【感想・ネタバレ】悪いものが、来ませんようにのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

まんまと騙された…。思い込みが覆された。頭を一旦整理して、読み返してしまった。共依存はそもそもの環境が生み出すのか…。

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2024年05月16日

Posted by ブクログ

なんとなく違和感はあったけど、ずっと騙されてました。

映像ではなく、文字表現だからできる技だよね。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

完全に騙されました!!!^_^
母親のようにはなりたくないと切実に思っていた奈津子が、結局はそうなってしまっていたのが切ないな、、と思いました。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

今読み終わりまして、余韻が凄い状態です。
この結末には絶対に予測できませんでした。
ビックリしましたよ。
この本の仕掛けられた罠には、絶対に騙されますね。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作者の作品は初めてやったけど、見事に騙された!
言われてみたら節々に違和感があったけど、明確に「娘たち」って書かれて引っかかった程度。
母を怒らせないようにコントロールされた母嫌い奈津子と、母が喜ぶようにコントロールされた母好きの紗英と。
正反対なのにやはりどちらも歪。
とにかく今からざっと読み返す。

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

まんまと騙された

紗英と奈津子の関係性に違和感はありながらも
そのまま読み進めていくしかなく、
最後にそういうことやったんやって
しっくりくる感じ。
もう一回読み返したくなる一冊
1回目とはすべての言動の捉え方が変わると思う

共依存って、主観と客観では全然感じ方が違うってことに
改めて怖さでは括れんようなものを感じた

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

叙述トリックと知りながら読んだにも関わらず、見事に騙された。
本当に秀逸な作品。
ところどころ違和感を憶えるものの、考える隙も与えられないほどにページを捲る手が止められず、気づいたら読み終えていた。
人の先入観を巧みに利用し、見事に伏線を回収していて圧巻。
必ずもう一度読みたくなる。

母と娘をテーマにした作品は何度も読んできたが、
ここまで刺さるものははじめて。
また近いうちに読み直したい。

どこかで、これは絶対に映像化できない、と見たが
まさにそう。小説ならでは。

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2024年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての著者の作品。別の本が直木賞候補とかだったので外れることはないだろうと古本を一冊チョイス。

なかなかパンチ力のあるどんでん返しの一冊で大満足。ありがちな帯の煽り文句「衝撃のラスト」という文言に負けないストーリーだった。

勝手に紗英と奈津子は親友であるような像を描いていたが突如として明かされる親子という関係性。そりゃバカにされれば彼氏だろうと切りたくなるし、同じ服を着てるところを見れば側から見れば奇妙にも思うのも納得。

そして、伏線も去ることながら母親の娘を思う健気な感情が表現されていてグッド。

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2024年01月04日

Posted by ブクログ

解説にも書かれていたが思いっきり罠にハマった。物語の終わりかけの梨里の「おばあちゃん」という言葉に誰?となり、人間関係図が分かってくるとそういうことかと伏線が回収されていった。
母子の切っても切れない関係性がありありと伝わった作品だった。

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2023年11月24日

yuk

購入済み

何度読んでも泣いてしまう

芦沢さんの作品は初めてで、先入観も持たずに読んだのでしっかり騙されました。確かにもう一度読み返したくなる。女性、母親、幼少時代…自らに重なる部分があり、後半は涙が滲んでしまいました。タイトルがとても良い。他の作品も読んでみたいです。

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2021年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなくモヤモヤしながらもグイグイ読んでしまう。
紗英と奈津子が交互に話が進む。話の途中で挟まれる人々の証言が二人のイメージを固めたり、違う側面を見せつけたりする。
そして、最終章で頭の中でイメージされていた紗英と奈津子が一気に崩された。それと共に周りの鞠絵や梨里達との関係性も。
驚くと同時に急に視界がクリアになりモヤモヤが晴れた。うわぁ~そういうことか〜。
もう一度読み返したくなる。あぁプロローグからだぁ~。

話の展開もすごいけど、なんとなく言葉に出来ない気持ちを表現するのが上手い。
旦那のための肉団子。何も分かっていないパパが買ったキャラクター用のなりきりグッズ。買ってしまった雑誌。
喜怒哀楽に入り切らないけれど、何故か知っている気持ちがドロリと溢れている。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

え?え?
どういうこと??
え?そういうこと?

まさに
「最後まで読んだらもう一度読み返したくなる傑作心理サスペンス!」

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2024年03月04日

Posted by ブクログ

何の事前情報もなく初めて読んだからか
まんまとハマってしまった!
一人ひとりの見えている世界はまったく違うし
後から好き勝手言うのもやっぱり人間だもの的な
真実は自分の都合の良いように歪曲されるもの

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2024年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中途中の違和感でなんとなく予想はついたけどおもしろかった。自分の母親を反面教師にしてた奈津子も結局のところ娘を支配しているんだなと、いろんな親娘のかたちがあるなと思った。
すかすかのスイカって表現、実際そんなスイカ見たことないけどすごくしっくりきた。
他の作品も読んでみたい。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

読んでいて変な違和感はあったのに、立ち止まってじっくり考える暇がないうちに騙されてしまった。
面白かった〜

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2024年01月10日

Posted by ブクログ

あなたは、『共依存』でしょうか?

…といきなり聞きなれない言葉で質問をされても困りますよね。この『共依存』という言葉は厚生労働省のWebサイトに以下の通り記されている”自己喪失の病気”なのだそうです。

 “依存症者に必要とされることに存在価値を見いだし、ともに依存を維持している周囲の人間の在り様

なんだか小難しい説明が余計混乱を招きそうですが、要は特定の人物との何らかの関係に依存しすぎる状態を指す言葉のようです。これでどことなくわかる気もします。では、冒頭の質問に戻ってあなたは、自分がそんな『共依存』の状態にあると思うでしょうか?

私たち人間は一人で生きてはいけません。誰かしら他者との関係性の上に日々を生きています。その関係性が『共依存』と言われるような状況にあるのかどうか、それを第三者的に語るのはなかなかにハードルが高いようにも感じます。私たちは自分が普通ではないという認識の上に何かを語ることなどできないからです。

さてここに、そんな『共依存』という言葉が物語中に登場する作品があります。二人の女性に交互に視点を移動させながら展開していくこの作品。” 「最後まで読んだら、絶対もう一度読み返したくなる」話題作”という謳い文句に、騙されないぞ!と意気込んでしまうこの作品。そしてそれは、『おねえちゃんたちは共依存なんかじゃないんです』と語る証言の言葉に二人の関係性の真実を見る物語です。

『オムツを外して両足を抱え上げたところで、たった今替えたばかりだったことに気づいた』のは、主人公の柏木奈津子(かしわぎ なつこ)。そんな時に電話が鳴り、出ると『あんた、うつぶせ寝なんかさせてないでしょうね』と母が『前置きもなく切り出』します。『うつぶせ寝をさせてると赤ちゃんが死んじゃうんだって』、『原因はわからないんだけど、実はよくあることなんだそう』と話す母に『そんな話、聞きたくなかった…気づいたときにはもう遅いんでしょう?何もできないんでしょう?だったら知らない方がいいのに』と返すも『そうやって神経質になるのも子どもにはよくないんだよ』と言う母は『自前の子育て論を展開し始め』ました。『受話器を耳から離し』『床に置いた』奈津子は、『娘を抱き寄せると』、『この子がいなくなったら、私は生きていけない』と思います。『この子のもとに、幸せばかりが待っていますように。悪いものが、来ませんように』と『繰り返し祈りながら、目を閉じる』奈津子。
場面は変わり、『いますぐわたしに子どもができれば。そうすればみんなに祝福されながら仕事をやめることができるのに』と『何度も繰り返してきた思考をぼんやりとなぞる』のは主人公の庵原紗英(いはら さえ)。『いま終わりました。次は明日のお昼からです』と送信するメールに『了解』と、『どのメールにも変わらない返信』を夫の大志(だいし)から受け取った紗英は、『家に着くのが九時半』、『ベッドに入るのが十一時』と計算します。そんな中に、柏木奈津子という着信履歴を見た紗英は『またなっちゃんなの。おねえちゃんもう三十でしょ。ほかに遊ぶ友達とかいないの』という『妹の鞠絵の揶揄するような声音』を思いつつも発信ボタンを押します。『梨里ちゃんは?幼稚園?』、『今週は幼稚園はお盆休み。今日は岩瀬のおばあちゃんちに行ってるけど』と会話する先に奈津子の家に向かう話になります。そして、奈津子の家に着いた紗英は風呂場で奈津子に髪を切ってもらいます。『なっちゃんてすごいよね』、『家にあるハサミとブラシだけでこんなにかわいくしてくれるんだもん。わざわざ表参道とかの美容院まで行くなんてバカらしいよ』と仕上がりに満足する紗英は以前、会社の『同僚に無理やり連れて行かれ』た『表参道の美容院』の話をします。『働いているわけじゃないけど』、『美容専門学校を出て、きちんとした技術を』もつ奈津子のことを思う紗英。髪を切ってもらった後、横になった紗英は奈津子から『わからないのは、どうして紗英が大志さんと別れないのかってことなんだよね』といきなり言われます。大志の浮気のことを思う紗英は『基礎体温を測り続け』、『今晩だからね、と念を押した』にも関わらず帰ってこなかった日のことを思い出します。『一度の出来心ではなく、繰り返し逢瀬を重ねてきたことを匂わせる』メールを見つけたものの問い詰められない紗英。『もう別れちゃいなよ』、『私と一緒に梨里を育てれば』と言う奈津子を見て『それも悪くないなとぼんやり思う』紗英。
奈津子と紗英という一見仲の良い二人の関係性のその先にまさかの真実が明らかになる衝撃の”サスペンス”が描かれていきます。

“最後まで読んだらもう一度読み返したくなる傑作心理サスペンス!”という謳い文句に思わず騙されないぞ!と身構えてしまうこの作品。私は女性作家さんの小説を読むと決めて、今までに750冊以上の作品を読んできました。作家さんとその作品についてはランダムに選んでいるつもりなのですが、何故か”サスペンス”というジャンルはほとんど読んでこなかったことに気づきます。もっと満遍なく読まなければと気持ちを新たにもします。

さて、そんなこの作品には、こんな内容紹介が記されています。

 “助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。そして育児中の奈津子も、母や夫、社会となじめず、紗英を心の支えにしていた。そんな2人の関係が恐ろしい事件を呼ぶ。紗英の夫が他殺死体として発見されたのだ。「犯人」は逮捕されるが、それをきっかけに2人の運命は大きく変わっていく”。

殺人事件が起こって、仲の良かった二人の関係性が崩れていくという物語展開。それのどこが”最後まで読んだらもう一度読み返したくなる”ものなのか、これはとても気になります。一方で、今までにこのような形容をした作品を私も何冊か読んできたことを思い出しました。私の場合、乾くるみさん「イニシエーション・ラブ」、「セカンド・ラブ」でしょうか。作家さんの巧妙な仕掛けにすっかり騙され、呆気に取られる結末には、どこで騙されてしまったのだろうと、すぐにでも読み返したくなる思いが沸々と湧き上がりました。ということで、こんな風に煽られた上で作家さんの想定通りに持っていかれてはたまりません。騙されてたまるか!という強い意気込みをもって、細かい部分にも気を使いながら読んでいかねばと、まずは決意を新たにしました(笑)。

一方で、”最後まで読んだらもう一度読み返したくなる”というタイプの作品はレビューの難しさがあると思います。少しでも余計なことを書くと一気にネタバレ!してしまう危険と隣り合わせだからです。これは、私、さてさてのレビュワーとしての信用問題にも関わります。ということで、ネタバレにも十分注意しながらレビューをしていきたいと思います。ネタバレを避ける意味でも、まずはこの作品の表現の上手さについて見ていきたいと思います。”サスペンス”という言葉は、”ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、またそのような心理状態が続く様を描いた作品”を指すとされています。そうです。”サスペンス”というのは単にその物語展開だけではなく、文章表現にも人の心を不安定にさせる表現が欠かせません。まずは、私がそんな表現が登場する場面を要約してご紹介してみたいと思います。

“ヴン、と蚊が飛ぶ音がしたので左腕を見たら蚊に刺されていた。叩きそびれた蚊が飛んでいってしまった”

なんのことはない日常の一コマですね。これを、芦沢さんは”サスペンス”調で、こんな風に表現されています。

 『ヴン、という低い羽音が耳元で聞こえ、反射的にのけぞった。周囲を見回し、微かな違和感にふと視線を左腕に落とす。白と黒が縞になった脚が見え、咄嗟に右手を振り上げた。けれど叩きつける寸前で思いとどまる。血を吸い終えた蚊が腕から離れた。よろめきながら飛んでいくその軌道を、奈津子は息を詰めたまま目で追う』。

どうでしょうか。凄いですよね。蚊に刺されるという、たったそれだけの場面が、何が起こるのだろう!と、なんだか読者にとてつもない不安感を呼び起こすような場面に描かれています。では、もう一箇所見てみましょう。まずは、またもや文才のない私の要約です。

 “納屋の外に茂る椿の葉の裏に、何かの虫が作った白っぽい膜が見えた。気持ち悪かった”

これを、芦沢さんは”サスペンス”調で、こんな風に表現されます。

 『納屋の外へと顔を向けた途端、視界の端で何かが蠢いた。反射的に目を見開き、濃く茂った椿の葉の塊を凝視する。低く、不自然にたわんだ数枚の葉の裏に、びっしりと張った白い膜が見えた。蜘蛛の巣を何重にも重ね合わせたような白い膨らみに、その下で蠢き続ける無数の小さな毛虫の毒々しい色までもが裏返すまでもなく見えた気がして、肘から二の腕にかけての皮膚が一斉に粟立った』。

これも凄いです。私の要約は、小学生の夏休みの観察日記のようですが、そんな一見単純な光景を芦沢さんは、”サスペンス”に仕立てられます。『肘から二の腕にかけての皮膚が一斉に粟立った』という箇所が、読者に激しい拒絶反応を生みもするこの表現。上記した通り、私は”サスペンス”作品には縁遠い読書をしてきたこともあってこういった一つひとつの表現がとても新鮮に感じられます。”サスペンス”もいいなあ、こういった表現が登場するたびにときめきながらの読書を楽しみました。

そんなこの作品は、〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた六つの章から構成されています。主人公は、柏木奈津子と庵原紗英の二人です。六つの章は全く同じ形式によって構成されています。

 ① 庵原紗英視点で彼女の日常を描く物語

 ②【○○○○の証言】という小見出しから始まる、事件についてインタビューされた人の語り

 ③ 柏木奈津子視点で彼女の日常を描く物語

 ④【○○○○の証言】という小見出しから始まる、事件についてインタビューされた人の語り

六つの章は全てこの四つのパートから展開する同じ構成になっているため、慣れてくるとスラスラと非常に読みやすい物語が展開していきます。【○○○○の証言】に登場する人物は紗英や奈津子の身内の他、友人、同僚など多彩です。そもそも二人 × 六つの章 = 十二人もの人物の証言によって、内容紹介に記された”紗英の夫が他殺死体として発見されたのだ”という事実を前にして、紗英と奈津子というそれぞれの人物がどのような人物だということをそれぞれの立場で語っていくのです。これがなかなかに面白い効果を演出してくれます。少しだけ見て見ましょう。

 ・【山本祐司の証言】
  → 『え、録音するんですか?…これ、俺が話したって書かれるんですか?…たしかに、紗英ちゃんとはつき合っていたことはありますよ…』

 ・【宮野靖子の証言】
  → 『へえ、恵比寿から。わざわざ私に話を聞くために?…奈津子ちゃん。もちろん覚えていますよ。利発そうな子でね…』

 ・【坂井鞠絵の証言】
  → 『なっちゃんのことは…正直昔は苦手だったんです…これ、記事にする前にちゃんとチェックさせてもらえるんですよね?…』

紗英視点の物語、奈津子視点の物語は、事件が起こる前から時系列に沿って描かれています。紗英と奈津子の日常の関係性を見せる第一章では、紗英が奈津子に自宅風呂場にてカットをしてもらう様子が描かれるなどとても仲睦まじい二人の様子が描かれていきます。その一方で、

 『この子がいなくなったら、私は生きていけない』、『この子のもとに、幸せばかりが待っていますように』

そんな風に娘を大切に育てている奈津子と、

 『なぜそれほどまでに子どもがほしいのか自分でもわからなくなる』

『月一回しかない排卵日』を大切に思い、『子どもがほしい』という日々を過ごす紗英という子どもの有無という点で異なる二人の考え方の違いも描かれていきます。そんな物語の冒頭、〈第一章〉で、奈津子はこんなひと言を紗英に投げかけます。

 『わからないのは、どうして紗英が大志さんと別れないのかってことなんだよね』

『夫の携帯を盗み見て』大志に愛人がいることを奈津子に報告してきた紗英。奈津子はそんな紗英が大志と別れる話をしないことを漠然と不思議がります。物語はそんな二人のその後が描かれていきます。まさかの犯行現場の緊迫した場面と、それが明らかになるまでの展開、物語は緊張感に満ち溢れる中に展開していきますが、一方で上記した通り、各章には【○○○○の証言】と記される通り、そんな秘匿したはずの犯行がやがては明らかになることが匂わされてもいきます。また、【○○○○の証言】の中で紗英視点の物語、奈津子視点の物語では見えなかった二人を第三者的に見る視点の登場によって、二人がどういう人間であるかが、章を経れば経るほどにどんどんくっきりと浮かび上がってきます。犯行が白日の元に晒されたことによってその関係が変質していく紗英と奈津子。物語は〈第五章〉に至り大きく動き出します。そして、〈解説〉の藤田香織さんがおっしゃる”騙される快感”が読者を襲います。なるほど、そういうことだったのかという物語の真実は、ポロリポロリと匂わされながら読者に頭の整理を要求します。人間の勝手な決めつけ、思い込みというものが真実を見えなくしてしまう、そんなことを改めて突きつける物語展開の先に、まさかそうだったのか…と驚く他ない結末、巧妙に隠された真実の姿を見る結末がそこには待っていました。

 『おねえちゃんたちは共依存なんかじゃないんです』。

そんな風に証言される奈津子と紗英という二人の女性に交互に視点を切り替えながら展開するこの作品。そこには、”騙される快感”に浸らせてくれる物語がありました。”サスペンス”らしい文章表現に魅せられるこの作品。騙されないぞ!と息巻いても騙されてしまう現実に芦田さんの緻密な物語設計を感じるこの作品。

次こそは騙されないぞ!と思う一方で、”騙される快感”から抜け出せなくなるようにも感じた、そんな作品でした。

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2024年01月06日

Posted by ブクログ

二人の視点のエピソードが交代で
進んでいく。
間に、二人の間に起こった事件の
関係者への取材の描写がある。
最後で、思い込みで読んでたイメ
ージが覆される。
完全に騙されてしまった。
他の作品も読みたくなった。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

ほとんど一気読みに近かった
読んでる途中からなんか違和感があり、きっとそこがトリックの伏線になるんだろうなと思っていても見破れなかった
トリックが分かればもう一度読み返してみる
すると最初読んでいた内容とは全く変わってくるのが面白い
しばらくミステリーを続けて読みたくなったな

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

叙述ミステリー!
言い回しに違和感を感じるところもあったけど、この結末は想像もできなかった。参りました。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

騙された。。
すごいとしかいいようがないです。
これは何かあるぞ、、と言う不穏な空気はビンビンに感じられるのですが、2人の関係がまさかでした。でも違和感がありつつも、言われてみれば程度で、進んで読めていく感じがとても上手だと思いました。
他の作品も読んでみたいです。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

やりきれない終わり方ですから
読後感はサッパリはしません。
但し、前半の微妙な違和感が
後半で「やられた!」となりま
した。
最後まで読んだ後、最初から
ポイントを読み返した人も
多いのでは、と思います。
もちろん私も、その一人です。

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2023年09月25日

Posted by ブクログ

騙されました。
1回騙され、こういう風に進むのかと思って読んでいたら、さらに騙されます。

途中から違和感を感じて、その後の1文で事実を知って、そこから今までの見え方がまったく変わります。

絶対にもう1度読み返して確認したくなります。
ミステリーに騙されない自信がある方にもおすすめです。

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2023年11月28日

ネタバレ

残念!

かなり序盤で奈津子と紗英の関係が判ってしまった。
奈津子の専門学校、結婚のエピソードと紗英の年齢とで二人が同い年ではないことがわかる。
とすると、「同級生でかつ親友」という片方が否定されるので、ひょっとして綴られている二人の関係をそのまま理解してはいけないんだな?と思う。
同性愛者か?と思わなくもないが、それは文章がやんわり否定している。
「友人」以上にお互いのプライベートに踏み込み、同性愛者でもない女性同士の関係となれば・・・。
そしてオムツのエピソード。今時布オムツの効用にこだわるなんて、そんな年代って考えれば・・・。
(この作者、まだお若いはずだが、布オムツのことなんてよくご存じで)
伏線のつもりなのだろうがやややり過ぎたかな、と思える。
二人の関係に気づいてしまうとその後は「ミスリードのために頑張っている文章」としか読めず苦しいのと比例して予想の確信度が増していった。
例えば奈津子の「梨里と紗英の子が遊んでるところを見るのが私の夢なの。」という台詞があるが、ふつうならば「鞠絵と紗英」でなければおかしい。
で最後に「やっぱりね」となる。
だが、この作品が表現したかったホントのところは母親の無償の愛のようなものなのでは?と思い、「もし、からくりに気づいてなかったとしたら?」という思いで帯に書かれいるのとは全く違う理由で(笑)読み返してみると、伏線の張り方も人物の個性を表す心理描写もなかなか秀逸であると思える(風景描写にややクドさはあるが)。
芦沢央さんの作品はこれが初めてで、今回はうまく引っかけてもらえなかった(笑)が、是非他の作品を読んでみたいと思う。

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2018年05月13日

匿名

購入済み

もやもやが

始めからずっとモヤモヤする感じがありました。読み進めるとそのモヤモヤも晴れ、全てが繋がった時に何ともいえない切なさがこみ上げてきました。

#切ない #共感する

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

叙述トリックものです。途中でひっかかる点がいくつもあってだいたい予想がついてくるので、もう少しさらさらと騙してほしかったかな?

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

最初から違和感が漂っていた。
もやの中を読み進めているような。

助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいる。専業主婦の奈津子は幼稚園児の梨里の送り迎えと、老人施設のヘアカットボランティアに参加しているが、周囲からは浮いていた。
そんな紗英と奈津子の関係は、依存?執着?マインドコントロール?などの言葉が頭に浮かんできた。

紗英の夫の死亡事件から、話はグンと様相を変え始め…。アンソロジーの短篇が初読みだった芦沢央氏は2作品目。
女性だったとは!
そして、こんな仕掛けてくる作家だったとは!

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

叙述トリックもの。

よかった点は、物語とインタビューが交互に進んでいき、それがうまく折り重なって真相に帰結しているところ。

マイナスポイントは、自分としては、全体的に陰湿な感じがだたよっていて、あまり熱中して読み進められなかったこと。あと、せっかくの叙述トリックが、特に殺人とは関係ないところで使われていたことかな。まぁ、関係はあるんだけど、別にここまで極端にしなくても、動機としては成り立つのではないかと思ったり。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

途中、紗英と奈津子の関係がよくわからなくなって混乱したけど、ページをめくる手は止まらずに一気に読み終えた。そうゆうことかーと納得。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

叙述トリックには見事に騙されました。
2人の立場の違う女と殺人事件を軸に、周囲の人の勝手な憶測も絡まって展開されていくお話。
けれど、事件そのものよりも、仕事結婚出産に少しでも悩んだことがある女にとっては身を引き絞られるような、女2人の関係性が凄まじい。

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2023年11月24日

Posted by ブクログ

前評判通り、確かにどんでん返しの中でもなかなか予想がつかない展開で面白かった。

以下、ネタバレ含む

トリックがわかってからは湊かなえの母性のような展開(母と娘の食い違い)かと思いきや、そういうわけではなく。

結局、少し感動要素もありつつ終わると言った感じ。

もう一回くらい面白いどんでん返しや裏切りがあればと読後感は少し物足りない気がしてしまった。

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

騙されたあ…
ん?ん???ん?どゆことだ…?とりあえず流すか…って感じで読んでたら気づいたら完全にやられた。。
2人仲良すぎるだろ…って思ったらそういう事だったかあ。
ただ事件自体は結構無理矢理感があったかなあ笑
今作は騙される快感と、母親について考えさせられる作品になってました。

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

芦沢央さんの作品、初読です。
物語は助産院に勤め、不妊と夫の浮気に悩んでいる紗英と、子供の頃から最も近しい存在だった奈津子の二人の視点から描かれています。
この二人、とても距離感が近く、こんな女ともだちの関係性って凄いなと感心すると同時に少しの違和感も。読み進めていくうちにその違和感の正体が明らかにされていきますが、そういう展開ですかと見事にやられました。
他の作品も読んでみたくなる一冊でした。

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2023年09月29日

Posted by ブクログ

【衝撃のラスト25ページ 再読した人90%】

不妊と夫の浮気に悩んでいた紗英、育児中の奈津子も家族と社会に馴染めずにいた。そんな仲のいい2人だったがある日紗英の夫が遺体で発見されて……


作者の作品は初めてだったがとても読みやすく一気読みだった。

紗英、奈津子の視点、2人の関係者のインタビューでストーリーは構成されている。
2人の共依存に近しい仲の良さと読み進めていくと感じる違和感。
それがラスト25ページから一気に回収され、違和感の理由が明らかになった時、騙されたと気づく。

この物語は不妊について悩む様子も描かれているので、同じ悩みを抱えている人で引っ張られてしまう人にはおすすめしにくいが、全体的にテンポもよく、面白かった。

本で読むからこそのトリックの面白さがわかる1冊。


こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
・様々な視点から物語が語られるものが好きなひと
・騙されたいひと
・どんでん返しが好きなひと

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2024年04月06日

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