【感想・ネタバレ】一九八四年[新訳版]のレビュー

あらすじ

〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する超全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは、真理省記録局で歴史の改竄に従事していた。彼は奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、伝説的な裏切り者による反政府地下活動に惹かれるようになる。

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「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する近未来では、ありとあらゆることに統制が加えられる超全体主義的な社会が成立していた。真理省記録局で歴史の改竄に従事していた主人公・ウィンストン・スミスは、奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、反政府地下運動に惹かれるようになっていく…。

先の見えない不安な時代に売れると言われる本作品。トランプ大統領が就任した際、アメリカ国内での売上ランキングで1位となり話題になりました。また、ノルウェー・ブック・クラブの「世界最高の文学100冊」にも選ばれ、世界中で高い評価を得ています。こんな社会はありえないだろう…とページをめくっていくうちに、『一九八四年』的未来はSFにとどまらないのかもしれない…と考えはじめてしまうでしょう。現代を生きる我々に警鐘を鳴らす一冊です。

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Posted by ブクログ

ありとあらゆることに通ずることだが、違和感や矛盾点に気がつけることが一概に良いとも言えないのかもしれない。「2+2=5」と疑念なく答えられるくらい狂ってしまえる方が世の中は幸せである。

何よりも、今から70年以上前にこの世界観を創出していることに驚きを隠せない。いや、当時の世界情勢だからこそ書けたとも言えるのか。

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

ジョージ・オーウェルの代表作のひとつにして、世界的に有名な小説。
1949年発表。
日本では村上春樹『1Q84』のオマージュ元としても知られる。

舞台は1984年のロンドン。イングランドはアメリカ、オーストラリア、アフリカ南部から成る超大国「オセアニア」に併合されている。
オセアニアは、同じく超大国のユーラシア、イースタシアと戦争状態にあり、ビッグ・ブラザーが率いる「党」が絶対的な権力を握る。

「党」は、党員をテレスクリーンによって常時監視し、家族を引き離し、あらゆる手段をもって思考を把握し、少しでも反抗意志を持つ人間を容赦なく粛正する。

主人公のウィンストン・スミスは、「真理省」の下級官吏として、過去を改竄する業務に従事する。

ウィンストンは、以前から「党」に不信感を持っており、過去が改竄されていることに気付いていた。
しかし、行動・思考が1日24時間監視される中においては、それを隠して生きるしかなかった。

ある日、ウィンストンは同じく下級官吏の若い女性ジュリアと出会う。やがて二人は恋に落ち、秘密の逢瀬を重ねるようになる。
しかし、男女の性愛すらタブーとされる世界において、それは破滅の道だった。

さらに、ウィンストンは「党」体制の転覆を目指して活動する「ブラザー同盟」と接触し、反抗の意志を更に強くしていくが、、、

上記があらすじ。

名作と語り繋がれるだけのことはあり、非常に濃厚な小説だった。
世界には、まだこんな素晴らしい作品があったのかと感動すら覚える。


作者のジョージ・オーウェルは、1903年に英領インドのベンガル地方(現バングラデシュ)生まれ。
名門イートン校で教育を受けた後、植民地警察としてビルマに赴任したが、帝国主義に幻滅し1927年に辞職。最底辺生活を体験するためパリやロンドンで放浪し、その後、作家に転身した。

彼の思想を体現するように、本作では全体主義国家への批判が終始描かれる。

独裁的寡頭政体が社会のすべてを握り、国民を監視し、恒常的戦争状態を創り出し、科学と技術の進歩を止め、貧困と不衛生に喘ぐ社会。まさにディストピアだ。

オーウェルは、この描写を通じて、いかに全体主義が悲劇をもたらすかを伝えようとする。
その狙い通り、小説でありながら、後世の政治学・監視社会論に多大な影響を与えている。

作中に登場し、「ブラザー同盟」が発行する「the book」は、人類史における階級闘争と過去の寡頭政体(ナチスドイツやスターリン体制など)を踏まえた上で、「党」を分析しており、示唆に満ちている。

「われわれはただ権力のみに関心がある。富や贅沢や長寿などは歯牙にも掛けない。われわれが過去のすべての寡頭政体と異なるのは、自分たちの行っていることに自覚的だという点だ。」といった具合に、政治、支配、自由、平等、思考、そして戦争を分析し、現状を描く。

このように、社会学的に興味深いだけではなく、エンタメとしての完成度も高い。

マッキンダー的世界観が現実となった社会が簡潔に描写され、抑鬱とそこからの解放、急落と絶望が読み応えのあるストーリーになっている。

拷問のシーンは凄惨だが、心理描写が上手いので、ある種の必然性を感じるようになっている。

また、主要キャラクターの設定も良い。

主人公のウィンストンは、平凡な人間だ。
飛び抜けて頭が良いわけでもなければ、体力があるわけでもない。意志の強さ、行動力も人並みだ。
そんな彼が、「党」への少しの反抗心によって悲惨な運命を辿ることになる。

この彼の凡庸さが普遍性、転じてこの世界の救いの無さを表現しているように感じた。

もう一人の主人公であるジュリアの方が、ウィンストンよりも頭が良くて、立ち回りが上手く、行動力も胆力もある。

しかし、彼女の「反抗」とは、自由奔放に生きることであり、それ以上でも以下でもない。体制を転覆させることなど夢にも考えないし、興味もない。

この女性特有のリアリズムというか、愚鈍さを上手く表現していると、個人的に感じた。

長くなったが、この小説がこれからも時代を超えて読み継がれる名著であることは疑いようがない。
一読の価値はある。

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

昔は男が若い娘の肉体を見て魅力的だと感じると、それで話は終わった。ところが今は純粋な愛情や純粋な欲望を持つことができない。どんな感情も、すべてが恐怖と憎悪と混じり合っているために、純粋ではないのだ。二人の抱擁は戦いであり、絶頂は勝利だった。それは党に対して加えられた一撃、それは一つの政治的行為なのだ

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

ビッグ・ブラザー率いる一党独裁による監視社会。
映像作品はプロパガンダ、写真は修正され、書物は捏造、記録は廃棄され、日付も数字も党の都合の良いように改竄されるディストピアな世界が舞台。
国民は皆「2 + 2 = 5」と言われれば、疑問に思わず受け入れる思考が当然であるのです。
だから、"支配されている"という感覚すら無いのかもしれない。

テレスクリーンと呼ばれるテレビは監視カメラ同様の機能が付き、私生活は一言一句監視され、神経性の顔面チェックや顔に不適切な表情を浮かべるだけで「表情犯罪」として罰せられる。
縛られた環境下で過ごす国民は、党への疑念の余地さえ与えらない。
ビッグ・ブラザーを愛さない者は容赦なく捕らえられ、処刑または蒸発によって「非存在」、最初からこの世に存在していなかった人間として処理される。
監視をするのは党だけではない、そこらじゅうに密告者が埋めきあっているのです。

党外局員のウィンストンは、主に記録の改竄が仕事だったが仕事に勤しむのとは裏腹に、次第に"真実"を追うようになっていく。そんな折、同局員ジュリアと出会い物語は展開し始めるのです。
党に反感を持っていながら、政治に関心が薄い彼女の放った「次の世代なんか興味はない、興味があるのは今の私たち」は、案外多くの人が心根で思っているのではないだろうか。
真実を探り記憶を辿るウィンストンと一緒に高揚し、ページをめくる手に力が入る。
この本ならではの、二重思考、イングソック、ニュースピークの言葉と概念を整理しながら読み進めるのが良いでしょう。

1949年発行ながら、時代の流れに沿って、度々話題となるこの小説。
いつでも1984年はやってくるのだと思わせられる。

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2026年02月19日

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ネタバレ

2026.1.28
最初から最後までおもしろい
過去の扱い方がよかった
テレスクリーンの声が追随するところは天才だと思った

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

圧倒的読み応え。まさに小説に求めているもの。この小説の政治性を完全には理解できていないかもしれないが、この全体主義を批判するディストピア的世界観は想像力をこの上なく刺激してくれる。何度か挫折しかけたけど、主人公が拷問の末ビッグブラザーを敬愛するようになるまで、あの伝説的ラストまで読むことができて本当に良かった。

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SFの古典として昔から知っていたが、なにやら暗そうだし避けていた。2026年の今日読んで本当に面白く恐ろしかった。しかし昔に読んでも面白いとは感じなかったかもしれない。現実の1984年はすでに冷戦は米国勝利が確定的となり、1985年から冷戦の終結に向かっていた。本書を共産勢力の全体主義の批判書とみれば「昔は怖かったね」で終わってしまうだろう。しかしジョージ・オーウェルが怖れていたのはそれだけではないし、2026年の英国を見ればまさに本書に書かれているような世界に足を踏み入れている。一部の特権階級が権力と財産を独占し移民に職を奪われ生活圏が脅かされている。怖い。
現実の1984年の英国は第71代英国首相マーガレット・サッチャーだった。保守党であり労働党の標基盤である組合を力を弱め、多くの工場が潰れた。産業革命の発生地である英国の製造業は既に英国病で力を弱めていたが、このころから壊滅していった。地方経済が没落しコミュニティも英国文化も崩壊しつつある。北海油田も枯れ、シティの金融業のみなんとか生き残っている。上層部たる英国議会が国民のネット発信を監視し、民意に反して大量の移民を入れ自国民の職を奪っているのは、不思議でも何でもない。英国上層部の行動原理は、「権力を手に入れ行使すること」であると考えると腑に落ちる。なぜなら、本書で言うように、「権力」とは「相手を苦しめることによってはじめて行使される」のだから。

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2026年01月27日

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創作された概念が豊富で初めは読みづらいが、創造の世界が論理的かつ一貫性をもって描かれているため徐々に世界観に入り込める。ここまで緻密に構成された設定は珍しいと思う。
社会風刺的側面も非常に興味深い。スターリン政権を模しているとされる極端な監視社会は堕落のひとことであり、底知れない絶望を感じる。当時のアメリカ人なら反社会主義にとんでもなく感化されていたと思う。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この小説はSFに分類される。一九八四年が未来だった頃に書かれた。世界は三つに分かれ、絶えず戦争をしている。読んでいくと主人公は末端ではあるが、権力側の人間であることがわかる。しかし疑問を持ってしまった。これは許されない。2+2は5あるいは3であるのだ。
オブライエン先生の狂信的な思考が披露され、主人公とともに読者の私も叩きのめされて、何も疑問など抱かずに生きるのが幸せなのかなと思ってしまった。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

2+2=5

全体主義と監視社会で構築されたこのディストピアは作者の慧眼か、いつの世も人は変わらぬと言うことか。

二重思考、ニュースピークの設定も妙で、唸りながらの読書体験。

後半は酒を片手に読んでいたので、主人公と共に思考は回転、まるで自分もその場で話を聞いているような感覚に。

希望を手放すことで得られる自由、そんな逆説が冷たく胸に残る。

最後の附録はその先の光か。

さすがの名作。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

やっっと読み終わった。マジ何ヶ月かけたんだこれ読むのに。もーーほんっっとになんか色々忙しくてタイミングなかったんだよ。
まぁ、読み始めたのは9月ですね。旅行の飛行機で読もうくらいの感覚で買いました。あとまぁ、友達が村上春樹好きで、1Q84おすすめしてくれたからさ。
この感想書く前に、現状の私を説明していいですか。ありがとう。
まぁわけあってNPO属してみたわけですよ。理由はいっぱいある。
なんかワンチャン休めに海外滞在できそうってのと、他者とうまく協力する経験をもう一つやるかってのと、多分自分が嫌いなタイプだから一回属してみてから判断するかってのと。こんな感じで。
でそのNPO、まぁ、ボランティアとか率先してやるような奴らですからいい子たちなのよね。いい子だから、自分がいいと思ったことを人にもおすすめしちゃうんだよね、きっと。
それはいいとして、こいつらの何がきついかって、「自分がいいと思った考え方を人にもしてもらいたい」って思ってしまうみたいだ。まぁ、人間そんなもんだと思うけど、私の中でこういう、自分の都合の良いように人の考え方を矯正するってことは最も許せないことなんですよね。
おまけにもっときついのは、なんか大層なスライドとか作って、情に訴えるような強い言葉を無責任に使って、無理やり従わせようとしてるんだよね。
もう何が言いたいかわかった?
そう、タイムリー!!
この世界観!とても!今の私だーーー!!!
組織に属して違和感を持ちながら、違和感を持つことで抵抗する(流石にそこまで考えてないけどね)。今まさにここ!
このまま組織残ったら、拷問とかではないにせよ、情に訴えられる形で考え方矯正されるのかな?ちょっと面白いけどね。
ちょっとこのNPOの話は感覚によるところが大きいから話さないとして、なんか、こうあるべき!みたいな組織風土がきつかったんすよ!
なんか後半の怒涛の洗脳パートはすごかった。
ここは解説見てもっかい書きに戻ってくるよ感想(なお現在11/29)

お待たせ、待ってないよね。(12/2)
さぁ、二重思考的表現で再会しました。
お察しの通り解説を読んだわけだが、まぁとても面白い。読んでいる時は「二重思考なんてそんなバカな笑笑(いや、流石に笑ってはないか)」とたかを括っていたのだが、思い返してみると、あれもこれも、自分が意図して発するユーモアも二重思考で溢れているではないか。
今現在私が入っているNPO、入った理由は、「考え方の違う奴らと責任あるものを一緒にやるという経験を重ねるため」。つまりは、もともと嫌いな奴らの中で、いかにも「私は君たちが好きだ」という態度を出して行動するために入ったのである。
入ってからは、メンバーの奴らを「なんでこんなことを言ってしまうんだろう」と腹では小馬鹿にしておきながらも、こんなことを言うってことは(バカにしながら)こいつらはすごいやつなんだろう、私が先立って動く必要はない、などとまさしく二重思考に陥っていた。
しかし、私はこれを愛したい。大いに開き直っているが、構うものか。
矛盾こそ人間で、人間とはそういうものであり、そう受け入れることが豊かさだと私は信じている。この人間らしさに、おかしさを感じるのだ。
折に触れて言うが、私は面白いものが大好きで、面白いと思うことはなんだってできる。
だからこそ私は私を面白いと思っており、誰しも平等に人を扱うのである。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

昔の小説なのに現代に通じるものがあって面白い、いつだって人は権力を持ったら支配したくなるのか、支配したいと思う人に権力が集まるのか。
どんな時でも自分の中の正しさを信じて生きたいな、死ぬとしても。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

 「一九八四+四〇 ウイグル潜行」を読んだのちに、改めてオーウェル「一九八四年」を読む。最初にトランプ大統領が就任した2017年以来だけど、これまで何度か読んでいる。しかし、細部はすっかり忘れていました。
 覚えているのは、「ビッグ・ブラザー」「テレスクリーン」「ニュースピーク」「二重思考」、そして「戦争は平和なり」「自由は隷従なり」「無知は力なり」。

 共産主義や全体主義を批判したディストピア小説として知られるけど、いまだに読み継がれるのは、もっと普遍的に権力そのものの本質をついているからでしょう。「権力は手段ではない、目的なのだ。・・・・迫害の目的は迫害、拷問の目的は拷問、権力の目的は権力。それ以外に何がある」「ナチス・ドイツとロシア共産党は方法論の上ではわれわれに極めて近かったが、自分たちの動機を認めるだけの勇気をついに持ち得なかった」

 プーチンやネタニヤフ、そしてトランプ、その他たくさんの指導者がついにその動機を認めてしまったかのように振る舞っています。

 本書に書かれた当時としての未来を、現代の世界の一部についてはすでに凌駕してしまっているかもしれません。克服ではなく、凌駕です。

 「1984年」は「2025年」かもしれないし、「2030年」かもしれません。この本を読んで、覚悟しましょう。
 

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

ディストピア作品の傑作 ありえたかもしれない監視社会。
近年、アメリカのトランプ大統領による政治を踏まえ再注目されている本作。しかし書かれたのは50年以上前の1949年である。本作の魅力と人の停滞を痛感する。

我々の基準で言えば有り得ない世界であるが、歴史上はこのイデオロギーに近い人達もいたわけで。どこかで間違えたらあったかも、そしてあるかもしれない。世の中の在り方について考え直すための傑作。
歴史上、このような社会の創設は失敗しているが、現在の進歩した科学技術を用いれば、より容易に成立してしまうのではないかと恐ろしくなる。そうならないためにも、皆が政治社会の在り方を他人任せにせず、関心を持つべきであろう。

本作は巨大な統治者「ビックブラザー」が存在するが、村上春樹の「1Q84」では対照的に、人々の意識の集合体として「リトルピープル」が存在する。どちらも巨大な力を持ち、人々を屈服させる点で共通している。現実問題として顕著なのは後者だと思うが、改めて読み比べてみたい。

wiki曰く、候補とされていた題名に「ヨーロッパ最後の男」があるらしい…なるほど。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

2章までは空き時間に少しずつ。3章からは一気に読み終えてしまった。キャラクターや世界観は魅力的だったし、いい読書経験だったけど、読み終えた後あとはちょっと気楽なエッセイとかで口直ししたくなる。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

終わり方が好みだった。世界観が面白くてなかなか没入出来て楽しかった。出てくるキャラクターも結構好き。洗濯物を干しながら歌を歌うおばさんの描写と死刑囚と主人公の目が合う場面が好き

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1年前に購入して50ページほど読んで積読状態になっていたが、
読書熱が高まって再開、2、3日で読み終えた。

監視社会、過去改竄、全体主義と救いのない世界。その中でもニュースピークという言語の置き換えが恐ろしく感じた。

民族と言語は不可分。それを破壊されるということは民族としてのアイデンティティを失うこと。為政者が支配をより強固にするために、過去の改竄とともにニュースピークの推進によってどんどん言葉が減らされる。減らされるだけでなく一つの言葉に多様な意味を付与される。言葉を減らし、思考を制限し支配を永続的なものにしていく。

独裁国家の支配下でなぜ国民が安易に国家に反逆できないのか、社会を変革できないのかこの日本に暮らしているとなかなか理解の及ばない部分があったが、この作品を通してその理由が分かったような気がした。

小説本編は最後まで救いがないが、附録・解説・訳者あとがきまで読み、そこに救いが見出せるのか感心した。少し希望が見えた。

ネズミ怖い…、中国は昔からそんなことやってたんだな。

ジュリアエロいですね。あのシチュエーション…。
そこだけウィンストン代わってくれ笑

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

もう、怖すぎる、不気味すぎる。
しかも今の世界情勢を予言してるし。
(でも、これは読む時代に関わらず、10年前、20年前でも、今を予言してる!となるらしいが)
今回の選挙で壊滅したかに見える左派への一定のアンサーがピンチョンの解説で見えたのも興味深い。(ピンチョンの解説が秀逸でした。)
第一部から不穏すぎて、気持ち悪かったが、第三部では(激しい拷問描写は気持ち悪かったが、)ウィンストンが人間性を取り戻すシーンで一息つけた。
人間らしさがこんなに恋しく思う小説って。なんとも言えない後味の悪さだけど(出口のない悪夢という点でSFというよりホラーやん)、訳もいいのか、すらすら読める。

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

めっちゃ面白いやん。
自分の現状も疑ってしまう。
自分は自由なのか、幸せとは何なのか。
フィクションなのかどうかも疑わしくなるほどリアルで、真理があるように思える。
素晴らしいよ。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1949年に書かれた1984年を2025年に読んでみた

テレスクリーンというものに始終監視されていて人を信じることなく生きていかなくてはいけない世界で主人公・ウィンストンはわりと行動的。二重思考に対するウィンストンとオブライエンの問答を読み解くのははなかなかに難しく…。

第一、二部はわりとするすると読めましたが拷問メインの第三部がどうにもしんどかったです。

現代に当てはめるとインターネットがあるからそのままの設定では再現は無理というわけでもなく破壊しつくして1984年の世界を創り出せば再現可能で、過去が私が知る過去ではなくなる恐怖に背筋がひんやりしました。

とはいっても1949年に書かれた作品なので、あれは?これは?どうなってるの??という疑問は解説でトマス・ピンチョンが言語化してくれていて助かりました。名作だけどパーフェクトではない、ということですね。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中に出てきた人間が闘うことになるのは自分の肉体だという趣旨の文が、拷問シーンで伏線回収されてゾッとした。
絶え間なく監視される生活、改変される過去、騙される民衆、二重思考…解説を読むと現実でも同じようなことが行われていることに気づくことができる。
同著による『動物農場』では、ブタの支配下に置かれた動物たちの行動次第で何かが変わったかもしれない。本作でもプロールこそが唯一の望みだと書かれていた。未来を良い方向に変えるには、民衆が行動を起こす必要があるのではないか。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体主義社会を描いたディストピア小説。第一部、第二部ではわずかに希望が感じられたが、第三部で主人公が政府に捕まり、徹底した洗脳を受ける過程が執拗に描かれる。物語の結末では、これまでの出来事がすべて無意味になったかのように、まさに「二重思考」的な絶望だけが残る。

作中には、現代社会にも通じる警句が多く見られる。
歴史言語学者でニュースピークの研究、ニュースピーク辞典の編集作業に従事する友人サイムのセリフ。
「おそらく君はわれわれの主たる職務が新語の発明だと思っているだろう。ところがどっこい、われわれはことばを破壊しているんだ。」「ニュースピークの目的は挙げて思考の範囲を狭めることにあるんだ。最終的には〈思考犯罪〉が文字通り不可能になるはずだ。何しろ思考を表現することばがなくなるわけだから。必要とされるであろう概念はそれぞれたった一語で表現される。」

反体制派とされるゴールドスタインの著書より。
「戦争というものは、いずれ判明するだろうが、単に必要な破壊行為を成し遂げるだけではない。それを心理的に受け入れやすいやり方で成し遂げるのである。ここで気にかけるべきは、大衆の士気ではない。問題となるのは、党そのものの士気である。最も地位の低い党員ですら、有能で勤勉、ごく限られた範囲内であれば知性を働かせることさえ期待されるが、彼はまた同時に、信じやすく、無知で狂信的でなければならず、恐怖、憎悪、追従、勝利の興奮が、彼の支配的な感情でなければならない。」

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ


イギリス社会主義なる独裁体制に支配された1984年の世界の話。ニュースピーク言語なる、支配側からの言語統制によって反抗思想的な単語が抹消された話し方が採用され民衆が政治的な反抗思想すら考えつかないようにされている。

が、ちょうど併読していた「言語が違えば世界も違って見えるわけ」(ハヤカワ刊)にもあったが、「人間の思考は言語や母語によって違いが生じるのではなく、日常生活の基本的な面について本人が所属する社会の中の他人と円滑に意思を疎通するために反復練習した経験から生ずる」とあり、まさにそれ。ニュースピークという新しい言語体系があるが実際のこの世界の人々は党に反抗分子と思われたくないから円滑に生活するために、不満のないような会話だけを周囲とをせざるを得ない。
二重思考だってここから生まれますよね。実生活でもそう思ってなくてもそう思わって振る舞わないと周りと円滑に行かないとかで。それはもう二重思考…。

つまりこの小説の世界はニュースピークによって一切の政治的反抗ができなくなったのではなく、社会で、職場で、親子でお互いに監視しあい密告する文化が出来上がったからこその自己保身から生まれたディストピアなのだな〜と思った。
やはり全体主義は怖いし、一歩間違うとどこの国や社会だってそちらへ一気に傾きかねないのが怖い。
もっと小さい、会社や職場単位でもこういうのがあったりするわけだし。

一番印象深かったのは実は見事な二重思考者だったオブライエンが急に敵対者になってからの急展開、それに続く拷問シーン、それに続くその後のウィンストンの復帰。
人間は痛みに弱いし、ウィンストンの「自分より高度な知性を持った狂人に対し何が言えるというのだ?」言う諦観がえぐい…。
逆を言えばそういう狂人を権力の座につけないのが大事ってことですよね…。

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2025年10月19日

購入済み

はじめて読み終わったときはそこまで大好きな作品にはならなかったけど、読めば読むほど夢中になる小説だった。

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2021年10月01日

Posted by ブクログ

徹底した管理社会の中で生きていく様と、それに抗う様子を、心理面と肉体面の両方で描写しきっているのがすごい
話の内容自体に救いがないが、最後のニュースピーク解説ページがある事で、管理社会の終焉と新時代が始まっている事が読み取れるので、本編後に救いがあるような書き方
先にここを読んでしまったので、感想が中途半端になってしまったのが残念

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

作者の独特の世界観に脱帽です。しかも1949年の作品だなんて驚きです。オーウェルさんはちょっとした予言者?
面白かったのですが、途中の禁書が長過ぎて読むのが辛かったです(汗)そして、ディストピアは重かった。
語り継がれるべき作品なのは重々承知の上で、自分的評価は★★★
よほど何かない限り再読はしないです

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

モラハラ男と喧嘩したときの、絶対に自分が悪いとは認めない自己矛盾に満ちた主張を聞くような不快感が満載のディストピア小説だった。政治とか思想とか、難しく語られても分かんないけど、モラハラ家庭はこれの縮図かなって。そう思ったら、抗いたいよな。

この本自体がわたしの思考を制限しようとしてるのか!?ってくらい読むのが難しかった。3日かかった。英国での「読んだふり本」第一位らしくて笑った。翻訳だから読みにくいのかな?と思ったけど、原文でも挫折されてるのかな?

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

難しくてあまり理解が出来ていないと思う。
この当時の社会情勢も含めて
読んでいかないと本質の部分が理解できないのではないかと
読んでいる最中に思った。
昨今、オールドメディアや印象操作という事が話題にあがるが
今の時代に当てはまる部分があると節々で感じた。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の心に他人は入ってこられるか。

世界的ベストセラーだけど読んだフリしている人も多いだろう作品。かくいう自分もそうだった。腰を上げて読んでみた。すごい作品だった。消化できた気がしない。

歴史を変える。党の言うことを疑わない。それが危険だと言われているのではなくて、おかしいと思った自分をそんなことを考えてはダメだと無視する態度が危険だと言う。自己防衛的愚鈍。身に覚えのある自分がいる。おかしいと思っても生活を続けるために間違っていないと言い聞かせ信じ込む。そうじゃないと生きていけないから。

SNSによって「1984年」は現実に近づいているのかもしれない。でもSNSとかじゃなくて、テレビやラジオであったとしても、もしかしてその前からも、人間社会にはここで描かれた傾向があっただろう。何か大きなものを進行させるために無視する矛盾。メディアが後押ししたかもしれないけど、ずっとどこでも人間にそういう傾向はある。時代も地域も関係なく普遍的な問いを表現した作品である。もし今流行っているSNSやらが無くなった未来でも、この作品は読まれるだろう。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

前から読んでみたいという思いはあったものの
なかなか手が伸びなかったが
今回やっと手に取ってみた

難しく感じる感情はあったものの
一人の男性の半生を読んだと思うと色々感じさせられた

どこに行っても何をしていても
見られていてそれが当たり前で
そのことを何とも思わないことが当たり前で
過去はその都度変更していって
それに対しても何も感じないことが当たり前で
普通に暮らしていきたかったらすべてのことを受け入れることが当たり前で…

最近
発売された本で最近読んだ本を思い出した…

この物語が書かれたのはだいぶ前だけど
最近読んだ本は最近書かれたもの

なんだか怖くなる…

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

ビッグブラザーが統治している国。個より全体を重んじる世界で違和感を持っている男性がある女性と関わり始め、物語は予定調和とも言える終焉を迎える。期待と諦めを持って読み進めるが、どこで展開が変わるのかそれともこのまま終わるのか、最後まで諦めずに読み進めてしまう。

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2026年03月10日

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