小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ベースになった実際の事件についてはうっすら知っています。
「冷たい熱帯魚」は観てます。
「胸くそ悪いのわかってるから最初から読まない」と悪評高いそうなので、そう聞くとつい手に取ってしまう。
私には合っていて一気に読み終えました。
実話ベースだけあって全てが解決するわけではなく、スッキリしない結末ではありますが、それがある意味ホラーとしては質が高く感じます。
ジャンルとしてはホラーと言うよりミステリーだと思うのですが、本書の、「解決はせず最後まで嫌な気持ちが残る」というのはある意味ホラーとしては最強です。
ホラーはもともと、「解決して対決する段になると失速する」という宿命を帯びていますが、本書のようにミステリの体裁を取りつつも解決しきらないし対決もさほどないと、最後までゾワっと怖いんですよね。
だから私の中では本書はホラー小説で、かつ、★5です。
オススメはしません。 -
Posted by ブクログ
super8さんの本棚から
北欧ミステリーの重厚で骨太な書き手がまた現れましたね
スウェーデンと言えばわいも大好きなヘニング・マンケルが有名ですが、やはりどことなく彼の作品を連想させる雰囲気を感じるのは、わいの思い込みでしょうか
長舌にも感じられる陰鬱な情景描写は長くつらい冬を耐える人々の心情を映しているのかもしれません
さて物語は故郷に戻ってきた作家である「私」が、ひとりの老婦人と知り合いになるところから始まります
そして三十年以上前に起きた連続殺人の真実に迫っていくことになります
事件の始まりはハクセキレイが運ぶ不吉な予感によって告げられます
ハクセキレイと言えば、春を告げる鳥で、日本では幸運の象徴とされており、おそらくスウェーデンでも待ちわびた春を連れてくる縁起のいい鳥とされているようです
しかし例えば季節外れのハクセキレイはまるで反対の意味に取られたりするというのは、結局物事の良し悪しはひとつのことのおもてうらということなのかもしれません
気になったのは原題は『Brinn mig en sol』(「私のために太陽を燃やしておくれ」の意)ですが、邦題は『暗殺の冬』となっています
これは1986年に実際に起き、作中でも語られているスウェーデンのオロフ・パルメ首相の暗殺事件を指していると思われますが、あまりいい邦題ではないように感じました
この事件が当時の警察に与えた混乱とトラウマが、本作で語られる連続殺人にも暗い影を落としているというのはわかるのですが…
そしてこの作品はハッランド組曲と言われるシリーズの二作目にあたるとのこと
北欧ミステリーの面白いところが濃縮されたような傑作でしたので、他作品の邦訳についても楽しみに待ちたいと思います
いや、一作目から邦訳しろや!( ゚д゚ )クワッ!! -
Posted by ブクログ
ネタバレくどうれいんさんのエッセイ。
人生はドラマではないが、シーンは急にくる。わたしたちはそれぞれに様々な人と、その人生ごとすれ違う。「ともだち」や「出会った人たち」との嘘みたいな本当の日々。
全て読んでみて、れいんさんの日常に「書く」ということは強く根付いているものなんだなぁ…と思った。些細なことを記憶しておけるのは、日記や短歌や俳句を作るれいんさんの日常ならではだよな〜と思った。素敵。
特に好きだったエッセイを紹介。↓↓
・ミオ
ミオが好きだった男がひどいやつだったと分かり、ミオの気持ちの区切りをつける為に仲間内で喪服を来て中華屋でご飯を食べて、「あいつー」と呪う気持ちで騒いで過ごす若かりし頃。
可愛らしいような毒々しいような気持ちの区切りの付け方。
・暗号のスズキくん
高校の同級生のスズキくん。顔も下の名前も覚えていないスズキくんから出された暗号が5年越しに解けた。「スキダ」…
れいんさんのことが好きだったんだねー。
・雪はおいしい
私も雪が降る地方に住んでいるけど、「田んぼ、砂利道、生垣」など雪が降った場所によって味が違うと表現していたれいんさんに納得!私もそう思ってた。雪国の醍醐味である。
・一千万円分の不幸
れいんさんが高3の推薦入試の日程を1日間違えてしまうという家族にとっても学校にとっても辛い出来事があった。
そんな中で、「つらい経験の何もかもが最終的には笑い話になってしまう。つくづくわたしの人生は行ったり来たり交差をしたりしながらも、どの線を選んでも全部当たりのあみだくじだと思う。」という文章がお気に入り。つらいことがあっても、その道を選んだ自分を正解にする、良いと認める。すぐに気持ちは切り替えられなくてもきっと年月が経てば、自分の人生を肯定できる人生になるのかなって思えた。(私の人生もそうでありたい)
・きぼうを見よう
人工衛星の「きぼう」を見ようとれいんさんとミドリがやりとりするストーリー。
なかなか悪天候で見られない日々が続いたんだけど、最終日無事に見れた!そして二人は交際することに…かわいい二人である。
・バナナとビニニ
短歌甲子園で知り合ったともだちが、盛岡にやってくるという話。その中で「バナナ」は「ビニニ」でも「ブヌヌ」でも「ボノノ」でも、ネイティブっぽく発音すると「バナナ」に聞こえるのだ!という話で盛り上がるれいんさんとともだちたち。
私も試してみたけど、、、わかる気もする笑
(目次)
うたうおばけ / ミオ / アミ / まみちゃん /
sabotage / パソコンのひと / 内線の人 /
瞳さん / 謎の塚澤 / 暗号のスズキくん /
物理教師 / 回転寿司に来るたびに /
雪はおいしい / 一千万円分の不幸 / 八月の昼餉 /
イナダ / 不要な金属 / かわいいよね /
冬の夜のタクシー / ロマンスカーの思い出 /
抜けないボクシンググローブ / からあげボーイズ
エリマキトカゲ / きぼうを見よう / 秩父で野宿
うにの上 / まつ毛屋のギャル / 桃とくらげ
ひとり占め / クロワッサン / 終電二本前の雷鳴
白い鯨 / バナナとビニニ /
わたしvs(笑) /ふきちゃん
死んだおばあちゃんと死んでないおばあちゃん
喜怒哀楽寒海老帆立 / 山さん / あこがれの杯
あとがき / 文庫版あとがき -
Posted by ブクログ
表面上は実際にありそうな風景。
仕事に邁進しつつ恋愛問題もそれなりに抱え他人の厄介事にも巻き込まれ、自分だったらげんなりしそうな状況も世之介は軽やかに日常のように過ごしていく。まぁ、それを可能にしているのはあけみさんの手腕によるところも大きい訳で何なら彼女が一番偉いと思うが。
それでも世之介の人に労力を惜しまないところはとても魅力的だ。楽しんでいるのがまたいい。偉ぶらない(出来てない)のは更にいい。ある程度正直に生きていてそれが羨ましく、直前に読んだ伊坂幸太郎の逆ソクラテスに出ていた子供を思い出す。あの子と世之介を引き合わせたい(笑)
このシリーズを最初から読んでる人とここから読んだ人では捉え方、日常に対する深みがまるで違うはず。
妙に記憶に残る人。
気付けば好きになってしまってる。
世之介の飾らなさに。
あけみさんの切なさに。
何だか泣き笑いのような気持ちでページを手繰った。
さぁ、いよいよ下巻に入ります。
読みたくないけど読まずにいられない。
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