あらすじ
偏屈だが解剖の腕は超一流の光崎藤次郎教授が率いる浦和医大法医学教室に、城都大附属病院の内科医・南条がやって来た。前日に搬送され急死した前都議会議員・権藤の死に疑問があるという。肝臓がんが死因とみられたが、九カ月前に受けた健康診断では問題がなかった。捜査に駆り出された埼玉県警の古手川は、権藤の甥が事故米を使って毒殺を目論んだ証拠を掴む。しかし、光崎が司法解剖から導き出した答えは恐るべき感染症だった! 直後、権藤の周囲で新たな不審死が判明。感染源特定に挑む新米助教・栂野真琴が辿り着いた驚愕の真実とは――!?
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「ヒポクラテス」シリーズの第3弾!ただいま、戻りました(・ω・)ノ
ことの発端は、浦和医大法医学教室の光崎教授のもとに、城都大学付属病院の南条教授が訪れたことだった。南条教授は、昨日搬送され急死した前都議権藤の死因に疑問があり、三崎教授に解剖を要請する。結果、死因は肝臓がんではなく、エキノコックスという寄生虫に侵されていたことが判明する。そして第二の被害者が…。埼玉県警の古手川刑事、法医学教室のキャシー准教授、そして主人公の栂野真琴助教授は、エキノコックス禍によるパンデミックを阻止するべく奮闘する。被害者たちの共通点が4年前のニューヨーク視察にあったことを突き止め、キャシー准教授とともに現地を訪れた栂野真琴がたどり着いた真相とは…。
今回も期待を裏切らない作品でした。いつもとは異なる光崎教授、キャシー准教授のルーツとか、読みどころ満載でした。古手川刑事と栂野真琴の関係性にヤキモキしながらも、アメリカと日本との国民性の違い、もっと言えば根深い人種差別とか、パワハラ、議員の不正問題とか…大きな社会問題をはらんだ内容で、読ませてくれましたねぇ…!第4弾、ますます楽しみになりました!
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面白い。寄生虫による死亡事故から展開する物語だが切れ味抜群で、日本→米国と移動して事件捜査が進む様はミステリ小説ではあるが、とても出来のいいドラマを見せられたような気持ちよさがある。
クライマックスで見せられる人間の闇、罪と罰、それらの姿には思わず身震いした。読み終えて娯楽小説の楽しさと社会派推理小説としてのテーマ性の高さ、この両立という巧みさに舌を巻いている。素晴らしい。
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ヒポクラテスシリーズ第3弾。
何の自覚症状もなかった人が急激な腹痛に襲われ亡くなります。検査の結果、異常に早く悪化する肝臓がんだろうとの事だったのですが、光崎が解剖すると本当の原因が明らかに。また、同じような症状で亡くなった方が他にもいたと判明し、更に二人には接点がある事が分かり・・・原因究明の為、キャリー先生と真琴先生はアメリカへ。
なんとなくコロナ騒動の0日目を見たような気分。『小説NON』掲載はコロナ禍前の2017年でビックリ。真琴先生と古手川さんの関係性も気になる。
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シリーズ3作。肝臓癌による病死かと思われた症例、実は突然変異した寄生虫による死であることが判明。原因は、議員視察とは名ばかりの海外での豪遊に隠された秘密にあった…。ロスに飛んだ真琴とキャシーの活躍で解決した事件だが、本当の原因は蟲の毒ではなく人の毒。古手川と真琴の仲も進展、今後に期待。
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他の中山作品にも度々登場する光崎教授の下で働く真琴が今作の主人公です。古手川やキャシーといった面々も活躍します。中山作品には珍しく社会的な面が強く、パンデミック、人種差別、政治家の汚職などなどが上手く絡まって物語が展開されていきます。恐らく、コロナ禍を意識されているのではと感じました。また、どんな事件も元を辿れば人為的なものだという中山先生からのメッセージを受け取ったような気がします。
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都議会議員たちが官費でアメリカ視察旅行へ行き、エキノコックスという寄生虫の感染症にかかるという話。肝臓がんに似ているが、それを暴くのが光崎教授(厳密には城都大南条教授がきっかけだが)というのがポイント(今回キャシー先生と真琴がアメリカへ真相解明に飛ぶが、アメリカの検死界の権威たちが教授への憧れを隠さないのがびっくり。日本ではそう評価されないのにそれほどの存在とは!)
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久しぶりのヒポクラテスシリーズ。
いろいろな意味で怖さ、おぞましさがありました。
どんでん返しがなくても十分読み応えありますが、ちゃんとあると、そういえば中山作品だった、と思わされます。
「格差の根底には人種差別があります。もちろん、それが全ての元凶とまでは言いませんが、世界中で起きている悲劇の多くは他人を理解せず受け入れようとしない狭量さに起因しています。」
本当にその通りだと思う。
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面白かった!!
まさか真犯人がペギョンとは想像もできなくて、最終章の種明かしはゾクゾクしました。
同時に売春という社会の闇にも触れ、社会問題も絡め合わせた、秀逸な一作だと感じました。
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シリーズ3作目で、これまでの作品が連作短編の形式で会ったのとは異なり、一冊を通して一つの大きな事件を扱っています。
普段は死者の解剖から真実を明らかにしてゆく光崎教授ですが、こんかいはエキノコックスという寄生虫の変種が感染を広げているかもしれないというパンデミックの危機に立ち向かうことになり、生者を相手にすることになります。
いつものメンバー以外にも傲岸不遜な態度は変わらず、同じような友人・南条も登場人物に加わっての会話劇は秀逸です。
古手川刑事と離れて、キャシー先生と共にアメリカで捜査に当たる真琴たちの前で明かされていく真実には思わず目をそむけたくなる部分もありますが、読後感は悪くなく、新たに結ばれた縁が次回作以降でどのように広がってゆくのかも楽しみです。
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未曾有のパンデミックの可能性を法医学教室から発見し、解決のため東奔西走。
生きている者も死んでいる者も等しく扱うという理念がさらに形になった作品だと思う。
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シリーズ3作目。
エキノコックスの寄生による死亡例を調査するうちに、アメリカにたどり着く。真琴とキャシーがそのアメリカに派遣され感染源や原因を突き止める話。
税金を使った政治家の視察旅行という名の観光は、フィクションでも読んでいて苛立ちが募る。
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シリーズ3作目。
真琴はますます頼り甲斐がある、そして教授のやり方を受け継いでいて図太くなっていてよい。
しかし、この事件…胸糞悪いですなぁ…。思わずクソ!と吐き捨てたいくらい笑
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一気に読んでしまう面白さだった。
「ヒポクラテス」はお気に入りのシリーズ。光崎教授は相変わらずのキャラだけど、3作目の今回はどちらかといえば裏方の印象。真琴先生やキャシー先生の活躍が光る回だった。特にキャシー先生。死体大好きで変人扱いされがちなキャシー先生の真の部分が描かれていてよかった。
真琴先生や古手川さんは回を追うごとに成長しているのが嬉しい。そして二人の関係も気になるところ。
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いやー、複雑極まりない話だった。
最初の事故米を混ぜた辺り、全然かわいく思える話だった。
途中の、風俗通いのおじさん(名前も忘れるぐらい気持ち悪い)が伏線だったのかな。
奥さんや周囲の人からの印象が潔癖でしっかりした人なのに
実際は週2で風俗通って梅毒もらい。
幼児趣味にドラッグと回春。しかもバレないように海外で。
ひーーー。気持ち悪い。
黙秘を続けるお偉いさん達も
税金で何してくれてんだ!もうそのままエキノコックス感染したらいいのにと思ってしまった。
物語は複雑で、どんどん奥にのめり込んでいく感じが面白かったけど
結末が胸糞悪すぎるので評価が下がってしまった。笑
結末以外は相変わらず楽しめました。
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ヒポクラシリーズは二冊読んでいたけどあんまり面白くないので暫く止めていたけれど今作はなかなか面白かった。
ラストが取ってつけたような感じでいきなり終わったのがちょっと。
日本に帰ってもうひと山欲しかったかな。
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12ヶ月連続刊行企画第6弾は「ヒポクラテス」シリーズの最新作。
第6弾にして一番の読み応え。
2017年の作品だが、2020年のコロナ禍を予言していたかの様な内容に驚く。
司法解剖で発見されたのは『エキノコックス』と言う名の蠢く虫。
相次ぐ不審死の感染源特定の為にアメリカに渡る法医学教室の助教・栂野真琴とキャシー。
少しずつ真相に近づいて行く気配にドキドキが止まらない。
終盤で明かされる複数の残酷な現実には感染症の恐ろしさを上回る人間の愚かさを感じる。
ひたすら口を噤ぐ都議会議員にも嫌悪。
感染症と人種問題を絡めた秀作。
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シリーズ3作目
浦和医大法医学教室の、光崎教授のもとへ、彼と旧知の、南条がやってきた。
彼は、去年の定期検診では、肝臓癌が見つかっていないにも関わらず、肝臓癌で、急死した患者について、意見が聞きたいと、言う。
MRIによる診断では、病理解剖は、必要無し。
ただ一人の親族、出雲も、解剖は拒否。
その後、出雲は,アフラトキシンと言う毒が含まれた、自己米をその患者に送っていたことが判明。
急遽、解剖する事になったが、アフラトキシンは、少量で、死に至る原因ではなく、エキノコックスと呼ばれる寄生虫が死因と判明した。
パンデミックの危険性が…
そして、二人目の患者が同じ症状で死亡。
二人の接点を洗ううち、4年前、ニューヨークへ視察旅行へ行った事がわかる。
同行者は、2人を除いて、5人。
その5人は、ことごとく、口を閉ざす。
現地を調査する為、キャシーと、真琴は急遽、ニューヨークへと飛ぶ。
視察旅行へ行った5人は、自分の命より、秘密を守る方を取ったのは、何故か。
犬大好き人間の私は、ちょっと読みずらいところもあったが・・。
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城都大の南条内科医、肝臓癌での死亡診断を受けた知り合いの患者の事前症状から肝臓癌ではあるが違和感を持つ。遺族に解剖を断られ、浦和医大法医学教室の光崎先生に話を持ち込む。相変わらず古手川刑事が無理矢理使われ解剖に持ち込むと...なんと癌の原因は⁉︎
真琴先生、キャシー先生、古手川刑事の安定面子?があの手この手で解剖拒否を覆します。いつもと違う必死な光崎先生も見られます。
事件関係者達が頑なに証言を拒み、原因を追って真琴先生とキャシー先生がアメリカに!
キャシー先生の過去のお話も...現地でも同じような症例が過去にあり...
最後ドンデン返しもあり、面白かったです。
(*^ω^*)
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「ヒポクラテス」シリーズの第3弾。
1.米の毒 / 2.蟲の毒 / 3.職務に潜む毒 / 4.異国の地の毒 / 5.人の毒
の5つの短編連作。
後半部分の人種差別などは不快な気持ちになるような部分が多かったけれど現実は残念ながら実際にそうなんだろうなと思いました。
真相はあまりにも不快な理由だったけれど今回も面白く、前作よりもより読みやすく感じました。
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一冊目、二冊目よりパワーアップして内容もハードになってしまって食欲が失せる。
ストーリーも一貫してきてもはや連作短編集ではなくなってきている。
光崎先生のおっしゃる通り、生きている人間はロクデナシだなぁ〜
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SL 2024.8.23-2024.8.25
ヒポクラテスシリーズ3作目。
アメリカのCDCまで巻き込んでスケールの大きな話になったわりに、ご都合主義も垣間見えてやや不満足。
Posted by ブクログ
浦和医大の法医学研究室の真琴は、ある日急に発症した肝臓がんの患者を解剖し、エキノコックスが突然変異した虫原因によるものだと突き止める。
新たな感染症の原因を探るべくニューヨークへ。
そこで野良犬の肉を提供する売春宿にたどり着く。
読みやすかった。
Posted by ブクログ
間違えて3冊目から読んだけど、単発の事件なので問題なし。
肝臓ガンで死んだ人たちは実はエキノコックスの変異体が原因だった。
感染源を特定するため、アメリカへと飛び立つが、そこには中山七里らしいどんでん返しがまっている。
イヤラシい議員達が秘密にしたかった事、根底にある人種差別、なかなか胸糞悪くなるテーマの話だった。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目
コロナ禍に読むと、ウィルスと寄生虫、感染経路の違いはあるものの恐怖を感じずにはいられませんね
話の筋には、いろいろと無理があるかな(パワーバランスが変だ)
結末は、最低最悪、気分が悪くなる話でした