小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
鈴木保奈美さん曰く「読む朝ドラ」
戦中戦後の日本。市井の人々を描く。
元槍投げ選手でガタイの良い母、悌子。
ちょっと頼りないけど
優しい父、権蔵。
真っ直ぐに育った清太。
この三人を取り巻く人々が、
また個性的で優しい。
親なら誰でも
悩みながら、正解のない子育てをしていく。育て方に100%の自信なんてないけど、
子を思う気持ちさえあれば、
きっと愛情として届くはず。
我が子にも届いていたら良いな。
かたばみ、変なタイトルだと思ったけど、
読後には
「最高のタイトルじゃん!」って思った。
登場人物のみんなが
相手を思い遣り、
前向きに生きている。
それを木内昇さんが
上手く描いてくれ -
Posted by ブクログ
遠野旅行をした折、土産店で本書を購入。安野光雅のカバー画もよい。
旅を終えてからも遠野の箱庭的魅力をじんわり味わえる、いい物語。「新釈」というのは言い得て妙で、遠野物語を下敷きにしつつもまっさらの物語世界を構築していて夢中で読んでしまった。
際どいお話ばかりなので(1話目がいきなり下ネタオチで、こりゃあすごいなと思ったら回を重ねるごとにそのすごみが増して、二重に驚いてしまった)、お子様にはあまり勧められないが、遠野で語り継がれていた民話も本来はこれくらい生々しいものだったのだろう。エリート官僚・柳田國男の味付けで文学性が増し、今は子ども向け絵本も出ているくらいだが。
遠野物語の中では私は -
Posted by ブクログ
これは忘れられない本になった!
私は松田史さんの話が印象が強かった。若い時のある日、家を出かけてから行くとこ行くとこばったり会う壮年、優しそうな人。駅で映画館で、そして友人と行ったイタリアンのお店でまで、あまりの奇遇に最後は席が足りず相席して3人でご飯を食べるという展開。そして、その5年後、結婚を考えた男性の父がなんとその壮年!驚きだった‼️あとで聞いた話はその日は亡き義母の命日で壮年は思い出の場所を一人で巡っていたと。「母さんが二人の縁をつないでくれてのかもしれないなぁ…とは思ったんだが、てもそうとは言い切れないしなぁ」
こういうことあるんだ、いい話だなと思って、その日大学生の息子が学園祭 -
Posted by ブクログ
(ドライブ・マイ・カー感想)
村上春樹の小説ってどうしてこんなに感想を書くのが難しいのだろうか。セックスについて語る事もままあるし、浮気(?)のようなテーマを扱う事も多い。しかしとても上品でメロドラマのような下品な感じは無い。いつも思うのだがこの人は文章から作者がどんな人物なのか掴めない。いや掴めない人物だということが感じ取れる。何事もしっかり受け止めてから過去に流しているというか、落ち着き払っていて達観しているのかと思えば弱い人間を描く事も出来るのが不思議というか。雲を掴むような、霞を食らっているような文章で酷い言い方をすれば印象に残らない、のだが言外の余韻のようなものが心地よくて結局読んで