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Posted by ブクログ
『絶叫』とは、まさにジェットコースターのような人生を歩んだ女性の40年を描いた物語。
東京郊外のアパートで、飼い猫に食べられた無残な女性の遺体が発見される。当初は孤独死として処理されそうになるが、刑事の綾乃が不審な点に気づき、調べ始める。
最初は「孤独死した40歳、鈴木陽子」の生い立ちを追うヒューマンドラマかと思っていた。陽子はどこにでもいそうな普通の女性。だからこそ、ほんの少し歯車が狂うことで、人生が少しずつ悪い方向へ進んでいく怖さがあった。
「あなた」と語りかける人物は誰なのか。
読み進めるうちに少しずつ謎が深まり、最後には陽子の40年をもう一度振り返りたくなる。
そして、何気なく出てきたものが後になって意味を持つ、伏線の散りばめ方と構成も見事だった。
社会派としての重厚さと、ミステリーとしての面白さ。その両方を存分に味わえる、強く印象に残る一冊だった。
Posted by ブクログ
『絶叫』は単なる猟奇的な犯罪小説ではなく、現代社会の病巣を解剖する鋭いメスである。作者は冷徹な筆致で「孤独死」の表層を剥ぎ取り、体制、家庭、そして資本の搾取に苦しむ底辺層の女性の絶望的な状況を暴き出している。
鈴木陽子の転落は、社会のセーフティネットが完全に崩壊していることの縮図だ。彼女の妥協の一つ一つが、社会の偽善と冷酷さを浮き彫りにする。生存する権利すら奪い尽くされた時、悪鬼と化すことこそが彼女に残された唯一の抵抗であった。本書は、我々が生きるこの社会に対する最も痛切な問いかけである。一体誰が、彼女を後戻りできない深淵へと突き落としたのか?
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