ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 赤と青とエスキース

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    『赤と青のエスキース』は、一枚の絵を起点に物語が静かに広がっていく構成がとても魅力的でした。
    最初はただのスケッチのように見えるその絵が、登場人物たちの人生や感情と少しずつ結びつき、まるで連鎖反応のように物語が展開していく様子が面白く、読み進めるほどに引き込まれました。
    特に、作品全体を通して散りばめられていた「赤」と「青」の意味が、最後に美しく回収される瞬間には強く心を動かされました。単なる色の対比ではなく、登場人物たちの想い、痛み、希望が色として象徴的に描かれ、それがラストでひとつに重なることで、物語に深い余韻が生まれていました。

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    2025年11月23日
  • ナチュラルボーンチキン

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    評価色々なんですね。私はぼちぼち老害世代ですが、読めて良かったです。
    経験した人にしか分からないような具体的な心情、リアルで深くて圧倒的で引き込まれました。
    無感情になって生きのびてきた心の蓋を、まさかさんが開けてくれた。感情が湧き出す。
    最後自分も救われたような気になってしまって泣けました。

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    2025年11月23日
  • 犯罪被害者代理人

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    ネタバレ

    著者は、犯罪被害者代理人の役割とは単なる法的手続きの代行ではなく、被害者の「心の回復」を支える伴走者であると主張している。

    本書は、従来の「被告人の権利」中心の司法制度において、被害者が置き去りにされてきた構造的な問題を指摘している。

    著者は、被害者参加制度の活用こそが、司法の「正義」と被害者の「納得」のギャップを埋めるための重要な手段であると結論づける。

    本書は、性犯罪被害者や遺族にとって、金銭的賠償の請求は「汚いこと」ではなく、正当な権利回復の手段であると強調している。

    著者は、メディア報道が「凶器(二次被害)」にも「武器(世論喚起)」にもなり得るため、代理人による戦略的なコントロ

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    2025年11月23日
  • ジャガー・ワールド

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    ネタバレ

    マヤ文明、生贄、国の滅亡と重いテーマではあるけれど、登場人物みんな魅力的で、それぞれの関係性や繋がりも深掘りされていてのめり込んでしまいました。
    だからこそ旧知の仲だったり、かつては同志だった人たちがそれぞれの考える正義や信じる道を選んだ結果争うことになってしまうのがとてもやるせなかった。
    和解してほしい人たち、この人は生き延びてほしいと思った人がどんどん命を落としていく…
    生い立ち、立場、選択、何かがどこかで違っていたら全く違う人生を歩んでいたかもしれない。
    ファンタジーだからといって死んだと思っていた人が終盤になって実は生きていました!と登場するなんてご都合展開もなく、命を落とした人はそれ

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    2025年11月23日
  • 名探偵にさよならを

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    ネタバレ

    終わってしまった。
    表紙を見てぐっときていてので
    なんか良かった。

    おじいちゃんと豪華客船って
    似合う。

    ガンちゃん先生、察してたのですね。
    キャラが好きなお話で
    丁寧に読もうと思っていたのに
    ドキドキして早く読んでしまった。

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    2025年11月23日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (青豆)
    「さきがけ」での暴力とリトルピープルの存在を知る
    天吾は幼少期に唯一心を開いた相手

    (天吾)
    爆売れする『空気さなぎ』
    ふかえりはどこかへ姿を隠す
    リトルピープルは文字にされたことで怒っている

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    2025年11月23日
  • 宇宙創成(下)

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    下巻も非常に面白かったです。

    研究の世界では先取権、誰よりも早く発表することを意識することが多いみたいですが、意外と埋もれてしまうこともしばしば、というのがショックでもあり驚きでもありました。

    またガモフのおふざけのせい?で過小評価されてしまったアルファーの無念は心に来ました。

    それとハッブルがノーベル賞を取ることができなかった話も、とても印象的です。物理的な解釈を避けるその態度が個人的に好きだったのですが、そういった立場故にノーベル物理学賞から遠のいてしまう、という話は悲しいですね、仕方ないと言えばそうですが。

    物理では有名なフェルミとチャンドラセカールが、規約を違反して奥さんのグレ

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    2025年11月23日
  • アイビー・ハウス

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    ここからこうなるのかな、という展開の予想を、ある意味裏切るようなストーリーで。でも、裏切ってくれたからこその読後の爽やかさがありました。
    友人夫婦とのシェアハウス、ありそうでない設定がオモロー。

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    2025年11月23日
  • サクリファイス

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    白石はプロ2年目の山岳アシスト。そんな中スペインのチームから誘いを受ける。そんなロードバイクレーサーのサクセスストーリーかと?チームのエース石尾の3年前のチームメイトの袴田への事故の疑惑?その石尾はレース中に事故死するが、更なる疑惑が疑惑を呼ぶ。

    サイクルレース好きの人は必読

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    2025年11月23日
  • スロウハイツの神様(下)

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    上巻の伏線が回収されたり、登場人物の過去が明かされたりで、登場人物全員にさらに深みが出ていた!
    全員のこれからの関係をまだ見たいと思えるような読後感だった

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    2025年11月23日
  • ツナグ(新潮文庫)

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    死と生、というより、自分の人生を深く考えさせられる。
    もし自分の大切な人のうちの1人が亡くなったら、会いに行くのか。自分にとって「一番」大切な人って誰なのか。自分が死んだ後、会いに来てくれる人がいるような生き方をしているのか。

    誰しもが持つであろう後悔や懺悔、不安、感謝。明日何があるか分からないのだから、伝えたいことは伝えて、会いたい人には会って、やりたいことはやっておかないと、と言うが、実際そんなつもりで毎日を過ごせる人は少ないだろう。どうせまだしばらくは生きるだろうし、と大部分では思っている。それでも、後悔のないように生きたいと改めて思わせてくれる。

    ファンタジー要素のある物語が苦手で

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    2025年11月23日
  • 月の立つ林で

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    読み終えた瞬間、もう一度最初から読み返したくなる一冊だった!
    短編集で、複数の主人公が登場するけれど、全て同じ世界線で繋がっている。
    共通点は、タケトリ・オキナという男性が配信するポッドキャスト「ツキない話」を聞いていること。

    物語を追ううちに「あの人とこの人は繋がっていたんだ」「あの後こんな風に続いていたんだ」と思いがけないところで話の続きが知れたり、まさかの関係性が知れたり、驚かされる瞬間が何度もあった。
    散りばめられた伏線がひとつずつ繋がっていくたびに、心が痺れた。

    自分や誰かの何気ない言動が、誰かの心を動かしたり、元気を与えたり、救ったり、自分の知らないところで誰かに影響を与えなが

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    2025年11月23日
  • デスチェアの殺人 下

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     暗号に記された意味、徐々に明らかになっていく事件の全容、『講座』に隠された陰惨かつ嫌悪感を催す儀式の正体、迫り来る重大犯罪分析課解体の危機など事件の真相とどのようなラストを迎えるのかドキドキしながら読み進め、二転三転では終わらない驚きの連続と意外性抜群のラストが堪らなかった。

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    2025年11月23日
  • できないことは、がんばらない

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    2025/11/22
    Phaさんの本は読んでいるととても気が楽になるエッセイで、まさにタイトルにある通りの話が多く収録されています。
    この本を読んでいたとき、自分も気張って色々なことをやっていたので、それぞれの文書を読んでとても気持ちが軽くなりました。
    いい意味で手を抜いたり、時にはやりたくないって思ったり、いっそのことやらなかったり…という選択もアリなんだなと背中を押してもらえる内容です。
    頑張り方を勉強するのも良いとは思いますが、それだけだと疲れてしまうので、こういう「頑張らない方法」が知れる本はとても貴重なんじゃないかと思っています。

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    2025年11月23日
  • この銀盤を君と跳ぶ

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    女子フィギュアスケート選手の、オリンピックに向けたそれぞれの戦い。冷酷で努力家の孤高の瑠璃、何年も女王に君臨するアイドル的存在の瞳。天才のくせにその才能に興味のない雛森。
    上を目指す者の、血の滲む努力と熱い思いに感動

    あえて言葉にしなくとも、そこにある言葉は変わらない。だが、どうしたって伝わらないものもある。口にしなければ、届かなければ、分かり合えないこともある。器用でない私たちは、きっとずっと。言葉が足りなかった。

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    2025年11月23日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    これは推理小説というより探偵小説と呼ぶのがぴったりくる本だった。
    主人公のキャラが際立っており、読むのが楽しかった。あとがきにあったようにシリーズ化してほしいな。

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    2025年11月23日
  • 遊園地ぐるぐるめ

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    なんて素敵で心温まる物語なんだろう。
    どの話もすごく素敵な話ばかりで、あっという間に読み終えてしまった。

    作中に出てくる老夫婦の話好きだなぁ…将来こんな風に歳を取りたい。

    トマトのおじさんこの人やったんか…(笑)

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    2025年11月23日
  • 有頂天家族

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    ペンギンハイウェイ、夜行に続き、森見先生3作目。狸、天狗、人間が共存する、変わった世界観が面白くて、あっという間に飲み終えてしまった。登場人物それぞれ、キャラが濃い!すっかり矢三郎のファンになってしまって、これから有頂天家族の2作目を読むところ!「面白きことは、良きことなり」

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    2025年11月23日
  • みずいらず

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    今までの社会派のミステリーとは全く違う染井作品だったが、とても良かった。
    いろんな夫婦のさまざまなドラマを見た気分で、とても読みやすく簡潔にまとめられている連作短編集である。

    「おかしいのはどっち」〜子連れで再婚した夫は次男が生まれてから長男にだけ冷たくなったと感じたのだが…。

    「なぜ出ない」〜一回り年下の妻と不妊治療するのだが…なぜ冴えない自分を選んだのか…。

    「プライドは富士山」〜妻から離婚を切り出されたが、プライドが邪魔して…。

    「夫婦の再開」〜定年退職後、四六時中家にいる夫に鬱憤が溜まり…。

    「薄情者」〜幸せな新婚生活のはずが、底抜けに明るい妻を疎ましく感じ…。

    「交換日記

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    2025年11月23日
  • 命の交差点 ナースの卯月に視えるもの

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    シリーズ、3作目。
    がんの専門家として成長した看護師・卯月 咲笑。
    患者の『思い残し』が見える彼女は、本作では、自身の検診で再検査が発覚。
    果たして、どうなるのか?

    青い空が見たいと願う患者、孫に会いたい患者、そして、結婚式の直前に交通事故に会い、意識のない彼女を待ち続ける彼。などなど

    一年ぶりに植物状態から回復した彼女に、それを見つめる婚約者やご両親の姿。
    この奇跡のシーンにウルウルです。
    本当に、こんなことが起きると良いですね。

    最後、卯月さんに異動の話が、、、
    果たして、どうなるの?

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    2025年11月23日