あらすじ
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する超全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは、真理省記録局で歴史の改竄に従事していた。彼は奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、伝説的な裏切り者による反政府地下活動に惹かれるようになる。
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「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する近未来では、ありとあらゆることに統制が加えられる超全体主義的な社会が成立していた。真理省記録局で歴史の改竄に従事していた主人公・ウィンストン・スミスは、奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、反政府地下運動に惹かれるようになっていく…。
先の見えない不安な時代に売れると言われる本作品。トランプ大統領が就任した際、アメリカ国内での売上ランキングで1位となり話題になりました。また、ノルウェー・ブック・クラブの「世界最高の文学100冊」にも選ばれ、世界中で高い評価を得ています。こんな社会はありえないだろう…とページをめくっていくうちに、『一九八四年』的未来はSFにとどまらないのかもしれない…と考えはじめてしまうでしょう。現代を生きる我々に警鐘を鳴らす一冊です。
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Posted by ブクログ
ずいぶん前に買ったんですが内容が怖すぎて途中で積んでいた 今読むと余計怖かった
ディストピア物を読んでいるとこういう世界に生きてなくてよかったなと思うことがあるんですけど、一九八四年や侍女の物語ってそう思えないのが恐ろしい 現実が寄って行っている
昔はテレスクリーンとか人がモニターで逐一監視してるのかな、さすがディストピアは狂気的にマメだな〜とか思ってたけど今ならAIで出来てしまうだろうし…
こういう話に架空の歴史研究文書みたいなのがついてると嬉しいので巻末のニュースピークの部分があって良かった 米国の読書クラブから削るように要請された経緯があったそうで、オーウェルの反対によって残ったそう
ピンチョンの解説でも書かれていたけど、あの文章があることで後世ではあの寡頭支配体制は倒れたのでは?という可能性が出てくるのが希望が持てて良かった ピンチョンの解説すごくいいので読む人は解説飛ばさないで〜〜!!と思う
Posted by ブクログ
読むべき小説に出会った。
『集団浅慮/古賀史健』で、「二重思考」の概念を知り、『1984年/ジョージ・オーウェル』に興味を持ったんだけど、「二重思考」はやっぱり面白かった。
この先の人生で、この小説は何度も私の思考に現れる気がする。
権力と嘘は親和性が高いよね。
権力って魅力的なんだろうな。
プロール(労働者階級)は「平等」を求めるって、この本が出版された当時と今と何も変わらないね。
「無知は力なり」
「戦争は平和なり」
「自由は隷属なり」
最後、「ニュースピーク」は過去のものとなり、ディストピアは終わったのだろうか。
それとも、別のディストピアが始まっているのだろうか。
二重の結末も最高に面白かった。
(以下、すぐにディストピアが何なのかわからなくなるのでAIに聞いた覚書。claudeより引用)
ディストピアって何?
「ディストピア」は、理想郷(ユートピア)の反対の概念で、抑圧的で望ましくない社会や世界を描いた言葉です。
特徴:
•全体主義的な支配や監視社会
•個人の自由や権利が厳しく制限される
•表面上は秩序だっているが、実は恐怖や統制で成り立っている
•格差、環境破壊、テクノロジーの暴走などが背景にあることも多い
代表的な作品:
•ジョージ・オーウェル『1984年』(監視社会・思想統制)
•オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(快楽と管理による支配)
•レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(思想統制と焚書)
現実社会への警鐘や批判として書かれることが多く、SFやフィクションのジャンルとしてもよく使われます。
Posted by ブクログ
監視社会や思想統制を描いたディストピア小説の傑作。
ビッグ・ブラザー率いる党が、歴史や言葉、思想までも支配する世界を通じて、全体主義が人間の自由と人格をいかに破壊するかを描いている。
中国の監視社会や情報統制を連想させる部分も多く、80年以上前の作品とは思えない先見性に驚かされた。
後半の展開は衝撃的で、人間の精神までも支配しようとする権力の恐ろしさが強く印象に残った。自由や真実の価値について改めて考えさせられる一冊。
Posted by ブクログ
※この本を語るのにどうしても言いたい現状の事を少し書いてしまっています。
特に20260505時点でリベラルと呼ばれる人達は閲覧をお控えください。
『過去は、変更可能な性質を帯びている』
過去の改竄、1192作ろう鎌倉幕府今では1185作ろう鎌倉幕府 たまに聞くからいいというわけではないが、これが頻繁に起こり、日常化したらどうなる?元々何が正しいかなんて当時の人しか知り得ない物を後になって変えるのも変だよね。
この話は今でも特段話題にもならないし、それが真実かどうか分からないのに誰も不安に思っていない。
二重思考と言う言葉、最初難しかったけど日本にも似たようなのある。
空の色は青でわかるけど、信号の色は緑というべき所を青と言ってる。
あれは緑だと日本人でも分かってるけど、あれは青だって言ってる。
そして、どっちも間違っていないと認識している。これって二重思考だよね。
人によっては「なんだよw陰謀論かよw頭おかしくなったか?w」って言ってきそうだが、それが事実になってからでは、もうそれが本当に正しいことでも正しいなんて言えなくなる。
間違いを間違いだと言えなくなる。
「2+2=5でなければいけない」
そんな世界を見させてもらいました。
この本が2026年03月27日イギリスで有害図書として学校から撤去されたらしい。
移民問題といい外国から学ぶことは多いはず。
頼むから日本だけは間違えないでくれ。
そして私は沖縄は日本のものじゃないだとか、日本は中国のものだとか、政治家が毎回吐く嘘や逃げだとか、いきすぎたDEIやポリコレを、嘘を嘘だと、間違いを間違いだと、いつまでも書き残し、覚えていよう。
『未来へ、或いは過去へ、思考が自由な時代、人が個人個人異なりながら孤独ではない時代へ ーー真実が存在し、なされたことがなされなかったことに改変できない時代へ向けて。』
Posted by ブクログ
これは文句なしの5点。
とにかく引き込まれる。
ビッグブラザーによる反対勢力の潰し方には驚くほどのリアリティを感じる。そしてそれに抗う主人公の姿に人間の希望を感じる。
第二次世界大戦後の1940年代は、スターリンが在任中でソ連がまだ力を持っていた。社会主義国がさらに広がることを西側諸国は恐れていたし、実際に社会主義運動は民主主義を代替する新たな政治システムとしてある程度支持されていた。
しかし、社会主義国は建国時の美しい理想からかけ離れてすぐ独裁制と権力の腐敗につながる。その歪な社会では徹底的な情報操作と洗脳、反対勢力の粛清が横行する。特にスターリンが強大な権力を思うがままにしていた時はそれがひどかった。その現実をリアルに描き出したのがこの本である。
独裁制の怖さ、洗脳の怖さ、そして一度始まったら戻れないシステムの怖さを実感させられる。
しかし、1984の魅力はそれだけではない。主人公とジュリアの関係性が出来上がっていく部分に心躍らされた。
体制のリアルと人間のリアル、どちらも描くこのバランス感覚の良さが引き込まれる理由かもしれないと思う。
Posted by ブクログ
最後の一文でバッドエンドのカタルシスをこれでもかというくらい浴びせられて、尊厳破壊の最たるものを味わった。
単純に死ぬよりも残酷性が高い終わり方。
社会制度、キャラクター性、心理描写、どれもが完成されている。
序盤の大掛かりな体制批判、ジュリアとの密会が終盤の布石になっているところも作者の構成力の高さを伺わせて良かった。
Posted by ブクログ
すごいねぇ、こんな恐ろしい、未来に実際にまぁまぁある意味そっちにどの先進国も落ち着いてる感じだよねって思えるようなものを、あんな昔に書いたんだからね。そりゃ衝撃的な作品だし、有名だし、話題になるし、今思い返してもう一度読むべき本にあげられて然るべきだよね。
ショックが強いよね。
最初の一部やや冗長的に見えるところも、あとをしっかり動かすための土台作りだし、この時代の欧米の作品ってその嫌いがすごくどの作品もある気がするし。
2人が一緒になってからの華やかな時間も、デストピアからの脱却、夢のある時間、の様でいて、乾いた心をしてくれるかと思いきやもっと恐ろしいデストピアのために重ねられた、2段目に過ぎないとも感じられる、今思えば。
最後はもう一気に読むしかないんだけれども、結局怖くないんだけど、怖いんじゃないか、怖いんじゃないかって思わされるし、中々そんな深いところまで揺さぶられない位深いところが、鷲掴みにされて、ぐらぐらグラグラずっと揺らされてる感じで、終わらない震度6の地震みたいな、読み終わってどっと疲れて暫くうぅ…ってなる感じかな。
この作品がまさしく今に通じるのは間違いなくて、民主主義と言いつつ、社会主義であるようにも感じられると言う点もそうだし、政府が言う事は全て2重の意味があり(本当の事は誰にも伝えられず、大衆用に用意されたわかりやすいストーリーで、自分を含む大衆がもはや納得して進むことに慣れているとか)、もちろん写実的にその通りになっているわけでは無いんだけれども、比喩的にはそうなっている点が多すぎて、監視社会もそうだし、どこで誰に見られているか、自分の行動言動全てに気をつけて生きると言うことが、人間に及ぼす酷い害は、もはや公害の様でもある。
人間がその中でも美しく生きていくと言う話ではないし、そんな話では無いからこそ長く読まれているのだと思うし、深い深い深い。逃げられないし、逃げられなかったられなかったし、逃げることができなそうであること。ただ少しの希望を最下層に託していること。
あと、やっぱり監視されてるって嫌だよねっていうこと。全部筒抜けって楽しくないし、誰にも聞かれない、誰にも知られないで、人とコミュニケーションを取る事は、失われた過去の当たり前ではあるんだけれども、それは本当に本当に尊いものなんじゃないかともう一度考えさせられる。自分たちが今置かれている状況を正しく把握している人は非常に少ないと思うけれども、苦痛だよね、不快だよね、息苦しいよね、怖いよね、誰も信じられないよね、ほらやっぱり誰も信じちゃダメだったよね、と言うような。怖い怖い怖い話。
色んなことを考えさせられる話と言えば陳腐だけれども、こうやって脳みそが必死に考えることも減ったなぁと思ったりしつつ、こう言うわからない問いについて、問いかける本がしっかり残っていると言う事は1つの希望でもあると思った。
Posted by ブクログ
一九八四年の、というより大作家のすごいところだが、それは人間が生きて書けているという事だ。
潰瘍の描写がその際たるものだが、人間が生きているという事に付属するものというか、生きた人間を書こうと思えば、こんなふうに本題といっても差し支えのない社会とその社会への目線というのから離れた個人的な事情である身体である痛みや匂いを書くというのがどれほど効果的なのか、それがよく伝わる。
さて、本作が描く世界がこうも現実的に恐ろしいと感じるのは、何故だろうか?僕が考えるにそれは、我々でも想像ができる範囲での身体、そして内心を強く縛られる社会を書いているからだろう。
長谷敏司のプロトコル・オブ・ヒューマニティにある描写で、居酒屋でのアルバイト中、常に監視カメラに見つめられて、気を抜いている時間を働いていないと判定し、その時間分の給与をカットするというような描写がある。
僕も、社会人のみなさんも、働いている時間と、気を抜いている時間。上役の目があるためにアリバイ的に手を動かす時間、こういった時間を経験した事があるだろう。そして、それがかなり悪辣な形で進めばそうなり得るだろうという想像ができてしまうのだ。
そして資本家は基本的に無自覚的に悪辣だ。革命後の社会が資本主義の社会と同じ道を辿りえるのをオーウェルはこうも徹底的に皮肉的に書く。(つまり、革命後社会の欺瞞というか、落とし穴。)動物農場にも見られる同一のテーマといっても問題はないだろう。
僕たちは、資本主義の敷かれたこの世界で、プロパガンダ的に刷り込まれイメージされる社会主義の社会と同じ目に遭いかねないことを感じ取り恐怖しているのではないだろうか?
Posted by ブクログ
初ジョージ・オーウェル
ディストピア小説とは聞いていたが予想の斜め上をいったものであった
三国体制、管理社会といった壮大なスケールのようでその人の思考がポイントになってくる
特に二重思考という概念は自分も時折やってしまっているものだと痛感した
なんだかんだ希望のある感じになると思いきや急にどん底に落とされ思考、精神を体制に合うものになるまで徹底的な教育を施す
実際の1984年とは違うような世界であったが現実と同じようなところや未来に起きそうなところがあり感心よりも恐ろしさを感じた
暗い話ではあったが読み終わった後に何故か爽快感が湧き上がってきた
また読んでみたいと思える本だった
Posted by ブクログ
某所で今読むべき本として紹介されていたので読んだ。怖かった。ここに書いてあることが遠くない未来に自分の身にも起こるかもしれない、そういう社会に生きちゃってるんだなぁと思えてしまうのが心底嫌だった。
(2026/7/19 追記)
1日置いて、余韻がじわじわきている。ゴリゴリのディストピア小説。1948年に書かれたというのが本当に驚きだ。
この作品は、社会主義国家・資本主義国家の如何に関わらず、全体主義に対する盛大な警鐘・風刺となっているのかなと思う。全体主義国家に反抗しようとする人々は、どのようにして「教育」されるのか、大変よくわかった。ひたすら怖い。ジュリアへの愛を捨てることになった最後の拷問が特にグロくて、自分の場合はどうなるかと想像しただけで総毛立った。人の心の折り方が、懇切丁寧に書かれている…
最近暗いニュースばかりで、追わなければと思いつつ疲れからあえて追わずに過ごすという日も増えてきていたのだけど、これはこの本で言うところの「自己防衛的愚鈍」な振る舞いに当てはまるのかもしれない。抵抗者がそうなることは折り込み済みで全ては予定通りである、と見透かされていたかのようで、ぞわっとした。最近の鬱々とした気分は、これから本格的に始まると予想されるディストピア的な未来に対して感じる鬱なのかもしれないと思った。
過去の歴史を為政者の思い通りに改竄できる社会というのは、Wikipediaの作られ方を思い浮かべれば容易に想像できた。Wikipediaは有志が記事を作っており、編集履歴も誰でも閲覧できるけれど、これを国主導で行って(歴史の教科書などに対して)、しかも編集履歴は全く残らない状態と思えばいいのかな。今の政府は重要書類をしばしば軽々と破棄するから、余裕であり得る話だなと思った。
作中に繰り返し出てくる「2+2=5」。Radioheadの楽曲にもこのタイトルの曲があり、どういう意味なのか長らくわからなかったんだけど、この作品から取っていたのかなぁとぼんやり合点がいって、ファンとしてはうれしかった。
愛(もしくは人間的な心)は恐怖で踏み潰すことが可能だ、ということを教えられた(知ってしまった)のがしんどかった。それでも愛を貫きそして殺されてしまう人のことを、宗教的には「殉教者」と呼ぶのかなと思い、中世〜近世で弾圧されたキリシタンの人々のことを思わず考えた。彼らの場合は、神に対する愛ということになるんだろうけども。
ウィンストンと同じ目に遭った時、私ははたしてどちらを選べるんだろう。
Posted by ブクログ
ビッグ・ブラザーという独裁者が管理する世界で、2+2=5と洗脳される大衆と、それに違和感を持つ主人公。
国民の思考力を奪うため最低限に単純化されたニュースピークを使用させたり、偽りの戦争を続けることで国民を搾取する最もらしい口実をつくったり、性交渉を禁じ子に親を監視するよう教育することで男女や家族の関係性を希薄なものにしたりと、恐ろしい世界が描かれている。
大衆には酒や宝くじといった知識の伴わない娯楽を提供し続けることで、党への反撃を実行するどころか考えつきすらしない愚民へと育て上げる。一方ある程度の思考力や知識を持った者はテレスクリーンと呼ばれる実質的監視カメラで管理する(敵は近くに置け方式)。
難しくて理解できない部分(主にゴールドスタインの秘密の本)もあったが、理解できるようにならなければいけないことだけは分かった。
何度も読んで理解を深めていきたい。
Posted by ブクログ
なぜか日本の伝統的な企業のように感じてしまう。何が真実か分からない世界で言葉や思考、愛を制限されコントロールされてしまう恐ろしい社会。かなりぶっ飛んでる監視社会の表現もさることながら拷問による痛めつけで精神そのものを変えてしまう描写はいまの時代からはなかなか想像できない。名作だと思いつつ読書力が足りないためか理解できない点もあった。
Posted by ブクログ
途中で放置した期間があったので、ちょいちょい忘れてしまったところがあり、難しい話をあんまり理解できずに読み終わってしまった。いつか再読したい…
最後のシーンが印象的だった。ウィンストンが変わってしまった(生まれ変わった?とも言うかも)ことがその世界にとって、彼にとって良いことだったのかは分からない。思考の内容がビッグ・ブラザーと同じだったことで自分が“ビッグ・ブラザー”の一員になってしまった、と言うことなんだろうか。
ん〜よく分からないけど、結局ウィンストンはビッグ・ブラザーに飲み込まれてしまったのだろうね。
附録にある『ニュースピークの諸原理』を読んだとき、ニュースピークが実際にあったものだと勘違い!
「へー、昔の人は大変だったなー」と一瞬自分の中で歴史が改竄されました…
もしかして、適性あり?
Posted by ブクログ
伝説的ディストピア小説。『素晴らしい新世界』を読んだ時は、「こんな世界でも、悪くないかも」と思ったが、今作に描かれていたのは明確に嫌な世界だった。同時に、そんな世界に対して、自分がきちんと論理立ててNOを突きつけられるかと言われれば、そうではない。
オブライエン対ウィンストンの3部が圧巻なのは、そのためである。日本という比較的平和な民主主義社会に生きる自分にとって、オブライエンの唱える社会、それはすなわち、イングソックの諸原理に基づき、ビッグ・ブラザーを皆が崇拝する社会は、まさに悪夢そのもの。しかし、彼の狂気的な雄弁に対し、読者の自分は始終押し除けられていた。なぜか。それはウィンストンも言っていた通り、知性の点において彼に敵わないから。3部での2人の問答(拷問)において、読者は当然ウィンストンの視点に立ちながら、自分の思考・哲学・ポリシー・常識といったものがいかに脆いかを、果てしないまでに痛感させられる。
二重思考、ニュースピーク、思考犯罪といった、本作のディストピアを構成する様々な独自要素は、物語創作的な視点で捉えると、あまりにも魅力的である(もちろん、実現は希望しない)。また、人が戦争をする意味、権力を求める理由、記憶や記録の有効性といった、非常に抽象的なトピックに対し、重厚かつ長大な思索が綴られている。これもまた、上述した諸要素とともに、本作の魅力であり凄みであると思う。
Posted by ブクログ
もしもこんな世界があったらと考えられても、設定を細部まで落とし込めるジョージ・オーウェルが恐ろしい。
言語を削ぐことで思考を狭めて、党の支配力を維持するのは面白かったが怖くもあった。
言語化は思考力だと実感。
トマス・ピンチョンの解説も希望があり最高だった。
Posted by ブクログ
なーんてこった状態。
1章は世界感、主人公にフォーカスした話
自分たちの生きている世界の曖昧さを痛感する。なにも疑問なく受け入れていることは果たして真実なのか。権力者によって自由と思わされているかもしれない。支配とはまさに。
2章でつかの間の幸せとスリル。ここからの加速が楽しい。
3章で絶望。
何を言っても否定されて、もう諦めて楽になろ…てなる。
話が通じない、わかり合えない、正しいだけでは勝てず、しかもそれを正しくないとされて頭おかしくなりそう。
感情としては悲しいより悔しいが強いかも。
そして本当に恐怖するものを前にすると、愛する人も差し出せてしまう。それが精神の最後の砦で、自分というものを見失わないためのものだったのに。
罪悪感と自分への失望。完全敗北。
こんな未来に希望持たれへん終わり方ってあるんや。しかも相手が圧倒的にすぎて、こらもう無理や…と納得してまうという。
そしてこれがフィクションと言い切れない恐怖。
ほんで最後のニュースピークの説明よ。
Posted by ブクログ
世紀末文学の白眉、「1984」を読んだ。
ウィンストンという真理省党員の目を通しての、ビックブラザーに支配されるオセアニアの姿を描く。
解説ピンチョンいわく、元トロツキスト、バーナムがとく日本のイースタシア、ロシアのユーラシア、そして英米連合のオセアニアが舞台。ビックブラザーと抵抗勢力のゴールドスタインはスターリンとトロツキーを思い出されると。時代背景でいけば、当時はそんな対比が考えられたのも頷けるが、現代では中国の体制が近いように感じる。しかし、さらに直近で思い当たるのが、SNS。姿が見えないビックブラザーは巨大SNSを自分の意のままに動かす人物にあたり、人の記憶を塗り替えでしまうのは、まさにこの本が言う二重思考にあたるのでは?
ただ、付録にある「ニュースピークの諸原理」が、過去形で表されているのが、1984年より更にさきの未来はまともになっているのではという、救いが見えた。
Posted by ブクログ
舞台は、世界が3つの巨大国家に分断された近未来のイギリス。
全体主義が支配する「オセアニア」では、終わりのない戦争が国民の思考を縛る目的となる。
党の管理のもと、記録は改ざんされ、個人の行動は常に監視下に置かれる。
読み終えて憂鬱になった。救いがない。
スマホやカメラなど、至る所に「現代のテレスクリーン」がある社会。我々の思想は本当に自分の意志なのか?
個人の行動だけでなく感情や信念すら再統合される可能性を秘めている。
この本が突きつけた疑念は、現実と地続きで恐ろしい。
Posted by ブクログ
社会的に人間を管理するにはどのようにすればよいのかということがよくわかるし、その視点で見ると大変面白い(方法としては語彙を削り、思考能力を奪う。人間は言葉を使って考えるから言葉を禁止されると、ものごとを考えられなくなる)。
別の視点で見ると、新しい社会体制に適応できないおじさんの不満と、その不満を若い女で発散しているだけとも読み取れ、「気持ち悪いな。懐古厨やってないで、適応する努力をしろ」という感想も浮かぶ。
※真実とか言っても、どうせウィンストンにとっての都合のいい出来事・解釈が真実で、そうじゃないものは真実じゃないってことになりそう。そもそも文書改ざんを仕事にしてる人間を信用はできないな(あるいは、その罪悪感を党に対する敵対とか憎しみで浄化しようとしているのか。他責?)。文書改ざんが仕事で、勤務先の悪口を言い、若い女に入れ込んでる、健康管理できてない他責の懐古厨おじさん…やはりキモい、となってしまう。
管理社会としては完成形がオルダス・ハクスリー著『すばらしい新世界』で、これを読むと、「あれ?管理(監視)社会って実はとても良いものでは?」と思える人がいるはず
※この本の感想が
「全体主義怖い、監視社会怖い」
「自分の頭で考えることが大事、自由が大事」「今の社会はこれに近い。危ない」
ばっかりなのこそ、『1984年』ぽくて皮肉だな(スタンド・アローン・コンプレックス感もある)
※追記:このアプリの作品紹介の内容が以下(20260730時点)
「今の世界や日本に不安なを感じている人へ。この本が現実になりそうです。「事実」が政府によって覆い隠されるイマの時代。国民がそれを黙認するとどうなってしまうのか。この本を読むとわかります。」
└全然現実になりそうじゃないから。むしろネット、SNSの登場で覆い隠せない方向に進んでるから
└覆い隠してるのを政府に限定する意図はなんなの?マスコミ、メディア(出版社含む)もめちゃ覆い隠してるでしょ(戦時中も今も。バレてきたけど)
└この紹介文からして、読解の方向性や今の社会ってどんなものかを勝手に固定して、読者を洗脳しようとしてるんじゃない?こっちのほうが恐怖
(誰が考えた紹介文なのかな。出版社?「不安な」って誤字ってるから、AIじゃなくてわざわざ人間が考えた紹介文だと思うんだけど。この紹介文書いてる誰かを想像すると、めちゃ気持ち悪いな)
Posted by ブクログ
究極のディストピア。
なんかいろんな繋がりに導かれて一九八四年にたどりついた。
インテリ悪口本→QJKJQからの、村上春樹がこの小説に着想をというのを知って読み始めた。
2分間憎悪とか、憎悪習慣、最初はおもしろく読んでたけどなかなか進まず、、、
あとがきで『過去の翻訳にくらべて少しは読みやすく〜』みたいなくだりがあって、やっぱり読みにくいよねぇと再確認。初版のころはもっと読みにくかったのかと思うと、私なら途中で挫折してただろうな、、、
Posted by ブクログ
この世界ではビックブラザーという絶対的な存在があり、党の移行に背く行動、思考を持つものは犯罪者とみなされる恐ろしい世界!
2+2=5! このような誤った事象でも党が5と言えば5なのです。
そんな中で主人公は最期まで党への反逆の姿勢を見せるのですが1人の人間の存在はないも同然。
現代を見ても、SNSで虚偽の情報が多く存在したり、政府の情報操作に見事に踊らされる人達、、それほど遠い未来の出来事でもない気もしますね。
Posted by ブクログ
思っていた話と違った。ディストピアものということで、ブレードランナーっぽい感じかと思っていたら、もっと陰気で、救いがなかった。というか、これが本当のディストピアというやつですかね。スカッとするところもないわけではないですが、ほぼ全編陰鬱な描写に心がやられそうです。
某国を思わせるような管理体制で、物語として読めなかったですね。ドキュメンタリー的な緊張感がありました。と、他人事みたいな感じですが、もう少し広く考えると、現在の日本にも当てはまるようなところがないわけではないようにも思えてきます。語彙力の低下や、言葉の意味が変わってきているみたいな話がありますが、これって実は恐ろしいことなのかもしれませんね。
スカッとしたものを読むつもりで手にしたのですが、まったく違う系統だったので、かなりダメージを食らいました。
Posted by ブクログ
一九八四年 ジョージ・オーウェル
様々な作品に影響及ぼしまくりの本作。監視され管理され政府の意のままに振り回され自分に嘘をつき続けねばならない自由皆無の灰色世界の話。後半はもう救いが…最後まで読めばなんとか…。印象に残った一文「自由とはニ足すニが四であると言える自由である」
Posted by ブクログ
漫画を先に読んだこともあり、ビッグ・ブラザーはじめより世界観に浸ることができた。一歩間違えばこの世界線もあり得るもので、1949年時点で今より先の未来を予言しているようで怖い
Posted by ブクログ
経験主義は比較的新しい考えだから、いずれ他の考え方に置き換えられるかもしれない。
それがこういう考え方かもしれないと思うとぞっとする
Posted by ブクログ
家にいても外にいても行動、言葉、寝言、表情までも監視されてる世界。
少しでも怪しまれたら逮捕され存在を消される。
過去も全部嘘の歴史を信じさせられ、指導者の言うことは全て正しいとされる。
こんな生活耐えられない。一生自分の言いたいこと言えない。
それ以前に美味しい物食べられないのが嫌だ…
こんな世界に生きる方がいいのか死んだ方がいいのか難しい…
付録が難しすぎる!途中出てくる本も難しかった。
Posted by ブクログ
面白い!長いけど!
中盤のジュリアとの逢瀬のくだりがとても美しい(ちょっと長いけど)のと、終盤の怖さ、哲学的な深みがとても良かった。
エンタメ性はそこまで感じなかったけど思いの外表現とかがすごく好きだった。
オチは知っちゃってたけど、それでも十分面白かった。
でもちょくちょくよくわかんなかったとこがあったから大人になってからまた読み直したい。