【感想・ネタバレ】死神の精度のレビュー

あらすじ

伊坂幸太郎の人気シリーズが【新装版】で登場!

好きなものは音楽、嫌いなものは渋滞。彼が仕事をすると必ず雨が降る――。クールで真面目な死神・千葉は、人間の世界に溶け込み、七日間の調査で対象者の「死」に可否の判断を下す。自分の運命を知らない人々と旅行をしたり、窮地に陥ったり。死神と人の奇妙なかけあいが癖になる傑作短編集。著者の特別インタビューも収録!

単行本 2005年6月 文藝春秋刊
文庫版 2008年2月 文春文庫刊
文庫新装版 2025年2月 文春文庫刊

この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。新装版には、新たに「著者特別インタビュー」が収録されています。その他の収録作に変更はありません。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

書店でタイトルに惹かれ、手に取りました。
初めて読んだ連続短編小説。
「死神の精度」から「死神対老女」まで、次々と繰り広げられる展開にページを捲る手が止まりませんでした。
非常に楽しく読ませていただきました。
是非再読したいと感じた一冊でした。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目から流れ出てくるのは涙ではなく希望だ、と言わんばかりに必死にそれを拭っている
人間というのはいつだって、自分が死ぬことを棚に上げている
「そんときは刺してねえ時だよ」と妙な弁解を口にする
「突き抜けるような青い空ってのはいい表現だよね」と腕を組む
「人間というのは、眩しい時と笑う時に、似た表情になるんだな」


人間は自分の死だけを特別、ファンタジーに考えていると思った

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

読書にハマったきっかけの1冊。今まで自分は活字がダメで読書には不向きな性格だと思ってた。実際は続きが気になるような本に出会ってないだけだった。この1冊を読み終えた達成感でたくさんの本を読むようになった。
本の感想は短編集だからサクッと読めて面白かった。また前のお話に出た登場人物が違うお話にも登場してくるのがどこか懐かしく思えてとても良かった。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

死神の千葉、彼が仕事の時は雨が降る。彼の仕事は上から指定された人間の死の判定。選択肢は「可」「見送り」の2択、その判断を下すための7日間。全6話からなる短編集。
「死神の制度」:藤木一恵・家電メーカーの苦情係に勤めるOL。パッとしない彼女だが、時々ハッとするような声を出す。謎のカスハラ+ストーカー男はなぜ彼女に固執するのか、それが分かるとすっきりする。千葉が仕事に私情をバリバリ入れたのがいい。
「死神と藤田」:藤田・昔かたぎのヤクザの幹部。藤田は義理と人情のあるザ・昔のヤクザで舎弟の阿久津が慕うのも分かるし惚れてまうやろな人だ。千葉が最期まで見たいと予定を変更した、死神の心までも動かした男。
「吹雪に死神」:田村聡江・夫が開業医の主婦。話が名探偵コナン並みの事件だった。1人の人間の私利私欲が1人の人間の死を招き、何人もの人を動かし、悲劇的展開になった。千葉が情報部に自分だって出来るんだぞとアピールとするという謎の対抗心を見せたおかげで、見た目は青年、中身は死神、名探偵千葉を見ることができた。
「恋愛で死神」:荻原・服屋に勤める28才の青年で見た目が良いのに厚底眼鏡でそれを隠す。自分と感覚が似てる、好きなことが、好みのものが同じ。そんな人に出会えた荻原と古川朝美は幸せなのか不幸なのか。個人的には好きよりも嫌だが同じな方が大事だと思う。千葉が「謝りと嘘に大した違いはない」と分かった上でついた嘘は優しさだったのだろうか。
「旅路を死神」:盛岡耕介・母親を刺した後に赤の他人を刺殺した20才の青年。ザ・キレやすい若者。終盤になって千葉の予想通り全部盛岡の勘違いで、しかも死ぬのが確定しているときた。千葉が序盤で言った通り運が悪かったとしか言いようがない。
「死神対老女」:新田・70才過ぎの美容師のおばあちゃん。千葉のことが人間でないと見抜いたどこか達観している少し謎めいた人。最期に時間軸が、千葉の死神の時間軸の細工に脱帽。
短編集なので読みやすく、死神・千葉の性格が良い。どこかミステリーを読んでいるような展開も面白い。「可」か「見送り」か、その千葉が出す最終判断も上手い見せ方だと感じた。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

死神から見た世間を千葉と一緒に覗き見することが出来たような感覚の物語だった。千葉にも、人間味があると言うには少し足りないものがあるけど、好きなもの嫌いなものがはっきりしていてどこか親近感や愛着を沸かせるようなキャラクターだったからこそ作品がより面白くしてくれたんだと思う。加えて一つ一つの物語を追って、最後のお話にたどり着いた時、「あ、そういうこと」ってストンと理解できる伏線の回収がすごく好きだった。劇的じゃないけど、今まで登場してきた登場キャラクター達にまた出会えた気がした。

この作品、実写映画もあるけどそれもそれなりに原作を遵守した作品だったので、原作の本を読んだあと物足りなかったら実写映画も見て欲しい。オススメです

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2025年10月15日

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人間界のことが分かっているようで分からない死神と候補者の少しズレたやり取りがクスリと笑えたり、常識や思考枠組みが違うからこそ出てくる台詞が胸を打ったりする。
また、短編集で読みやすいけど最後の話で実は張られていた伏線が回収されて少し驚かされたりと、楽しく読める作品だった。
人間の感情的なフィルターを通さずに人間の悲喜交々を見ることで、人間ておかしくていいなと思えた。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

音楽好きな死神と調査対象の人間との一週間を描く連作短編。各話独立かと思いきや、意外な繋がりにハッとさせられる。人間の生死に興味がない主人公の、人間との関わり方がユーモアたっぷりで心地いい。伊坂作品には珍しく?本格ミステリ的な展開も

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

あらすじと冒頭に引き込まれて購入。

死神と人間のかかわりがすごくよかった。
あと伏線回収…あの章の行動がこの場面で!?というような意外性がとてもよかった。
こちらの世界の時間の流れや老いは死神には影響しない…この設定がこうもすばらしく機能するとは思わなかった。
最後の章が特にオススメ。

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2025年08月30日

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ネタバレ

千葉は真面目でクールである一方、時折みせるどこかズレた発言やミュージックへの執着などの魅力のおかげもあって最終的に死が待っているとわかっていてもどこかポップな物語に仕上がっていた。その場だけの気の利いたやり取りだと思っていた話が各編の最後で回収されて、驚かされるというよりも腑に落ちるような、ぼんやりとした後味が心地良かった。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

死神の精度って、、、
と、タイトルに惹かれて購入。

ヤクザ✖️死神
犯罪者✖️旅✖️死神

など、色々な掛け算がおもしろい!
死神からみた人間像も、何だか癖になる。
自分の死よりも、他人の死の方が、見なければならないので辛いというセリフは、なるほどなと思った。

独特な世界観に浸れた。

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2025年12月02日

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ネタバレ

「死」について私はよく考えていました。
死神、という言葉に惹かれてこの本を買って、読みました。
「死ぬというのはそういうことだろ。生まれる前の状態に戻るだけだ」というセリフを聞いて漠然と抱いていた死への恐怖がふっと軽くなりました。
あと、私も千葉と同じくミュージックが好きなので「人間が作ったもので1番素晴らしいのはミュージック」というセリフに激しく同意しました。

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2025年11月19日

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死神という人間ではない存在が語ることから、どこか他人のように描かれる人間の生活や特性が伊坂幸太郎さんらしさ全開でとても面白かった。
自殺や病死などによる死は管轄外である死神にとって、「癌という死神に蝕まれて」というレトリックには憤りを覚えるという表現が1番お気に入り。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

 伊坂さん初めましてかも?
伊坂さん原作の『アイネクライネナハトムジーク』はいくえみ綾さんの漫画版を読んだことがあって、原作や他の作品も読んでみたいなって思ってたのに何故か今まで手に取らなかったのよね。

 千葉という名前の死神が、対象者を1週間調査して、その死を《可》か《見送り》か判断する短編集。『死神の精度』と『死神対老女』が好きだった。千葉さんが仕事する時は必ず雨が降ってるので、一冊ほとんど雨でした。梅雨時や雨の日に読むと雰囲気たっぷりだと思う。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

短編で構成される死神シリーズ1作目。
個人的に2作目より好みであった。

晴れた日を見たことのない千葉が最後、晴れを見ることができたり、いつも結果を可としている千葉がそうはしないこともあったりと短編ながら1つの物語としても、展開の妙が感じられ面白かった。

またそれぞれの短編単体で見ても、先が気になる展開が用意されており、バラエティに飛んだ非常に良い作品だった。

⭐︎4.4

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

死期が近付いた人間の元へ派遣され、その予定された死について可否を判定する死神・千葉と、死の対象者との7日間を描いた6つの短編連作。

死神という単語には冷たい印象を抱きがちだけど、今作の主人公である千葉は淡々としていてクールなのにどこか憎めない。
音楽を愛し、渋滞を嫌い、彼の仕事の日は必ず雨が降る。彼は自分の仕事をしているだけで人間の気持ちに興味はなく寄り添うでもなく突き放すでもなく、でもただそこに居る。
どの章も切ないけど心温まる話ばかりで、読後の余韻に浸れる一冊。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂さんは初めて読んだがもっと難しい話を書く人だと思ってたのでいい意味で裏切られた

漠然と
死神=怖いもの
というイメージを持っていたがこの小説の中の死神は”かわいい”と感じることが多かった。
これから数日後に死ぬ可能性がある人に接触し、死ぬべきかどうか判断する
ことが死神の仕事であり、小説の中でも実際にその後死んでる人もいるだろうけど、その部分は書かれておらず、そこを想像するのも面白かった!

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2025年10月09日

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人が亡くなるのに最後には心が温かくなる不思議な作品。死に対しての捉え方がちょっと変わる。自分の死が死神によって決められていると思うと、いろんなことが仕方ないと思えるというか。
まだ死神は来て欲しくないけれど、いつか現れるような時期がきたら、最後の章のおばあさんのように、死をそっと受け入れられるような人生を送りたい。

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2025年08月31日

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伊坂幸太郎の初期の作品(ということを知らずに読んだけど、全く分からなかった。)
短編の一つひとつは全然違う話なんだけど、死神がいることで一貫性があるような無いような不思議な感じだった。最後の老女は倍賞千恵子としか思えなかった…

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2025年08月11日

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ネタバレ

良い。
死神のお話なんで、辛い話なのだが、作者らしくユーモアを交えて憎めないキャラクターが揃っている。

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2025年08月09日

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おそらくもう二度と会わない人におすすめしていただいた本。主人公は同じだが、1話1話で話が区切られていてとても読みやすかった!私たちも死ぬ前にこういう風に死神が会いにきているのかもと思った。特に死神と恋愛が記憶にとっても残っている。シリーズ化されているようなので他の本も見てみたい。
この本読んだよって話したかったなあ、

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2025年08月03日

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死神が主人公の短編集。死ぬ予定の人間を調査するために一緒に過ごし、可否を判断する。(基本可だけど)

淡々とした死神と、ターゲットの人間の掛け合いが面白かった。冴えない女性、老夫婦、ヤクザ、イケメン、殺人犯、老女、、それぞれに物語があり、1話1話満足感があった。
最後はしっかり繋がっていてよかったし、そんなに年月経ってたんだ、ってびっくりした。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死ぬ予定の人間に死は相応しいか確認する仕事をする死神が主人公。
死というテーマがあるため全体的に切ないものの、ポップな印象もある小説だった。
死神のキャラクターもいい。人間の比喩が通じなかったり、ミュージックをとても愛していたり。
物語が繋がっていたと分かったとき、驚いた。老女はいい人生だった。

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2025年07月28日

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ネタバレ

時々いる死神という存在が分かる人それは過去に死神と出会った経験がある人がそう感じるのだろうか
色々想像できてたのしいです

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

短篇集だと思っていたら不意を突かれた。きっと、千葉=死神も似たようなことを思っただろう。今、私の左手から光が差している。眩しいな。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死神が主人公という、もう、ユーモアが溢れている作品。死神と言っても、鎌を持っていたり、怖い形相ではなく、何ら一般人とは変わらないクールな死神が織りなす、短編物語。ササッと読み終わった。

「恋愛で死神」が非常に印象深い。
死神を通じて、2人の距離が縮まっていく様子、最後に彼女が萩原と同じセリフをまんま喋っていたのが何とも素敵だったなぁ。

2人で同じことを考えたり、同じことを言ったりするような小さな幸せが、恋愛の根幹、人を好きになるっていうことなのかな。

「死神対老女」で、例の彼女が登場したり、最後には死神念願の「晴れ」の天気を見ることができたりなど、死神にとって、忘れられない出会い、忘れられない一日になったはず。

雨の日に、自分の近くに見知らぬ人物がいるとすれば、それはきっと彼、死神だと、そう感じた。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

伏線回収に気づけていないところもあると思うけど、よい!死ぬまでは人生がよいかどうかなんて分からないのよというのがよかった。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死神の精度 声が良いから?そこまでするか?
下流のほうも、悪くなかったぞ
死んだ牛はうまいか
最悪なのは 死なないこと

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感情がなく、淡々と仕事をこなしていく死神がよい。
死神のトンチンカンなところが、おもしろみを生み出して、死という重さを軽くしてくれる。
死神の変な質問にも、それぞれがまともに返答していて、よりおもしろかった。


どの話もラストは読者の想像に任す形で、それぞれが命を落とすところを見ずに済んでよかったと思う。

最終話は、なんとなく違和感があったら、雨があがってしまった。
特別な話なのだと、心して読んだ。
話が進むと、奇跡のように懐かしい人たちが顔を見せてくれた。
なんとも美しくて切ない話だった。
ただ、偏向の謎が解けずに終わってしまったのが、とても心残りである。

2025/07/09 11:55

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

いつ死ぬかと決まってる話なんだが、何か希望があったり、夢があったりするので、もう少し死神さんも真剣に仕事をしてほしい。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

その死神が仕事をする時はいつも雨が降る。好きなものはミュージックで嫌いなものは渋滞。
1週間以内に指示された人間が死ぬことに「可」か「見送り」かを判断するその仕事。その判断基準は死神の個人に委ねられる…
奇抜な設定ながらも、それぞれの短編で異なった展開や結末は伊坂幸太郎の発想力に驚かされる。

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2025年06月26日

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