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Posted by ブクログ
エリートでもない、出世街道を進むわけでもない、ただひたすらに日々の仕事や生活に向き合っている人たちの物語です。
主人公は新卒で人材派遣会社に採用された女性社員。営業部での成績は揮わず、やらなくてもいいことをやる、もしくは普通なら言われなくてもやれることができないとしっ責続きで、採用されて一年と経たずに使えない社員の漂着先とされているAI推進部に異動になってしまう。やるせない気持ちを抱えて仕事を辞めてしまおうかと考えかけていた彼女を変えたのは、とある魚屋さんとの出会い。熱帯魚などの生きた魚を扱うその店の店主の言葉は彼女の心持ちや考え方を少しずつ変えていく。そして、AI推進部の他のメンバーもまた様々な葛藤を抱えて日々の仕事に向かっていたけれど、行動まで変化してきた主人公と共にいるうちに、段々と雰囲気が変わっていく。しかし、会社からはついに退職勧告が出されてしまって――。
このお話は、私には刺さる部分が多くありました。
私は長く派遣会社のスタッフとして働いていました。正社員で職に就いて、けれどあまりの激務で身体を壊して半年で転職、収入が途絶えては困ると就職活動をしながらも派遣スタッフとしても働くということを繰り返し、履歴書など書きたくもないくらいの職歴があります。誰でも替えのきくコマのような働き方を長くするうちに、自分のことがきちんと見られなくなっていったことを思い出します。このお話は人材派遣会社の登録スタッフを使う側の視点ではありますが、人材コーディネーターというのはこういう働き方をする面もあるのか、と改めて感じたりしました。
自分の将来を、もうずっときちんと考えたことがありませんでした。最近になってようやく、大人だって夢を持ってもいいんだ、夢を叶えたいと思っていてもいいんだ、と考えるようになりました。この本は、そんな今の私の背中を押してくれたり寄り添ってくれたりするような一冊だと感じています。
四色ボールペンのように、どの色の感情を選ぶかは自分で決められると作中で話しているシーンがありました。私がいつも選んでいる色は何色だっただろうと考えさせられました。そうか、自分で選んでいいんだと、なんだかぽかんとしてしまったようにも思います。
世界を変えるのは環境じゃなくて、自分自身の心なのだと言ってもらえたことが、なんとなく少し嬉しくて。今からでも、私も自分を変えることができるかもしれないと思わせてくれました。元気をもらった気がします。
悩んだ時に、読み返したい一冊です。
Posted by ブクログ
ここ最近で社会人お仕事系のいくつかの小説を読んだけど、1番サラッと読めた。自分は割と流し読みが多いというか、描写のイメージが付いたら、それ以上の補足が文章としてあったときに、その文章も全て読むとなるとテンポが悪いなと思って割とストレスに感じることが多い。だから、小説の世界観だったり、主人公のプロフィールとかがわからない序盤こそ一言一句読むけど、ペースがわかって来たらさーっと流しながら読んでいくことが多い。そういう読書習慣の中でほとんど流し読むことなく、それでいて飽きなかった印象。なんか、主人公の女の子がフワッとしてる子だけど、頑張ってる姿とかが想像できて良かったし、仕事を続ける仕事観みたいなものが見えた気がする。仕事観は人それぞれだと思うし、自分がそれに合わせる必要もないと思うけど、それでもそういうのもあるよねって思えたのが良かった。
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