小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ季節は冬。
たい焼きを食べなる小佐内さんと並んで歩く小鳩くん。
微笑ましい空気だな〜とにやにやしながら読んでいたら、まさかの轢き逃げ……
入院生活を送る小鳩くんと、犯人を探す小佐内さん。
3年前の事件の回想を通して、ふたりの出会いと「小市民を目指す理由」が明かされる大事な幕で、読んでいて関わる人の気持ちに胸がぎゅっとなる場面も多かったです。
そして入院中のふたりの繋がり方――まさかあんな形とは。
ずっと小佐内さん推しだったけど、今回さらに好きが更新されました。あの異常さ込みで最高に魅力的。
看護師さんも「怪しいな」とは思っていたけど、真相にはさすがに驚き。
正直、そこは少し“出来すぎ感” -
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本当に面白いです。
終わり方としても決してハッピーエンドではないものの、最後の章「事件から三ヶ月後」では当事者たちに救いがあった事がわかり切ないはずなのにどこか穏やかなほっこりする感じがたまりません。
伏線も見事です。
事件を客観視した視点、事件から二十年後の話が前半の章で出てくるので、その後の章の事件最中の主人公視点と照らし合わせて見るとより面白いと思います。
私は一通り読み終えた後第三章まで読み直しましたが、また新たな発見が…
二十年後のノンフィクションライターって…あの人ですよね?
「森の声」で『ん?』と思って再度読んだら『やっぱりそうじゃん…』と腑に落ちちゃう箇所があるんですけどど -
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ネタバレ読み終わった。レーエンデシリーズ毎回読後にずっしりくる感動と悲しみが入り混じった感情の波にやられる!うぅ…
読み進める中でレオナルドに関して、「バカだなぁもう」ともどかしく思うことが多々あったけど、なんか憎めない、少年漫画の主人公みたいなところがあって結局めちゃくちゃ好きになった!
ルクレツィア切ない…。なんでそんな役回りなんだよ、、と思うけど、歴史の悪役だろうと物語の闇の部分だろうと、それが自らの役割であると悟ってしまえば不思議と馴染んで受け入れられるものなのだろうか?
最後、レオナルドがルクレツィアを撃ち抜く前、ルクレツィアが1人駆け出していく前に、ルクレツィアとステファノはどんな話 -
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ネタバレアンノと葉山の掛け合いは特に印象的だった。アンノの好奇心は世界を広く知りたいだけではなく、「自分が生きていける場所」や「生きていてもいいと思える世界」を探る動きに見えた。その時期、葉山の隣にいることがそれを保証していたのかもしれない。だから二人の会話は軽口でも戯れでもなく、生き延びるための確かめ合いのように響いた。
向坂くじらさんの文体は、物語全体に重さと陰影を与えている。その重さは不幸を演出するためではなく、痛みや執着の描写に倫理と敬意を保つためのものだと思う。どの登場人物にも血の巡りを感じたのは、向坂さんが彼らの歪みに最後まで寄り添っていたからだと思う。
アンノは踊りから離れていたので -
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ネタバレ今野敏「隠蔽捜査」シリーズ第12作目(2023年1月単行本、2025年9月文庫本)、スピンオフ短編集作品としては3作目、長編作品は9作。
今回は竜崎が警視庁大森署署長時代と神奈川県警本部刑事部長になってからの時代の脇役達のエピソードが並行して描かれた短編9編(①空席②内助③荷物④選択⑤専門官⑥参事官⑦審議官⑧非違⑨信号)のスピンオフ作品だ。
①空席⑧非違は竜崎が大森署を去った後の大森署の面々のエピソードを描いた短編。
②内助③荷物④選択は竜崎が大森署時代の家族のエピソードを描いた短編。
⑤専門官⑥参事官⑦審議官⑨信号は竜崎が神奈川県警刑事部長に就任してからの竜崎と県警の面々との日常のエピソー -
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ネタバレ川上弘美さん大好きだったんだけど、この作品はまだ読んでなかった、なんだかタイトル的に難しそうと言うかなんだか神々しそうな感じがしてちょっと手に取れなかったけど、読んでみたら、なんだ!!!!めちゃくちゃかわいい話!!!!!!ほっこり。する。
2日くらいで読み終えちゃって勿体ないという気持ち。
「神様」ってタイトルを聞いて当たり前に人型の神様を想像してたけど、くまの神様かい。
くまの料理は本当に美味しそうだな、自然豊かなところでピクニックして、すごく素敵。
その分、主人公と同じくくまが帰ると知ったら、ちょっと寂しくなった。最初は、大男をくまと表現してるのかと思ったけど、くまはくまなんだ。そりゃ、人 -
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怒涛の如く崩壊が進む一方で、きな臭い政府連中の動きが妙にリアルでした。
「今の世界には、ひとつの国を受け入れる力がない」
このセリフを聞いて、ハッとしました。ホームステイとかバカンス程度の旅行ならまだしも、移住となると話は別。
移民の受け入れについて、日本人の半数近くが消極的なことが報道で明らかにされていますが、他方で海外においても同じなんです。結局のところ、外国人が移住してくることに対して、それぞれの文化が寛容になるまで発展していないんです。
ただのディザスターパニック小説かと思ったら、本質に触れやがりました。
小松左京は天才です。
※第5章内で明らかにいらんかった部分がありましたが