【感想・ネタバレ】わたしたちが光の速さで進めないならのレビュー

あらすじ

廃止予定の宇宙停留所には家族の星へ帰るため長年出航を待つ老婆がいた……少数者に寄り添う心温まる未来を描く短篇集、文庫化!

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Posted by ブクログ

間違いなく今年ベスト!
軽やかで日常的なSFの世界に簡単に入り込める。ミステリーの要素もあるけれど、終わり方がどれもスペクタルなものではないところが穏やかで優しい。
短い話なのに一生覚えていて、つい人に話したくなる話が何個もあった。キムチョヨプさんの本は全部読もう!

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2025年11月26日

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韓国作家さんのSF短編集。スペクトラムが1番好き。どの作品も共通して孤独にそっと寄り添うような静かな優しさがある。切ないけれど温かさもあって、とても好きな文章でした。他の作品も読んでみたい。

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2025年11月16日

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ネタバレ

SF系の短編集の中で最高傑作かもしれない。
SF的な世界観と退廃的な雰囲気や少しディストピア的な要素の中に、愛や優しさというものがここぞとばかりに詰まっている。
この世界観とテーマの親和性が素敵で、読後に胸に温かさが残る素敵な物語ばかりだった。

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2025年11月11日

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ネタバレ

「巡礼者たちはなぜ帰らない」の中での、出産に際してのリリーの葛藤、「自身の人生を呪っても自身の存在を呪うことはできなかった」という一文が印象に残った。
ありのままで存在すること肯定する、ということは大切だと理解できるが、現実では困難を伴う。それでもそれを乗り越えて成長したい、という主人公の強い決意に勇気づけられた。

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2025年11月08日

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7つの短編SF小説

読んでいる間は
広い宇宙の中で
ひとりぼっちに見える地球を俯瞰しながら
忘却や断絶
分離主義などの
ここ 地球上にある宿命や憂いの
根っこのようなものを
ずっと望遠鏡で拡大して見ているような感覚でした

すべての物語に希望があり
心が暖かくなる気づきがあったのに
なぜか少し泣きたくなった

これからもこの場所は
困難な問題を抱えながらも
変化していくんだ

すべての物語を読み終えて
その困難さに立ち向かっていく
静かな覚悟が芽生えた

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2025年10月22日

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素晴らしかった。全ての作品がとても濃密で味わい深く、寂しく愛おしい。大切に抱きしめながら読んだ。誰もが抱える寂しさと、それでも誰かに手を伸ばしたいという切実な想いが詰まっていた。どれだけ技術が進んでも、理解しようという姿勢、誰ひとり取り残されない未来を信じたい。

特にお気に入りは「巡礼者たちはなぜ帰らない」「わたしたちが光の速さで進めないなら」の2篇。

あとがきも素敵。SFっていいな。

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2025年10月07日

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とても面白かった。
sfの骨太な感じの中にポップさや可愛さが作品の中に感じられとても良かった。
普通にわかりやすくてとても面白い。

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2025年10月03日

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韓国の新進気鋭のSF作家 キム・チョヨプの初短編集。

ほとんどの作品がマイノリティを主人公にしている。特に女性科学者が多い。これらの主人公はマイノリティである一方で、社会的には成功者達である気がするので、その辺をどう捉えたらいいんでしょうか。フェミニズム文学?マイノリティ文学?(そもそも間違っているかも?)についての理解不足が露呈している。

この短編集は地球滅亡などの大きな危機に立ち向かうものではなく、科学技術の発展した近未来での人間の心理を題材にしたものになっている。ハードの進化によるソフトの変化を考えるうえで非常に面白い作品群だった。

ハード面については、サイボーグ化といった身体改造が多かった気がする。身体にメスを入れることへの抵抗が少ないのかな、と感じた。もちろんSFなのでありがちな設定ではあるのですが。

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2025年09月27日

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もっと読みたい
あぁ 終わっちゃった…
という気持ちにさせてくれた

どの短編も やわらかい雰囲気がした
不思議な読み心地
空想の世界にとっぷりと浸かったような
こんな軽やかなSFもあるんだなぁ。。。と
この本を読んで 何だか無性に
宇宙について調べたくなった
宇宙図鑑が欲しい 笑

どの作品も味わい深い。
スペクトラム というお話では
ちょっと泣きそうになった
あとから じわじわくる

すごく よい読書時間だった
この著者の本は
全部読みたい
味わいつくしたい


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2025年09月27日

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ここではないどこか、まだ見も知らない誰か。
無力で孤独で未来が見えない頃の方が、遠くが見えていたのかもしれない。
寂しさが温度をもって心に寄り添うSF短編集。

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2025年09月24日

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ネタバレ

初めてSF小説を読んだが、未来技術が多く登場し一見すると私たちとは別世界を描いているように思えた。しかし読み進めるうちに、それらは決して遠い世界の話ではなく、現代の人々が抱える問題について深く考えさせられる内容だと感じた。

「共生仮説」というテーマでは、人間性は他の惑星から来た存在が脳に共生し、働きかけた結果生まれたというアイデアや、7歳を境に幼少期の記憶を失うのは“彼ら”が脳を去るからだという発想に、科学を超えたSF的ロマンを強く感じた。

また、「物性」というテーマも印象に残った。電子書籍やデジタルデータが普及しても紙の本を欲しがる人、コンサートのチケットを捨てずに取っておく人。そうした行動は物が持つ存在感に惹きつけられるからだという指摘には共感した。私自身もアニメで推しキャラができたとき、理屈では不要と分かっていてもグッズを欲しくなる経験があり、物そのものの力に抗えない自分を再認識した。

全体を通して、キム・チョヨプさんの物語は「人間の悩みや葛藤は、舞台が地球であっても宇宙であっても本質的には変わらない」ことを教えてくれた。未来を描きながら、現代の私たち自身を映し出すSF小説の魅力を初めて実感できた一冊だった。

他の人がこの本を読んだとき、本から伝わる内容は私とは異なるかもしれないし、著者が伝えたい内容とも異なるかもしれない。しかし、読む人によってそれぞれ感じることが異なる点も、SF小説の大きな魅力であると感じた。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

韓国SFが熱いらしいということで手に取った本。
別れや喪失のお話であっても、ストーリーが引っ張る力のおかげなのか、希望が残されているような印象で、読後感はとてもよかった。
またいつか読み直そう。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

宇垣美里さんのオススメで出会えた作品。
短編7つから成るけれども、どこか切なくて、愛しい作品。
今だけでもそう思えるが、読み返すたびに様々なことを感じられたり、気付けたりするのだろうなと思う。

表題作の『わたしたちが光の速さで進めないなら』は、特に切なく愛しい物語。
素敵な作品でした。

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2025年08月18日

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何冊か韓国作品を読んでいるうちに韓国SFが気になり始め手に取ってみたら面白すぎました。
心にす〜っと優しさのような癒しのようなものが入って来ては拡がる感覚に陥り、キムチョヨプさんの作品を全部読みたくなりました。映画化にもなっているようなので観てみたいです。

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2025年08月01日

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タイトル買いしたくなるエモさ!でも好きなのは共生仮説!赤ちゃんと深海には、宇宙と比べられるくらい不思議があふれてると思う。

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2025年07月27日

購入済み

自分と他者の絶対に分かり合えない違いと、それでも分かりたいともがく人間の切なさと渇望がSFという形をとって見事に描かれていて圧巻でした。

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2025年03月26日

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SFとしての要素もかなり楽しめますし、人としての「感情」とか「存在意義」、「愛とは何か」「家族とは何か」など大切なことを教えてくれているような優しくて切なくなる短編集でした。

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2025年11月04日

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どの話も個人の選択を大切なものとして扱っているようだった。選択した結果をとても優しく丁寧に描写している。人の本心を直接的に言葉にするのではなく、ひとつの風景として心に残る形で描いている。
世の中の目で見ると彼らがした選択は悪いものに見える。でも実際は良い悪いという単純な話ではなくて。
それは人間味のある選択で、どこか共感できてしまう。

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2025年10月29日

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どんなに時代が進んでも、科学が発達した世界でも、人間の心の柔らかい部分は変わらずにあればいいなと思う。SFでこんなに優しい物語……

「感情の物性」がおもしろかった。物性はいかにして人の心を捉えるのか。

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2025年10月15日

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韓国の作家さんのSF短編集。

SFならではの高度な技術進歩が、人間の不完全さをかえって愛すべきものにしているような矛盾を感じた。

人間って本当によく分からんところがいいよねっとなる一つ一つが優しく素敵な話。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

1つひとつの短編に余韻があって、しばらくひたっていたくなる。

SFだから、未知で私たちの知らない世界のはずなのに、どこか懐かしい郷愁のような感覚がずっとあって、そこにひきつけられたのかもしれない。

読んでいて優しさと哀しみという絵の具をパレットで混ぜ合わせて、新しい名もない感情を胸に抱いた気持ちになった。
色があるとしたら、きっと、すごく澄んだ人を育んでくれるような色だ。

「スペクタル」「わたしたちが光の速さで進めないなら」が好き。

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2025年09月18日

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「巡礼者たちはなぜ帰らない」の感想。
 なぜ巡礼者たちは帰ってこないのか?その疑問を追うSFストーリー。物語の構成とSF設定、心理描写が面白い。
 序盤から中盤にかけて謎と情報が点のように散らばり、終盤でその点が繋がっていき線になる。語り手の視点を追うような構成。これにミステリーで謎を解いていくような面白さがある。話の中で、資料を見るという形で視点が切り替わる多重構造も面白い。
 SF設定と心理描写については、「科学技術」と「人の思い、葛藤」が関係付けて描かれておりリアリティがある。若者の見えない未来への不安、好奇心、希望がリアルに描かれている。


追記:
短編「わたしたちが光の速さで進めないなら」の感想。
  ある老人の人生から見える「科学技術」の進歩と「個人」が描かれている。シンプルな構成で読みやすい。「巡礼者たち…」とまた違った空気感、ストーリーテリングだが、SFの技術と人の感情をリアルに描くという点では共通している。宇宙とか科学技術とかどこか冷たいようなものと、人の感情の温かみ、その共存、バランスが魅力的。SFだからこそ描ける人の心理。それがこの本の魅力の本質なのかも。

「共生仮説」の感想。SF設定がずば抜けて面白い。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

最近あまりSFを読んでなかったが、
とある動画で紹介されてるのをみて
タイトルに惹かれて購入してみた。

調べてみると、同世代の韓国女性の作家さん。

まずとても読みやすい文体と短編で長過ぎず、短過ぎずな点が、久々にSFに触れるということもあるが素晴しかった。

取り扱ってるテーマは感情などの普遍的なもので、
舞台装置としてSF世界に置かれることで、
その普遍性や特性をさらに炙りだし、
読者にも考えさせたり、感じさせたりする構造になっていると思った。

SF世界のようにAIなどのテクノロジーが外界を目まぐるしく変化させていく半ばSF的な今世において、人間性を考えるきっかけにもなったかな。

また機会あれば手にとってみようと思う。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

人に対する寂しさや愛おしさを丁寧に丸めて宇宙に放ったような作品だった。

どんなに科学が進歩しようが、人が人の心を理解するのには時間がかかるし、理解できないまま終わることだってある。それでも、最後まで理解できなかったけどあなたといた時間は忘れないと思うよと、そんなふうに最期に人と別れられたら孤独じゃなくなるのかな。

どの作品も好きだけど表題の『わたしたちが光の速さで進めないなら』『館内喪失』が特に好き。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

韓国科学文学賞大賞作品を含むデビュー短篇集。7篇どれもわくわくしながら読んだ。短くてもしっかりSFでしっかりヒューマンドラマなのがスゴい。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

今までに海外作家さんの本はいくつか読んだことがありますが、韓国小説は今回が初めて。ライトめなSF短編集で、SFにそこまで馴染みがない方でも気軽に読めると思います。
中でも「スペクトラム」が好き。人外(ここでは地球外生命体)×女の子の組み合わせが好きなオタク心にぶっ刺さった。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

普段SFを読むことがないので、なかなかスーッと入っていかない部分もあったけど、思いもよらない世界の話しで面白かった。

短編集だけど、一つ一つの内容に深みがあり読み応えがあったと感じる。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

タイトルがSFチックかつ感傷的な文章でオシャレ!表紙の絵も可愛い。
巡礼者の話はとても面白かった。リリーの世界ではなぜ恋人ができないんだろう。
感情の物性も興味深い内容でした。全体通して分かりそうでわからない!って気持ちになったので長編版を読みたくなりました。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

軽く読める短編SF集。
どれも面白かったが、「館内紛失」を読んで物に執着がない自分にはこの世で生きた自分にしか紐づかないような物って何かあるかな?と自問してしまった。
全体的にマイノリティー、特にフェミニズムが根底にある感じがした。
韓国では女性は生きにくいとは聞いてきたが、その片鱗を随所に感じられた。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

韓国の作家キム・チョヨプによるSF短編集で、「スペクトラム」「共生仮説」が特に好きだった。

読んでる間ずっと感じていた懐かしさの正体ってなんだろう?寂しいとも切ないともちょっと違うこの感覚に浸ることがSF作品を読む醍醐味のひとつだなと再認識した。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

宇宙系SF多めの短編7作。おもしろかった〜
2つめの『スペクトラム』と、4つめで表題作の『わたしたちが光の速さで進めないから』が特にお気に入り。

なんで人間は、外へ外へ行きたがるんだろうか。
昔はとても小さいコミュニティの中で狭い範囲で暮らしていたはずなのに、文明が発展してどんどん外に広がって、人口が増えたからっていうのもあるだろうけど、どこまでいくんだろうか…

人間のコミュニティも広がれば広がるほど薄くなって、宇宙の膨張みたいに1人1人の感覚が広くなって孤独になるよなぁ。悲しい。寂しいよ。
会いたい時に会えないなんて辛い。会える範囲にいたい。
もっと狭いコミュニティの中で行きたい。
これ以上広がらないでほしい。

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2025年08月03日

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