小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「ありえたかもしれない世界」。
それを、「社会」の視点で想像させてくれる小説だと感じた。
東畑開人さんの書評を読んで、読みたいと思っていた長編の小説。
オウムなど、私たちの世界で本当にあったことは、一貫して架空日記の中で記載される。
主人公の生きる世界が決して希望だらけのユートピアとして描かれている訳ではない。
それでも、その世界では、主人公は少しずつ息ができるようになっていることを実感し、その幸せを噛みしめるような場面もある。
一方で、架空日記の中の自分は、いつまでも自分を消えるべき存在として描かれる。
世界は昔と比べて生きやすくなったのかもしれない。それでもそこからこぼれ落ちる人 -
Posted by ブクログ
タイトルのバリ=バリ島のことかと思って、なんの前情報もなく読んでみました。
結果的にとても良かったです。
転職者なら経験するであろう新たな環境でどんなスタンスで進むか、探り探り模索する主人公 波多。
社内登山部の活動に参加して、ベテラン社員 妻鹿(めが)さんのバリ山行のことを知り、他の部員同様に批判的な見方をしつつも気になる存在に。
組織の新体制や、リストラのウワサなど、暗い雰囲気に包まれる社内。
そんな時、波多は妻鹿さんに一緒にバリ山行に行かせてくださいと頼みます。
一緒に行った登山で、波多が感じた恐怖とは。
その後の妻鹿さんの行動に爽快感すら感じました。
人生はまるで登山のようなもの、そし -
Posted by ブクログ
序盤で脱落しがちで、中学2年生のときに意地で読み切り、高校1年生のときに改めて読み切り、そこから7年ほどの時を経て22歳、社会人1年目の今、また読んだ。
結末だけはずっと覚えていた。あまりに衝撃で。
雪穗と亮司の視点が一切明かされていないことに、今回初めて気づいた。
読後の、なんていうのかな、寂寥感はこの作品からしか得られないんじゃないかと思う。
やっと掴みかけた手がかりを目の前で失ったやるせなさを感じつつ、これからひとりで白夜を生き抜かなければいけない雪穗を思うと心細いような切ないような寂しいような、途方に暮れる感じが襲ってきて、ぜんぶひっくるめて灰色の感情になって隙間を埋めていく。
東野圭 -
Posted by ブクログ
王者の挑戦 「少年ジャンプ+」の10年戦記
長年、紙の『週刊少年ジャンプ』を読み続けてきた私にとって、デジタル媒体である「ジャンプ+」はどこか遠い存在だった。親友がその面白さを熱心に説いていても、心のどこかで「自分は紙の世代だから」と線を引いていた部分があったのかもしれない。しかし、細田成規氏によるこの10年戦記を読み終えた今、その認識は根底から覆された。これは単なるプラットフォームの成功譚ではない。紙のジャンプが築き上げた「王者」としての矜持を胸に、ネットという荒野で大の大人たちが血の滲むような試行錯誤を繰り返した、泥臭くも熱い挑戦の記録である。
本書の核心は、ジャンプが黎明期から守り続け -
Posted by ブクログ
面白かった!途中までちょっと「ん?」とひっかかるところはあれど集中して読めました。
最後の方で「あー!!」と理解したとき、びっくりすると同時に「やられた!!すごい!!」と感じ、いい意味でショックを受けました。伏線がたくさんあったのに、作中でバラされるまでわかりませんでした!!
もう本当に、この「上手に騙された感」のためにミステリを読んでいる面があります。
なるほどー。フィクションを読むときの読者の先入観を上手に利用して、それを面白さにしているのが凄いです。これは小説だからこそできると思いました。
ミステリであり、恋愛小説でもあります。トリックに気持ちよく騙されて、大人の恋愛も楽しめるので大満足 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ◯幸せかどうかは、快楽の量じゃなく苦痛のなさで決まる。たった一つの強い「苦痛」は全ての「快楽」を吹き飛ばしてしまう。
◯人生ではプラスを追い求めるよりも「マイナスを減らす」ことを考えたほうが幸せになりやすい。
◯欲を満たして幸せになるアプローチは「手に入らなくて苦しい」か「退屈する」の二択になってしまう。仮に手に入ってもまた新しい刺激を求めるループ
◯快楽は一瞬で慣れるが苦痛はなかなか慣れない
◯好きな仕事をするより嫌いな仕事をしないこと、欲望を満たすより、不安を取り除くこと。
◯健康、知性、陽気さの自分の内側にあるものが幸せのほぼ全てを決めている。
⭐︎結婚するなら陽気な人と一緒になること。
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