小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
自分がこれからどう生きていきたいのかを考えることの大切さを感じた。
主人公の文哉は、農業の師であった幸吉を亡くし、自分のこれからについて悩みながら、幸吉の親友である市蔵の暮らす山へ向かう。自然の中で生活する中で、文哉が少しずつ自分の気持ちと向き合い、自分らしい生き方を見つけていく姿が印象に残った。
特に、都会で働くことや田舎で暮らすことのどちらが正しいということではなく、自分にとって何を大切にして生きるのかが重要なのだと感じた。周りから見れば遠回りに思えることでも、自分自身で経験して納得することが大切なのだと思う。
自然の中での暮らしや、人とのつながりが丁寧に描かれていて、読んでいて気持 -
Posted by ブクログ
『アルプス席の母』を読んで、高校野球は選手だけではなく、周りで支える人たちの存在があって成り立っているのだと感じた。
主人公の菜々子は、甲子園を目指す息子のために神奈川から大阪へ引っ越し、慣れない環境の中で息子を支えていく。父母会の人間関係や厳しいルールなど、野球の華やかな部分だけではなく、その裏側にある大変さが描かれていて、とても印象に残った。
特に心に残ったのは、息子のために悩みながらも、最後まで応援し続ける菜々子の姿だった。子どもの夢を応援することは、ただ見守るだけではなく、親自身も一緒に悩み、苦しみ、成長していくことなのだと思った。
野球に詳しくなくても読みやすく、登場人物たちを -
Posted by ブクログ
『青のナースシューズ』を読んで、看護師という仕事の大変さだけでなく、人を支えることの意味について考えさせられた。
主人公の成道は、家族を支えながら看護師を目指し、さまざまな悩みや葛藤を抱えながら成長していく。その姿がとても印象に残った。患者を支える看護師も、決して一人で頑張っているわけではなく、周りの人に支えられながら成長していくのだと感じた。
また、頑張ることだけが大切なのではなく、誰かに頼ったり、支えてもらったりすることも大切なのだと思った。医療や看護の話ではあるが、それだけではなく、人との関わり方や仕事についても考えさせられる作品だった。
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ4.5くらい。
どれも面白かった。
お菓子と謎解き。
謎がお菓子の構造とかかった構成で面白かった。
「桑港(サンフランシスコ)クッキーの謎」
1年の2月の話。
p.25
「よし、焼こう」
「ばかやろう」
返しのテンポがいいなあ。
p.32
「小佐内さんのタイプってどんなひと?」
「ええと」
ひとしきり考えた、ようやく出てきた答えは、
「エカテリーナ二世……?」
だった。どうして。
この二つの場面が特に好き。
丹念に調べ上げるのが高校生離れしているけれど、これくらいの胆力が無いといけないものだよなとも納得できる調査と推理で面白かった。
美術=絵画という固定観念を造形という立体物として -
Posted by ブクログ
単行本刊行後すぐ、ということは約10年前にも読んだ一冊。『神さまたちの遊ぶ庭』を読み、トムラウシの山の中で本作が書かれたと知って再読。
あらすじはほとんど忘れていた。ただ、胸の中をそっと撫でられたような優しい手触りの読後感を覚えていた。今回再読して、その理由がわかったような気がする。劇的な出来事は起こらない。主人公に特殊能力があるわけでもない。わかりやすいハッピーエンドもない。それでも物語の素晴らしさは、しとしと降る雨のように私たちの胸を濡らしていく。
いい物語ってこういうものだよな、と改めて思う。10年経っても読み終わったあとの感覚が残っているもの。記憶よりも心に残る作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレひとひらの雪片が地に降りる前に雨となり、泥濘みを生じる。
雪の美しさは、-イデアは、雨や泥濘みとなって失われたのか?
この問いへの答えとして、僕らは自ずと円環の摂理を見いだすだろう。
絶対的な美や善、光と理想だけで作られた世界と、理想の影にすぎない現実の世界、というプラトンが説くような二元論とは違う、東洋的な感覚。それは韓国でも日本でも同じく、なじみ深い感覚なのだろう。
消滅と薄暮の中にある世界。それは絶望でも欠落でもなく、儚くともあるがままの生だ。
人生は理想に向かって前に進む訳ではない。ひとときの煌めきと、繰り返す苦しみの連続だ。
だがそれは何度でも新しく生まれる世界とも言えるだろう。
-
-
Posted by ブクログ
高校の時に全部読みはしたが、教科書に載っていた部分、Kが登場する場面しかまともに覚えていなかった。当時は、先生の人間らしさが印象的だった。再読した今も、考えすぎる性格によって苦しんだり、人間不信のまま人と関わったりする様子が特に共感できた。
ただ、上と中の「私」が語り手である部分では、私自身も先生が(人間らしさとは別の点で)魅力的な人物に見え、「私」のように惹かれていった。先生の人生に影を落とした過去や、そうした過去から厭世的であったり人間を信じられずにいたりする点、懊悩に苦しみつつも「私」や妻に過去や内面を見せない点が、彼のわからなさや矛盾がそう感じた理由だと思う。
Kが自殺した理由につ
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。