【感想・ネタバレ】好き好き大好き超愛してる。のレビュー

あらすじ

愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。2009大学読書人大賞受賞。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「愛は祈りだ。」
こんなに痺れる小説の書き出しが他にあるかな。このフレーズも、一見敬遠されそうなバカみたいにまっすぐなタイトルも、文体も、あたしはぜんぶ大好き。舞城王太郎が大好き。

ASMAの話、智依子が内側から光るASMAに照らされた自分の身体を眺めるシーンが美しくて切なくてずっと頭に残ってる。それと、柿緒の弟の賞太が火葬場で棺に飛び乗って燃やすなと泣いたこと、それを見て泣いた治の涙は悔し涙で、本当は僕がそれをやりたかったと思っていること! なんだか衝撃で、でもあたしも、そんなふうに思えるような恋がしたい。その人が死んだときにその人の肋骨を胸に突き刺すような、突き刺せなくても、突き刺したかったと泣くような恋がしたい。好きな人に「好き好き大好き超愛してる」と恥じることなくばかみたいにまっすぐに伝えられるような恋がしたい。

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2024年03月17日

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ネタバレ

「愛は祈りだ。」という冒頭の言葉がすべて。「祈りは言葉でできている。」という言葉も好き。読み進めていると、あまりに真っ直ぐな言葉で時折苦しくもなった。愛と物語は同一なのかもしれない。
柿緒の物語と寓話が交互に語られる構造はとても面白かった。現実と物語は連続してるのだなと感じた。

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2022年05月21日

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ネタバレ

人を好きになる、人を愛する
文章はライトに、それでいて激しい激しい物語。
柿緒(名前が素敵)の最後の行動に涙。
切ないく、何度でも読みたい作品。

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2020年09月26日

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ネタバレ

柿緒IIが特に印象深い。柿緒は手紙という鎖で「僕」を縛り付ける。特別な工具があればその鎖を壊して自由になれるが、自ら解こうとしなければ一生束縛され続ける。きっと一番好きなところを記した手紙は存在しなくて、柿緒の心の中だけに留めてあるのだと思う。

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2025年08月19日

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ネタバレ

結構ポップというか軽い文体だけれど、起こっていること、主人公が小説に書くことの周囲との隔絶は結構辛いですね。

自分の経験を元にしたことって、絶対に説得力が出るし、なにより、だからこそ書き残す意味があるんですよね。

まあ、自己満足と言われればそれまでなのかもしれませんが…

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2023年08月20日

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ネタバレ

同僚に勧められて読んだが、変な話をいつも勧めてくる子なので、過激なコメディかなと思って読み始めたら、予想外に純粋な話で、とても感動した。

電車の中で何度も涙が出てきた。
大切な人を亡くしたことのある人は、慰められるような物語だと思った。

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2023年02月01日

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ネタバレ

テーマは、愛、もしくは人を愛すること。
多分短編集。
大抵、死にゆくパートナーか死んでしまったパートナーと対峙する「僕」の話なので、どれもそれなりに重い。
精神状態が安定してる時に読んだほうがいい(舞城はいつもそうか)。
どの話も特にオチがないというか解決しないというか答えがないというか、舞城作品にはこれまで感じなかった読後感かも。対峙してる「僕」の心情が吐露されることで、当事者の今を描いてる、のかな。
舞城王太郎が大切な人を亡くしたのだろうか、とちょっと思ってしまった。

自分が、大切な人が死にゆく時どんなふうになるか、と考えながら読んだ。

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2022年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「タイトルを見ただけでうんざりした」
うーん、もったいない。このタイトルがぴったりなのに、この小説。と思うとやっぱりタイトルで合わないなら本文も合わないのかな。
タイトル込みで私は大好きな作品です。
「♥♥♥UI♥U!」副題もかわいいし、直球。

「主人公」が、「好きな子」を失ってしまう話が続く短編集なのでちょっと気が重くなります。ちょっとというかだいぶ。でも切々と語られるのが文学的と言うよりも割と生々しい表現だったり、(言い方悪いですけど)軽めの語感なので文字に起こしてあるものを読むというよりも気持ちがじかに脳みそに流れ込んでくる感じ。感情そのままをぶつけられる感じ。
だだだだだっと流し込まれるように文字の羅列が続くので、合う人合わない人がいるかもしれません。
「好き」っていう気持ちを愚直にまっすぐに、嘘偽りなくなんのデコレーションもせずに伝える話なので、タイトルもこれくらい単純なほうがいい。

好きって気持ちが今後持続する確証はないけど、今この瞬間はそう思っているから「ずっと好きだ」と伝えるような、そういう恋人の話です。死別しちゃうから気持ちがしぼんじゃうのはそりゃあそうだけど(時間とは残酷なものなので)それでも今この瞬間、永遠に好きだって思える相手がいるのはいいなぁと思います。

メインは小説家の男性・治と、その彼女であり闘病生活を送っていたが帰らぬ人となってしまった恋人・柿緒の話。ふたりの話のあいだに、こまぎれにSF風味な「恋愛と死による喪失」をテーマにした短編が入っています。

私は合間合間の短編は治の著作だと思っているんですけど、明言はされていないので各々の解釈にゆだねられている感じなのかな。

>祈りは言葉でできている。言葉というものは全てを作る。言葉はまさしく神で、奇跡を起こす。過去に起こり、全て終わったことについて、僕たちが祈り、願い、希望を持つことも、言葉を用いるゆえに可能になる。過去について祈るとき、言葉は物語になる。

私は治の著作だと思っているので、短編の各主人公がヒロインのことを愛してるんだなぁと思える行動をとっているのを見ると、治からの柿緒への祈りはこういった形で昇華されているんだなぁとなりました。あとは治の気持ちの暗示が多少されているのかなぁと。

智依子パートでは「闘病中の、もう助からないであろう彼女が不思議な力をかけられ希望を抱く」。
妙子パートでは「死んでしまったとしてもまた再会できるかもしれない」。
ニオモパートでは「自分の力じゃ勝てないような強大なものに立ち向かう少女」(闘病のメタファーかな?と思いました)、「その子が巨大なものに殺され、いなくなったあとまた別の愛を見つけることができるかもしれない主人公」。

治の視点で進むので柿緒への愛が伝わってくるのがすごく切なくて好きです。ただ、弟くんの立場からすると「小説回収しろや!」っていうクレームもそりゃそうだし、ムカつくだろうな。人を亡くすっていうのは様々な軋轢を生んでしまう、それだけ大きな出来事だからなぁと思います。でも残されたほうは苦しくても頑張って生きて行かなきゃ、と思います。

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2023年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作者の作品は九十九十九という作品しか読んだことがなかった。
その作品は当時途中で断念するほどエログロ怪奇で、それ以来舞城王太郎はなんとなしに避けていた。

ふと、好き好き大好き超愛してる。が書店で目に入り、何故か購入。

治と柿緒の話と治が書いた小説が交互に入ってるスタイルなのか?全体的にはよくわからなかったけど、死してなお愛は続く、呪いのような祝福のようなんだと理解した。

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2021年10月22日

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