あらすじ
それはわたしの人生に、ひさしぶりに点った、遠い目標だった。
壁も屋根も、街全体が真っ青でまるで夢の中に迷い込んでしまったような、モロッコのシャフシャウエン。二十七歳の岬はここに「自分を少し捨てに」やってきた。グラスにあふれんばかりの生のミントと熱くて甘い緑茶を注いだミントティーや、帽子のような鍋に入ったレモンとチキンのタジン。初めての景色と料理に出会った岬に、予想外の事態が起こり……。(「ジブラルタルで会えたら」)長年の介護が突然終わった佳奈は、アイスランドを訪れた。胸を突かれるように美しい氷河湖や、屋台で買って頬張る熱々の“全部のっけ”のホットドッグ。輝かしい未来なんて想像もできなかった佳奈だけれど、胸にある思いが湧きあがる……。(「オーロラが見られなくても」)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本の主人公たちはそれぞれ悩みや心に傷を持っている。
沈んだ重い気持ちを抱えた人たちが海外の地でその国の人々や文化、風景、美味しい料理に触れ、少しずつ前を向く気持ちを取り戻していく。
街の描写もとても魅力的だしその場所で出会う食べ物もすごく美味しそう。興味が湧いて調べながら読んだ。
自分も一緒に街を回っている気分になれました。
アムステルダムにはコロッケの自動販売機が沢山あるらしい。食べ歩きしてみたい
Posted by ブクログ
ちょうどこんな旅の話を読みたいと思ってた今の自分の気分にピッタリで軽やかに読めるのも嬉しい。
いつもながら近藤さんの小説に出てくるご飯はなんと美味しそうなことか。
旅の空気感が伝わり、読むと私まで心がほぐれていく様な感覚で大好きな作品の一つになった。
Posted by ブクログ
初めての土地で知らない景色に出会ったり美味しいものを食べると前向きになったり元気になったりするよね。
すごく読みやすいから元気ない時に読むのおすすめです。
Posted by ブクログ
海外に旅した人たちの短編集。
それぞれの話に素敵な場面があってほんわかした。
異国の景色や匂いをかぐと、自分の普段感じているストレスはちっぽけなものなんだなあと思えたりして海外旅行は大好きだけど、この本を読んだ後同じような気持ちになれて嬉しかった。
オーロラ、見てみたいなあ。
Posted by ブクログ
仕事で行ったアムステルダム、妹の住むラトビア、モロッコ、アイスランド、ハルビン、海外旅行短編集。
軽く楽しく読める。ジブラルタル海峡に行ってみたいと思った。
Posted by ブクログ
「遠くの縁側」
「パンケーキとイクラ」
「ジブラルタルで会えたら」
「オーロラが見られなくても」
「マイナス十二度のアイスキャンデー」
5話収録の短編集。
人生に疲れた5人の男女が旅に出て、美しい景色や未知の料理と出会ったりしながら新たな一歩を踏み出す再生の物語。
行先はアムステルダム、リトアニア、モロッコ、アイスランド、中国。
5人の主人公が旅行先で新しい風に吹かれ、心と身体が少しずつほぐれていく様子に安堵する。
読みながら異国の空気感が伝わり彼等と共に旅をしている気分になった。
アイスランドの氷河やオーロラを観たくなる。
Posted by ブクログ
「嫌いになったものをもう一度受け入れることはできなくても、嫌いなものを他の嫌いなもので薄めたり、好きなもので和らげたりしながら生きていくことはできるかもしれない。」旅に出るのはそういう意味があるのかもね。たしかに。
Posted by ブクログ
未知の国をひとりで旅した気分になった。
でも、その旅は私をひとりにはさせなかった。
息を飲むほど美しい景色と、疲れを癒してくれる食べ物、思いがけない出会いに、自分はひとりじゃないんだって気付かされた。
登場人物それぞれの“その後“の人生が気になる、余韻の残る物語。
Posted by ブクログ
旅と料理を通して自分の人生を見つめ直す、ほろ苦くて美味しい短篇集。
アムステルダムやリトアニアなどの美しい街並みを想像するだけでも、結構ワクワクするなあ。
揚げたてのコロッケが買える自動販売機、イクラのパンケーキ、春餅や餃子…どれも美味しそう。
『マイナス十二度のアイスキャンデー』が良かった。
消えたいと思うほど自分の事が嫌になった畑野さんが、少しずつ自分を許せるようになっていく過程が良い。
それに十種類以上の餃子が本当に気になる。
絶対美味しいよねえ。
マイナス三十度のハルビン、死ぬほど寒いだろうけど観てみたい。