あらすじ
父親が四人いる!? 高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件──。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。
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おーファーザー
4人の父親が1人の息子を実の息子として色々教える姿はとてもとても羨ましく思えました。
内容も愉快で、個性的な4人の父親は賑やかで。
なんだかおかしいことなのにまるでおかしくないと思えてしまいます。
主人公のゆきおくんもとても個性的で、私は好きなタイプです笑
絶対読んでも損しないし、読んだ後に清々しさすら感じられる作品だと思います。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎第一期の集大成といった作品。
高校生の由紀夫には父親が四人いる。
ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。
個性溢れる四人の父親と暮らす由紀夫が遭遇するのは、
知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。
次から次へと巻き起こる事件と深まる謎。
まさに思いもよらぬ物語が駆け巡る。
まさに自分が心打たれた伊坂幸太郎の世界が全て詰まった物語である。
現実的にはあり得ない設定。
むしろ今なら倫理的なことをとやかく言われるのかも。
とは言え、そんなあり得ないをありにしてしまうその手腕が伊坂幸太郎。
こういうオフビートでもないけどそういう感覚にさせてくれる世界観、
まさに唯一無二なのではないだろうか。
Posted by ブクログ
4人の父親の中では、たかさん好き!
あと、出会ってまだ2ページ目のケーキ屋の店主も好き。
由紀夫がまともな主人公で良かったなぁ~
名言だらけで、また読みたくなりました。
以下はお気に入りの文引用です。
「負けを許容できない奴らってのは品がねえよ」
「相談したら、反対されちゃうからだよ」
「答えを教えてもらえるなんて、滅多にないことだ。だから、試験にはせいぜい、楽しく取り組むべきだ」
「『自分に直接関係がないことに、興味を抱くのは人間の特技だ』とは悟の言葉だ。(略)『自分とは関係のない出来事に、くよくよ思い悩むのが人間だ』とはサンテグジュペリの言葉、らしい」
「「嫌です」(略)「出発しません」(略)運転手も強情だ。」
「大人の役割は、生意気なガキの前に立ち塞がることなんだよ。煩わしいくらいに、進路を邪魔することなんだよ」
「警察は?(略)これで呼ばないのだとしたら、いつ呼べばいいんだ」
「お互い、相手を馬鹿にせず、頼りすぎず、付き合っていくしかない」
「今の政治家もどちらかにこだわるんだ。戦をはじめるか、もしくは、法律を作るか。歴史に残るのはそのどちらかだと知っているんだ」
「ファミリーレストランって名前がいいよなぁ」
「俺たちは、おまえの無事をずっと祈ってた」
「(抽象的な質問から)逃げずに、自分に分かるように問題を受け入れて、大雑把にでも解読しようとするのは大事なことだ」
「何でそこにいるんだよ、悟さん」
「そうだな家族だな、俺たちは家族だ、と他の三人の父親が満足げにうなずく。」
Posted by ブクログ
四人の父親を持つ男の子が事件に巻き込まれていく話。四人の父親それぞれが個性的で面白い。ちょっとした出来事が伏線で最後に繋がっていく伊坂ワールドをたっぷり堪能出来た。
Posted by ブクログ
1人の息子に4人の父親という設定からして既に面白い。伊坂さん、凄いな。
4人の父親も皆、個性豊かで息子への愛情もたっぷり、大車輪の活躍でした。
中盤の「チンピラ牛蒡」には思わず吹いた。
最高だわ。
Posted by ブクログ
4人の父を持つ(!?)男子高校生の物語。タイプの異なる父親たちですが、全員が主人公を大切に思っています。常日頃より各父(??)からの愛情表現に振り回され気味の主人公のヤレヤレ&ため息顔が目に浮かぶ。トラブル発生!母は何者?まさかこれも伏線!?最後まで伊坂ワールドを楽しめます!
良かったです…
初期設定が現実的じゃなくても、読み終えると当たり前の事実みたいになっている、不思議な感覚でした。4人もいる父親一人一人がみんな由紀夫のことを愛していて、父親であることに喜びを感じているところが愛らしかったです。登場人物に誰1人憎める奴が居なくて、読み心地も最高でした!
伊坂さん大好き。
Posted by ブクログ
父親が4人という突飛な設定に惹かれて随分前に購入し、やっと読めました。
設定からも想定はしていましたがコミカルな文体でとても読みやすかったです。
個人的に起承転結の「起承」の部分が長い印象ですが、登場人物のキャラクターが深く描写されていてそれだけでもとても楽しめました。
4人の父親はみんな魅力的で大好きですが、
あらゆることを知っている悟さんが由紀夫の父親が誰であるか知ろうとしないこと、
賭け事大好きな鷹さんが自分が由紀夫の父親であるという勝負にはでない、
というところが刺さってこの2人が特に好きです。
Posted by ブクログ
父親が4人という突飛な設定ながら、それぞれが息子を思う姿が温かい。
気づけば重大な事件に巻き込まれていくものの、少し風変わりで魅力的な家族の絆で乗り越えていく。ユーモアと愛情に満ちた、家族の形を描いた心温まる物語でした。
Posted by ブクログ
父親が4人?!
その設定だけでも興味深い。
個性豊かな4人の父親たちが
誰もが愛らしく見えてくる。
由紀夫のなんでもそつ無くこなすところや
達観した空気感も、父親たちの影響だねぇ。と
なんだかとても微笑ましい。
「鬱陶しい」と言う由紀夫からは
父親たちへの愛を感じるし
4人の父親たちの由紀夫への愛も
とてつもなく大きい。
母親が全然出てこないのが
むしろポイント高いかも。
あぁ
鱒二のお父さんもいいんだよなぁ。
まさにタイトル通り「オー!ファーザー」
家族の温かいお話しと
ちょっと有り得ない事件の伏線回収
楽しく読めましたり
多恵子はちょっと鬱陶しい(笑)
Posted by ブクログ
先日、訪問したブックカフェの店主さんが、伊坂幸太郎さんを好きと伺いました。そのブックカフェには、伊坂幸太郎さんの本を集めた席もあるとの事。
伊坂幸太郎さんは、全く知りませんでした。
ネットで調べると、映画化された小説が多数あるのですね。
カフェの帰り、書店で2冊ほど購入。
面白かったです。
高校生の由紀夫には、4人の父がいて、母と6人暮らし。そんなあり得ない設定ですが、なんだか楽しそう。
そして、さまざまな事件に巻き込まれていきます。
ミステリーなのかな。最後に、全部謎を回収していますし。
映画も見てみたくなりました。
Posted by ブクログ
伏線回収が見事で惚れ込んで過去作品全て揃えて出版順に読んでいる
お父さんが4人お母さんはひとり
そして親の影響がとても強くみんなとてもカッコ良いお父さんであるからこそ成り立つストーリー
中高生くらいが読むとまた違う感想を持ちそうだし是非読んで欲しい
映画もあるようなのでまた見つけたら見てみようと思う
Posted by ブクログ
悟が推し!スケール解析の話はホントに納得できた。ある程度の数値を知っていれさえすれば、役に立つ。
富田林を詐欺で騙したやつは結局誰だったんだろう。
Posted by ブクログ
4人の父親たちが鬱陶しくも愛しくなる、思春期の由紀夫の成長が見られる物語。
伊坂さんらしく色々繋がっていく人間の不思議。
ちょっと面倒くさい父親たちのこだわりが人間らしくてプッと笑ってしまう。
軽くドキドキする別世界に飛びたい人にオススメです。
ラストまで、どこか知世さんを疑ってしまいましたが、知世さんは知世さんでした。
そら、「オー!ファーザー」だわと、読み終えたらタイトルまるごと好きになる1冊。
Posted by ブクログ
由紀夫の同級生2人が鬱陶しくて、途中で読むのを諦めそうになったけど、後半は動悸が止まらなくて、最後まで読んでよかった!!!
伏線回収も気持ちよくて、これだから伊坂幸太郎さんはやめられない。
あと途中で映画の存在に気づかなくてよかった。
映画化に気づいてたら、同級生の鬱陶しさに耐えられずに、読むのをやめて映画で済ませちゃうところだった。
(余談すぎるけど、由紀夫グリフィンドールすぎる)
Posted by ブクログ
色濃いキャラクターがこれでもか!って出てくるのに、誰一人かすむことなく最後まで駆け抜ける作品でさすがの伊坂作品!!!
父親が四人いるという突拍子もない設定の中、物語が日常→非日常へと展開していくのは見事!
あとがきにもあった「伊坂第一期最後の作品」に相応しい作品だった!!
物語の中で個性的なキャラクターたちが自在に動き回ってるような印象で、個人的には葵さんが好き!
いつも伊坂作品は映像化したらどんな俳優さんが合うかなぁーと想像しながら読むのが好きで、今回もたっぷり妄想しながら読めました
Posted by ブクログ
良い家族やな〜って感じ!
お父さん4人おるけど、それぞれの良さがあって由紀夫のことが大好きなのが伝わってくる。
友達ような関係性でありながら、リスペクトもしている。
結構理想かも笑
伊坂作品面白い!!
Posted by ブクログ
お母さんにとんでもない伏線あるんじゃないかと思ってたからあ、そんな感じなんだとおもったけど面白かった
いろんな家族の形があっていいよねともなった
家族っていいね
Posted by ブクログ
陽気なギャングでも思ったけど、大人が四人くらいで未成年の子供の私生活に面白おかしく干渉してくるストーリーが伊坂さんは好きなんだろうな。読んでて面白いから自分も好きだけど。
そんな中でもこの主人公の由紀夫は元来の無感動気質が前面に出てて、大人に可愛がられながらもちゃんと可愛げのないタイプに描かれているし、熱くならない気質の割に友人のピンチへの介入の仕方が限度を超えていたりと若者的な矛盾が多い。
物語の終わり方がとても独特で、状況的にはハッピーエンドなはずなのにとてもそう言えないような、一抹のもの淋しさを与えてくる終わり方をしてて、今までの伊坂作品には無い読後感だった。
Posted by ブクログ
父親が4人、どんな奇妙な展開になるんだと思っていましたが、みんな仲良しの友達みたいな感じでした。
父親って何人いてもみんなヒーローになれるんですね。
Posted by ブクログ
2010年発行。
伊坂幸太郎の長篇小説。
あとがきで作者自身が述べている通り、本作が伊坂幸太郎作品の「第一期」最後の作品。
この次の『ゴールデンスランバー』から「第二期」が始まる。
「第一期」は、所謂ポップな雰囲気と伏線回収による読み応えの爽快さを売りにする小説である。
本作もそれに漏れず、終始軽やかな空気で、結構シリアスな事件が起こってもコミカルさがある。
主人公の由紀夫は一人の母親と四人の父親を持つ高校生。
四人の父親はそれぞれ、ギャンブル狂の鷹、博識な大学教授の悟、容姿端麗で女好きの葵、スポーツ万能の中学教師である勲、と非常に個性的である。
由紀夫はそんな父親たちと暮らし、賑やかな日常を送っていた。
由紀夫たちは大小様々な事件に遭遇する。
しかし、父親たちの能力を活かして事件を解決していく。
本書はこのようなストーリーである。
設定は突飛だが、そこはあまり深掘りされない。
由紀夫の本当の父親は誰なのか?
実質的に四股していた母親がなぜ許されていて、どのような経緯で皆んなで住むことになったのか?
多くは語られないし、由紀夫本人もあまり気にしていない。本人が気にしていないことを読者風情がとやかく言うというのは、野暮というものだろう。
(母親は仕事が忙しくて、そもそも劇中にあまり登場しない)
父親たち同士も仲が良く、お互いの欠点を補い合って暮らしている。そしてそれぞれが由紀夫のことを愛していて、それぞれが由紀夫を構うことを命題としている。
そんな由紀夫は父親たちの影響を受けたのか分からないが、勉強も運動も喧嘩も結構できる。
だが、それぞれの分野でスーパーマンな父親たちをずっと見ているから、自己評価は低い。
周りからは謙虚で醒めている奴と見られている。
しかしその実、困っている友達を放っておけなかったり、積極的にトラブルに顔を突っ込んでいったりする。(これも父親譲りかもしれない)
この繊細なキャラ作りが秀逸で、作品に深みを与えている。
島田雅彦の解説が素晴らしかった。
謂く、本作は「単線的な物語ではなく、よく喋る個性豊かなキャラクターたちが、逸脱しながら、それぞれの魅力と役割を果たしつつ、緩やかにオチへと向かうパレードのようなもの」だと。
これはよく的を得た評価だと思う。
一見関係ない台詞が長々と語られたかと思うと、本当に関係なく終わったりする。
このあたりの冗長さというかバラエティというか、が本作の大きな魅力である。
読んでいて楽しい作品。
Posted by ブクログ
大好きな作家の1人の伊坂幸太郎さん。
個性的なキャラ設定、おしゃれなセリフ回し、早い展開、ハラハラドキドキなスピード感、伏線、そして回収。
うーん…今回はハラハラドキドキしかなかったなぁ…
キャラ設定は完璧。
主人公は顔もよく頭脳明晰で運動もできる高校生の由紀夫。
由紀夫が普通の高校生とちがうところ。
それは父親が4人いること(笑)
母は四股をかけ妊娠。未婚のまま由紀夫を出産し、4人を父親として同居生活(笑)
どんな母親なんだろって思うけど、まーでてこない。最後の最後にでてくるだけ。
タイトルの通り父親の話。
中学生教諭で格闘技好きの「勲」
楽天家でギャンブル好きの「鷹」
生粋の色男にて女たらしの「葵」
落ち着いた雰囲気で教授の「悟」
共通点なんてなんもないような個性的な父親たちに育てられた由紀夫。
育児において幼少期の親の影響は大きいもので由紀夫の人生観には、4人の父親たちが本人の意思とは関係なしに存在する。
ほぼほぼ半分以上が父たちと由紀夫の日常。
後半にて事件が発生するけど…うーーん…
日常だけでもおもしろかったんじゃないかな…
Posted by ブクログ
設定はオモシロイ。
4人の父親のキャラも魅力的。
鱒二が運ぼうとしたものは?
富田林を詐欺に嵌めた犯人は?
なぜ、富田林が鱒二の父親が元投手だとわかったの?
母親の知代は携帯の件だけ!?
もっと登場して、どうすとに絡んで来るのか考察したかった。
Posted by ブクログ
最後の伏線回収が凄かった
前半は父4人という設定に困惑しながらも父達と息子のあたたかい関係性を読むのが楽しかった
途中までバラバラな事件が起きるから最後まで日常の中の小さな事件を解決していくだけだと思ってたら、想像以上にまとまって疑問だったものが全部答えとして書かれてて驚いた。
オーファーザー
よくある小説のように、区切りごとに場面が切り替わりながら展開するような構成ではなく、話がずっと流れていく。話にのめり込んでいくから、どこをキリのよいところとして本を放すか難しいかも。
非現実的な家庭環境を面白くも感じ、実際自分ならいつまで父親でいられるであろうか、と創造を掻き立ててくれる。
ちょっとこれは…
伊坂氏の小説は初読でしたが、人物描写や風景描写に関してはいささか難ありと感じます。
正直、お父さんが四人という発想しか、この小説で読む価値があるところはないと思います。
よくこれを映画かしようと思ったよなー。