小説・文芸の高評価レビュー
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レオナルド・ダ・ヴィンチの人物像よりも、その生涯に於いて素晴らしい作品を残したその技法はどのように身に着けたのかを詳らかにした一冊です。「モナリザ」などの名作を生みだした技法は、ダビンチの飽くなき探求心によって得られた科学的知識、解剖学的知識などに基づきます。本書では、どのようにダビンチが膨大な知識を身に着けていったのかがダビンチが残したメモなどから詳細に著されています。
私は以前からダビンチは、発明家というよりは、優れた画家というイメージがありましたが、本書を読んでも彼の発明品は実現しなかったものが多く、従前から持っていた彼の芸術家というイメージがあまり変わることはありませんでした。
下巻では、傑作「最後の晩餐」の作成に触れている様なので期待です。 -
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ネタバレアイデアと読みやすさが良い。
大体自分が考えるゲームって面白い展開にならない。友達とやったら「なにこれ」で終わるけど、既存のゲームを下地に追加要素を入れ、多分だけど結末や汎用性まで考慮してるからドラマになる。『地雷グリコ』なんかはマトの作戦を思いついた上で書いたんじゃないかなと思います。
システムを引用してさらに良いアプリ開発するようなもんよね。
『地雷グリコ』『自由律ジャンケン』以外はイカサマを見破る、イカサマを考えることで決着がつく。ゲームの外側に行ってる感はありますね。
『フォールーム・ポーカー』なんかはちょっと厳しい。扇風機のプラグには気づくのに、カードの色には気づかない。カードの色以前にルール説明では、『触れていいのは交換するカードだけ』なのに、絵空はスペードの3、4のカードをめくって、JとQとKを手札に加えてるからルール違反ですね。塗辺くんが関知できてないからセーフなんかな、カメラの角度的に見えなかったとか......。
じゃあ設定がガバガバじゃないかって? バカ言っちゃいけないよ。
仕方がない。なぜなら連作短編となると読者が内容に順応して、作戦を読まれるかもしれない。いわば著者が読者と勝負している状態になる。
一章→予想外の展開→読者の能力が上がる→次の章と繰り返されるので難易度をあげなければならず、複雑化し問題も増える。
それがどれだけ難しいことか!
『自由律ジャンケン』は個人的に最高でした。マトの〈独自手〉に何か仕込まれてると勘ぐり、最終的に予測し得るほど簡単なのに、できなかった。これが僕は凄いアツい展開だと思う。
何より退屈しなかった。
ゲーム自体のクオリティは誰かとやりたいぐらい高い、演出もキャラも最高。読む手はしっかり止まらない。
魅せられたのは間違いない。快楽主義者からすれば、欠如したリアリティとか細かい矛盾とかは単なる作品を高めるための研磨材料で、作品の汚れになり得ない。考えるまで見えなかった汚れなんだから、食ってしまえば同じ。
この世は何でもありだから。そうでしょ?
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軽い気持ちで妊娠して出産した母(中学生)の悲劇を描きつつも、不妊治療に励む夫婦の話。
物語の構成やバランスは読んでいて感情移入しやすかった。
ヒカリの悲劇はフィクションだけれども、誤った行為で人生を破壊する情景を思い浮かべると人ごとではないなと思った。
ヒカリのご両親のようなプライドが高い家庭の情景もリアルだなと。
思春期のすれ違いが絶妙に表現されているなと感じた。
ただ子供を渡したとしても母であることは変わらないんだよね。
最後の物語の締め方はよかったな。
このご両親が包み隠さず、子供に真実を伝えている部分もいいなと感じた。
親とは愛とは…。
考えちゃうよね。 -
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父親は自分のせいで危害が及ばないようにと
自ら妻と娘の元から姿を消した。
浜田朋美は忽然と姿を消した父親に
いつか会えることを願いながらも
母親と心が通わず
孤独でたくさん淋しい思いをしながら
幼少期を過ごしてきた。
そのためか大人になっても心の中が空洞で
何にも夢中になれずにいた。
長い年月を経て
朋美が黒沢とともに父親に会いに行った時
朋美はとっさに自分のことを
「黒沢の娘」と伝えた。
でも父親は朋美を本当の娘だとわかっていた。
父親が朋美に呟いた言葉
「ミアネ、クレド、サランへ」
その意味は
「ごめん、それでも、愛してる」だから。
朋美は父親に愛されていたんだ。
離れ離れだった父親の心に触れたとき
その温かな愛情が
朋美の空洞だった心に広がっていき
朋美の中の怒りや孤独 淋しさ すべてを
包みこんでいったのだと思う。
読んでいて思わず胸が熱くなった。 -
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"僕は、そうは、思いません"
この言葉を草壁に授けた安斎が
彼の活躍を、あのサインを、見てくれていると
心から信じたい
「顔を洗って、ちゃんと自分の目で見てみろ」
逆ソクラテスの先入観をひっくり返す、吹き飛ばす
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運動会のリレーなんて
小学生からしたら、一世一代を争うと言っても過言ではないほどの、大舞台
ドン・コルレオーネ、に呼びかけ続ける
未来の司の涙に、こちらももらい泣きである
磯憲の
"やり直そうとしているんだったら
やり直させてやりたくないか"
この言葉がアンスポーツマンライクでも
私の脳内を反芻する
・
オプティマスプライムの
私には考えがある
映画育ちの私は、なぜここでこの小学生たちが
知っているのだろう?と思ったが
そうだ、元はと言えば、タカラトミーとハスブロの
共同ブランドで
アニメがやっていたではないかと
腑に落ちた
最後の福生の顔、目に浮かぶようである
・
「バスケの世界では、残り一分を何というか知ってるか?」
永遠だよ、永遠
この短編が
本当に心から好きである
何度読んでも涙が込み上げてくる
あの時動けなかった、あの1歩が
まただ、と、さらに足をがんじがらめにする
でも
ギャンブルじゃなくて、チャレンジだ
その言葉で、その1歩が、動く、動く動く
「ごめん、アンスポだったわ」
と、そう告げる彼は
その後素晴らしいバスケ選手になる
・
ワシントンには斧があったけれど、僕には無い
でも
桜の木を切ったのは僕ですと
前に出たことは
今後の僕に繋がるだろう
あのあと
テレビ売り場でバスケの試合をみて
気づくと泣きじゃくっていたあの店員さんに
私はさらにもらい泣きするのである -
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ネタバレある帝国の食を支えるのは穀物のオアレ稲。そのオアレ稲に虫がつき不作に。その問題の解決を試みるのは香りを通して植物の声を聞く能力を持っているアイシャ。植物との対話を重ねある策を実行に移すもどうにも時間がかかる。その時仲間と共に虫に負けない奇跡の稲を見つける。その稲でいっときは帝国を救うものの新たな災いがアイシャたちを襲う。目先の利益ばかりを追う役人に翻弄された帝国の行方はいかに。信仰、権力闘争、食糧が複雑に絡む壮大なファンタジー小説。
自分にとって初めてのファンタジー小説。最初はどういう舞台設定でどんな展開になるのか想像できず離脱しそうになった。けれどもオアレ稲を巡る災いが発生し始めてからの展開は早くワクワクするものがあり、文字通りページを捲る手が止まらなかった。1巻に1週間以上かかったのに3,4巻は2日で読み切った。 -
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物語は大きく二編に分けられており,就活編では波多野の視点からグループディスカッションで起きた出来事が描かれ,社会人編では嶌の視点から,その後の出来事が描かれている。
序盤では,スピラに入社して成功を収めた人物へのインタビューが挟まれるため,その内容から犯人についてある程度予想しながら読んでいた。しかし,インタビューの途中で,取材者がまさかの人物であることが判明し,それまで読んでいた内容の意味が一気に変わった。さらに,グループディスカッションの結末についても,波多野の行動によって想像していたものとは異なる形で終わっていたことが分かり,ここでまず大きな衝撃を受けた。
そして社会人編に入ると,今度は別の視点から当時の出来事を振り返りながら,犯人探しが始まる。ここからは,前編で描かれていた出来事を別の角度から見直していくような展開になっており,読み進めるほどに「本当にそうだったのか」と考えさせられた。
個人的に特に面白いと感じたのは,ここからの展開である。前半で明らかになったと思っていた事件の真相が,後半に入ると次々と別の意味を持ち始め,登場人物に対する印象までもが大きく変わっていく。最初は「この人はこういう人間なのだ」と思っていたものが,物語が進むにつれて,実は別の一面があったのではないかと思わされる。この構成が非常に巧みで,単純に犯人を当てるだけのミステリーとは違った面白さがあった。
また,タイトルの「六人の嘘つきな大学生」という言葉も,読み終えてから改めて考えると非常に印象的だった。登場人物たちがついた「嘘」だけでなく,読者自身も物語の中で提示された情報を信じ,それをもとに人物像を作っていたことに気づかされる。最後まで読んだことで,序盤の出来事をもう一度読み返したくなるような作品だった。
犯人探しだけを楽しむミステリーというより,**「自分が見ていたものは本当にすべてだったのか」**という感覚を味わえる作品だと思う。前半と後半で物語の見え方が大きく変わるので,先入観を持たずに読んでみてほしい一冊である。 -
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2025年出版、397ページ。読む前は「分厚いなぁ...」と思ったが、面白くてテンポもリズムも良く、全く負担感が無かった。実在する店舗やデザイナー、作品(商品) をモデルとしていて、宝飾品ってこんな事になっとるんかーい!と驚くやら感動するやら。石に関わる専門用語や解説的な文章は追い切れない部分もあるけど、それも面白かった。「競争相手として?SNSを意識している」という筆者、「読み手に負担を掛けない配慮」は、なるほどなぁと。ほぼ全く躓きの無い展開は、悪く言えば奥行不足を感じる人もいるかも知れない。個人的には安心して読めたし、余分なストレスを受けなくて済んだのはプラスと言える。中心人物が美男美女なのは、まぁそんなもんだよな、と。
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前情報はあらすじ含め一切見ずに読んでよかった!
科学的なことは、「フムフム、なるほど。わからん」って感じで、でもちゃんと理解してないと楽しめないかもと思って何度も読み進めては戻ってを繰り返してしまった。
(ミステリー読む時の癖で、伏線見逃さないように、しっかり読んでしまう)
でも先に読み終わっていた夫曰く、難しいとこは読み飛ばして大丈夫とのことで、思い切って読み進めたらストーリーのテンポもすごく良くて、そして面白い!
最初にイメージしてた話と違う展開になっていき、どうなるの!?と常にワクワクを供給してくれる構成。
なんかよくわかんないけど、状況を整理し記憶を辿って、私だったら絶望だなと思える辛さも味わい、でも信念を貫きながら行動する様がカッコいい。
下巻読み終わったら映画版も観たい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは1970年代の方の映像を先に観てしまっていて、「赤いガウンの女の後姿」が印象的で。
原作を読んだのはその直後です。今回書いているのは数回目の再読。
「アクロイド」と並ぶ、クリスティの代表作ですね。両者とも、「是か非か」(もしくはフェアかアンフェアか)が問われるわけですが、いずれにせよ、名作であることには変わりないです。
こちらは映像だとオリエント急行の場面とか、登場人物の豪華さとか、目にも豪華。他の作品では、事件の解決に於いては冷静に物事を考えられる頭のキレる人物、という印象が先にきますが、今回はそれだけでなく、違う解決方法を並べて関係者に選ばせるあたり、ポアロの人間性もちらりと垣間見てなんとも言えない読後感を味わえます。粋なことやってくれますね、ポアロさん。
スカッとどんでん返し系は大好きですが、殺人事件を扱っているのにこの爽やか感はなんなんでしょうねぇ。
大好きな作品です。 -
Posted by ブクログ
現在の日本が抱える社会問題に切り込んだ内容で、とても興味深く読みました。
特に印象に残ったのは、「ひきこもり」という、実は意外と身近にある問題です。最近では「知人の家族がひきこもっている」といった話を耳にすることもあり、決して遠い世界の話ではないのだと感じます。
この作品では、ひきこもる本人が抱える葛藤だけでなく、その家族が何を考え、どう向き合っていくのかという苦悩も、とてもリアルに描かれていました。読んでいると、著者がこのテーマについてかなり丁寧に取材を重ねたのではないか、と感じる場面も多くありました。
そして、ひきこもった人たちがどのように社会とのつながりを取り戻していくのか、そもそも「社会に戻る」とはどういうことなのか。そんなことについても考えさせられる作品でした。
終盤はテンポよく物語が進み、私はAudibleで聴きましたが、最後まで一気に楽しむことができました。
純粋にミステリーや小説としての面白さだけを求めるのであれば、ほかにも選択肢はあるかもしれません。
でも、この作品の魅力はそこだけではなく、「ひきこもり」という現代日本の社会問題を、小説を通して私たちに考えさせてくれるところにあると思います。
社会問題を扱った作品に興味がある方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
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