小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ全体的に仄暗くて男女の体の関係云々の話が多かった。
日常が戦争だとこんな精神状態にもなるわな…と想像。江戸川乱歩もだけど空襲を「きれい」と表現するなんて、戦争を経験していない身からすると考えられない。
一文一文がすごく長いのにとっても美しいのが大変良かった。
表題作の「白痴」も衝撃的。この時代は本当に障がい者の人権が無かったんだな……まるで人外みたいな扱いに表現。奇妙な愛情のような庇護欲のような不思議な関係。サラっと隣人に「きちがい」がいたり、いつ家が焼けるか分からない、異常な状況の中で、って感じが良い。
「戦争と一人の女」が1番好きかも。「戦争は怖い、ダメだ。」と言ってないどころか空襲をきれいだと言ったり街が焼けたら喜んで見に行ったり、真逆な言動が描かれているけど、逆にその方が戦争の怖さが伝わってきた。つまり異常ってこと。
「青鬼の褌を洗う女」も、正直あんまり理解出来なかったけど、暗くて美しかった。
主人公のあべこべだったり捻くれた感性が面白い。「オメカケ」はフラフラ浮気してすぐ身体を許す女、みたいなイメージで合ってるだろうか。
男女関係云々·恋愛系の話は、自分が全然共感できないので基本あんま好きじゃないのだけど、
この本のそれは恋愛というより、生きるために肌を寄せ合うしかない、な感じで、恋愛嫌悪気味な私でも嫌な気がしなかった。 -
Posted by ブクログ
建物物や街が消失するという規模が大きすぎるテーマの五篇の短編集。
「その街は、たった一晩で姿を消した」という帯に猛烈に惹かれてまんまと買ってしまいました。
トリックが壮大すぎて、ちょっとそれは無理がないか?と思うものもありましたが、そういうのも自分の予想の範疇を超えているだけでもしかしたら不可能ではないのかもしれないと思わされるくらい、全ての作品がハイクオリティ。
そもそも建物や街を消すなんて、無理やりすぎるくらい大がかりな仕掛けがないとできないですしね。
というかトリック抜きにしても一篇50ページ程度でこんなに独自の世界観を作り上げられるのかというほど面白く、ゆっくりじっくり読もうと思っていたのに続きが気になって読む手が止まりませんでした。
表題の「神の光」と「未完成月光」が特に好きです。
すごく面白い本読んじゃった!という満足感でいっぱいです。 -
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ネタバレ桜庭一樹さんの本は、読むと18歳の自分に戻れる。高校生特有の、いろんな可能性と未来があるけれど、本人はその大きさに潰されそうになる感じ。
青くて爽やかで、でもこの本に限ってはパープル。
本当にお兄ちゃんの幽霊は現れていたのか?が主人公の視点でしか描かれていないから、実際のところ分からないのが良かった。
その辺の書き方にあとがきでも触れられてて面白い〜〜となった!一気にストーリーが浮かんでくるのすごいなぁぁ!
二度と会えないお兄ちゃんと、多分二度と会わない男の子が重なるのが素敵。
桜庭一樹さん特有の、不思議な名前と美しい男の子が存分に描かれていて最高でした。 -
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ネタバレ過去に戻れるなら、もう一度母になるか、という質問にいいえと答える。
女性たちは勇気を必要としただろう。
母親になって後悔している気持ちがあるからといって、子供への愛がないわけではない。
愛する気持ちがあってもこの気持ちは両立する。
どの母も、子供を産んだことで自分の人生を生きられなくなったこと、自分らしく生きられなくなったことが公開の主な理由としてあることがわかった。
子供を産んだことの責任を感じすぎている、抱えすぎていることも後悔の理由になっている。
男性も女性も子供を産んでも自分らしく生きられるようになればいいのになと思った。 -
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※オーディブルにて聴了
下巻は「早く聴きたい!先を早く!結末は!?」とせく思いで聴いた。「結局、犯人はあの人だったのね。納得。」からの「そういうこと?やってくれるな。M•
W•クレイブン。」という感想しか書けないくらい本当にこの作品も最高だった。
本作は作者が謝辞で書いてあったように暗く重い内容だった。もしかしたら、実際に起こっている出来事で事件性になっていないのかもしれないなとも感じた。宗教で救われ真っ当に生きていける人もいるかもしれないが、宗教は決して強制するものではないと改めて感じた。強制することで無駄な争いや死を生み出すのは意味がないと感じる。
今作は色々と考えさせられる内容だった。
最後にやっぱり、ティリーとエステルが最高に好き。
今回は登場が少なめではあったが、ティリーの発言に何回も笑わされるし、エステルはオーディブルなで聴いていても毎度毎度セクシーだった。
次回作もオーディブルで聴きたいので、新刊を活字では読まない。 -
Posted by ブクログ
単行本は1991年刊。初出は「週刊朝日」連載(89.12.1~90.8.31)。
オランダは、日蘭貿易やシーボルトをはじめとして、昔から日本とはゆかりがあり過ぎるほどある。そういや、あの咸臨丸にしたって、オランダ製だったもん。でも、ほとんどの人は、オランダのことをよく知らない。そういった人たち(私とか)のための、オランダ歴史紀行、400ページ。なお、この紀行には、歴史的にフランドル(一部はベルギー)も含めている。
なかでも、かなりページを割いているのは絵と画家。ゴッホ74ページ、ルーベンス24ページ、レンブラント12ページといったぐあい。でも、あのフェルメールは素通り(司馬好みでなかったか)。ルーベンスは、半分が「フランダースの犬」の話題。アントワープの大聖堂にある彼の祭壇画を見にゆくネロ少年と愛犬パトラッシュの悲話のこと。(現地の人はこの物語をほとんど知らない。なぜこの話が日本で受けたのか、そのことも書いている。)
文学で意外なところでは、ジョルジュ・シムノン。メグレ警視もので、これぞパリという印象があるが、ベルギーのリエージュ出身。彼には5ページを割いている。 -
Posted by ブクログ
このミステリーは凄いとしか言いようがない。
予想を遥かに超えた真実に最後は何度も読み返したほど。
14年前に起きた産院放火殺人事件の加害者の息子が、被害者遺族3名を誘拐する。
加害者家族として生きてきた過酷さが故の恨みなのか…と思っていたが、それだけでは終わらなかった。
取り調べ中に再び被害者宅が…。
誰が…。
共犯者がいるのか…。
思いもよらぬ方向に進んでいき、まさかの加害者が被害者だったのか?で終わりになるはずもなく、さらに追い打ちをかけるかのような真相が、警視庁の羽山と高尾署の森垣によって伝えられる。
不都合な真実であるが、伝えなければならなかったこと。
まさかの結末に唸るしかなかった。
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