【感想・ネタバレ】好き好き大好き超愛してる。のレビュー

あらすじ

愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。2009大学読書人大賞受賞。(講談社文庫)

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愛だ〜。書き出しがすべて。一生心に残る名文。
めちゃくちゃ詩的に感じた。はじめて最果タヒを読んだ時の感覚に似てた。解ろうとして読むものではない。わたしは結構好き。

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2025年06月17日

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ネタバレ

「愛は祈りだ。」
こんなに痺れる小説の書き出しが他にあるかな。このフレーズも、一見敬遠されそうなバカみたいにまっすぐなタイトルも、文体も、あたしはぜんぶ大好き。舞城王太郎が大好き。

ASMAの話、智依子が内側から光るASMAに照らされた自分の身体を眺めるシーンが美しくて切なくてずっと頭に残ってる。それと、柿緒の弟の賞太が火葬場で棺に飛び乗って燃やすなと泣いたこと、それを見て泣いた治の涙は悔し涙で、本当は僕がそれをやりたかったと思っていること! なんだか衝撃で、でもあたしも、そんなふうに思えるような恋がしたい。その人が死んだときにその人の肋骨を胸に突き刺すような、突き刺せなくても、突き刺したかったと泣くような恋がしたい。好きな人に「好き好き大好き超愛してる」と恥じることなくばかみたいにまっすぐに伝えられるような恋がしたい。

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2024年03月17日

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「愛は祈りだ。僕は祈る。」という屈指の痺れる1文から始まり、ページの隅から隅まで祈りと愛がこれでもかと詰まっている。1つの文章にこれ以上愛を詰め込むのは無理だろうと思う。
さらにこの小説は構成さえも祈りになっている。一見バラバラの短編が詰め込まれているようにみえるが、そうではない。恋人をなくした小説家の物語が一応は主軸になっており、ほかのエピソードは作中作と"しても"読めるようになっている。全ての物語は、死に行く想い人の前でなにもできない男の物語として緩くリンクしており、いずれの物語も恋人をなくした小説家の想いの発露としての読解可能であるからだ。一方で、作中の小説家の自己言及する作風とは少し違うようにもみえ、確実に彼の作品だと断言することも出来ない。この物語間の接続に「遊びの部分」が設けられているというのが肝であり、遊びの部分があるおかげで各エピソードは小説家の物語に従属するわけではなく並列した存在となりえる。この主軸から発生し緩くつながりながらも並列であるという構造は、本作が冒頭で提示した祈りの構造そのものであると言える。祈りは、"私"から産み落とされるが、私に従属せず、誰かのために世界を漂う。また、作中のエピソードに夢の壁を突破する話が出てくる。このことによってこの小説の各エピソードの間にはゆらぎが生じる。あるいは小説家の物語が、ほかのエピソードの誰かの夢かもしれないことになる。夢と現の境が曖昧になり、主体が客体となり、客体が主体となる。そして、ある種の集合的自我に発生する祈りを材料とした作中世界として境界線が合間になるとき、その小説を書いている舞城王太郎や、小説を読む私たちの今いる世界と物語の世界も並列であることになり、境界線が消滅する。人への愛と祈りを込めた小説家の作品群は、"彼"に拘束されず、『好き好き大好き超愛してる。』という物語全体に浸透し、さらにはこの現実世界のすべてを包み込まんとする。

テーマや文体、構成、小説として利用しうるすべてのものを使って、言葉を使って言葉を超えた愛と祈りを体現してみせんとし、見事に成し遂げた小説。今後並び立つ小説は書かれうるのだろうか。

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2023年07月08日

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とても良かった。

どんな状態になってもいいから死ななでくれ
と私だったら言われたいんじゃないだろうかと読みながら思った。


最初の話の途中で「二階で自分の伯母さんを飼っていたのだが……」は二度見したが、ツッコミどころ満載の話もまるで当たり前の普通の事のように、すんなりと読み進めてしまった。

の女性を好きになるかもと思うのに、治を薄情とは思えない。
素直すぎるぐらい素直な治の思考を見た気がした。

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2023年05月18日

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ネタバレ

「愛は祈りだ。」という冒頭の言葉がすべて。「祈りは言葉でできている。」という言葉も好き。読み進めていると、あまりに真っ直ぐな言葉で時折苦しくもなった。愛と物語は同一なのかもしれない。
柿緒の物語と寓話が交互に語られる構造はとても面白かった。現実と物語は連続してるのだなと感じた。

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2022年05月21日

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間に挟まれる寓話は脈絡がないように思えるけど、それはただ形を変えているだけで、本質の上ではちゃんと繋がっている。過去の出来事は細切れになって、小説に形を変える。言葉を紡ぎ、物語を通じて、願いを実現させる。そんな祈りのお話。"愛し過ぎるといのはそういうことなのだ。そしてそれぐらいで、人を愛するにはちょうどなのだ。" だから題名がこれなんだなと思いました。

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2021年04月16日

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舞城王太郎さんの小説を初めて読んだのですが、鮮烈でした。驚きました。
文字を読んでるというよりは耳元で見知らぬ音楽を大音量で流されてるような体感に近くて、もしくは読んでいる間ぶっ通しで耳元で大声で叫ばれてるような。
でもその絶え間なさをウンザリさせないくらいの端切れのよさ、トリッキーな文章展開、確かに好きな人と苦手な人にはっきり分かれそうな感じがありますが、誰とも似ていないこの作風は、好き嫌いを超えて、読んだら二度と忘れられないエネルギーがあると思います。
一人称の口語で書かれてるゆえの読み手を力ずくで引っ張るスピード感があるのですが、文章の一つ一つが強いので軽さ・やさしさ・柔らかさのようなものは感じません。
他にも読んでみようと思います。
面白い小説でした。

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2021年01月26日

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ネタバレ

人を好きになる、人を愛する
文章はライトに、それでいて激しい激しい物語。
柿緒(名前が素敵)の最後の行動に涙。
切ないく、何度でも読みたい作品。

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2020年09月26日

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ネタバレ

柿緒IIが特に印象深い。柿緒は手紙という鎖で「僕」を縛り付ける。特別な工具があればその鎖を壊して自由になれるが、自ら解こうとしなければ一生束縛され続ける。きっと一番好きなところを記した手紙は存在しなくて、柿緒の心の中だけに留めてあるのだと思う。

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2025年08月19日

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”愛”の存在自体は永続的とも言えるが、一瞬の感情の交わりで愛を成立させるのすらわりと無理だし、フィクション的だと言い続けたい。しかし、虚構もまた存在である。だから祈ったらいいよ。わたしも祈ってみようかな。愛について語る人は、愛を持ってる人と、そうでない人だが、後者のほうが自己愛が強そう。つまり愛だよ

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2024年03月25日

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ネタバレ

結構ポップというか軽い文体だけれど、起こっていること、主人公が小説に書くことの周囲との隔絶は結構辛いですね。

自分の経験を元にしたことって、絶対に説得力が出るし、なにより、だからこそ書き残す意味があるんですよね。

まあ、自己満足と言われればそれまでなのかもしれませんが…

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2023年08月20日

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自分が相手にこう思われたい、みたいな自意識で気持ちを覆ってしまってストレートに想いを伝えられなかったりするけど、今好き、好きだから好き、みたいな包み隠さない純度120%の好きを伝えられるのってすごいことだなって思った。
よく分からないって思う箇所もあったけど、それもそのままでいいのかなって思う。
関わりのない人も自分の人生で出会ったことには変わりなくて、その人と出会わなければ自分という人間が今とはちがう形で形成されてただろうな、そういう出会いが自分の中に確実に溶け込んでいるんだろうなって思うと自分の人生が愛おしく思えた。

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2023年03月26日

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人を愛することの美しさ、切なさ、儚さがぎゅって詰められた話だった
愛する誰かを亡くしたことはまだないけど、この前大好きだった人に振られてとんでもない地獄を味わったとき、死別って耐えられないよなって感じたのを思い出した
でもやっぱり人は生きていくんだなっていうのは共感。どんだけ辛くてもいつかは記憶になってしまう日が来る、それがいいことか悪いことかはわからないし、誰かが決めるようなものでもない

好きって気持ちって不思議だよなあ
永遠なんてないって思いつつもそれを信じたいくらい好きと思える人に出会えた奇跡を噛み締めたいし、ずっとそういう恋愛をしたい
常に好き好き大好き超愛してる!って思えるように胸張って生きよう

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2023年02月16日

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ネタバレ

同僚に勧められて読んだが、変な話をいつも勧めてくる子なので、過激なコメディかなと思って読み始めたら、予想外に純粋な話で、とても感動した。

電車の中で何度も涙が出てきた。
大切な人を亡くしたことのある人は、慰められるような物語だと思った。

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2023年02月01日

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よっしーの勧めで。
所々呆気に取られる時はあったけど、面白かった。
心情表現が豊かとかそういう感じでは無いと思うけど、上手く色々な気持ちを読ませてくるなと思った。
素敵だなって思う考え方だったり、ストーリーがちょいちょいあった。
ドンささりは俺にはしなかったけど、時々読みたくなる感じ、他のも読みたいなと思った

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2022年07月06日

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ネタバレ

テーマは、愛、もしくは人を愛すること。
多分短編集。
大抵、死にゆくパートナーか死んでしまったパートナーと対峙する「僕」の話なので、どれもそれなりに重い。
精神状態が安定してる時に読んだほうがいい(舞城はいつもそうか)。
どの話も特にオチがないというか解決しないというか答えがないというか、舞城作品にはこれまで感じなかった読後感かも。対峙してる「僕」の心情が吐露されることで、当事者の今を描いてる、のかな。
舞城王太郎が大切な人を亡くしたのだろうか、とちょっと思ってしまった。

自分が、大切な人が死にゆく時どんなふうになるか、と考えながら読んだ。

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2022年03月25日

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「誰かを殺そうとも、明かりというものはやはり美しく温かく人の気持ちを惹きつけるものだ。美と倫理は別のところにあるが、批評は倫理とともにある。」
と言う部分が印象的だった。

愛とは祈りで、彼にとって小説は祈りの手段だったのだろう。
これは、恋愛と小説について、あるいは恋愛の終わりについての考察だったのかなと思う。
頭がぐちゃぐちゃになって、感想もうまく言語化できないけど、心が洗われるような純粋さを感じる小説だった。

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2022年01月14日

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愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。(中略)
僕達はたまたまお互いのことを知らないけれど、知り合ったら、うまくすれば、もしかすると、さらに深く強く愛し合えるのだ。僕はだから、皆のために祈る。祈りはそのまま、愛なのだ。


この序文が全て。ストーリーは覚えてない。

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2021年01月26日

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僕は読む前からこのタイトルや表紙に惹かれてましたけど、読んだ後の方がしっくりくるな〜
恋愛だからという建前じゃなくてもっと根本的な部分からの言葉に感じました曖昧な表現ですけども

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2020年11月27日

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確か「阿修羅ガール」以来
(内容は忘れている)

一條次郎さんが話を進めるにつれて加速させるヤツ
小山田浩子さんがじわじわ貯めて最後にゾッとしたものを置いてくような感じとすると、
舞城王太郎さんの作品は、冒頭から飲み物のようにドドドドドドと流れ込んでイメージを連鎖させてくる。
そしてガムみたいに噛むほど味がなくなってはまた別の味がして来てといった妙な感覚になる。
「死」「愛」を扱った小説に対する怒りなのかな?と感じ、途中から頭の中での配役を映画版の「世界の中心で愛を叫ぶ」の二人に演じて頂いた。
なので、良くある余命○○系に対しての読み方や、小説家自身の私事と小説に表現されることのイメージの差とかについても考えさせられた。
ひたすら軽い表現でスラスラといかれるしそこに「書いたことに対して読者は勝手に記憶と結びつけること」とかについても書かれているため、変に深読みもできないようにしようとしつつ深読みさせたがってるというなんだか終始気まぐれな人と付き合っているような感覚だった。

不健康な時に読むとダメなタイプの話かもしれない。(酔ってる時に読むとしっくりきた。頭の中でぐるぐるやってることをそのまま流し出したような文体だからだろうか)
だんだん最後まで来ると怒りを超えてそれら全てすら愛してるようにも見えてくる。

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2020年10月31日

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男女間、兄弟間、様々な深い愛のお話。
最後がとてつもなく良かった。
小説家というド文学脳での、ある出来事に対する解釈が素敵すぎた。

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2020年10月06日

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冒頭の「愛は祈り」の文が大好き。
愛とは何か。考え抜いても分からない概念ではあるが、この小説からは確かに愛を感じた。何度でも読み返したい作品だ。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

好きだから生きていて欲しい、君が君じゃなくなっても、どんな形であれ。愛とは時に自分勝手だ。
正直理解できない箇所がありましたが、20年前の文章ですが新しく感じ不思議でした。

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2024年03月26日

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恋愛とはそういうものなのだ。
結果としてどうなったかではなく、ほんの一瞬でも気持ちが通じ合ったかどうかなのだ。

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2023年08月09日

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ネタバレ

「タイトルを見ただけでうんざりした」
うーん、もったいない。このタイトルがぴったりなのに、この小説。と思うとやっぱりタイトルで合わないなら本文も合わないのかな。
タイトル込みで私は大好きな作品です。
「♥♥♥UI♥U!」副題もかわいいし、直球。

「主人公」が、「好きな子」を失ってしまう話が続く短編集なのでちょっと気が重くなります。ちょっとというかだいぶ。でも切々と語られるのが文学的と言うよりも割と生々しい表現だったり、(言い方悪いですけど)軽めの語感なので文字に起こしてあるものを読むというよりも気持ちがじかに脳みそに流れ込んでくる感じ。感情そのままをぶつけられる感じ。
だだだだだっと流し込まれるように文字の羅列が続くので、合う人合わない人がいるかもしれません。
「好き」っていう気持ちを愚直にまっすぐに、嘘偽りなくなんのデコレーションもせずに伝える話なので、タイトルもこれくらい単純なほうがいい。

好きって気持ちが今後持続する確証はないけど、今この瞬間はそう思っているから「ずっと好きだ」と伝えるような、そういう恋人の話です。死別しちゃうから気持ちがしぼんじゃうのはそりゃあそうだけど(時間とは残酷なものなので)それでも今この瞬間、永遠に好きだって思える相手がいるのはいいなぁと思います。

メインは小説家の男性・治と、その彼女であり闘病生活を送っていたが帰らぬ人となってしまった恋人・柿緒の話。ふたりの話のあいだに、こまぎれにSF風味な「恋愛と死による喪失」をテーマにした短編が入っています。

私は合間合間の短編は治の著作だと思っているんですけど、明言はされていないので各々の解釈にゆだねられている感じなのかな。

>祈りは言葉でできている。言葉というものは全てを作る。言葉はまさしく神で、奇跡を起こす。過去に起こり、全て終わったことについて、僕たちが祈り、願い、希望を持つことも、言葉を用いるゆえに可能になる。過去について祈るとき、言葉は物語になる。

私は治の著作だと思っているので、短編の各主人公がヒロインのことを愛してるんだなぁと思える行動をとっているのを見ると、治からの柿緒への祈りはこういった形で昇華されているんだなぁとなりました。あとは治の気持ちの暗示が多少されているのかなぁと。

智依子パートでは「闘病中の、もう助からないであろう彼女が不思議な力をかけられ希望を抱く」。
妙子パートでは「死んでしまったとしてもまた再会できるかもしれない」。
ニオモパートでは「自分の力じゃ勝てないような強大なものに立ち向かう少女」(闘病のメタファーかな?と思いました)、「その子が巨大なものに殺され、いなくなったあとまた別の愛を見つけることができるかもしれない主人公」。

治の視点で進むので柿緒への愛が伝わってくるのがすごく切なくて好きです。ただ、弟くんの立場からすると「小説回収しろや!」っていうクレームもそりゃそうだし、ムカつくだろうな。人を亡くすっていうのは様々な軋轢を生んでしまう、それだけ大きな出来事だからなぁと思います。でも残されたほうは苦しくても頑張って生きて行かなきゃ、と思います。

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2023年02月15日

Posted by ブクログ

「愛は先立たれて永遠になる」

亡くなった命を愛する気持ちは、よく分かります。亡くなった大切な人、もしくはペット。私は今でも好きです。
彼らに一言伝えられるなら、やはりこう言うのでしょう。
「好き好き大好き超愛してる」

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2023年01月19日

Posted by ブクログ

冒頭の「愛は祈りだ。」が本著の全てな気がする

短編集的な感じだかそれぞれの物語に相関はなく、またぶっ飛んだ設定の世界に急に飛ばされたりとちょっと落ち着かない一冊だった

ただどの話も設定を飲み込んでしまえば楽しめる

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2022年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作者の作品は九十九十九という作品しか読んだことがなかった。
その作品は当時途中で断念するほどエログロ怪奇で、それ以来舞城王太郎はなんとなしに避けていた。

ふと、好き好き大好き超愛してる。が書店で目に入り、何故か購入。

治と柿緒の話と治が書いた小説が交互に入ってるスタイルなのか?全体的にはよくわからなかったけど、死してなお愛は続く、呪いのような祝福のようなんだと理解した。

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2021年10月22日

Posted by ブクログ

-あらすじにも満たぬ何か-
愛と小説、好きな人が死にゆく事についての短編物語というか考察?


-感想-
実家に帰った際に、薄くてすぐ読めそうだったので大学ぶりに再読。
当時もっと感動してた気がするけど、感動は少し薄れてしまっていた。
理由は分からないままだ。

冒頭から愛は祈りだと繰り返される。
意味不明な描写は多いけれど、何となく好きな小説でもある。

ここにささ



愛は祈り

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2021年10月19日

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あらすじというか、この本に何が書かれているのかといわれても、はっきり答えることができない。
「愛ってなんだ?」というあたりなのだが、ぴったりそれということでもなくて。

構成とか改行の少なさは、読みづらい。
文章自体も、口語なのだが独特のリズムで、慣れないと読みづらい。

短編形式でいくつかの物語が書かれているが、共通するのは恋人に先立たれた(あるいは先立たれる)男の独白。

語り手は淡々としていて恋人の死を受け入れているようではあるが、諦めたわけではなくて、死と愛についてひたすら考えている。

「きっと愛は永遠ではないけど、今はとにかく好き。」という態度は、割り切っているわけでも、とりあえず今だけを見ているなんていう単純なことではないように感じた。
永遠に彼女を愛していたいけれど、もしかしたらそれが続かないんじゃないかという恐怖を感じていて、将来もしそうなったときのための予防線を張っているように思える。
それでいてきっと、何十年か後もやっぱり彼女のことが好きで、彼が死ぬ間際になって、「結局ずっと好きだったな」って振り返るんだと思う。

はっきり言って難しい。
「ニオモ」なんかはわかりやすいのだが。
衝撃的、感動的な展開がある話ではないのだが、何かやわらかい文章を読んだな、という感想が残る。

冒頭の世界中の人への愛とか、知らない人への愛というのは、作品と結びつかないように気がして、よくわからなかった。

タイトルは批判されがちだが、僕にはこれ以外ないように思える。

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2020年10月07日

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