小説・文芸の高評価レビュー
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私は正直に言うと原田マハという作家があまり好きではなかった。
にもかかわらず、この本を手に取ってしまったのは新聞の書評欄での紹介になにか引っかかりを覚えたからだった。引っかかったのの一つ目は、書評を書いたのが〝芸人”という肩書きの名前も顔も浮かばないヒコロヒーなる人物だったことだ。当然どんな人なのか本来なら想像もできないはずなのだが、彼(?)は違った。
「今の自分はどんな本を読んでも説教されている気分になる。自分を愛するとか知らねえよ、こんな劇的な出会いあるわけねえだろう、前向きに生きるとかやってらんねええよ、・・・と悪態をついてしまう」という短い書評文の冒頭を読んだだけで、通常のある意味気 -
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家に引きこもっていた若宮一香の新しいアルバイトは、調香師の小川朔の家で家政婦として働く事だった。小川朔は他人が分からない匂いを感じることができ、どんな匂いでも作ることが可能だった。その友人の新城という男が、依頼を引き受ける。一香、朔、新城の3人が、様々な依頼人の過去や心の傷に、香水を通して触れていく。そしてお互いの過去にも…
文章から匂いがする。本を読むということは、文字を追い、話を理解し、頭の中に情景を思い浮かべることだと思っていたが、この本を読むと情景だけでなく、匂いまで思い浮かべることができるのに驚いた。あと、静寂。「透明な夜の香り」というタイトルのように、物語の中に静寂を感じる。スト -
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この本を読む前は、「スマホが楽しすぎて本が読めなくなっているんだよ…」と結論づけていました。
正解といえば正解なのだが、なぜスマホをしているか?と働くことの歴史遷移を踏まえて解説しており、とてもしっくりきた。
現代はノイズを嫌うのだ。バリバリ働こう!という感じ…コミットしないといけない…熱中しないとだめ…みたいかノリ、社会。
ノイズがあると集中できない。ノイズを許容する現代でなくなりつつあるとざっくり書いてあった。
そうだなぁと感心。本も要点を押さえると10分くらいで要約できてしまう。ただそこにいろいろな具体例や肉付け、つまりノイズがある。なので読むのに時間がかかる。
ノイズを許容できるよう -
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日本語の思考で世界と戦う 英語の議論と日本語の議論を使い分ける
主語と自己主張 英語 中国語 韓国語
人を思いやる 日本語
日本語 相対敬語で主語が無くてもわかる 主語=世間での自らの位置を示す主体
中国では漢字と読みの統一 日本では独自の訓読み 中華文明に埋没しなかった
同音異義語は創造力を養う 臨機応変の大阪弁 掛け合い
型から入る文化 論理ではなく直観 世間で相互の感情を共有
英語 ズームアウト 証拠より論 音声言語 複雑で数千ある音節
日本語 ズームイン 状況説明してから結論 文字言語 110程度の音節
英語型の議論には 正面から論理的に対応し それ以外は日本 -
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幻想文学好きには知られてるマルセル・シュオッブのまさかの初文庫化。
正直、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』文庫化以上に驚いたかも。アンソロジーなんかでマルセル・シュオッブが組まれてることはあるが、まさか文庫で、まるまるマルセル・シュオッブが読めるとは……!
収録されてる作品はどれも傑作で、幻想的で、美しく、時にはグロテスクな作品が描かれる。
マルセル・シュオッブは19世紀末の作家だが、今読んでも古さを感じなくて、驚く。
それと本書には新訳がいくつかあったりするのも嬉しかった。
ただこのマルセル・シュオッブの文庫を手に取ってしまい、もしも心を掴まれてしまったら『夢の扉 マルセル・シュオッブ -
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教誨師(きょうかいし)とは、刑務所や少年院などの矯正施設で、受刑者や少年たちの更生と心の安定を目的として、宗教的な教えを説いたり、相談に乗るなどして、犯罪者の人間性の回復を支援することで、罪と向き合う手助けをボランティアで、すなわち無報酬で行っている民間の宗教家(僧侶、牧師、神職など)をいうそうです。現在、全国の拘置所、刑務所、少年院には約1,800人の教誨師が活動しているそうです。
刑事被告人が裁判の判決が確定するまでの間、勾留されるのが拘置所という施設で、ほとんどの者は実刑判決確定後すぐに刑務所へと送られます。
しかし、死刑判決を受けた者だけは、死刑執行の日まで、そのまま拘置所に留め置 -
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ネタバレ数学は全くの苦手、どころか算数でも怪しいレベル。
当然軸となるフラッツ予想も初耳で、そんな自分でも大丈夫なのかな…と心配しながら読み始めたけど、全く問題なく読めました!
最初は居場所を見つけた瞭司をほほえましく見ていただけに、壊れていく様を読むのは本当に辛かった。
亡くなる(しかもあまりよくない形で)ことは熊沢のターンで分かっていたから、せめて少しでも早く楽になってほしいと思ってしまった。
もっと上手く生き抜いてほしかったよー。
きっと熊沢くんも同じ気持ちで、一時帰国のときに、連絡先も分からないのにわざわざ尋ねたんだと思いたい。
でも瞭司は数学でしか生きられなかった。結果的に瞭司は亡くなっ -
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ビビビっ!と感じます
そりゃ、わたくしレベルのハウスメイドになりますとビビビっ!と感じます
掃除、洗濯、洗い物、ゴミ捨て、子どもの送迎、(料理はしません)とマルチに家事をこなすわたくしレベルのハウスメイドになりますとビビビっ!と感じます
ウィンチェスター家には何かあるなとビビビっ!と感じます
もちろんミステリーファンの読者なら読み始めて早い段階からビビビっ!と感じていると思います
しかーし、わたくしは読み始める前からビビビっ!と感じていました
表紙を見た時点でビビビっ!と感じました
こりゃ絶対に何かあると(゚A゚;)ゴクリ
そしたらやっぱり思ったとおり!!!
第二部 -
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ネタバレ感想、書こう書こうと思って書かずにいたら忘れてしまった。かわりに、Filmarksに書いたブレードランナー(ファイナル・カット)のレビューをコピペする。
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ブレードランナー劇場版→原作→ブレードランナーファイナル・カット
の順番で観た、読んだ。
映画と原作が違うということは知っていたけど、こんなに違うとは。
原作はつまるところ「人間とはなんぞや?」という話だった。こういう深いテーマがきちんとできてるのは良いSF。(何様)
で、映画の方はそのテーマがちゃんと描けているか?…と言われれば、そこまででもないな、という感じ。
ハードボイルド感と、終始暗ーい雰囲気は原作通り -
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『イン・ザ・メガチャーチ』での本屋大賞受賞を機にこの作品を手に取った。「生殖」という観点から現代社会を語る。しかも語り手は主人公の生殖器という、かなり朝井リョウみを感じる独特な視点だった。
まさに言語化の神様!現実的で触れづらいテーマとユニークな文章の対比がとても面白かった。淡々としていながらも、主人公に対してノッたりツッコんだりする語り口が印象的だった。
性的マイノリティーである主人公は、社会の中で少数派としての生きづらさを抱えながらも、波風を立てないように「普通の人間」を擬態し続けている。その様子を、生殖器という第三者的な存在が解説していく構造が面白い。自分ではうまく言葉にできないよう
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