ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 楽園のカンヴァス

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    原田マハの作品2冊目に本書を選んだ。最初は取っ付きにくそうな話だなぁと思いあまり読み進めるのが早くなかったが、第四章あたりから面白くなった。「夢を見た」というルソーの物語を辿りながら、織絵とティムの関係性が深まっていく感じ。謎が提示され、2人の関係性が変化し、他の登場人物の思惑なんかも見え隠れしていく。いつしか取っ付きにくいと思っていた絵画作品についても興味がわく、そんな物語だった。

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    2026年05月31日
  • 巨鯨の海

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    幕末から明治へと移り変わる過酷な時代。封建制度の息屈した縛りの中で、生々しく躍動する友情や愛情、そして命の尊さに激しく揺さぶられる作品です。
    序盤は聞き慣れない方言や道具の描写に身構えましたが、気づけば伊東潤さんの描く、捕鯨に生きる男たちの熱量に、あっという間に魅了されていました。
    人間と自然の命のやり取り。あの河﨑秋子さんの『ともぐい』を読んだ時のような、強烈なヒリつきを覚える一冊です。

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    2026年05月31日
  • タイタン

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    ネタバレ

     仕事って何だろう。人間性とは?
    全知全能とも思えるAIが仕事を全て担い、ほぼ全ての人間が仕事をする必要のなくなった世界。趣味で心理学を学んでいた主人公に生まれて初めての仕事の依頼が来る。仕事という言葉が理解できない主人公。その仕事とはAI「タイタン」の鬱病とも思える原因を探ること。一見すると、AIが鬱病なんて…と思うけれど、人間の脳の仕組みが解明されておらず、人間のように作っているがために発生しているという理由付けも納得できた。そして、AIにほぼ全ての判断と仕事を代理してきてもらった人間より、どこかAIの方が人間らしく感じる話が出てきて、とても面白く、そして未来のことのようで怖かった。鬱病の

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    2026年05月31日
  • 黒髪 別れたる妻に送る手紙

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    ネタバレ

    いずれも著者の体験をもとに描かれた作品で、自身の醜さを作品でさらけ出す。遊女にはまり大金を散財した主人公だが、その思いは相手に一向に届かない。そしてそんな堕落した生活が続いたこともあり、妻とのいざこざが生じてしまい、遂に妻は主人公のもとから離れてしまった。このように、本作は男性としてはおろか、一人の人間としてのダメっぷりを読者に見せつけるが、著者の生涯を照らし合わせて読むと、いつの時代にも、ダメ人間が存在して、昔の日本人だからといって特別立派ではないが、読むうちに腑に落ちる。

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    2026年05月31日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

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    酒をやめるテクニックの本ではなく、町田さんらしい独特の文体で、ユニークに人生そのものの考え方まで深く入り込んでいるので酒飲みや,断酒しようと思ってない人でも読むと面白いです。

    人生は酒を飲んでも飲まなくても寂しい。
    自分を高く見積りすぎてしまうと、幸せを取り戻そうとして酒で帳尻を合わせようとしてしまうので、自分は普通以下のアホだと思うこと。
    酒徒が酒を飲まないということは常に正気で居続ける狂気を引き受けること。

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    2026年05月31日
  • 白ゆき紅ばら

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    遠縁の夫婦が運営している施設『のばらのいえ』で育てられた祐希は、高校卒業式の前日に幼少の頃から一緒に過ごしていた同い年の紘果を置いて逃げ出した。
    〈かわいそうな子どもを救う〉という理想を掲げ、行き場のない母子をも受け入れていた『のばらのいえ』は、運営する夫婦と子供たちの間にいい関係は築けてなく、祐希は他の子供たちの世話をしたり、雑用をさせられたりしていた。

    十年後、ある事件がきっかけで祐希は『のばらのいえ』に戻ることになり、紘果を助け出そうとするのだが。

    祐希が『のばらのいえ』で過ごしていた高校時代の回想をはさみながら物語は進んでいきます。
    他人に良く思われたい、崇められたいという身勝手で

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    2026年05月31日
  • ぼくのもり

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    広い世界に、小さく描かれてる「ぼく」や生き物。
    色使いが美しくて、この絵を見ている時の気分は、夕日を眺めている時の気分に似ている。

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    2026年05月31日
  • 赤と青とエスキース

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    独立した短編集かと思ったら…。
    してやられた!
    壮大なお話だと気づいた時の満足感と、
    幸福な読後感。
    素敵な本に出会えてハッピーです(o^^o)

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    2026年05月31日
  • 赤と青のガウン オックスフォード留学記

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    ネタバレ

    大変失礼かもしれないけれど、皇族の方々も1人の人間なんだなぁと思った。それでも、そんな1人の人間ではあっても、やはりそこは皇族の方、警衛(護衛)がいない1人に慣れなくて寂しさを感じたり、なんかバッキンガム宮殿に呼ばれてエリザベス女王にあったり、一般の人のエッセイでは出てこない感覚や出来事がさらっとちらほら現れて刺激もりだくさん。意外と庶民派の感覚をお持ちで驚き。イギリスと皇族が身近に感じるようになる読みやすい本かも。

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    2026年05月31日
  • ヨチヨチ父 -とまどう日々-

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    子供が小さかった頃にこんな本があれば!と思う反面、子供が大きくなって少し手がかからなくなってきたからこそ楽しんで読めるのかな、とも思う。コマ割りで書かれているので本を読むのが苦手な方にもおすすめ!

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    2026年05月31日
  • 記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記

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    新聞記者としての生涯。数多くの無名の先輩記者。サラリーマンとしての立場と記者としての矜持。筆者の記者人生を振り返る。
    一記者に始まり地位を得て、また一作家になる。

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    2026年05月31日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    人気作家8名のショートを
    5W1Hのジャンル分けをしたホラー小説。
    出だしの澤村伊智は、Whoで心霊ホラー。
    最後の梨は、Howでモキュメンタリー。
    ホラー小説に興味を持ち始めた時に読むには、
    贅沢な作品集だ。
    さすが、人気作家を集めたので、
    どのショートもよく出来ていて怖い。
    雨穴の告発者は、現代的ミステリーホラーで、
    真相を知ると闇へ突き落とされる。
    油断ならない作家たちばかりなので、
    株式会社闇のこの本の企画は、
    大成功だと思う。

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    2026年05月31日
  • グレタ・ニンプ

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    ネタバレ

     初綿谷りさ読破。
     子供への愛情、その子を産むことへの苦悩ともいう弊害。ある種、自由とかけ離れているが、そんなの勿体無い。それゆえグレタ、ニンプなのだと。
     

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    2026年05月31日
  • 宇宙創成(上)

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    なんとな~く分かってた気になっていた部分を分かりやすく、学者たちの人生も絡めて描いてくれていて面白い

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    2026年05月31日
  • 鬼平犯科帳[決定版](一)

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    中村吉右衛門さんのドラマが好きで、いつか読みたいと思っていた作品。
    その1作目。
    面白い。
    連作短編集になっていて、尚且つ、平蔵だけが前面に出て来るのではなく、盗賊や密偵が主役の話もあり、群像劇の様相。

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    2026年05月31日
  • 罪の境界

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    満点です。いつも辛口の採点が多いですが、久々満足のいくものが読めました。最後まで中だるみすることなく一気読みです。なにより終わり方がよかった。

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    2026年05月31日
  • 黙って喋って

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    面白いけど、これは恋愛小説なのかな…と疑問を感じながら読み進めたのち、あとがきに書かれていた「愚鈍な人々による愚鈍な言動を繰り返す愚鈍物語」に納得。

    自分の心が元気がなくて、周りの人がみんな幸せそうに見える時に読むといい。

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    2026年05月31日
  • 新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く

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    本屋ブーケで『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと 増補新版』と一緒にサイン本を購入。

    表題作を含む一章「旅」のエッセイはどれも面白い。ふと見かけて気にはなるけれどそれきり忘れてしまうようなお店や公園に実際に出かけていく試みは楽しいし真似したくなる。

    二章以降はいかにもデイリーポータルZ的な奇想?の実現やインタビューが続く。「いつかなくなってしまうかもしれない場所や記憶」の話がたくさん出てくる。スナックのママの身の上話などを読むと、市井に生きる人それぞれに歴史があるんだなあと、生きることへの畏敬の念がわいてくる。

    15年間すき焼きを食べていない友人にすき焼きを奢り、彼から最後に

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    2026年05月31日
  • 渚から来るもの

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    それにしてもなぜアゴネシアという架空の国にプロットを設定しなければならなかったのかがどの解説を読んでも不明だ。「ベトナム戦記」については雑誌の連載であり その文字数や内容も制限せざるを得なかったことはわかる。 しかしそれ以上に エピソードにしても 内情 にしても 心情にしてもその体内でグツグツと煮詰まったものが溢れ出てくることを抑えることは困難だっただろう。その思いのままに綴ったのが本作なのではないだろうか。作者はその架空の設定 こそお蔵入りする理由としているが、 むしろ年代的にベトナム戦争が間近であったからこそ隠しておかなければならなかったことや実在の人物への配慮などがその理由だと想像するに

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    2026年05月31日
  • そして誰もゆとらなくなった

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    朝井リョウさんという作家は当然知っていて、代表作は「正欲」のみ読んだことがあった。しかし、今回のエッセイを手に取ったのは、彼の人間性を知りたかったわけではなく、新作の短編集と誤解してのことだった。結果として、全く知らなかった朝井先生のコミカルでユーモラスな人間性を知ることができて、手に取って良かったと思える読書体験となった。特に、胃腸の弱さやホールケーキへの愛から来るエピソードは印象的で、どこか妙に共感性があった。南米への旅行を通して人とて自分が大切に見出すものを見つける、というのはまさに共感できたポイントであり、私も外国への旅行の際には、1人の時間やスケジュールを詰め込まないことへの自身の優

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    2026年05月31日