小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
再読。
5年くらい前に読んだ時は意味がわからなかったが、改めて読むと「喪失と回復」、「紐帯と疎外」をテーマにしていると感じられた。
気づいたら自分が「僕」と鼠の年齢を超えている。
自分はちゃんと痛みを乗り越えられているだろうか?然るべきタイミングで正しく傷ついて、出口に向かえていたのだろうか?
p15.物事には必ず入り口と出口がなくてはならない。
p30.ピンボールの目的は自己表現にあるのではなく、自己変革にある。エゴの拡大にではなく、縮小にある。分析にではなく、包括にある。
p172.「なあ、ジェイ、だめだよ。みんながそんな風に問わず語らずに理解し合ったって何処にもいけやしないんだ。 -
Posted by ブクログ
新宿鮫は1990年にシリーズが開始されているらしい。
今作は短編集を含むと13作目。全て拝読しているがずっと魅力的で面白くあるのはとにかくすごい。新宿鮫のイメージは壊さず、でも進化してる感がすごくつたわってくる。
今作は結構ボリュームがありましたが、それでも足りない!と思わせてくれる面白さでした。
金石という集まりについても考えさせられるな、と。日本人で中国人でもない人たち。きっと想像もできないような苦労があるのだろうとおもう。根底はそこなのだろうか、そこからの派生がおおきな事件に。今作は独特な凶器がフューチャーされていて怪傑の切り口も面白かったです。 -
Posted by ブクログ
黒田みつ子33歳。独身彼氏なしの主人公が恋愛や今後の人生についての気持ちの揺らぎや葛藤を描いています。
脳内のAとの会話やノゾミさんとの会話、多田くんとの会話。そして、みつ子が聞いた他人の会話など。私はやっぱり綿矢さんの書く会話劇が本当に好き!
リアルで繊細な描写は読んでいて楽しいし、グサグサ刺さる!
イタリア旅行に行く飛行機のシーン。主人公のフライトに恐怖する様子が面白かったです!あまりにも丁寧で詳細すぎて綿矢さん自身の気持ち…?と思ってしまいました
物語が進むにつれ、みつ子が少しずつ前に進む様子もよかったです。前向きな気持ちになれる作品でした。
ラストのAへの感謝のメッセージも心が温 -
Posted by ブクログ
ネタバレユーモアミステリ、本格ミステリ、短編集。
①殺人現場では靴をお脱ぎください
靴を履いた死体。ブーツ。
犯人、死体かついで運んできた? 犯人は男?
部屋、乱雑。
絞殺。
被害者、忘れ物をして家に戻る。ブーツ脱ぐのが面倒だったので、履いたままハイハイ状態で入る。そこに忍び込んでいた犯人。犯人、後から馬乗りになり絞殺。
足音の件といい、ミスリードと伏線がうまい。
②殺しのワインはいかがでしょう?
夜に停電。
アナログ時計、遅れていた。1時間42分。
れいこ、遅刻。
被害者、ワイン近くに。
毒殺。
ワインやグラスには毒ない。犯人があとから入れ替えた。
影山「失礼ながら、お嬢様の目は節穴 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまでに読んだ湊かなえさんの作品の中で、私にとっては最高傑作だった。
途中からは父の息子を愛する想いに反し、ボタンの掛け違いで全てを失った現実が苦しすぎて涙が出そうになってしまった。
蝶に魅了されすぎた結果、最愛の人を失い、蝶ではなく、人として生を終える。グロテスクな話なのに、蝶によって美しい物語に感じる奇妙さもあったせいか読み進めやすく、読後の気持ち悪さもなかった。
湊かなえさんのことなので後々どんでん返しが来ることはわかっていながら、後半に明かされる真実に結局驚かされてしまう。
真犯人が史郎→至→杏奈→留美と移り変わってゆくにも関わらず、その全てに違和感がなく騙されてしまう構成は流石だっ