【感想・ネタバレ】一九八四年[新訳版]のレビュー

「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する近未来では、ありとあらゆることに統制が加えられる超全体主義的な社会が成立していた。真理省記録局で歴史の改竄に従事していた主人公・ウィンストン・スミスは、奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、反政府地下運動に惹かれるようになっていく…。

先の見えない不安な時代に売れると言われる本作品。トランプ大統領が就任した際、アメリカ国内での売上ランキングで1位となり話題になりました。また、ノルウェー・ブック・クラブの「世界最高の文学100冊」にも選ばれ、世界中で高い評価を得ています。こんな社会はありえないだろう…とページをめくっていくうちに、『一九八四年』的未来はSFにとどまらないのかもしれない…と考えはじめてしまうでしょう。現代を生きる我々に警鐘を鳴らす一冊です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年04月10日

監視社会という世界に抗うことができるのか。
人間らしさとは?
そんなことを問いかける名作。
この時代に現代を予兆するこの世界観を作り出す筆者の先見

0

Posted by ブクログ 2024年04月02日

1984年を遙かに過ぎた現代でも全く色褪せない。
むしろ、情報化社会の現代でこそ気付ける示唆に満ちている。

0

Posted by ブクログ 2024年03月10日

人間の尊厳がこれでもかというぐらい踏み躙られる。未来予想として当たっているなどの視点は一旦置いておいて、その踏み躙り方は呵責がなく、一読に値する。

言語、記憶が管理され、内面が操作、誘導される様は本当に恐ろしく、これらの外側の社会(プロール)は経済的には過酷かもしれないが、精神的にはユートピアだ。...続きを読む

絶望を描いたとされるが、利己心から相手を裏切る際の良心の呵責は温存できることも描いており、人間性をすべて奪うことは不可能であることも描いた傑作でもある。

0

Posted by ブクログ 2024年02月29日

世界観の作り込みが面白い。
言語を奪われる事の恐ろしさ。
ただ、新しい言語が施行されても、結局時の流れと共に人々のコミュニケーションが交わされる中で新しい語彙、用法共に増えていき、言葉をそのままに留めておく事は不可能であろうという確信。

オブライエン(主人公に党への反抗を持ちかけると見せかける奴)...続きを読むが何故か印象に深く残る。人物描写の為か。魅力的。

0

Posted by ブクログ 2024年02月25日

当時、友人に勧められて読んだけど社会の歪みへの提言のような、庶民としての憤りや静かな怒りが淡々と伝わってきた。読んでくうちに辛くなって閉じたくなるほどだけど、今こそ読んでおきたい名著であろう。

また再読しよう。

0

Posted by ブクログ 2024年02月15日

めちゃくちゃ面白かった…。

自分たちの世界は民主主義と思い込んでるがここで描かれてる監視社会の社会主義と何が違う?

ニュースの情報を何も考えずに受け取っていないか?何も疑わずにSNSの情報を受け取っていないか?

スマートフォンやテレビなどSNSからの映像やニュースの映像を見て他国、他社に憎悪を...続きを読む向けていた人たちとここで描かれてる人との違いはあったか?

今の世界と重なる部分が多く非常にゾッとした

0

Posted by ブクログ 2024年02月11日

現在読書中ですが、まさに現代の社会を風刺しているような内容です。この本が書かれたのは今から80年ほど前で、当時のソ連をモデルとして描かれているようですが、まるで現代を透視していたのかと思えるほどです。ジョージ・オーウェルが警告した全体主義の社会がすぐそこまで差し迫っている、いや、もうすでに私たちはそ...続きを読むの渦中にいるのか。私たちはこれからの社会をどのように生きていけばよいのか、歴史の真実とは何なのか。今一度改める時が差し迫っている、そんな本です。最後まで読み進めていきたいと思います。

0

Posted by ブクログ 2024年01月31日

恐ろしい。
小説内でおきた出来事や社会システムは、現在の世界でも起きているだろう。また、このようなディストピア世界に陥らないよう、様々な視点から物事を俯瞰することが大事だと考える。

0

Posted by ブクログ 2024年01月27日

オーウェルが書いた近未来世界から40年の節目を迎えたこともあって、今年読む最初の一冊には本作を選択した。この小説に目を通すのはもうこれで何度目かとなる。コンラッド「闇の奥」と同様、小生ごとき凡人では永遠にオーウェルの意図した真理へは辿りつけないだろうと思いつつも、その抗いがたい哲学的ディープさに魅了...続きを読むされ、いつの間にかまた頁を開いてしまう、そんな物語だ

様々な考察は専門家たちに任せるとして、ただ単に小説が好きなだけの素人に過ぎない私は「一九八四年」を、極端に思考が閉ざされた社会における「生」へのあくなき渇望を描いたラヴストーリーとして捉えている。三部で構成された話のほとんどが重く澱んだ暗灰色のシーンで展開するなか、主人公ウィンストンと恋人ジュリアのアナーキーな逢引に主眼が置かれた第二部のみに色彩を感じるのは、きっとそこに人間らしい情欲が描かれているからなのだろう。密会場所たる骨董品店の二階部屋からふたりが見た、庭で洗濯物を干す女の逞しい姿は市井の人々が生きながら死んでいる時代の「生命力」を象徴し、彼女の持つ美しさにウィンストンが気づかされる場面は取分け印象に残る

興味深いのは、ビッグブラザーなる男の独裁政権下において、党に属す中間層の人々が私生活は勿論、思想に至るまで徹底して監視管理されているのに対し、人口の85%に当たる下級層(劇中ではプロールと呼ばれる)には酒やサッカー、ポルノグラフィなどの娯楽・嗜好がある程度許容されているところだ。目前に適度の飴を差し出され、骨抜きにされた民は支配者にとって全く脅威の存在ではないという部分に、一般的な「全体主義」の解釈とは異なるオーウェルの着眼点が窺える

党が推進する政策のひとつに言語の置き換えが記されている。同じ意味を表す言葉の集約(例えば、「とても」「大変」「非常に」「この上なく」を「超」「倍超」に)、あるいは語句を省略して縮める、これら指針の裏側には語彙を減らして知性を削ぐ政府の狙いが透けて見える。よく考えれば、我々は似たような変換を普段何気なく行っているわけだが、もっと言葉の重要性に関心を持つべきなのかもしれない

人間は考える葦である、と語ったのはパスカルだったか。生成AIの発達で今後ますます思考力が乏しくなる可能性の高い人間に果たして未来は開けているのか。「一九八四年」を手に取るたび、そうした不安が頭をよぎる

0

Posted by ブクログ 2024年01月19日

 ディストピア小説。近未来を予感させるような生活。そして、管理社会で禁忌を犯した恋。拷問と洗脳。そして、ラスト。
 もの凄く先が気になり、同じくらいにもう読みたくないと思わされ、読んでいてエネルギーを使い果たして疲れたと感じるハードな小説。きっと、この話は一生自分の中に残るんだなとおもわされました。

0

Posted by ブクログ 2023年12月25日

原点にして最高傑作。
読みにくさは多少あるけど、雰囲気がありありと伝わってきて、うわ〜っとなりながら読み進めた。
でもふと、今の自分たちの世界と何か違うのかな?と考えて、共通点の多さに背中がゾゾゾ…っとなります。自由だと思っているのは自分だけかもしれない。

0

Posted by ブクログ 2023年10月28日

ひたすらにこのディストピアを現実の延長にあり得そうと思わせる論理で作れるオーウェルがすごい。対義する概念を一つにするような感じ。

0

Posted by ブクログ 2023年10月21日

ディストピア小説。
1984年というタイトルですが日本で発行されたのは1950年だそうです。

いくつかの悪名高い国々での過去(現在でもある)の出来事を想像してしまう。
これまでは知識としてあったとしても、やはり他人事で空想めいていて。

灰色の景色や、すえた臭いや、口の中が不味くなるような。
血の...続きを読む気が引いた冷たさや、いつまでもおさまりどころの無い緊迫感に腕や背中がピリピリしたりする。
文字の羅列に過ぎないのに、読んでいるだけなのに、今そこにいるかのように五感が反応してしまう。

悪夢

これはまるで悪夢をみている

読んでいる最中は、悪夢の中の、逃れようのないディストピアの住人となってしまう。
本を閉じて、一呼吸、二呼吸してやっと現実世界に居るという実感を取り戻せる。

こんな世界は心底、嫌。

完璧な幸福に正解なんてないけれど、
私個人の感想としては、
昭和末期の日本に生まれ、いまの暮らしをしていられることが、どれほど尊いか噛み締められる作品でした。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月18日

ディストピア物と聞いて手に取りました
同じディストピアでもSFではなく、歴史のif的な物語
『日本が大東亜戦争に勝利していたら…』的なアナザーストーリーの様相を呈している
しかも、完全な空想というより、当時実在した共産主義やファシズムに見られる統制がイギリスを舞台に描かれている。

党は常に正しく、...続きを読む間違わず、秩序は保たれる。たとえ、突然身近な人が消えたとしても、誰も気にする素振りもみせず、初めからそんな人はいなかった"となる"。
不審に思っても言わないでおくのではなく、「はなから不審に思わない」・「そこに意識がいかない」二重思考により、全ては無かった状態が保たれる

これをおかしいと思う事自体が犯罪であり異端となり、次は自分が消えてしまう対象となる。

まさにありそうで無さそうな歪んだ世界を近未来として描いている本作は、私達はディストピアとして受け止めるが、もし私の国が異なれば、ドキュメンタリーとして読んでいても不思議ではない。

白を黒と信じる、2+2=5という、人が消えても誰も何も言わない、保身のために体制に疑問を持っていない風をよそをう…一方で、サボタージュ、密告する輩、スパイに罠

権力を脅かす全てのモノを、あらゆる巧妙な仕掛けで排除するのは、なにも権威主義国家の専売特許ではない。

何より一番震えた(既視感を覚えた)ことは、この作品に描かれていることが、とある会社で見てきたことと瓜二つだったことだ。
本作をバイブルにしてたかの如き…
(中2病の学芸会みたいな職場にそんな教養があるはずもないが)

また政治体制や言論空間についても改めて考えさせられる。
現代の教育水準や情報社会においてでさえ、フェイクニュースや捏造報道による世論操作は有効で、捏造がバレても報道機関は悠々と通常営業を継続できる。
誰でも容易に発信できるようになった故に誰でもデマを流せるようになった社会は、今後益々混迷を深めるのではと憂慮されます。

0

Posted by ブクログ 2024年05月01日

普及のSF小説。何故か世の中が不況になると売れる本。

今読むと古臭く、後半の方では物語が破綻しているが、この本の初版はなんと1949年。
監視社会は今の防犯カメラ、情報統制はSNS。そんな今を70年も前に考えついているこの発想力とデストピア。色褪せない魅力を感じさせる1冊です。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月30日

1949年に刊行されたイギリスの作家ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説。主人公ウィンストン・スミスは国家によって徹底的に監視・統制された社会で、歴史の改竄をする従順な役人として暮らしながらも、社会に対する疑問を強く意識するようになっていく。

巻末のトマス・ピンチョンによる解説は鋭く要点をつ...続きを読むいていて、この救いのない物語の理解に大いに助けになった。
殆ど予備知識なく、監視社会が舞台のSF小説くらいの軽い気持ちで読みはじめたので、ここまで重い内容だとは思ってもみなかった。それでも最後まで興味深く読めたのは、この小説が単なる反全体主義、反共産主義のSF小説ではなく(未来の予言でも断じてなく)、人間の弱さや脆さ、人間社会の残酷さなどの根本を描いているからだろう。名作が時代を超えて読まれるのは普遍性があるからだが、この小説が持つ肉体的な痛みや快楽、圧倒的な暴力は、なかなか古びることはなさそうに思う。

普段我々が眼にするような娯楽作品は映画にしろ小説しろ何かしらの救いが示されているものだが、この小説は完膚なきまでにそんなご都合主義を叩き潰してくれる(一応、巻末の付録の部分がこの狂った世界が過去のものになったことを暗に示してくれてはいるが)。途中で兄弟同盟が助けにくるのでは?という読者の期待は最後まで叶わない。完全なる個人の敗北。ここまでやる必要がなぜあったのか考えさせられる。

書かれた時代も戦後すぐで著者が社会主義でリベラルということ、結核を患っており(執筆を9ヶ月休まなければならないほど)、著者にとっても精神的にも肉体的にも辛い時期だったと思う。肉体的な痛みが精神にどう影響するかは、実際に感じながら執筆していたのではないか。特に第3部は恐ろしい執着心を感じる。もしかしたら自らの生への執着に、自分でも驚いたのではないだろうか。戦争のあまりの悲惨さに、暴力の前ではどんな思想も志も無力だと悟ったのだろうか。それとも口では平和を謳い、体は権力争いをする政治家の二枚舌、『二重思考』に対する激しい怒りだろうか。

何度も登場する童謡の歌詞、党のスローガン、テレスクリーンから流れるプロパガンダは、読者に催眠をかけるようでもある。また美しいものと醜いものが、善と悪にそのまま書き分けられているのもあまりにも意図的すぎる。あくまでこの小説はフィクションであり、『動物農場』のように構造をわかりやすくした寓話的小説として描かれたように思う。

解説に書かれていたように、この小説が共産主義への憎悪を掻き立てる“あの本”的に利用されているのは皮肉だ。政治的な単純な構造として読まれてしまうのは、かなり勿体無く感じる。読み方次第では薬にもなる毒だと思う。近年の政治家の発言や、IT技術などを予言しているという見方は、分かりやすい構図ではあるが適切ではない。もっと大きな視野を持った、人が生きるとは何かの切実な問いだと思う。

徹底的な残酷さを描いたうえで、どう生きるかを問いかけてくる。物質的に破壊されるよりも、文化的に破壊される方が恐ろしい。生活は効率ではない。豊かさは生産性ではない。

どんな理想的な国家でも一度戦争が起こり、銃を持った兵士が侵略しにくるとなったら、撃ち返さざるをえない。昨日まで平和主義だった民衆は銃をとって強力な指導者を求める。ウクライナの報道から感じる虚無感。人間の弱さは変えられない。それでも諦める訳にはいかない。別にウィンストンのように心まで破壊された訳ではないのだから、どんな時代になっても何とか正気を保って生きなければならないなと思わされた。

0

Posted by ブクログ 2024年04月15日

情報統制、そして思想までを統制するのは、現代でも起こりうる話だと感じた。
誰もが違和感を覚えておかしくない、覚えているのかもしれない、でも皆何も気にしない様子で従う。そんな中誰ともその思いを共有できないのは恐ろしい。
圧倒的な服従とは、最後の最後で描写されるのが圧巻だった。

0

Posted by ブクログ 2024年03月25日

この世界が今とどれほど違うと言えるだろう。
民主主義であるから違うと言えるだろうか?

世界で戦争は無くならないし
政治家を選ぶ選挙はしても、官僚や法律を決める権利は
私たちにはない

なんで税金が増えたり、減ったように見えたり
公共料金が上がったり
給料上がらないのに
それでも、景気が上がってきて...続きを読むると言われたり
NISAの枠緩和も、ほんとに私たちのためなのか?

それを、一様にいい、悪いとメディアも煽る

もし、それがすべて誰かの
今のこの国の上層の思惑ならば
本当に怖い。
少なくとも、私には疑うことはできても
それを壊せる頭がない。

事実、考えることもあきらめ
仕方ない、なるほど、それがいいのか、悪いのかと
判断を煽られてる。

この本の内容が、もっと広く知れ渡り
民主主義とか社会主義とか
そんなくくりのいい悪いじゃなくて、
本当の平等や、自由
本当に戦争をなくす方法を考えたい。みんなで。

逆に、テクノロジーの進化した後のSFのディストピアのように、地球であーだこーだ言えなくなる未来になる前に。

とても哲学的で、SFと思って読み始めたけど
人類学的でもあり、社会学的でもあり
歴史学的でもあり、文学的でもあり
ホラーで、SFでもあるとかんじた。

ちなみに、
第1章では、これでもかと、時代背景、世界観を描く。
しつこいと思いつつ読むけど、そこまで憂慮していたのではないだろうか。当時のオーウェルが。
第2章は、物語的に光。
そして、第3章。光からどん底に落とされる。

だからこそ、この物語が真実味をおび、
恐怖を感じ、心に残るのだと思う。
万々歳で終わらないから、小説としては成功だろう
けど、
私的には、ひどくしんどかった。

もう開かないかもしれない。
動物農場の方が、優しく問うてくれる。
でも、読んでよかったと間違いなく感じてます。

SFの部類に入ってるのですが
思ったのと違って、今でも十分通用する
小説です。

0

Posted by ブクログ 2024年03月24日

スターリニズムをモデルとしてディストピアにおける社会風刺、洗脳過程の傑作。ただ、この本の(一部の)読者が「現代はまさに『1984年』の世界だ」と宣ってるのが鼻につく。それが本当ならそんなこと言えないよ。一からこの本読み直せ。

0

Posted by ブクログ 2024年02月13日

海外文学っぽい読みづらさはあるけど、設定は現代にも通ずる監視社会。

そういう終わり方するのね〜ってなりました。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月08日

監視社会、全体主義の管理社会のなかでのディストピアを描く。主人公は最後の人間(自分の意志で考える人)であり、この社会においてとても危険思想の持ち主である。その思想がこの社会にばれたら?
自由思想を奪われ洗脳されることが正しい社会って自分が知らないだけで本当にあると思う。もし自分がその国の住人だったら...続きを読む?いままで考えたことがない想像ができた。

0

Posted by ブクログ 2024年02月03日

こういう有名だけど長くて手を出しにくい本を、自分は読み切れるかという腕試しのつもりで読んだ。
内容が社会に与えた影響は確かに考えさせられるが、それ以上に単純に物語として面白かった。
どうなるのかと一気に読み進めてしまった。

0

Posted by ブクログ 2024年02月03日

有名なディストピア小説ということで読んでみました。
最初はとっかかりにくいかもと思ったけど、ベストセラーになるだけあって、読み進めていくうちにその世界に没入できてやっぱり面白かった!こんな世界にならないようにしたいですね…

0

Posted by ブクログ 2024年01月19日

この本で描かれる世界____自分の家にいても会社にいても、ずっと監視されている。好きな時に好きな人に会えないし、人としゃべるのも制限を受ける。食べ物も灰色のペーストみたいなシチューで全然おいしそうじゃない!
こんな世界でも、人々は指導者を崇拝しひたすら国のために生きている。
人間が簡単に洗脳されるこ...続きを読むとも、この世界が現実にありえそうだということにも怖くなる。
最後の一行で背筋が凍った…。

0

Posted by ブクログ 2024年01月05日

党による独裁国家を描いたディストピア小説。
上層部が権力を維持し続けるには、賢明な国民に支配層の無能がバレないように、できる限り国民を愚かで貧しく(忙しく)しておく必要がある。
その目的のために、極限まで語彙を削った新言語を設計し、国民の思考の幅を狭めようとするのが面白い。

0

Posted by ブクログ 2023年12月27日

まさかの結末
濃厚に二人の関係が第二部で書かれているからこそ第三部の絶望感が引き立つ。
二重思考が認知的不協和を乗り越えた先にあるのか?

0

Posted by ブクログ 2023年11月08日

極端な全体主義、共産主義社会に生きればこの本のような社会で暮らさねばならないんだろうか。 文法まで変えようとする強烈なストレス社会でまっとうに生きる主人公。 光が差し込んできたと思ったが。。。旧ソ連やナチス時代のドイツ、今でなら北朝鮮と全体主義社会を描くことで批判した物語。

0
購入済み

2021年10月01日

はじめて読み終わったときはそこまで大好きな作品にはならなかったけど、読めば読むほど夢中になる小説だった。

0

Posted by ブクログ 2023年03月31日

二重思考。ふつう相反する事実を受け入れるよう言われるとパニックになる。その正常な状態から、異常な状態(二重思考)に誘導・洗脳していく。「どちらか」ではなく、どちらも真であると信じ込ませる。戦争こそ平和。自由は隷属。無知は力。▼言葉を奪えば、思考を奪える。「自由」「民主主義」という言葉自体を抹消する。...続きを読む▼「事実」は情報統制で操作する。相反する事実はない。過去を支配する者は未来を支配し、現在を支配する者は過去を支配する。▼不都合な人物は抹消すればいい。党のやり方に疑問をいだく(パニックになる)ような敏感な人は消せばよい。彼は頭がよすぎる。物事が見えすぎるし、ずけずけ物を言いすぎる。党はこういった人間を好まない。ジョージ・オーウェルOrwell『一九八四年』1949

**************

死刑囚が絞首台に向かう途中、水たまりをひょいとよけたのを目にした。その瞬間、健康で意識のあるひとりの人間の命を絶つことの不可解と言葉にできない理不尽を悟った。ジョージ・オーウェルOrwell『絞首刑』1931

私は心の底では愛国者なのであって、味方を妨害したり裏切ったりはしないだろうし、戦争を支持するだろう、できれば自ら戦いもするだろう。ジョージ・オーウェルOrwell『右であれ左であれ、わが祖国』1940

ナショナリストは、味方の残虐行為となると非難しないだけでなく、耳にも入らないという、素晴らしい才能を持っている。ジョージ・オーウェルOrwell『ナショナリズムについて』1945

差別を論じたものがすべてだめなのは、その筆者が自分だけはそんなものとは無縁だと心の中で決めてかかるからである。ジョージ・オーウェルOrwell『英国におけるユダヤ人差別』1945

英語で優れた文章を書くためのルール。印刷物で見慣れた暗喩や直喩、その他の比喩を使ってはならない。短い言葉で用が足りる時に、長い言葉を使ってはならない。ある言葉を削れるのであれば、常に削るべきである。能動態を使える時に、受動態を使ってはならない。相当する日常的な英語が思い付く時に、外国語や学術用語、専門用語を使ってはならない。あからさまに野蛮な文章を書くぐらいなら、これらの規則のどれでも破った方がいい。ジョージ・オーウェルOrwell『Politics and the English language』1946

0

Posted by ブクログ 2024年03月24日

1984年、読み終わりました!やっとなんとか、読み終わりました、と言ったところです。時間がかかりました。この本を1日や2日で読み終える方、心から尊敬します。話しの内容としては、評判通り素晴らしいものだと思います。原作は75年前?とかそれくらい以前にも関わらずこの内容を書けている点が高い評価を受けてい...続きを読むる要因の一つですね。まさにディストピアの脅威が伝わる作品であり、今現在これに近しい状況にある国はあるわけで、日本も例外的ではなく、技術やITの進化により民衆が気付かない中で、国や政治が足を踏み入れてしまう、もしくは既に足を踏み入れている領域があるやかもしれません。どういった主義を唱えて実行する国であっても階級的なものは必ず存続するわけで、民主主義でも当然例外的ではないわけです。現在の日本から見れば、本作のディストピア像は極端ではありますが、そういう考え方や世界が単純なSF世界の物語という事で終わらせてはいけないというメッセージであると感じました。恐ろしやーです。
ただいずれにしても本作、あくまで私個人の印象としてですが、大変読みづらかったです。唐突に出てくる言葉や、あまり日常的ではない日本語(単語)、文章の作り方など。。。私が普段読みやすい本を敢えて選んで読んでるのかもというのと、翻訳作品を普段あまり読まないので慣れていないせいなのかもしれませんが、、、もう少し読みやすい翻訳に出来ないものですかね。という点で⭐︎3つ止まりとしました。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月19日

名著ということで読んでみた。ものすごく重厚で読み応えがあった。ここに書かれている世界の恐ろしさや違和感を一言で言ってしまえば「気持ち悪い」なのだけれど、それが現代にもうっすらと繋がっているであろうことに恐ろしさを
覚えずにはいられない。洗脳の過程、そして降伏。後味も悪い。ディストピア小説だから致し方...続きを読むないのだけれどただただ重い気持ちになった。

0

「SF・ファンタジー」ランキング