あらすじ
こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない
落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。
「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。
音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。
反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。
74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、
石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。
「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。
うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
まず目を引くこのタイトル!
知らない作家さんだけど?
当たり本の予感…
キタ〜!!発掘:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎
☆8くらいあげたい♡
連作短編は結構読んだことあるけど
笑ってホッコリしてこれほど気持ちよく繋がった連作は初めてかもしれない!
なんて短編の完成度でしょうか!!
ちょっとレトロなチェーン店じゃないカラオケ店
が話の舞台です。
《登場人物》
カラオケのイメージ映像に出ていそうな女・池田
音が出せないトランペッター・加賀
その恋敵・サナ
反抗期の娘と暮らす元俳優・佐藤待男
74歳にしてカラオケ店でアルバイトする謎の老人・石崎さんと石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野
E.YAZAWAのステッカーを集め続ける売れない作家・染井暖
この登場人物達とカラオケ店で選曲される楽曲がもう最高╰(*´︶`*)╯♡
筋肉少女帯の「香菜、頭をよくしてあげよう」なんて知らないからYouTubeで観ちゃったし笑
74歳のアルバイト石崎さんがとにかく笑える!
ラストでぐる〜っと繋がる快感を味わって欲しい!
あなたのカラオケ十八番は何ですか?
みなさんに聞いてみたいです(●︎´艸`)
高得点狙うなら…タッチですかね
酔いしれるなら…天城越え笑笑
この作品はブク友・ゆーき本さんに読んで欲しい笑
Posted by ブクログ
夢を掴みきれない、思い通りの人生を送れていない人たちの、ちょっと切ない日常を描いた物語だった。それぞれの人物はどこかでへんてこりんで、孤独感を抱えながら自分のままならない人生に何とか折り合いをつけながら生きている。そんな誰かの生きづらさが、別の誰かを支えていたりして、彼らが相手にかける言葉、自分自身を鼓舞する言葉は、なかなか滋味深くて印象に残る短編集だった。
Posted by ブクログ
著者初読み。
さわや書店ポッドキャストで、タイトルと「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と言われて・・・の件に惹かれて。
連作短編。
至るところに、クスッと笑える楽しさを隠している。
石崎さんと小野さん、いい味出してます。
小説をドラマ化するのは好きではないけれど、なんだか自分脚本家になったように映像が生まれます。
じゃないほう・・・そう普通の人はみんなそうして生きています。
Posted by ブクログ
ここ数年一週おきにカラオケに通っているのでなにげなく手に取ってみた一冊。
連作短編の2編目で
「香奈、頭をよくしてあげよう」にこんな形で再会するとは。(筋肉少女帯のライブには何回も行きました)
なんとも言えない味があってだんだんこころを掴まれていき、これはデビュー作から読まなければ、と決心しました。
Posted by ブクログ
「池田の走馬灯はださい」
「加賀はとっても頭がいい」
「君の知らないあの佐藤」
「石崎IS NOT DEAD」
「矢沢じゃなくても」
落合南長崎の独立系カラオケ店『BIG NECO』を舞台にした5話収録の連作短編集。
登場人物はどこにでもいそうな市井の人々。
他人から見れば些末な事でも、本人にとっては切実な悩みを抱えていたりする。
みんな生きるのが上手じゃなくて、それでもちゃんと頑張っている。
読みながら彼らへの愛おしさが募っていった。
何者かになんてならなくていい。
じゃないほうの一員として、彼らの未来を応援するしかない。
Posted by ブクログ
矢沢ステッカーを持っていると幸運になるとテキトーに言って彼女に渡しそれが一つの物語となって巡る。そして昭和の香りをふんだんに撒き散らしながら物語は進んでその繋がりにまた後戻りしながらこう繋がるのかと2度読みする。出てくる人みんな救われるわけでもない切り取られた何気ない日常だけどこの人たちは一生懸命に生活しているんだなぁ。そしてほとんどの人はこういう日常を送って自分だけが疎外感を持たなくていいと後ろ向きな励ましを感じられた。
Posted by ブクログ
収録されている五篇はいずれもちょっとコミカル&キュートで、私がこの著者の小説を好きな理由がつまっているなぁと思わせてくれる短編集だった。
やや寂れた印象のカラオケ店に集う、脇役的な人生を送る人たちの悲喜交々。
連作の種明かし的な立ち位置となる最後の『矢沢じゃなくても』にある文章が胸に響いた、というかグサグサ刺さった。
〈「自分でも、ほんとうはわかっているはずだよ。あなたはそれをしていないといけない、才能がなくても」〉
〈おれが書かなくても誰も困らない。だけど、おれは困るのだ。大切な誰かを思ってやっと作ることのできた噓は、ずっと先の自分のことを励ましてくれることもあって、おれみたいなやつは、それでやっと生きていこうと、生きていけるかもしれないと、思うのだ。〉
人生はそうでなくちゃな。
それと、チェーン店じゃないカラオケ店はやっぱり味があってよい。パサパサで前髪が長いうつむき加減の店員が、小さな声でやる気なげに接客していてほしい。それで、簡素なメニューにある唐揚げとかがやたら美味しくあってほしい。
ひとりカラオケしたくなってきた。