局何もかも許すしかなく…救いのない人生をどうにか藻掻いて生きている人、けれど最後は最高に丸く収まる、一人の男を軸に様々な登場人物が絡み合いつつ関係性を描いている群像劇でした。
町田さん、老若男女を描くのがとにかくうまいと思います。まるで自分と違う立場の人物であっても感情移入できてしまう「ああ、あるよね」という人間の泥臭さ。あまりの感情の幅広さに感嘆してしまいます。
今回の物語は、血縁を下敷きに、人の人生を書いた作品だったと思いました。
変えられない生育環境、タイミング、後悔、選択……それでも人ってそう簡単に死ね -
Posted by ブクログ
もうすぐ隕石がやってきて、地球が滅亡する。
そんな世界で発生した殺人事件に、特異な女性バディが挑む終末ミステリーでした。
私は、SFならまだしも、ミステリー作品を読んで「この世界にいってみたい!」と思うことがこれまでありませんでした。そう思ったのは本作が初めてです。
どうせもうすぐみんな死ぬ、という世界設定が魅力的なだけでなく、そんな状況の中で生きる人々の葛藤や信念、選択には心動かされるものがありました。
捜査がどんどん進み登場人物が増えていく展開の良さ、荒れ果てた世界なのにため息が出るほど美しい壮観の描写は、何度でも味わいたいほど痛快でした。
デビュー作で江戸川乱歩賞を受賞した荒木あかねさ -
Posted by ブクログ
なんて素敵な作品に出会えたんだろう、なんて素敵な作者に出会えたんだろう、と心が震えた1冊!
「マドンナ Madonna」という短編が特にお気に入り。少しすれ違ってしまう母子のお話で、誰にでもあるような、特別な事なんてひとつもない日常のお話。
それなのに、、、なんでだろう、とても感動して泣いてしまった。なんだろう、、、愛って泣けてきちゃうよね。
母からの愛っていつでも同じだけ貰っていたはずなのに、それが愛だと気づけた時にだけ一気に体全部に染み渡って、目から溢れちゃうから涙になるんだよねきっと。
大公の聖母、また常設展に見に行きたいな。
きっと見たら泣いちゃうな、母の愛にまた、気づいちゃって。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全3作本当に一気読みだった。何でこんなに読みやすくて途中でやめられないんだろう。3については合わなかったかもという点もあるにはあるのに、でもやっぱり面白かったと言わざるを得ない。早くご飯を食べて続きを読みたいなんて気持ちにさせてくれる本は、この娯楽の多い世界でそんなに多くないので。
私たちのミリーが母になっている。結婚相手はもちろんエンツォ。人を不快にさせる天才みたいな隣人に不安を覚えつつ新居での生活を楽しもうとしている。
ソーシャルワーカーとして働きはじめ、もうメイドとしては働いていない。だけど、今作も間違いなく、「ハウスメイド」だった。ハウスメイドに始まりハウスメイドに終わった…ぞっ
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