ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 大使とその妻 上

    Posted by ブクログ

    まるで明治や昭和初期のような独特の雰囲気の文体と、日常の日本から隔絶されたような世界感がとても味わい深く感じられます。
    日本文化というものを純粋に継承している一般の日本人など既にこの世にはおらず、その幻や理想を追い求める人達にとっては日本は醜悪な国なのだろうか。外国人や、日本から遠く離れてしまった日系人達の心のなかにしかもはや存在しない、幻のような夢のような日本人と奇跡的に出会った米国人の目を通して語られる物語。日本人がこれまで捨てて来てしまった自分たちの文化への哀惜の感が湧きます。

    0
    2026年03月08日
  • ジャッジメント

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    復讐法の設定を聞いて、想像に容易い結末がいの一番に提示されて動揺した。復讐が復讐を呼ぶ。短編集なのに、この先どうするのか?と。
    そんな心配は無用だった。各話の加害者、被害者、遺族に様々な事情や関係性があり、そこに復讐法の特異な内容も交わり、毎話監視官が心をすり減らすような状況が出来上がる。終始息苦しい。

    正直、リアリティのない設定ではある。だが、このテーマを描きたいが故の舞台装置だろうし、現実も被害者やその遺族にとって十二分に残酷な場合があることを思うと、時代や世論によって似たような法案が出てきてもおかしくないのかもしれない。

    最後まで救いがなくて打ちのめされたが、自分ならどうするのか、と

    0
    2026年03月08日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    「カフェの帰り道」で最近直木賞を受賞された嶋津輝さんの作品。女同士の友情が爽やかで読後感がいい。

    千代は目の見えない三味線のお師匠さん初衣のところに住み込み女中としてお世話になることになった。初衣は空襲で目が焼けて見えなくなった。千代も空襲で喉が焼けてしまって今はダミ声である。それで初衣は千代がわからなかったのだ。初衣と千代はもともと知り合いだった。

    大正15年、千代は山田家に嫁ぐ。初衣はそこのお手伝いさんだった。家事全般何をさせても手際が良く、素晴らしい。特に料理がうまく、千代は初衣に教えてもらったようなものだ。初衣は元芸者で、夫の父に落籍されて山田家に来ていた。

    夫が高崎の方に仕事に

    0
    2026年03月08日
  • 明るい夜に、星を探して

    Posted by ブクログ

    カラフルな家が建ち並ぶ表紙デザインに惹かれて完全にジャケ買いした一冊。
    内容もとても読みやすく、ユーモア溢れる文章と軽いテンポでどんどんストーリーに惹き込まれていった。
    お酒の勢いで北欧行きのチケットを予約してしまったにも関わらず実際に一人で北欧に行ける勇気と行動力には感銘を受けた。
    途中、何度かロマンスや青春映画のワンシーンのような幻想的な雰囲気に包まれながらも結局は台本通りのハッピーエンドには至らないというのがまた人生のリアルを映し出されていて共感できた。
    最後の空港でのハプニングは、前向きに締めくくられてはいたものの、あまりに可哀想で心が締め付けられた。

    坂村さんの小説は初めて読ませて

    0
    2026年03月08日
  • NO.6 beyond〔ナンバーシックス・ビヨンド〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    #9までで一旦きれいに終わっていたので、beyondを読んで驚いた。
    確かに紫苑の父親のことが描かれなかったなぁとは思っていたが、こんな形で登場してくるとは…
    No.6の続きの物語が発表されたと知って、ネズミはどうしてNo.6に帰って来たのだろうと不思議に思っていたが、これは戻らざるを得ない状況だ。
    #9できれいに終わっていただけに、続きは楽しみだが怖い気もする。

    0
    2026年03月08日
  • ナミヤ雑貨店の奇蹟

    Posted by ブクログ

    とても良い作品でした。
    途中、悲しいお話もありましたが、総じて自分の人生を悔いなく生きていくこと。
    皆がそうすれば、素敵な縁にもつながっていく。と、思える素敵なお話でした。

    0
    2026年03月08日
  • クロエとオオエ

    Posted by ブクログ

    大好きな有川さんの最新作。ずっと読み温めていたけど、やっと読んだ。面白かったー!

    好きすぎて、すでに3周しました。
    有川さんが書くラブコメはやっぱり天下一品。大満足。

    スピンオフとか続編とか、たくさん読みたいよおお!と思っていたら、インスタに掲載されているジュエリーのポストにクロエの想いが綴られていて胸が熱くなるなど。さらに、帯のQRコードから特典ショートストーリーまで読めた。なんて贅沢!

    ジュエリーのことはあまり詳しくないんだけど、丁寧に分かりやすく深掘りしてくれるから読みやすいし、色彩豊かに想像を膨らませられて楽しかった。
    章が終わるごとに挿絵があるのもありがたいし、インスタには実際

    0
    2026年03月08日
  • 上流階級 富久丸百貨店外商部

    Posted by ブクログ

    百貨店は好きだし、外商も存在はもちろん知っていたけど、よく考えたらどういうものか詳しくは知らないなぁ、というか知ろうともしてなかったなぁ、としみじみ。
    お仕事の話としても充分面白いし、そこに百貨店のキラキラや阪神地区の高級感が合わさって、楽しく読めた。
    しかし最近の夢の宝石箱こと百貨店、どこも物凄い人ですよね…。

    0
    2026年03月08日
  • medium 霊媒探偵城塚翡翠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まんまと騙された。

    私的な話だが、この本の以前に読んだのが超常現象✖️本格ミステリというような本だったため、霊媒探偵があっても特殊設定ミステリとして不思議じゃないなという先入観で読んでいた。

    そんな感じだったので最後の章で文字通り頭からひっくり返った。ここまで論理的で、本格的なミステリだと思ってなかった。犯人はある程度目星がついていたが、肝心の探偵の方は全くの予想外だった。楽しく読めた作品でした。

    0
    2026年03月08日
  • 虚弱に生きる

    Posted by ブクログ

    副題かと思っていたら、ペンネームだった。

    そんな「絶対に終電を逃さない女」さんの病弱エッセイだが、想像の数倍不調な日々が記されていて驚いた。

    自分も持病の関係で早くから不調が頻発しているので、共感する点が多かった。
    だが、筆者の健康への貪欲さは並ではなく、虚弱と向き合い、付き合って行く術を模索する姿は見習わないといけないと感じた。

    あと、読んでいて心因性の不調の多さに、こちらまでがっくりきた。つくづくストレスは万病の元すぎる。

    0
    2026年03月08日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    20代後半独身の私には刺さりすぎた…自分の人生は自分で推し進めるしかないんだなと考えさせられた。
    「自転しながら公転する」タイトルがとにかく好き。

    0
    2026年03月08日
  • 2050年のメディア

    Posted by ブクログ

    優れたノンフィクションの見本のような作品。綿密な取材に裏付けられた的確な状況分析。新聞もこういう連載があれば買う人が増えるのでは?
    昔から新聞大好き人間で、毎日少なくとも30分以上かけて新聞を読んでいる。だからこそ消えて欲しくないメディアであるのだが、それも半分諦めている。これを読むとますますその思いが強くなる。
    平日はデジタル版を読むのだが、近年読み上げ機能ができて忙しい朝にピッタリ。紙面もかなり変わってきた。生き残りをかけた最後の機会だと思うので、何とか踏みとどまってほしい。

    0
    2026年03月08日
  • 魔眼の匣の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作に続いて、今回は「予言」をテーマとしたお話。
    特殊設定ミステリとして、現実では考えつかないところから謎が解決していく、不思議な感情に浸れる。前作に引き続き、超常現象的な事象を、本格ミステリのロジックに則って解決していく剣崎比留子と葉村譲の活躍が楽しく面白い作品。

    0
    2026年03月08日
  • ときどき旅に出るカフェ

    Posted by ブクログ

    疲れた心にじんわりと染み渡るような作品だった。世界中の食べ物とか飲み物を知れて、旅に出ているようでとても楽しかった。聞いたこともないようなものって、まだまだたくさんあるんだなあと。私の世界はあまりにも狭い。もう少し身軽に生きてみるのもいいかもしれない。

    0
    2026年03月08日
  • 極夜行

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    極夜のグリーンランドを犬とともに旅する過程が、筆者の生々しい言葉で克明に記されている。トラブル続きで太陽も出ず、絶望に囲まれたような旅路だが、軽快でウィットに富んだ言い回しと、筆者なりの冒険、そして今回のテーマである太陽と月、光と闇などについての考察などは興味深く、文量は多かったが、夢中で読んでしまった。おそらく旅の間に書き留めたものをベースにしているだろうが、同じ旅の中でも、完全なる極夜の中で半分鬱?のような状態のときと、太陽の気配を感じて終わりが見えて来たときのメンタルの差が、筆のタッチの違いなどでも出て来ているのがリアルだった。前日譚もあるので、楽しみにしたい。

    0
    2026年03月08日
  • 屍人荘の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    特殊設定ミステリは初めて読んだ。
    ゾンビというある種の非現実的な事象を用いたクローズドサークル、普段の日常からは全く想像がつかないが、内容は本格ミステリに沿っていて驚きだった。名探偵と助手としての続きが気になる物語。余談だが、表紙の絵も非常に美しく、剣崎比留子の並々ならぬ覚悟を背負っている。

    0
    2026年03月08日
  • 春はまた来る

    Posted by ブクログ

    かわいい服をきてたらそういう子だって
    そういう子として見てもいいって
    女の子は生きているだけでランキングに入れられてただかわいい服が好きなだけなのに。
    だから私はいつもそうじゃないって本をお守りにしているのかもしれないと思った。
    読み終わって色んな感情が溢れてきて泣けてきた。
    女の子は絶対お互いの味方になれる

    0
    2026年03月08日
  • 風に舞いあがるビニールシート

    Posted by ブクログ

    心に染み込んでくるような文章表現は流石の直木賞。
    「大切なもの」を探し求める6つの短編だが、後の作品になるに連れ、読む手が止まらなくなった。
    「風に舞いあがるビニールシート」にあんな意味があるとは最後の作品を読むまで想像できなかった。

    0
    2026年03月08日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    都会の喧騒から離れた様々な土地、歴史や文化を舞台にした短編集。自然科学をベースに物語が構成されており、舞台となる場所も実際に存在する土地であるため、リアリティがあって非常に興味深い。
    どの作品も、人の優しさやゆったりと流れる穏やかな時間、そんな日常の中に潜む謎を楽しめる。個人的には「星隕つ駅逓」が最も心に響いた。先祖の代から大事にしていたものが消えてしまう不安、残したいと思う余りに大切なことを見失ってしまう様に共感を覚えた。
    登場人物たちは決して順風満帆な人生を送っている訳では無いが、ストーリーの中で新たな1歩を踏み出そうとする様子には勇気を貰える。

    0
    2026年03月08日
  • さがしもの

    Posted by ブクログ

    本を巡る短編集。恋人同士、友達、旅する本、そして表題作はおばあちゃんが幽霊になっても探していた本だ。良い話だなぁと思った。一枚の絵のように残る過去の自分に会える本…そんなの無い。本はいいろいろな所へ連れて行ってくれたり、呪われたり、誰かの遺言?みたいだったり…フフフと笑う本が出てくる。不思議だけれど、本を読んでいれば何にでも立ち向かえる気さえしてくる本推しの短編集。

    0
    2026年03月08日