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Posted by ブクログ
『だけど、あなたが思っているようなのとは違う。だいぶ違う。』奈穂と尊の夫婦。
長年苦手だったマスゲーム。
『マスゲームだと思っていたものは、ソロの競技の集まりに過ぎなかったのかもしれない』
『人並みっていったいなんだろう』
奈穂が、尊が、衿子や星夜から感じたこと
『遠出すると家に帰りたくなる気持ちは、きっと今もそんなに変わっていない』
尊の待っている自宅。それに気づく奈穂。
『男女が一緒にいる理由は、恋愛や性愛じゃなくたっていいのだと。誰にも説明する義務もないのだと』
最初からずっとそう感じながら読んだが、最後、やっぱり強く、2人で生きていく奈穂と尊を想う
『この世界で手を携えてゆくことができるのはお互いだけなのだと』
“友情結婚”と帯にはあったが、そうではなく、もっと大きい、愛と一言ではいえないようなお話でした。この2人なら大丈夫。そう感じて、本を閉じました。
Posted by ブクログ
恋愛や性愛なく結婚した二人の話
何作か読んだが、砂村かいりさんは日常にはびこるちょっとした不快感や、なんとなくモヤモヤしていた感情を掬い上げ言語化するのがとても上手いと思う。私自身は恋愛も結婚も出産もしたけど、奈穂たちが感じる『恋愛・性愛ありきの男女(夫婦)関係への違和感』にもとても共感を覚えた。
そういう煩わしいあれこれとは無縁の、居心地の良い関係。自分に合ってる気楽な職場に、気さくで理解ある友人。優しくて気持ちいい理想の生活は、読んでいてとても心地よかった。
だけどある時から二人の生活に、そして読んでいる私に、『気持ち悪い』が襲いかかってくる。
繊細な筆致で日々の不満や違和感を言語化してくれていた文章が、同じような繊細さで、奈穂や尊の無自覚さ無神経さ、鈍感さを明らかにしていく。
気持ちいいだけの関係なんてあり得ない。そう言われたような気がした。
だからこそ、ラストの着地点が余計に沁みた。星夜のことも、衿子のことも。作中で出てきた「グラデーション」という言葉は、セクシュアリティだけじゃないのだなと感じた。どんな人にも『気持ちいい』ところと『気持ち悪い』ところがあって、それは日々グラデーションのように揺れているのかなと。
そんな中でラストで二人が選んだ道はとても素敵だなと思ったし、この本を読んで良かったなと心から思った。
Posted by ブクログ
恋愛感情も性的関係も持たないまま、気の合う友達同士で結婚した奈穂と尊。その関係性が、仕事や他者との関わりにより揺らいでいきます。
私は、恋人同士であっても、長く付き合うと恋というよりは次第に深い友情のようになっていくように思います。それならいっそのこと、友情からスタートするのも大差ないのか、さすがにスタートの違いは大きいのかなどと考えながら読み進めました。
友情結婚と恋愛結婚は、どちらが持ち堪えやすいのでしょうか。どちらにせよ、信頼関係を裏切らないことが大事なのかな。結婚までしているのだから、友情結婚であっても、相手を世界で一番思いやる存在になるべきではないかと、個人的には思いました。
所々に、同世代として共感できる一文がありました。後半は、小説だなあというテンポ感のいい展開で、おもしろかったです。
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