ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 砂の女(新潮文庫)

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    令和に読んでも全く色褪せていない安部公房の名作

    著者自身が2つ(2人)の自由をテーマにしたと語っているが、やはり非凡な才能がなければこの作品にこのタイトルは出てこないよ

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    2025年11月23日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    季節は冬。
    たい焼きを食べなる小佐内さんと並んで歩く小鳩くん。
    微笑ましい空気だな〜とにやにやしながら読んでいたら、まさかの轢き逃げ……

    入院生活を送る小鳩くんと、犯人を探す小佐内さん。
    3年前の事件の回想を通して、ふたりの出会いと「小市民を目指す理由」が明かされる大事な幕で、読んでいて関わる人の気持ちに胸がぎゅっとなる場面も多かったです。

    そして入院中のふたりの繋がり方――まさかあんな形とは。
    ずっと小佐内さん推しだったけど、今回さらに好きが更新されました。あの異常さ込みで最高に魅力的。

    看護師さんも「怪しいな」とは思っていたけど、真相にはさすがに驚き。
    正直、そこは少し“出来すぎ感”

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    2025年11月23日
  • ゴールデンスランバー(新潮文庫)

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    本当に面白いです。
    終わり方としても決してハッピーエンドではないものの、最後の章「事件から三ヶ月後」では当事者たちに救いがあった事がわかり切ないはずなのにどこか穏やかなほっこりする感じがたまりません。
    伏線も見事です。
    事件を客観視した視点、事件から二十年後の話が前半の章で出てくるので、その後の章の事件最中の主人公視点と照らし合わせて見るとより面白いと思います。
    私は一通り読み終えた後第三章まで読み直しましたが、また新たな発見が…


    二十年後のノンフィクションライターって…あの人ですよね?
    「森の声」で『ん?』と思って再度読んだら『やっぱりそうじゃん…』と腑に落ちちゃう箇所があるんですけどど

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    2025年11月23日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    ネタバレ

    読み終わった。レーエンデシリーズ毎回読後にずっしりくる感動と悲しみが入り混じった感情の波にやられる!うぅ…

    読み進める中でレオナルドに関して、「バカだなぁもう」ともどかしく思うことが多々あったけど、なんか憎めない、少年漫画の主人公みたいなところがあって結局めちゃくちゃ好きになった!

    ルクレツィア切ない…。なんでそんな役回りなんだよ、、と思うけど、歴史の悪役だろうと物語の闇の部分だろうと、それが自らの役割であると悟ってしまえば不思議と馴染んで受け入れられるものなのだろうか?

    最後、レオナルドがルクレツィアを撃ち抜く前、ルクレツィアが1人駆け出していく前に、ルクレツィアとステファノはどんな話

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    2025年11月23日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    ネタバレ

    アンノと葉山の掛け合いは特に印象的だった。アンノの好奇心は世界を広く知りたいだけではなく、「自分が生きていける場所」や「生きていてもいいと思える世界」を探る動きに見えた。その時期、葉山の隣にいることがそれを保証していたのかもしれない。だから二人の会話は軽口でも戯れでもなく、生き延びるための確かめ合いのように響いた。

    向坂くじらさんの文体は、物語全体に重さと陰影を与えている。その重さは不幸を演出するためではなく、痛みや執着の描写に倫理と敬意を保つためのものだと思う。どの登場人物にも血の巡りを感じたのは、向坂さんが彼らの歪みに最後まで寄り添っていたからだと思う。

    アンノは踊りから離れていたので

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    2025年11月23日
  • わたしの名店

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    これはいいものを読ませていただきました!
    読んでいて幸せになれる本。

    やっぱりおいしい食べ物にまつわるエッセイが大好き。
    28人の著名人が実在する名店の思い入れのあるメニューを紹介してくれていて、すべての作品からその食べ物への愛が感じられて最高でした。

    初めて読む作家さんも何名かいらっしゃって、この方の文章好きだな、他の作品も読みたいなと思える作家さんに出会えるのがアンソロジーの好きなところです。

    同じくポプラ文庫さんから出版されている
    『3時のおやつ』も読みたくなりました!

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    2025年11月23日
  • 審議官―隠蔽捜査9.5―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    今野敏「隠蔽捜査」シリーズ第12作目(2023年1月単行本、2025年9月文庫本)、スピンオフ短編集作品としては3作目、長編作品は9作。

    今回は竜崎が警視庁大森署署長時代と神奈川県警本部刑事部長になってからの時代の脇役達のエピソードが並行して描かれた短編9編(①空席②内助③荷物④選択⑤専門官⑥参事官⑦審議官⑧非違⑨信号)のスピンオフ作品だ。
    ①空席⑧非違は竜崎が大森署を去った後の大森署の面々のエピソードを描いた短編。
    ②内助③荷物④選択は竜崎が大森署時代の家族のエピソードを描いた短編。
    ⑤専門官⑥参事官⑦審議官⑨信号は竜崎が神奈川県警刑事部長に就任してからの竜崎と県警の面々との日常のエピソー

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    2025年11月23日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    移民や多様な文化が交錯するニューヨーク、ブルックリン。ここを舞台に、人生の終盤に差しかかった主人公が偶然の出会いを通じて再び人とのつながりを取り戻していく。過去に何かしらの傷を負った人物の群像劇でありながら、どこか静かに温かい。自分の外に一歩踏み出して他者と関わろうという気持ちがあれば、年齢に関係なく、人生前向きに生きられると思えた本。

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    2025年11月23日
  • ハレーション

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    みみっちいた!
    料理屋さんのあの人まで。
    苦しくてあったかくて
    幼馴染の3人みたいに泣き笑い。
    都会の人は何にそんなに急いでるんだろう。
    たしかに、田舎とは時間の流れが全然ちがう。
    今この時にこの本を読めてよかった。

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    2025年11月23日
  • 真鶴

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    この作品の1番の好きなところは終始、静かなところ。
    静かだからこそ、娘を愛する気持ちや、礼を憎む?愛する?恋しがる?気持ちが熱く伝わってくる。

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    2025年11月23日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初めての村田沙耶香さんの作品がこの作品でかなり衝撃的だった。
    異性への関わりで悩んできた自分にとってはかなり刺さった。

    やっぱり幼少期の異性との関わりってその後の人生にすごく影響が出ると感じる。
    主人公に入ろんな出来事が起こるけど、毎回女の方が不利な状況で苦しかった。
    色んな人がいて、色んな考え方があっていい世の中になればいいね。
    誰も傷つかない。傷つけない世の中になればいいのに。

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    2025年11月23日
  • 神様

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    ネタバレ

    川上弘美さん大好きだったんだけど、この作品はまだ読んでなかった、なんだかタイトル的に難しそうと言うかなんだか神々しそうな感じがしてちょっと手に取れなかったけど、読んでみたら、なんだ!!!!めちゃくちゃかわいい話!!!!!!ほっこり。する。
    2日くらいで読み終えちゃって勿体ないという気持ち。
    「神様」ってタイトルを聞いて当たり前に人型の神様を想像してたけど、くまの神様かい。
    くまの料理は本当に美味しそうだな、自然豊かなところでピクニックして、すごく素敵。
    その分、主人公と同じくくまが帰ると知ったら、ちょっと寂しくなった。最初は、大男をくまと表現してるのかと思ったけど、くまはくまなんだ。そりゃ、人

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    2025年11月23日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

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    上・下
    おもしろい! わくわくする冒険と最高のバディもの。
    覚悟をもってる人たちが自分のできることを最大限する話でもある。悪い人がいなくて無駄がなくて変な感情的こじれがなくてストーリーにストレスがない。仕事の話でもあるのでぶつかることはあるけど、リスペクトはあるからそこはそうでもない。

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    2025年11月23日
  • フロントライン

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    あの頃、未知のウイルスに対する恐怖は誰もが持っていた。極限状態の時、「人道的に正しい」と信じる行動をどれだけの人がとれるだろうか。
    ダイヤモンド・プリンセス号という、そのフロントラインで闘って下さった皆さん、それをサポートされた全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

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    2025年11月23日
  • ハーモニー

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    人類の救済は最終的にアポカリプスによってしか成されないんやなぁと。
    テクノロジーの力で人類が死を乗り越えられるようになってしまえば、こういう結末が必要になるかもなぁ。

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    2025年11月23日
  • ほねがらみ

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    ネタバレ

    怪談を集めてたら自分にも降りかかってくる系
    怖すぎて途中で閉じた。もう読めないかもしれない。途中までしか読んでないけど、ホラーに求める怖さは十分ありすぎたので☆5です。
    身近な人がおかしい言動でし始めてわけわかんない絡み方してきたり、収集してる怪談もどうにもできない系で、そういうのがどんどん積み重なっていってとても怖い。

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    2025年11月23日
  • バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔

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    ネタバレ

    今回の話は平賀が心底神父というものを体現している存在であることを改めて認識できた気がする。
    対してロベルトはどちらかというと普通の人寄りではあるのだけど、それでも神父としてどうあるべきかを理性でしっかり繋ぎ止めてる感じがする。

    砂漠の行軍という絶体絶命の状態でも知識があれば生き残る方法を探せる。サバイバル知識って大事ですね(笑)

    ローレンの無事、そして久々のジュリア司祭の登場に少し心がおどりました!

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    2025年11月23日
  • ナミヤ雑貨店の奇蹟

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    時空を超えての悩み相談の手紙のやりとり。
    空き巣3人組も乱暴ながら相談への回答に奮闘する事に読んでて不安だったが、彼らに助けられた人もいた。最後の白紙の手紙の回答に1番驚かされたし、そんな解釈、解答のできるナミヤ爺さんに感激。そしてその返事の手紙で3人組のこれからの決断が変わった。言葉の凄さを体感した。1つわからないのは、丸光園とナミヤ雑貨店の関係。大切なところを飛ばして読んでしまったのか?知ってる人いたら、教えてください。

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    2025年11月23日
  • 凶変 警視庁異能処理班ミカヅチ

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    ネタバレ

    終わりが近づいてきている。異常な異変が頻繁に起こり四天王たちも狙われ、ミカヅチ班がいよいよ小忌衣を纏い、もうすぐ決戦のときが来るのだなという予感。赤バッチが悪魔の姿でも助けに来てくれたのに感動。束の間の平和なひとときの幸せ、ずっと続いていればいいのに。

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    2025年11月23日
  • 日本沈没(下)

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    怒涛の如く崩壊が進む一方で、きな臭い政府連中の動きが妙にリアルでした。

    「今の世界には、ひとつの国を受け入れる力がない」

    このセリフを聞いて、ハッとしました。ホームステイとかバカンス程度の旅行ならまだしも、移住となると話は別。
    移民の受け入れについて、日本人の半数近くが消極的なことが報道で明らかにされていますが、他方で海外においても同じなんです。結局のところ、外国人が移住してくることに対して、それぞれの文化が寛容になるまで発展していないんです。

    ただのディザスターパニック小説かと思ったら、本質に触れやがりました。
    小松左京は天才です。

    ※第5章内で明らかにいらんかった部分がありましたが

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    2025年11月22日