小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
おもしろかったー。社会派ミステリーって読むまでに気合いが必要だけど、読むとおもしろいんだよね。
その時代の出来事も添えながらストーリーが進行していくから、当時を感じながら読めたのが良かった。
しかも油断して読んでいたら、真犯人がまさかの人で!!
真犯人の気持ちと、草鹿秀郎の父の気持ちが一番共感できたな。
好きな登場人物は梅田とマリエル。
それにしても引きこもりね。
実際どうなんだろう。甘えだよと言い切るつもりはないけど、引きこもれる環境があるからできることだっていうのは事実よね。
学生時代であれ、社会人になってからでも、傷ついても困っても引きこもる場のない人だっているし。
草鹿秀郎の場合なん -
Posted by ブクログ
ネタバレ「名探偵ピュント」シリーズ(って言っていいのか「体当たり編集者スーザン」シリーズのほうが適切かうーん)第3弾。
<良かった点>
・現実パートと作中作パートのどっちも怪しくて気を逸らさない、同時並行で別々のジャグリングみたいな離れ業を成立させる作風は今回も健在。ついでに超いいとこで切る焦らし加減も健在。
そもそもピュントシリーズとしては完結済、作者も死亡済、新作の出る幕がないはずなのに続編を書かせるとか、現実的かつその手があったか!な導入が頭いいなーと。
<よくなかった点>
・クレイス家の家系図だけじゃなく、作中作チャルフォント家の相関図も欲しかったところ。自分で読みながら作ったけど、時々○ -
Posted by ブクログ
ハン・ガンさん初読み。
まず、形式を形容しがたい作品だなと感じた。
それと同時に、そんなものは、ここに記された言葉を受け取るのに必要ないものだとも思った。
圧倒されながら、感想をうまく表現できないのは初めての経験だった。
心の深い奥底を覗いていたら、すぐ隣にある光と影の揺らめきに、はたと気付かされるような気持ち。
白いものにまつわる記憶。
自分なら何が思い浮かぶだろうか。
一度読んだ程度では咀嚼しきれない。
少し間を開けてまた読み返したいと思う一冊だった。
巻末の「作家の言葉」、訳者の補足、平野啓一郎さんの解説は、どれも読後の散らかった頭の中をまとめるのに役立った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ『俺たちの箱根駅伝』の下巻は、上巻に引き続き物語に呑まれるように一気に読んでしまった。とくに下巻は、いよいよレース本番ということもあって上巻以上に面白く、今年読んだ本の中でもトップレベルでページをめくる手が止まらなかった。
ハラハラするレース描写はもちろん魅力的だったが、それ以上に心に残ったのは、辛島アナの紹介を通して選手たち一人ひとりの背景が丁寧に描かれている点だ。走りの裏側にある努力や葛藤が自然と浮かび上がり、読んでいるうちに選手それぞれに強い共感と愛着が湧いていく。この「レースの臨場感」と「選手の背景描写」のバランスが絶妙で、飽きる瞬間が一切なく最後まで一気に読み切ってしまった。
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Posted by ブクログ
過去に関わりのあった女性をふと思い出した、みたいな話が何本もまとまってる短編集。
恋愛関係、肉体関係、バイト先や会社の同僚など関係性はそれぞれ。
僕も普段生活している中で、何がきっかけになったのかはわからないくらい急に、ふと誰かを思い出すことがある。昔付き合ってた人とかはもちろんだけど、辞めた会社の元同僚とか、ワンナイトした人とか、飲みに行った店でその場限りの話し相手になってくれた人とか。特にエピソードがあるわけでも僕の人生に大きな影響を与えたわけでもない人たちだったとしても、思い出すとなんだか心が疼くというか懐かしくてたまらない気持ちになる。今何してるのかな、あれからどんな人生を歩んでいるの