ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 正体

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    ネタバレ

    一家3人を惨殺した容疑で死刑囚となった少年の脱走劇。
    本当に彼が犯人なのか。

    もう一気読み!

    これから読まれる方はぜひ作者のあとがきまで読んでほしい。
    冤罪で死刑宣告を受けた人も現実にいることを知ってほしくて、あのようなラストにしたと。

    現代ではDNA検査など科学的捜査も進み、昔と違って自白が必ずしも有罪の決め手にはならないとはいうが・・(憲法38条で強制や拷問による自白は証拠とすることができないと定められているのですね)。

    少年が逃亡先で出会う人たちとのオムニバス形式の物語一つ一つがとてもよかった。
    中でも怪しい新興宗教に誘われてしまう田舎のパート主婦の話が好きだった。パート主婦のそ

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    2025年11月23日
  • 彼女たちは楽園で遊ぶ

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    めっちゃおもしろかった。今まで読んだ町田そのことテイストがかなり違って、ドキドキハラハラする話だった。

    宗教はどの国にもあり、ある程度は必要なものかもしれない。人々は、信仰する対象があるだけで安心するし、その信仰心から決心がついて事がいい方向に進むこともあると思う。日本は無宗教の人が多く、その感覚はあまりないかもしれないけど、助けを求めている人は意外とたくさんいるし、助かるためなら周りが見えなくなってもおかしくない。

    古の時代から、友情はきっと大切なものだったし、素敵なものだった。その友情を、歪んだ形でも守り抜きたいと思うほどの思いの強さと、それを今の時代までつなげていくホラー感で、最後ま

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    2025年11月23日
  • 墓じまいラプソディ

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    石屋に嫁いで17年。

    この本は、読まなきゃ、と思っていた一冊。

    そして読後、感想をめちゃくちゃ考え一生懸命書いていたら、いつの間にか寝落ち。



    全て消去。


    は?

    この経験皆さんありますか?

    絶望しました。うっかりすると全部消えてしまうのですね…(-_-)

    さて、気を取り直して感想を。ちくしょ〜。


    この本は、姑の「絶対にお父さんと同じお墓に入りたくない!」「樹木葬にして!」という遺言から墓じまいへと話が進むのだが、まあ色んな問題が寄せ集まってくるのです。
    主人公は松尾五月61歳。(この方の夫の母の上記の遺言から騒動が勃発。)五月は娘が二人いるのだが、二人共未婚。片方は結婚後

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    2025年11月23日
  • 百年法 下

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    ネタバレ

    SFのはずなのに身に迫る現実感がすごい。
    上巻での後手後手に回りまくる日本の姿とか、存在しない事象を巡る話なのに説得力がありすぎる。
    ずっとみんながみんな自分だけの立場から身勝手なことばかり言っていて、まあそれが人間らしいと思ったしその集合体が国であり代表が政府だと思って読んでいたけど最後の最後に人のための決断をした国民たちの流れが希望的で素敵だった。
    個人的には牛島大統領と遊佐首相の確かに存在した絆がわかった時すごく胸熱だった。

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    2025年11月23日
  • ごんぎつね でんでんむしのかなしみ―新美南吉傑作選―(新潮文庫)

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    「ごんぎつね」と「でんでんむしのかなしみ」が有名な新美南吉さんの傑作選

    どれもよかった

    自然描写が繊細で美しく、一つひとつの葉や風や川の流れに惹き込まれる。

    そうしてはじまる、いろいろな物語の、ふとした隙に「お母さん」というものが出てくる。

    ちよっと気を抜いて読んでるときにふと、あーここでも出てきたなとなる

    胸がキュッとなるような苦しさ、せつなさ
    なにがしかの喪失を感じる


    新美南吉さんの年表史を読み、4歳でお母さんを亡くされたことを知る
    その後もいろんな悲しみを経験し、悲しみを受け入れ、死をも受け入れていく、そういう新美南吉さんだからこそ、こういった童話が生まれたんだろうなと思っ

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    2025年11月23日
  • ナモナキ生活はつづく

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    寺地さんの小説が好きだ。でも、エッセイも大好きになった。とても面白い。寺地さんとは同じ年生まれなので忍者ハットリくんやスチュワーデス物語など楽しんできたものが同じでものすごく嬉しい。小説でもここでも、本はたくさん読んでるからえらいとかすごいとかではないと書かれている。同じように映像や音声だとついていけないので(耳だと覚えられない事も多い)自分のペースで楽しめる本が合っていて好きで楽しい。
    そして同じように、年を取ることが悪い事だとは全く思わない。当たり前に誰でも年取るからね。
    「教官、共感しないでください」「夢の退職願」を読んで、すごくすてきな人だと感じた。
    今日、久しぶりに会った孫にこの間選

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    2025年11月23日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    ネタバレ

    編集者、小説家、引きこもりの女子大生、高校生…それぞれの立場から。
    ハラスメントの数々や暴力、突き動かされる怒りや愛の形。
    人の怒りや思いが別々の方向へ向かって行く。同じ世界の住人でありながら、それぞれに戦っている。

    何だか…繋がることも、壊れることも一瞬で、
    という事があるんだなぁ。
    あの様な最期を迎えたけれどとても真摯で共感できた。
    すごい小説を読んでしまった!
    という感想。2度読みです。敢えてとばしたページもあったけど。

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    2025年11月23日
  • バッテリー

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    年齢設定に違和感があることはさておき、物語の背景は昭和の感じで懐かしい。忘れていた熱い気持ちが呼び覚まされるようだ。それが作者のメッセージと感じている。

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    2025年11月23日
  • 時をかけるゆとり

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    爆笑必至的なあおりで、本当に吹き出す羽目になったのはこの本が初めて!
    朝井作品にはまったく触れたことがなかったから、これを機に読んでみたい。

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    2025年11月23日
  • きょうりゅうのおいしゃさん ~ぴっかぴかえほん~

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    恐竜がとぼけた感じでみんな可愛い。フクイベナートルさんが急いでるのにお医者さんだから皆の困ったを解決してあげるの偉すぎ。おめでとうね!

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    2025年11月23日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    第二次世界大戦前の1925年にドイツで生まれたドイツ人の“ぼく”とユダヤ人の幼馴染、フリードリヒとの日々を通じて当時のヒトラー政権下のドイツを描く作品。

    これはできるだけ多くの人に読んで欲しい

    当時のドイツにいるユダヤ人たちの状況がとてもリアルに描かれているのではないだろうか。
    とてもつらい。つらいけど、きっとそうだったんだろうな、と思う。
    訳者あとがきによると、著者はフリードリヒたちと同じ1925年生まれ。おそらく作品内のほとんどが著者自身が体験したことだろうと書かれている

    120ページで主人公の父が、フリードリヒの父親であるシュナイダーさんに「(中略)早く、でておいきなさい!」と言う

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    2025年11月23日
  • 西行花伝(新潮文庫)

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    西行の一生を架空の弟子藤原秋実が追う物語。

    21帖700ページに及ぶ大作で、近代小説的なナラティブに最初面食らったが、それでしか書けない物語があると読み進めていくに思い直した。

    辻邦生さんが思う「芸術家はかくあるべし」という理想が、西行を通して存分に描かれている。

    辻さんは芸術家の一生を追う作品をいくつも描いているが、これが彼の最高傑作ではないか。

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    2025年11月23日
  • 変な家2 ~11の間取り図~

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    家とはその人、その家族が歩んできた歴史だ。
    読みといていくことで、そこに住んでいた人がどんな生活をしていたのか想像することが出来る。
    そんな“個”の家が、こうしてストーリーとして繋がっていく。なんて面白い視点なんだ、と。前作に続き、さらにパワーアップしていてとても良かった。

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    2025年11月23日
  • おいしい季節がやってくる。

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    ネタバレ

    短い話の集まりみたいな感じですが、少しずつ繋がりがあり、それぞれ感動する話でおすすめです。

    個人的には最初はそこまでかなと言う印象ですが、あとの話が感動的だったたので星5とさせていただきました。

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    2025年11月23日
  • 最後の医者は海を望んで君と生きる

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    ネタバレ

    桐子と福原がライバルではなく、友達として心の中のとても深いところで繋がっていたことがわかった。二人とも生きることに真面目で一生懸命で不器用でもがいている。桐子のヒーローが誰だったのかも納得。いなくなっても音山はかけがえのない友であることも心を締め付けられる。一見してチャラ男だった尋も子供のように純粋で情熱的な愛情を持った優しい若者であり、本人も気づいていないような大きな愛で藍香を悲しみから解き放っていく。最初から最後まで心が震えて思わず涙が零れ落ちてしまう作品。

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    2025年11月23日
  • 塞王の楯 下

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    下巻。大津城攻防で楯と矛があい見える。どちらにも正義があり、どちらにも想いがある。戦争とは矛盾のなかにある。

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    2025年11月23日
  • 赤と青とエスキース

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    “一枚の絵画”は全てを見ていた!!
    思い出の詰まった絵画って素敵ですよね~

    絵画のタイトル『エスキース』に込められた意味
    絵画をきっかけに動きだした人たちが
    思わぬ形で繋がっていく、、、

    最後まで目が離せない作品でした!


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    2025年11月23日
  • 赤と青とエスキース

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    読もう読もうと思って、なかなか読めなかったのだけど、やっと読めた。
    ニ章の話が特に好きだった。
    エピローグを書くか書かないか、読者の解釈に委ねるのかどうか、好みが分かれるのかなぁって思ったけど、私はとても清々しい気持ちで読み終えることができたので満足。
    まさか、そこにユリさんが・・・が一番の驚き。

    好きを仕事にした人たちの苦悩も、歳を重ねながら折り合いをつけて、
    最終的に、これだってものになったらいいよねと思う。

    絵は、死すことはない。
    画家が果てたとしても、見る人がいる限り未来永劫に生き続ける。

    芸術の秋だし?美術館にでも行こうかなぁ。

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    2025年11月23日
  • 死体が教えてくれたこと

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    この本に出逢えてよかった。悟りの境地に達しているというか、真摯に死に向き合い続けていると、かえって流れる水のように素直になっていくのか。生きている人間より、ご遺体のほうが嘘をつかないことを、上野さんは身を持ってご存知なのだろう。上野さんのご両親の子育ても素敵で、本のタイトルとはかけ離れているけども、子育てに行き詰まっている親世代にも読んでほしい。

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    2025年11月23日
  • 凍りのくじら

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    やばい、この本は。圧倒されたし、涙が出た。

    主人公の芦沢理帆子は、天才カメラマン芦沢光を父に持つ。父の影響で、『ドラえもん』が大好きな彼女は、藤子・F・不二雄がSFを「少し・不思議」と解釈していたのを真似て、周囲の人々に「SF=スコシ・ナントカ」という個性を当てはめている。

    理帆子は高校で不思議なオーラをまとう別所あきらに「写真のモデルになってほしい」と声をかけられ、彼と親しくなっていく。彼を通じて父の友人である松永の私生児、松永郁也と、彼の世話をしている多恵に出会う。

    理帆子の元彼の若尾大紀は本当にどうしようもないやつで、言葉が通じない子供。読んでて本当にイライラするけど、辻村さんの人

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    2025年11月23日