エレガンス

エレガンス

2,178円 (税込)

10pt

東京大空襲×洋装女性連続不審死
実在した警視庁の写真室所属巡査と〝吉川線〟を考案した鑑識第一人者による傑作ミステリー!

戦争で、空襲でどうせ死ぬ。
それなのに、どうして殺人事件を追うのか?

空襲が激化する1945年1月、警視庁でただ一人、ライカのカメラを扱える石川光陽。写真室勤務である彼の任務は、戦禍の街並みや管内の事件現場をフィルムに収めること。
折しも世間では、女性四名の連続首吊り自殺が報じられていた。四人は全員、珍しい洋装姿で亡くなっており、花のように広がったスカートが印象的なため“釣鐘草の衝動”と呼ばれ話題となっていた。
ある日突然、警視庁上層部から連続する首吊り事件の再捜査命令が光陽にくだる。彼と組むのは内務省防犯課の吉川澄一。光陽が撮った現場写真を見た吉川は、頸部索溝や捜査記録の重要性を説く。自殺説に傾く光陽に対し、吉川は他殺を疑っていた。
捜査が進む中で、四人の女性にはある共通点が判明。激しさを増す空襲の中でも、光陽と吉川による必死の捜査が続き、吉川は決然と捜査の意義を語る――。
「犯罪を見逃すのは、罪を許容することと同義です。空から爆弾を落として罪なき人々を殺している行為を容認することと同じなんです。我々は、許されざる行為を糾弾する役目を担わなければならないんです」
さらに光陽と吉川の前に、戦時中でも洋装を貫く女性の協力者が現れる――。
本作は、統制下という世界によって自分が変えられないようにするため、美しくありたいと願う、気高い女性たちの物語。

戦後80年、次世代へつなげたい著者渾身の記念碑的小説!

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エレガンス のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     物語の舞台は第二次世界大戦下の東京、1944年から1945年にかけて、当時は非国民とされた洋装姿で若い女性が首吊りの遺体として発見される事件が相次ぐ。キレイな遺体で花のように広がったスカートが特徴的であったため、「釣鐘草の衝動」と揶揄される事件を、警視庁の写真室所属の巡査「石川光陽」と、“吉川線”

    0
    2025年11月18日

    Posted by ブクログ

    プロローグ

    「パン パンパーン!!!」
    街の何処かでクラクションが鳴いている
    私は、そうした喧騒もどこ吹く風で
    シャッターを切りまくった

    私の手の中には、ライカМ6が収まっている
    レンズは、ズミクロンМ35mmアスフェリカル
    街のスナップショットにはもってこいの画角だ

    尚、“Leica”とは会

    0
    2025年11月15日

    Posted by ブクログ

    yyさんのレビューで興味を持ち読みたくなりました。
    yyさんありがとうございます。


    1944年12月。
    警視庁の写真部付属の石川光陽は、裂かれたシーツで首を吊っている女性の遺体を当時六百円するライカDⅢのカメラで撮ります。
    美しい遺体でした。
    長いスカートが放射線状に広がり、まるで花冠のようで”

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    考えてみれば当然のことなのだが、B29による爆撃によって燃え尽くされていた太平洋戦争末期の東京においても、空襲に怯え、窮乏に苦しみながらも、人々は日々の暮らしを送っていた。そこでは、警察による犯罪捜査もおこなわれていたし、同調圧力に屈することなくお洒落な洋装で身なりを美しく保とうとする人々も存在した

    0
    2025年11月03日

    Posted by ブクログ

     戦時下の東京が舞台で、事実に基づいたミステリー小説です。緻密な取材による実話ならではの臨場感があり、事実に物語性をもたせる構成が見事でした。読者の心を惹きつける良質な一冊と思えます。 

     事実とは、実在した登場人物、①石川光陽(警察官・写真家で戦時の惨状などの撮影に携わった)と②吉川澄一(警視庁

    0
    2025年10月20日

    Posted by ブクログ

    一瞬、戦時下のモード系の話かと思ったら全然違ってたミステリーだった。
    私は始めに参考文献とかを見るのが好きなので、それを見てて誤った事に気付いた。これはフィクションなんだと。現実にいらした方をモデルにしていたので、まるでノンフィクションの様な重厚な作品になっている。ミステリーより東京大空襲の場面がリ

    0
    2025年10月02日

    Posted by ブクログ

    ミステリとしてはそこまで凝ってないけれど、事件を通じて主人公たちや事件関係者の戦時下の生き様というか矜持のようなものが見えてきて良いな、と思ってたらそれらすべてを灰燼に帰す東京大空襲の描写に強い衝撃を受けた。『戦争は地獄だ。』そして戦争は今も起きている。

    0
    2025年09月21日

    Posted by ブクログ

    ★5 1945年東京… 死と隣り合わせの時代、自分らしく生きぬく美しい女性たちの物語 #エレガンス

    ■あらすじ
    1945年1月の東京、洋裁学校に通う女学生が連続で首吊り死体として発見された。警視庁で写真記録係だった石川光陽に再捜査の依頼をされる。光陽と組むのは内務省の吉川、彼は頸部の傷があることか

    0
    2025年09月01日

    Posted by ブクログ

    1945年空襲警報が響く中、昨年の12月から4人目となるドレスメーキング女学院に通う女性の首吊り死体が発見される。

    この空襲でいつ死んでしまうかわからない時世だから、世を儚んでの自殺だろうと決めつけていたのだが、内閣省防犯課から吉川が捜査に来る。
    その手伝いとして警務部写真室の石川が手伝うことにな

    0
    2025年08月18日

    Posted by ブクログ

    elegansが出てきたからまあエレガンスやなぁってのは早目にわかって、ミステリとしてはガチガチでないけれども。でも、時代描写やその世界に生きる人々の姿を細やかに見せてくれて、こんな空気やラストの山津波みたいなあのシーンの為の物語なんだろうなと感じて、良かった。

    0
    2025年11月13日

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