【感想・ネタバレ】バリ山行のレビュー

あらすじ

第171回芥川賞受賞作。

古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。

「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)

会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。

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Posted by ブクログ

バリ山行と言う言葉を初めて知りました。中小企業に勤める主人公たちの日常の仕事に纏わる悩みや不安と、登山で体験できる非日常が上手く描かれていて、面白かったです。
ただ、仕事の辛さを忘れたくて現実逃避的に読書をしたい派なので、日常の仕事の辛さを突きつけられてしんどかったです笑。

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

読みやすい。
僕も山登りは好きでしたが、そんな生半可なものじゃなかったので、なんだか恥ずかしいです。
最後らへんは妻鹿さんへのラブレターみたいで切なさがまた良い味でした。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

今まで読んだ芥川賞受賞作のイメージと違って、わかりやすくて面白かった。

バリ山行シーンは、自然の描写が素晴らしい。没入感があり、自分もメガさんと一緒にバリエーションルートを歩いているような臨場感と高揚感があった。

​藪漕ぎを楽しむメガさんの姿が『クレイジージャーニー』アドベンチャーレースの田中正人さんを彷彿させる。
あの異様なまでの「藪漕ぎ」への情熱を実際に観ているので、メガさんのクレイジーな魅力が解像度高く迫ってきて、一気に引き込まれた。(メガさんは鬼軍曹じゃないけど笑)

人付き合いに不器用で不安を抱えがちな主人公と、周りに流されず自分の道をいくメガさん。
両極端のようでいて、自分の中にもどちらの要素もある気がする。

私は山は行かないけど、あてもなく一人で街を黙々と歩き続ける。
ヘッドホンでAudibleを聴きながら歩くと、家で座って読むよりも、頭がクリアになって作品の世界に没入できる。
絶え間なく浮かんでくる不安を払う「歩く瞑想」のようなこの1人時間は、誰かとおしゃべりしながらでは絶対に味わえない感覚だ。
若い頃よりも年を重ねた今のほうが、自分に正直に過ごせている。

決められた道ではなく、自分だけのルートを歩くバリ山行。
タイトルからは全く想像できなかった読後感で、この物語をきっかけに自分自身を見つめ直す時間にもなった。

「メガさんは最後、主人公に何を言ったと思いますか?」
そんな国語の記述問題みたいな問いを勝手につくって、ずっと考えている。
Audibleにて。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事が忙しくても、社内で不安な空気感が生まれても、波多が奥さんとの関係で好ましくない状況になりつつある時も、なんの影響もなく山に登り続ける妻鹿さんの異質な感じが読者の気を惹く。職人っぽい有能さもある。

妻鹿さんにバリに誘われ、読者の自分としても語り手の波多と同じく、妻鹿さんの意外な一面に新鮮さを覚え、職場ではわからなかった親しみやすさを自分に見せてくれていることへの喜びを感じていた。

その一方で、波多は道中で何度も妻鹿さんの生き方は玄人とか常人を越えた感覚を持っているというよりは、単に仕事の現場や世の中から目を背けているだけじゃないか(しかも本人はそれに気づいていない)と思い始める。つまりは常人以下の器の人間だと。

そしてついに思っていることを妻鹿さんにぶつけてしまい、そこから怒涛の後悔。妻鹿さんが自分の知らない間に退職してしまったので、別れのタイミングは最悪なのだが、こういったケースは意外と珍しくはない。というのも、世の中のほとんどの人間関係は、本人からどう思われていたかわからないまま途切れてしまうことがほとんどだからだ。※学生時代に片想いをしていた人が当時自分のことをどう思っていたのかなどがその際たる例である。

なのになぜか妻鹿さんとの別れはやけに胸をざわざわさせるし、だからこそこの作品が魅力的なのだろうと思う。

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2026年04月24日

Posted by ブクログ

山に登った事が無いのに、山の小説が大好き。そんな私が最近山登りをはじめた。そして、この小説に出会ってしまった!自分の会社での立場を投影したり、新しい山登りの感覚を覚えたり、完全に私の人生に大きな影響を与えた1冊となった。面白かった!ドキドキした!ワクワクした!しんみりした!げんなりした!最後は、かぜが吹いてきた!

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

自身も建築に身を置きながら山にも登る人間として、これほど五感に迫り、共感で胸が熱くなった。

道なき道を行く「バリ山行」に憑りつかれた職場の先輩・妻鹿(メガ)さん。周囲からは変人扱いされているが、他人の目に縛られず、自分の思う道をただ突き進む不器用な生き様に強烈に惹かれた。仕事においても経験に裏打ちされた絶対的な安心感があり、「自分もこういう人になりたい」と強い憧れを抱いてしまう。

作中、妻鹿さんの「あれは本物だったでしょ?本物の危機、あれだよ」という言葉が深く刺さった。私自身もかつて山で滑落しかけ、「あ、落ちたら死ぬんだな」と生の輪郭に触れた経験がある。だからこそ、理屈ではなく「深く眠るような感覚」という快楽に近いものを求めて彼がバリ山行に向かう気持ちが、痛いほどよく分かった。

会社のゴタゴタという息苦しい日常から離れ、ただ独り、本物の非日常である山の中へ。 読み終えた今、猛烈に山の空気と風、緑を感じたくなっている。あー、山行きたい。

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2026年03月22日

匿名

購入済み

タイトルの意外性

タイトルの意味がわからないまま読み進んでいく。
途中でバリはバリ島ではないことがわかる。登山の話だったのだ。
山の中の自然の描写、主人公を取り巻く環境、そして心の移り変わりが丁寧に描かれていて一気読みした。

#ドキドキハラハラ #深い

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

会社の仲間との楽しい登山から始まり、わくわく、共感しながら読んでいたら谷底に落とされるような展開。

仕事も人生も見えやすいルートに従っていることが正しいように見えがちで、そこから外れる道もあるというシンプルな二項対立を纏いつつ、山道がこれまでの人々が作ってきた道であるように、そこあるのは線ではなく、面であると気づかせてくれる。

すでに引かれた線でなく、ただそこにある面から、自分だけの線を引けるようになるか。

ひらかれた可能性を感じさせるような本だった。

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

 こういう登山小説があるのかと感心させられた。よく山登りは人生と比喩されやすく、そういう意味では多分に漏れずに本作もその王道とは言えるのではあるが、単に登山だけに止まらず、主人公波多の仕事や家庭などもリアルに描かれて共感も得やすいところがある。
 今や手軽に山登りができる環境が整い、YAMAPを使ったり、オシャレな装備を着こなし、会社の仲間で連れ立って登ることが主流のようになっており、むしろそれが当然のようになっているが、しかしそれは本来の山ではないのかもしれないと思わされた。
 妻鹿という仕事も職人気質の人物が、通常のルートから外れた山行を行う(バリエーション山行「バリ山行」)に同行することになった主人公に変化が生じる。
それは単に1人でバリ山行を行うことではなく、それを通しての仕事、考え方、人生観にまで至る。
 最近低山を登り、少しルートを外れただけで、戻るべきか進むべきかを悩んだ経験のある小さな自分とは比べるべきものではないが、特に後半の山と心理描写が相重なり、まさに山を登らされたような爽快感を伴う文章であった。
 

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

昔よく行った六甲山。バリを進んでいく描写が鮮やかで秀逸。強靭な身体性と目の前の事実のみに向き合うことで得られる精神性。一つの事実をどう捉えるか。お仕事小説でもあり、山小説でもある。

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2026年06月05日

Posted by ブクログ

自由に山を登るルートを決めて、崖でも藪の中でもとにかく行きたい所に行きたいように行くのが楽しそうだった。
普段登ってる道が誰かによって用意されてるなんて考えたこと無かったから視点が増えた。
実際、バリ山行についていくの大変かもだけど、何か男心くすぐる登り方だった。山登りたい。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

「これが本物の恐怖」
で、それ以外はいくら話し合ったって解決しない不安。

本当にその通りなんだけど、
そうだよな〜 と納得できないのが人なんだよな〜と、
妻鹿さんの様に生きれたら楽なのかもしれないけれど、いろんなしがらみや不安に囚われて、それでも前に進まなくちゃいけない主人公の気持ちも、
山で息抜きしたい気持ちも、妻鹿さんの気持ちを知りたいことも、
なんとなく共感できる。

奥様は本当に偉いよ。

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

 会社での生き方を登山になぞられているように思えた。他人の評価を基準にして私たちは会社で働いている。それは登山道を使った無難な登山に似ているのかもしれない。多くの人は栗城のようにありたいと願うのだろう。
 波多は山でも会社でも他の評価を気にせず自分の価値観をもち行動する妻鹿が羨ましかったのではあるまいか。最後の青いマスキングテープの目印は波多が妻鹿の生き方に一歩近づいたということなのだろう。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

短めの小説を読みたいならおすすめ。日常生活から離れる登山を通し、不安や葛藤を自問自答する心情は、自身の経験からイメージしやすかった。目の前の死の恐怖に比べれば、その他の不安は二の次だなぁ、という感想を得られる。ストーリーの終わり方が斬新だった。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

情景描写が抜群で、山の空気や鬱蒼とした山道の匂いまでも感じられた。短いけれど読んだことのない類の小説だった。
会社の方針がある日変わることはよくある話で、それに惑わされない、ブレない自分を保つには会社生活とは別の何かを持っていることが大事だなと。

主人公が感情に正直だった。バリ山行に興味を持ち、最初はワクワクしたものの、危険な目にあった途端に恐れとメガさんに対する怒りで、感情をぶちまけてボロボロになって帰るが、結局最後は山、しかもバリ山行に戻る。

会社も山も描写がリアル。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

面白かった。
関西の不動産管理の会社で働きながら、妻と生まれたばかりの子を養う生活をしている主人公が、同僚との付き合いのために会社の登山部に入る。最初は山登りに普通に惹かれるが、登山部にも入らずに毎週末バリ山行をしているらしい会社のあぶれ者のメガさんに興味を持つ。

バリエーションを略してバリ、公式の山道ではない藪を漕いで、崖をロープで下ったりする独自ルートを切り拓く山登りの話だ。

人望の厚い高齢の専務が辞め、若社長が大きな経営方針の変更を打ち出し、新方針がうまくいかず、従業員のうち誰がリストラをされるかという疑心暗鬼の中、メガさんだけは従来の業務を秘密で続けつつ、休みの日はバリを続けている。そんな超然としたメガさんにバリ山行に連れて行ってほしいとお願いする。

山登りは積み重ねの努力と例えられることがある。でもそれは昔の話になってしまったのだと思う。バリ山行は見晴らしのよい目的地も何もなく、誰も通らない険しい道や藪の中をひとり歩き続けるだけで、いくら努力してもわかりやすい達成感もない。歩いている間、仕事の不安に足潰されそうになることもある。ただ自分の仕事をするだけ、バリだけが本物で、それ以外の同僚の噂や職場の雰囲気は本物ではない。そういうメガさんの発言に見られるバリ山行の登山観こそが、従来のようには見通しが利かなくなつてしまった現代社会に合致しているのかもしれない。

最後、夫婦関係にやや不穏な距離感が出てくるあたりもリアリティがある。

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2026年04月21日

Posted by ブクログ

・面白かった〜。
・物語内で出会う人(物事)に関わる事で、物語の入り口と出口で登場人物が変化している(成長している)、振り返ってみると、そうした物語の定型に思いっきりなっていて、読む前からすると意外な程、王道な、清々しい気持ちになった。結構ストレートに面白い小説だと思った。
・話途中のいわゆる「バリ」登山のシーンは圧巻で、主人公の心情も相まって自分も一緒に登っている気に(しんどい)。
・エベレストの様な高名な山でなく、そこらの住宅街が近くにある様な山で、こんな事が行われるんだ、という驚き。めちゃ見慣れた世界の知らない側面、それを垣間見た様な背徳感と喜び、みたいな。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

波多は転職して今のそこそこ大手の会社に入り、妻娘と社宅で暮らしているが、自分の生来の付き合いの悪さを反省するところもあり、会社の登山サークルに参加するようになっていく。登山の楽しさをわかり始めた頃、会社でやや浮いた感のある妻鹿さんが登山をやっていることを知る。しかも妻鹿さんの登山はバリという登山道じゃない道を行くスタイル。波多は妻鹿さんの生き方(仕事の仕方)にも山登りのスタイルにも反発しながらも引かれるところがあり、そこが描かれていく。
バリ山行の描写などは楽しく読めたものの、主人公の心持ちが今一つ乗れない(共感できない)タイプで入り込めなかった。そもそも家事育児を奥さんに頼りすぎでイラッとするし。いや、そこは本筋じゃないけどね。
妻鹿さんは自分の好きなことを知ってるところは好みだけど、どうしてそうなのか、彼の背景などは書かれないからもやもやするし…。芥川賞作品だから全てわかりやすいのは期待していないのだが。
特にまずい表現などもないので小学生でも読んで大丈夫だけど、向いてない。高校くらいから。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

登山という過酷な経験を通して、普段は蓋をしている内面の思考が溢れ出していく。山と対峙することが、そのまま自分自身と向き合う鏡のような行為へと変わっていく描写に、深い共感をおぼえました。
「山を登る」という非日常が、かえって人間の本質を剥き出しにする。ページをめくるごとに、自分もまた険しい山道に立ち、自分自身に問いを立てているような、濃密な読書体験でした。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

良い意味で芥川賞らしくない面白さがあった。生活に縛られた会社や仕事の嫌らしい描き方はサラリーマン小説っぽくもあり、街に隣接した低山に潜む「本物」の描かれ方は冒険小説っぽくもあり。

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2026年03月16日

Posted by ブクログ

山とは普段は縁がないのだが、先日片道1時間半の登山をしてヒィヒィ言っていたところだったので、身体を動かす感覚などを想像しやすく楽しく読めた(バリ山行はとても出来やしないが)。

先行きの不穏な会社の中でうまくやりたい主人公・波多は少し気負いすぎじゃないかと思ったが、誰しも余裕がない時はこんな感じだろうか。藪の中を突き進む不安感が先の見えない社会生活とも被り、読者である私たちも雑木林の中で戸惑う。進める方向を地道に探り、斜面を攀じ登っていく妻鹿さんのような人はきっと強いだろう。

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

読み易い文章の、お仕事と低山登山の小説。普通の小説としては好感が持てるけど、特別感はあまり無くて、これが芥川賞?と意外な感じ。

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2026年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

# この本の面白かったところ
- 人はいつしか安全な道を違和感を感じず歩むことが当たり前となり、その安全な道以外を歩もうとする人を無意識に敵対視しているかもしれない。

決められた道は頂上に登る道が安全に整備されている、一方で、バリには径が微かにあるものの、時には見えなくなり、時には危険が伴う。
して、頂上に登ることだけが正解ではなく、径を調べ、開拓し、目の前にある恐怖や行き来を楽しむ、それがバリである。

登山もキャリアと同じで、自ら道(正解)を創り出すこと活動こそ、その活動の中でいろんな出会いや楽しさ・恐怖がある。

今の社会はあまりにも短絡的に成果や結果を求めすぎているのではないだろうか。

# ハイライト
- 登場人物
- メガさん:群れるわけでなく、自分のやるべきことをやるだけと言い、目の前の仕事に向き合うサラリーマン。仕事は恐らく丁寧であり、リピーターも一定いる気がする。ただし、群れることを嫌う性分なため、会社からの評価はいまひとつ。毎週バリ山行にいく。
- 波多さん(主人公):3年前に大手リフォーム会社からリストラとなり、現在の50名規模の会社に転職をしてきた。前の会社では、 群れることを避けてきたものの、現職では前回の反省から会社での人付き合いもそれなりに。登山に誘われ、毎週末行くようにもなり、登山部に所属。大学時代の情景も描かれているように人付き合いは苦手ではないはず。
- 新田テック建装:50年前からに設立し、現在2代目。外壁工事を専門に、元々は元請け工事も行っていたが、藤本常務退職後に下請け業務1本化の方針へ。ただ、アーバンからの発注が停滞し、会社は不安定に。

- 波多さん自身は過去の経験から得意ではない人付き合いを始めたり、他のハイヤーをマネして、ファッション性の高い服を新調したり、会社が傾き出した際は、自分自身がリストラ対象にならないように上司や他部署の上席と得意でもない、人付き合いとしての飲み会などに参加。会社の方針や意見などをお互いに言い、傷の舐め合いをしている。一方で、メガさんはそれらとは距離を置き、どんな状況であっても、社内の人と群れることなく、自分のペースで自分のやりたいように勝手に仕事をする(廃止となった元請け工事も行ったりなど)。いつしか波多さんはメガさんとバリに行ってみたいと思うようになる。そんな中、メガさんにクレーム案件を対処してもらう。その案件から帰ってくる際に、メガさんへバリ山行の依頼をし、有給を取って行くことに。
そのバリ山行では、楽しさを感じつつも後半は死ぬかもしれない体験やメガさんの言動に苛立ち、メガさんに対してリストラ対象や会社の実情など不満を吐露してしまう。
- バリ山行は、道なき道をいき、登山のように整備された道で頂点を目指すわけではない。メガさんにとってバリの醍醐味は、最低限の武器(地図)を下に、自分自身で道を見つけ、現れた道に向き合い、その道を進んでいくこと。時には危険が伴うが、それこそが本当の恐怖であること。槇さんがいう「元々登山はすべてバリであった。それがいつの間にか人の手で整備され、頂点を目指すようになった。」

# 気づき・学び

- この作品は、ビジネス社会・キャリアを登山に倣って描写している。いつしか、人は誰かが創った道や整備された道を歩むばかりになっている。ただ、元々は誰もが道なき道を自ら歩み、道をつくり出している。その道を創り出す中にしか本当の楽しさや恐怖は体験できないし、人間味は創られないのかもしれない。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

いくら頼まれたからと言って、はじめていくバリルートで「ついてこれるならついてこい」みたいに扱わないだろうにと思った

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

なんて言えばいいんだろう、主人公の仕事と登山から人と会社を読む本なのかなと思った。
人の描写がどうも生々しさを感じて良い、それが登山と仕事での風景を通じて描写されるからテンポがいいのかなって。

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

バリ島じゃなくてバリエーションルート登山でした
著者は六甲山の森の中をうろうろしているんですね
登山中の妻鹿さんは野生動物のようでかっこいいと思いました
波多さんはもっと育児しないとね

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

職場で似た立場にいる人は多いのではないだろうか。主人公やメガさんのその後を色々考えてしまうが、これと容易に想像できないところがいいのか…バリやってみたい

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

再就職した会社の仲間と登山へ行く波多。一緒になった妻鹿は、少し変わった登山を好む。バリ山行、バリエーションのある山行。普通の登山道ではないルートを好む。
経営不安な会社の方向性に揺れる波多。バリ山行に惹かれていく波多。向かう先は…

山行の小説かと思っていたら、意外と会社員の生き様だったりして…。面白かったけど、子どもを奥さんに任せ過ぎな波多にイラっとした。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

揺るがない軸がある人ってかっこいいよね。
死に近づいたけど生きていた、という体験をすると、他のことがちっぽけに思えるのもありそう。

バリエーションルートでの山行、ハマったら確かに抜け出せなさそう。
家族はヒヤヒヤだろうけど…

自分の中で何が大事か、何を大事にしたいかを見極めるのは大事だろうなと考えさせられた。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

バリ山行、バリってなんやねん。海外か、海外の山登るんか?そう思っていたのですが、中身は会社のメンバーで六甲山を登るところからスタートしてました。海外はおろか、舞台は六甲山。バリとはバリエーションのこと。登山道ではない道を行く。ルートを外れた道を行く人たちがいて、その人たちの思いを本人と他人の視点から建前と本心とで描かれていたと思う。
この本、そもそもバリ(というか険しめの山)の知識がないと脳内再生が難しく、多少登山をする程度の私ではまだまだダメでした。
一回で悟りきれなかったのと、ボリュームがないことから、スルメしても良いかもしれない。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

この小説は2024年上半期の芥川賞受賞作。近年話題となった芥川賞受賞作は、つい『人間が壊れているのではないか』と思ってしまうような作品が多い。その点、この小説はそんな作品と違って『ごく普通の人間』、つまり愚かで気の弱い、それ故会社内での付き合いや営業成績に一喜一憂している普通の会社員が主人公。そんな主人公が心引かれた人間はバリ山行をしている先輩「妻鹿」。バリ山行とは一般的な登山道ではなく、地図にないような場所を、ナビゲーションやロープワークなどの技術を駆使して登る登山スタイル、いわゆるルール違反的な登山スタイルだそうだ。当然 遭難のリスクも高い。
主人公はその先輩に頼んで初心者でも出来そうなバリ山行をしてみるが、無理をして怪我を負ってしまう。その時、会社が倒産するかもしれない、リストラされるかもしれないのに平然とバリ山行していて「こんな風にバリしていると死ぬかもしれない、怪我するかもしれないと言う本当の危険を感じることが出来る」と言う先輩に、主人公が頭に来て言った言葉。
「危険は山にあるのじゃない。危険は街にあるんだ。」この言葉は
私のような一般的平凡な人間には理解出来る。会社が倒産する、会社からリストラされるは、自分が社会から弾き出されるかもしれないと言う恐怖があり、家族に対しての申し訳のなさ、家族からも見離されるかもしれないと言う危険もある。まさしく街と言うか、世間、身の回りこそ予測出来ない危険があるように思える。
にも拘らず何故、主人公の会社は倒産を免れ、主人公自身もリストラされなかったのに、主人公はバリ山行を再開したのか。
作者の意図、考え方は分からないが、先輩「妻鹿」が社長と言い争い、会社を辞めたことがきっかけだろうと思う。ルールから外れた行為をする。それは社会にも、会社にも、家族にも迷惑をかける行為となるかもしれない。しかし、それさえ覚悟していれば、ある意味「恐い物はない」のかもしれない。勿論、常識としてそんなルール違反をしてはいけないことは分かっているし、実際出来もしないけど。
まぁ何はともあれこの小説は、人間関係は微妙にえげつない感じだが、自然描写は綺麗で、描かれている景色を観てみたいと思わせてくれる小説だと思う。

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2026年03月19日

購入済み

読みながら何度も深呼吸

何年か登山をしていますが初めて聞きました「バリ山行」。
山との向き合い方は人それぞれで、登場人物達からもそれを改めて感じました。
主人公の仕事(人生)と山行、そして自分の現状ともクロスするようで、胸が苦しくなり何度も深呼吸しました。

#深い

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2024年08月23日

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