【感想・ネタバレ】スノードームの捨てかたのレビュー

あらすじ

10年後に思い出す。そんな日は突然やってくる。

『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『湯気を食べる』がロングヒット&話題沸騰!!

ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごも――。
エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。



「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」
高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。(「スノードームの捨てかた」)

「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」
同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私は――。(「鰐のポーズ」)

「どういうことですか」「こういうことです」
別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。(「川はおぼえている」)

「すみません相席いいですか」
美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」

「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」
――結婚目前の彼女からの不穏な質問。(「湯気」)

「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」
仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。(「いくつもの窓」)


思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。
くどうれいんが描く傑作6篇。

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Posted by ブクログ

読書が中々進まなくて積読が増えていく最近は、新しい作家の本を読むのも怖くなっていたから、この年(35歳)になって好きな作家さんができるとは思っていなかった。
そんな中で美しい装丁と、『スノードーム』というワードに惹かれて手に取ったこの一冊で、とても好きになれた、くどうれいんさんとの出会いの本です。

現代的なモチーフ(LINEスタンプなど)や、ライフステージに焦点を当てた描写や、日常で見たことのある景色の切り取り方が美しくて、ありがちな最後ではなく、これからも物語の登場人物たちが生きていくような、余韻があるようなストーリーの終わり方が特徴的でとてもよかった。

それぞれの物語で湧き上がる、自分の心の変化も久しぶりに味わった感覚でおもしろかった。
くどうさんの本をこれからも読みたいし、たくさんの本を、また読みたい気持ちになれた。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ひとつひとつの話が全く別の顔なのに、作品としての一体感が凄い。上手く言語化できないのが惜しいです。

個人的に刺さったのは「背」「湯気」でした。
「好きだからこそ」の感情がすれ違う時、人は自分に立ち返り、相手を見つめようし、それでも見つめ切れずに破綻してしまう関係がある……そういうことを描いているのでしょうか?
本当にうまく言えないのですが、あくまでも私にはそんな感じがしました。

表題作「スノードームの捨てかた」はなんとなく「東京タラレバ娘」をイメージしながら読みました。何かあると三人で集合!して打ち明けあう関係。そういうのがなかった自分には少し羨ましかったです。

「川はおぼえている」は何故か男性が阿部サダヲさんでイメージされてしまい、最後までずっと阿部サダが脳内で語っていました(笑)

「背」は「存在」について問いかけるような作品で、気配を消すのが仕事の「美術館監視員」と、アプローチしてくる男性の対比が良いコントラストだなぁと思いました。

「湯気」が私は一番好きな作品で、「いや、あるやん!めちゃくちゃ!」と心の中でツッコミを入れてしまいました。二人がこの後どうなったのか気になりますね。

この本ではじめて知った作家さん(お名前は知ってました)でしたが、もっと読んでみたいと感じました。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どれもエモ深かった✨
【川はおぼえている】
夜の川はときどき鱗のように光る。二度と同じ水は流れないはずなのに、川を見て何か
を思い出すとき、わたしたちは川の何を見ているのだろう。←ささった!

【背】
美術館の監視係は、防犯カメラの監視係に見られていた。そんなきっかけで始まる恋なのかと思いきや、やがて「見られる」ことのストレスやまとわりつくものについての話に。着地点が分からずおもしろかったし小川洋子みを感じた。(背筋をのばしている描写の意味はなんなのだろうか、本人の生きている実感のためか、もしくは今でも見られる恐怖が意識が残っているのか)

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

やっぱりくどうれいんさんが好きだなぁと思うのは
エッセイも詩も小説も、どれもが特別な日だけが大切じゃなくて毎日の中に特別を見つけ出すのが上手でそれが心地良い
今回は小説なのでいつも読んでるエッセイではなくフィクションが効いていて春のうたたねの時に見る夢のようなどことなく現実と夢の境目がすこしぼんやりした不思議な感覚。

1話目の三人の幼馴染の女の子達が大人になってもよく集まっている。あの頃のまま子どもで同じ制服をきて同じ教室にいたわけではなく大人になって皆あらゆる人生を送っている。社会人として独身でいる主人公のエミ、結婚をしてママのサラサ、婚活をがんばって破談になったレイカ。
私達も大人になれば友だちでも人生はみんなそれぞれでこの三人のうちの誰かに自分が当てはまる。
破談になった事で緊急集会で話される内容には、それぞれの焦りも思いもどれもわかるけど
独身の人が結婚した人を「いいなぁ」というのと
結婚した人が独身の人を「いいなぁ」は言ってはいけない
そもそも結婚の報告した時、周りはみんな「正解へようこそ!!!」とでもいうように喜ばれた。それは何か違和感があった中で主人公だけは報告したら「ほー」と言ったのが救われたと語り
主人公はその反応については
結婚した自分と独身の自分を天秤で測ったとしても
釣り合っている状態。どっちの自分も同じだけ楽しくて幸せだとおもっているからわざわざ結婚をしたい!と思えないと言いきったのが今の時代とそれに私にも重なっている考え方でこの本を読んで本当によかったなと思った。
だからといって独身が随分と楽しいとは思ってなくて
結婚した人生の方が大事そうに重たくなっているけど
わたしはどちらにしても天秤は結婚も独身もずっと釣り合っているからと言える人生であればそれでいい。
まさにそうじゃないのかなと現代のすべての女性がそうであれればいいと思った。
その他の話のヨガ仲間の話も不倫をしててバチが当たるんじゃないかと思ってる人生で、それを知ってても不倫をして自信があるように見えるヨガ仲間のヨウコはゆっくり美しく歩いて美しかった、美しかったけどくだらないと思う話。
美術館の学芸員の話もしんしょうが変な話も
どことなく私の現実とすこし1歩だけつま先を変えて進んだ人生のふとした瞬間の立ち止まってぼんやり思ってた事とかをうまくその一瞬を拾い上げてフォーカスしたような感覚になる。答えがみつかるわけでも解決するわけでもない話だけど人生は答えはハッキリしているものではない。人生の中の自分の天秤が、自分の幸せが、比べてどちらか重いなら無理に合わせる事ないこれからを確かに歩んで行きたい。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

くどうれいんは、歌人で、
しかも、本書が初小説だそうです。

感性ひかる、六つの短編が入っています。

どれも、
くどうれいんの特徴の
こまかな描写や所作、微妙な感情の
ゆれを文章でつづっています。

その中でもわたしは、
「いくつもの窓」という作品が気に入りました。

…保険の外交三年目の女性は、あるときに自分で作って、
お客さんに配る「かっきーつうしん」のチラシをくしゃくしゃにして捨てられてしまいます。
そのショックな出来事が発端で、激務だった仕事を辞めることにします。

そして、
辞めたあとも辞めたことに悩みながら、携帯電話の写真を消去することから始まり、部屋の断捨離に取り組みます。
当場は、スパゲッティ屋でアルバイトをしながら、再就職を考えています。
断捨離の過程で見つけた祖父の山の絵(ちぎり絵)を額装をすることにします。
「雲画堂」に頼んで、額装された作品を部屋に持って帰ってから、額が絵に対して、立派ずきると、
絵と額を別々に飾ります。

玄関に飾った(絵のない)額の「空虚さが心地いい」と…



さまざまな人との交流があります。

保険の外交員として、新規のお客さまとの関わり。
保険の仕事を辞めるときの上司への報告を兼ねたやり取り。
アルバイト先のスパゲッティ屋の店主との会話。
「雲画堂」の店主とのほのぼのとした
トーク。

それぞれの場面が、
「あるある!」と自分の日常とクロスするような感覚にさせてくれます。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃおもしろかった。くどうれいんさんの小説、大好き。
どの短編も30歳前後の女性の話で、転職、同棲からの結婚、友達関係、、、と割とお馴染みなキーワードだけれど、
こんなにも、オリジナルで瑞々しいストーリーになるなんて、すごすぎ。
よくあるささやかな日常、とかじゃ全然なくて。他人や自分と向き合って、考えて、言葉を投げたり行動すると、こんなにドラマチックな日々になるのかー?!とワクワクしてしまう。笑

あと、言葉の表現が美しく、面白すぎる。
貝殻の形の最中がつまった鞄、夜の川の表し方、、、ポストイットたくさんつけて読みました。


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2025年08月21日

Posted by ブクログ

さすがです。
粒ぞろいの短編小説6編。
エッセイの瑞々しい表現は、そのままに。
小説の方が、しっとりと落ち着きがある印象。

エッセイが陽で、小説は陰。とまで言わないまでも、深部に降りていって苦労した感じが伝わる。

表題の「スノードームの捨て方」とあるように、
『捨てる』が底辺に流れてる。

ネタバレ
どの作品も良さがあるのですが…
特に
「鰐のポーズ」
がなんと言うか「うーん」となった。
読後の余韻。良いうーん。
ぶっちゃけても、理解し合えないこともある。わかってもらえないこともある。先輩のトーンダウン。人間関係の終わり方。触れてほしくない真実。なかなか珍しいパターンの短編。

そのほか
「川は覚えている」
出会いにほっこり。マッチいいね。

「背」
捨ててきた「見られてきた過去」を同じように見る立場のはずだった彼に掘り起こされる。言ってはいけないセリフ。地雷。傷つけ。検索の罠。一言の恐怖。
共感からの…どんでん返し。
主人公の「謝ってよ」のセリフが刺さる。

「湯気」
しんにょうが気に入らない。細かいことなのだけれども…。そこから見えてくるものが…
意外と深いテーマ。
我慢できる細かさなのか、
我慢できない全体にも影響のある一部なのか…
むむ。むむむ。考えさせられる…

「いくつもの窓」
まず、おじいちゃんの絵…
もっと取っといてよ〜と思ったけど、邪魔かぁ。しゃーないかぁ。

本人にとって、満足のいく時間を過ごす大切さ。
大して上手くない絵。自分と向き合う時間。大切。絵と額縁。視点。縁。
人と人、物と物。縁、関係を考える。



ひとは、変わっていくことと、変わらないことの塊だと思う。
変わっていくことを悲しんだり。寂しんだり。
変われないことを苦々しく思ったり。
その繰り返し。繰り返して今に。
関係性も
変わって疎遠に。
必要と不必要。
縁ってなんだろ。

世の中におんなじような作品が
ありそうで、やはり「ない」
くどうれいんは、やっぱり唯一無二を感じました

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集はついお気に入りの作品や順位をつけてしまいがちだが、この本はどの物語も例外なく心を掴んできた。温かくなったり、切なくなったり、心がじんとする感覚がたまらなく心地いい。自分の中で「手元に置いておきたい本」はいくつかあるが、その中でも、気負わずに、ふとページを開きたくなるお気に入りの一冊になった。

「キスに位置エネルギーが働いている」という表現、妙に納得できて思わず笑ってしまった。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

誰もが感じたことがあるけれど、感じたことを忘れてしまうような気持ちのたからばこ。

「スノードームの捨て方」
天秤に例えるところが好き。子供心を忘れずに集まれる友達っていいな。
「鰐のポーズ」
言いたいことと言えないこと。本音と建前、世間体。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

全体的に読みやすくて、詩的で素敵な会話が多い短編集だった。

「スノードームの捨て方」の中で既婚の登場人物が
私も独身の人生を手放している
というふうなことを言っていたのに引っかかりがあった。

「結婚=正解の人生」とは思っておらず、結婚はいろいろな選択肢の中で選んだものだとこの登場人物が話していたけど、「手放す」という表現の中に、ずっと独身でいるわけにもいかず、仕方なく結婚したみたいな諦めの感情がみえたことに違和感があったのだと思う。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

なんてことない、けれども何よりも現実で人間らしい短篇集。『湯気』がなんとも言えない嫌さと、愛情とを感じてすごく好きだった。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

この中で印象に残ったのは 背 美術館の監視員はどんな風にそこに座っているのだろう と思っていた 正に思っていた通りだと思いきや 実は過去にトラウマがある 頑張って生きてる人達の何気ない描写を書くのが上手いなぁと思う

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

装丁のうつくしさ?静謐さ?に目を惹かれるんですよね。本を読み終わると本の内容に即したモチーフだって気づくのも楽しい。
なにかが劇的に変化したりあっと驚くような出来事があるわけじゃない。日常を切り取ったようなお話にところどころに共感しながら読みました。自分と年齢が近かったり性別が同じだったりしたから余計。言いようもない将来への不安とか友人との関係とか、言語化されててすこし安心する。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

エッセイと小説のあいだのどこかを読んでる気持ち
くどうさんのエッセイが大好きで片っ端から読んでたけど、こんなすてきなお話もかけるなんて天才

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

友達がくどうれいんのファンで、
「初小説」ってのに惹かれて買ってみた。

「スノードームの捨てかた」で
ほうほう、そういう感じね、と!
ふわっと終わる感じ。きらいじゃないけどこういう雰囲気の本はあまり読んでこなかったからふむふむといった感じで読んでた。

一番好きなのは「湯気」。
世にも奇妙な物語を思い出した。

あのラストシーン、饒舌な彼女と対比するようにどんどんぐわんぐわんに巻き取られていく彼氏。
そんな感じがしてにやっとした。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

くどうれいん
とてもいい。今回もよかった。
いかにもくどうれいん的なものもあれば、あ、書き方いつもと変えてる、と思えるものもあり、でもどれもおもしろかった。
ヨガのやつと最後のが特によかったなぁ、心の機微がうまく表されていて、書き手ではなく読者でしかない自分は「そうそう、あるのこういうどこにも行けないどうしようもない感情って」と感心してしまう。
スノードームの捨て方、をたいとるにしたのもいいよね、くどうれいんぽくて。スノードームというアイテム、それを捨てるという表現。
名久井直子さん装幀。誇らしいだろうなぁ。

歌人が書く小説。
とてもいい。
どんどん買いてね、全部読むから。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

群像にれいんさんの小説が掲載されるときはなるべく読むようにしてたので、半分くらいは読んだことがありました。
いつでも読める単行本のかたちになってくれて嬉しいです。
個人的にはここに収録されていない短編小説「あきらめること」がとてもとても好きなので、入ってたらもっと良かったなぁの気持ちですが、でもやっぱり私はれいんさんの文章がすきです!!!

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【スノードームの捨てかた】
表題作。
婚約破棄された怜香、一児の母さらさ、独身主義の絵美。
立場が全然違う3人が長くやっていけるのって、
お互いそれを気にしてないからなんだろうな。
それと集まれる場所と、家族の理解。
横浜の赤レンガ倉庫は冬になるとクリスマスマーケットをやるので
スノードームが大量に飾られている。
私は雪だけのスノードームは見たことがないけれど、
大きいとそこそこの値段するので、珍しいし売ると思う。
でも次見たら買っちゃうかも。小さいやつ。

【鰐のポーズ】
今までめちゃくちゃ素敵に感じていた人が、
ある時突然「え、こんな人だったの?」と思うことはある。
あるけど、主人公も同じ立場なのに何で嫌悪してるんだ。
自分は罪悪感があるのに、ようこさんにはそれがないから
また違う立場なのかな。
彼女は早く抜け出した方がいい。
ようこさんぐらい達観できないと、辛いだけだよ。

【川はおぼえている】
物語にしたくない、か。
私はどちらかといえば、何にでも意味を持たせたくなってしまう。
意味のあるものはいつまでも大切にできる気がする。

【背】
黒歴史というものが存在するとして、
それが自分の意思と関係ないところで起きたことだと
可哀想だなぁと思ってしまう。
黒木くんは美術館に行きそうなタイプに思えなかったけど、
本当に気が付いていなかったのかな。
本当に悪意もない行動だっただけに、彼も気の毒に思う。

【湯気】
まさくん、悪いことは言わない。
この人とは結婚しない方がいいと思う。
マリッジブルーっていうのもわかるんだけどさ、
そもそも「結婚したらつまんない人間になる」って
結婚する前に思っちゃうような人間は結婚しない方がいい。
しかもそれが、相手のせいだと思っている人とは。
日常生活を一緒に送る相手が穏やかであること、
毎日が平凡でつまらないことがどれだけ尊いものなのか、
それが分からない人と結婚すると苦労するよ。
だってここで「そっか、ごめんね。
君が入れたいならいいよ」って結婚したとして、
またしばらくすると「つまんなくなった」って言ってくるよ。
毎日見てたらそれが平凡になって、
またつまらなくならないって保証がどこにあるのさ。
それで事あるごとに「この人のしんにょう変だな。
僕はしんにょう我慢しながらつまんないって言われるのか」って
いつか思うときが来ると予想しています。
彼女は一生刺激を求めて生きていくタイプなので
よほど寛大な心で受け入れないと苦しむ時がくるよ。

【いくつもの窓】
織姫っていう額縁が本当にあるのか、検索してしまった。(ありません)
急に仕事を辞めてしまって、繋ぎでバイトはしているものの
自分に対する焦りがあるまま、物語は進んでいき、
祖父の絵を額縁に入れることで何かが始まるのかと思いきや、
何かが変わるわけではない。
人生がそんな劇的なものではないっていう終わり方がいい。


初めて読んだ作者さんだけどすごく面白かった。
湯気のページ数が少ないことに読み終わった後気がついて驚く。
バーっと、色々な気持ちが溢れてくるすごい作品だった。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

そんなこと起きひんやろ!と思うシチュエーションが多々でてくるが、でもそれぞれの登場人物の思いには共感することが多く、繊細な人の気持ちが書かれてるなあと思いました。
物語の前後を想像させられる話ばかりでした。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

初めてのくどうれいんさん。文体は好き。短編ではなく長編のものを読みたい作家さん。もう何冊か読んでみたい。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

生きている中で、自分と人と、こんな関わり方ができたら楽しくて心が満たされるだろうと思えた本。表現の仕方が綺麗でした。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

綺麗な表紙とタイトルに惹かれての一冊

服装や料理が事細く描写されててなんだか若い子のエッセイを読んでいる気分。

娘が大学時代の友人を連れてきて泊まる時がある。
わたしが居ても関係なく会話をする三人はリケジョだからか?仕事や恋愛、結婚にも一言もの申す的な会話で妙に理屈っぽい笑
人を分析し自分を分析して今の自分を納得させているように思いつつ非常に面白い♪
結婚したくない娘、婚活に励んでるAちゃんとスピード婚からの離婚したBちゃん。
みんな自分なりの幸せを見つけなさいね(^_-)

なるほど著者は娘と一歳違い…
感性が若々しいはずだな♪
歌人だからか言葉選びも独特。


若い子に絶大な人気の著者と共感する読者達
一緒に成長していけるのがちょっと羨ましい気もします。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

今っぽさが詰まってる感じの読みやすい短編集。
『スノードームの捨てかた』いいね、同級生。しょっぱなから無花果(いちじく)が冷蔵庫にある時点で都会のオシャレな人たちか?と身構えたよ笑 仲良しでも今の境遇でギクシャクしたり気を遣ったりってフツーにあることだから、テーマとしては古典的だなって思った。
『鰐のポーズ』は境遇は同じでも捉え方が違うことで、あれ、そっち側の人?っていきなり醒める感じが、人間らしくてよかった。つぶれてたほたての最中とか、描写がいちいち意味深で、何かを暗示してるのか??とか、いちいち考えてしまうのが面倒だった(考えなかったらいいんだけど)。でも、とりあえず、むっちゃんは親友ではなさそう笑
『川はおぼえている』現代にそんな出会いあります?宇津木さんが、スラスラと意味深なことを言い返すから、実在してる人なのか、「見えてるだけ」の人なのか途中から信用できなくなった。タイトルが怖いせい?
『背』は本当に可哀想な物語。でももう乗り越えても良くない?おじいちゃんも黒木君も悪気があったわけではないのだからさー。あはは!そうなのよー、可愛いでしょ。と言える日かくるといいね。でもSNS活況のこの時代、もっともっと被害者が増えそうですね…
『湯気』最近の子はそんな理由でタトゥー入れるくらい心理的なハードル低いんですかね。そんな子やめな、とおばちゃんは遠藤君に言いたいです。
『いくつもの窓』これはお仕事系ドラマを見てるようで、私の中では吉岡里帆ちゃんが、ヒロインです。保険営業はキツそうと常々思っていたからすんなり物語入り込めた。画材屋さんで額を買うっで経験がとてもうらやましい!画材屋やんの赤いエプロンをした赤井さん、さりげなくいいことを言う、そういう人になりたいな〜。
「祖父は本当に自分のためだけに絵を描いていた」
自分がやりたいことがわかってる人、実行できる人が一番幸せだよ。がんばれ、かっきー!

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

くどうさんの短編集。正直、響いたのは本のタイトルにもなっている「スノードームの捨てかた」のみ。
他の話は終わり方がスッキリしなくて消化不良な感じ。途中のくどうさんらしさが見える比喩や、どうなるんだろうとワクワクする展開は面白かったけど、表題の作品以外に印象に残る話はなかった。

結婚して子どもがいると持ってる人、かぁ。確かにそう思われるのかもしれない。でも結婚している人は、ちゃんと独身の人生を手放している。どんな人生でもそれが私にとって正解だと信じて生きて行きたいし、他の人に対してもそう思える人でありたい。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表題作の「スノードームの捨てかた」と「湯気」、「いくつもの窓」が印象に残った。
「スノードームの捨てかた」は、三十歳のリアルな姿が描かれていて共感しやすく、少し余韻の残るラストが良かった。
「湯気」は、わかるようでわからない結婚前の男女の不穏さが描かれている。一件、仲睦まじく幸せなように思えるが、1つの大した欠点ではない部分に目を向けるとそれがとんでもなく大事のように思えるような感覚がわかりやすかった。
「いくつもの窓」の主人公はどことなく不幸せだ。自分にとっての理想と現実のギャップに苦しんでいる。そんな主人公が最後に平凡であることの穏やかさを最後に少し取り戻せたような気がして、読んでいて安堵した。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

スノードームの捨て方:穴を掘って埋め戻すという側から見ると無意味な行為が、当人たちには大切な儀式となっている。心に負った傷(=穴)をみんなで埋め戻す。前と変わっていないようで、何かが変わっている。三十代女子たちのリアルな会話も楽しい。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

物語が完結しないから続きが読みたいです…!!
ってなる話が多かった。
くどうれいんさんが綴る文章は
情景が浮かびやすいから綺麗に見える。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

題名につられて、読んだ。スノードームのあれこれがもっと綴られているのかと期待してしまったけれど、風が通り過ぎるように読み終わった。ほかの5つのはなしも同じように感じ、終わり方がどれも続きのままおわるかんじがよかった。

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

手数が多い

言語化がスゴイが
俺の好みじゃないんだよなぁ~

日常のちょっとしたことに
感動できる感性がないと退屈なんだと思う

好きな人は好きなんだろな
と思わされる作品でした

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

初めての作家さん。エッセイも書かれているようなので、今度読んでみたい。

以下は各話の感想。

【スノードームの捨て方】
自分の中学からの地元の仲良しグループと重ねながら読んだ。ライフステージが変わっても、昔のままの距離感でバカ笑いも相談もできる友人は貴重だと改めて感じた。「正解へようこそ」の話は非常に共感できた。私も既婚者だけど結婚や子育てが正解側とされることは違和感がある。

【鰐のポーズ】
主人公は悪いことだと口では言いながらも、誰かに分かって欲しい、慰めて欲しいと思っているようにみえた。対照的に、ようこさんが何も語らないのは誰かと傷を舐めあうことで罪の意識を軽くしてはいけないと考えているように思えた。「大人になったら友達は減るけど増える」とようこさんは言っていたが、主人公には後者は起こらないような気がする。

【川はおぼえている】
最後まで読んで、タイトルそういうことだったのか!ほのぼのした平和なお話。

【背】
まさか最後はそっちの方向にいくとは、、、
黒木くんは悪気がなくても、初対面で私も同じことされたら嫌だし、ちょっと気持ち悪いと思ってしまう。知られたくない過去があるなら尚更なのでラストは仕方ないと納得。


【湯気】
噛み合わない2人。続きが気になる終わり方だった。正直結婚はやめた方が良さそうだと感じた。


【いくつもの窓】
疲れすぎて限界に気付かない時もあるなと思った。自分に合った仕事を探すって大事。最後が前向きな話で締め括らていたのがよかった。

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2025年07月22日

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