小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ・プロポーズの心得
俳優の紙谷ゆずるは想いを寄せる一人の女性がいる。その人は高校時代に親友が亡くなった悲しみを引きずっているという。その女性と亡き友人を引き合わせたいと、使者と連絡を取る。面会の日、眼の前に現れたのは小学生位の少女であった。
・歴史研究の心得
今回の依頼は少し変わっていた。郷土史を研究してきた教師が、歴史上の人物と面会したいというのだ。
・母の心得
二組の依頼が来る。一方は目を離したスキに事故で娘を亡くした夫婦。もう一方は若くして病で亡くした娘に会いたいと願う老婦人。満月の日が最も面会時間が長くなるため二組はそれぞれの想いを抱えながら同じ日に娘との面会をすることとなる。
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この環境でわたしは「男ともだち」に何を求めているのだろうか、彼氏でも、愛人でも、女ともだちとも違う。あいつに求めているのはなんなのか。価値観が似てる、何をしても離れていかない、何をされても離れない、そんな安心感という名の愛なのか束縛なのかを互いにし合っているのか。
ハセオが赤いヒールにふれた時、その人から期待もしていなかったけど、誰かに認められたかった時にあぁやっぱりわたしを認めてくれる、欲しい言葉をくれるのはこいつなんだって思えた時のそれを思い出した。だからといって欲情するわけでもない。特別だから、セックスをしない。特別であるためにセックスをしない。 -
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ネタバレ自分が生まれる前のミステリ小説!面白い!!!!!
まず本物の殺人犯であるハサミ男が、自分のなりすましを見つけるという設定に興味をそそられた。
まず最初に気になってくるのが主人公(わたし)の言葉遣いについて、どことなく男性的にも女性的にも伝わってくるので不信感が募る。
そして偽ハサミ男に殺害された被害者の樽宮由紀子の人間性がだいぶ変わっているので、その周りの友達や男性、家族に対する考えも進むごとに変化していって面白かった。
度々出てくる医者という名の人物にも疑問を持つ点が多く、何者なんだ、、という感情はあるのに、違和感は少ないためスラスラ読める。
物語が、警察の調査の視点と、「本物」の -
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最初に断っておくと、本書は小説だ。
参考文献の記載も無く、ノンフィクションに分類されていない時点で、本書の歴史的事実に関する記述の正確さを考慮して評価を下すことは適切ではない。あくまで実際に起こった事件を土台として、当事者や関与した人間がどのように考えて行動したかを考える作家の想像力の方向性と、それを再現するための文章能力や演出方法に注意を向けて読むべきだ。当時の情勢や声を現代に届けてくれる資料として本書に目を通していくことはあまり意味がないように思う。それが作家の意図する全てではない。
金薫は、安重根の若く力強いエネルギーと行動力を是が非でも取り上げ、作品として昇華させたいと長年思っていた -
購入済み
爆弾シリーズから。
呉さんの作品は総じて群像劇だなと。
入れ替わり立ち替わりで視点が変わるので、より情報が煩雑になって面白い反面、おっちゃんが多いので何が何やらというところではあります(笑)あと本筋から外れますが大阪が舞台の作品なのに関西弁が少なくてちょっと物足りなさ感じたところもあります。
他作を引き合いに出して恐縮ですが、犯人の動機だったり事件にまつわる人々の心情など、他人や万人には理解し得ない感情とそれに対する葛藤が爆弾とも共通してるところであり、これこそ呉作品の真髄なのかなと思いました。
人間は多面的なものである、という。
他のコメントでもありましたが、三溝さんの「これからも事件 -
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映画鑑賞後に読んでみた。
映画と小説は大きく違ったが、吉沢亮の当て書きだったのかと思うほど、読み進めるほどに映画の吉沢亮が思い浮かぶ。
映画では最初にしか出ていなかった徳次が喜久雄を支え、見守り、大活躍。
映画でも見たかったな、と思うが、徳次のセリフを春江に託したり、違いを踏まえての面白さもあり、映画を観てから読み進めてよかった。
映画では半次郎亡き後、苦労に苦労を重ねる喜久雄の姿が辛かったが、小説では歌舞伎での再起、映画出演での辛苦と評価等、起伏に富んだ人生を送る姿に一気に読み進められた。
映画をまた観たくなり、そして再読してみたいと強く思った。 -
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第二回目伊与原さんブームということで、こちらの本。短編集で、人生に迷える人+行きすがりの理系(の特定の分野に詳しい人)という設定がもはや安定。まだ初期の本を読んでいないが、後書きでの逢坂さんとの対談を読むと当初は理系知識の謎解きトリックミステリー派だったということで、まあそれはネタ作りに疲れそうだなあと思ったので、この程度の軽いトリックが読んでいる側にも負担がなくてありがたい。
一番よかったのはエイリアン食堂(だったか)で、読者からに反応もよいとのことに納得。つくばで食堂を営む父娘のもとに訪れる、非正規雇用?の学者さん。彼女が持っているルーペ(それを持っている限り自分の立ち位置を確認できる)