あらすじ
平均的な身長体重。勉強も運動もすべてが普通。
何の取り柄もないぼくはある日、人の心を読める力に気がついた。
おかげで口の悪い店長の下でも難なくアルバイトを続けているけれど、
新人の常盤さんだけは心を開いてくれなくて……。
他者の心に寄り添うひたむきな姿をだれもが応援したくなる、究極に優しい物語。
***書店員さんから絶賛の声があふれた傑作***
ロングセラー『幸福な食卓』、
本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、
映画化『夜明けのすべて』、
日本中の読者から愛される感動作の数々を紡ぐ著者による、優しいエールの物語。
【オムライス店NONNAのメンバー】
梨木匠(19)平凡なことが悩みの大学生。珍しくこの店で長続きしているバイト。
常盤冬香(21)看護学校2年生。なかなか心を開いてくれない。
大竹さん(39)口も態度も悪い困った店長。実は世話好き……?
オムライス店NONNAのその後を描いたアフターデイズ2編を収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人のために動けるっていうのはすごい能力。
よかれと思ってした行動やかけた言葉で逆に自分が傷つくこともあるのに相手のことを想えるなんて。
普通ってなんだろう。
たぶん多くの人が自分は普通だと思ってて、周りからの評価や言葉でキャラクターができていく。
だから場所によって、一緒にいる人によって、その時々で違う自分がいるんだけど、全部間違いなく自分で。
答えは出ないけど「少なくとも俺にとっては普通じゃない」そういうことかな。
今回も泣かずにはいられませんでした。
いつも通り最後の数ページで、さすが瀬尾さんです。
Posted by ブクログ
私の心のたったひと匙の気持ちも、掬われた気がした。大竹さんはなんと厄介な…と思いつつもやはり人間らしいというか、根本の思いやりが見えてきて憎めない、素敵な人だった。河野さんも助けを借りたり手を差し伸べたりしながら強く生きていて、梨木君もそうだったけど生命力を感じた。誰しもがこんな力あったら良いなと思う。私も思った。でもそれは、もしかしたら普通のことに自分では感じていても周りからは特別な力に見えて、知らないうちに誰かを救っていたとしたらそれこそヒーローだ。すごくオムライスが食べたくなりました。
Posted by ブクログ
切迫で入院していた時の気持ちを思い出した。
ちゃんとこの世界に生まれさせてあげたいという気持ち。
今は横に座ってソシャゲをしている不登校の娘。
学校に行かないことで未来を削っているかも知れないけれども、学校に行くことで今が削られてしまう。
瀬尾まいこさんの作品を読んだのはこれが初めてで、どの登場人物にも感情移入できる作品も初めてだった。
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの小説は、いつも心を温かくしてくれて、前向きになれます。
店長は癖が強くて最初は眉間にシワが寄ったけど、事情があっての大竹さんで、本当は心優しい方でしたし、最後のほうでケーキを作った時に『できねぇとか言ってるやつ、ただやらねえだけだから』とか、とても良い事言ってくれる素敵なおじさんだった。
普通でも、人の思いに寄り添えることができるのならそれだけで最高です。
私も梨木君のように人に優しくなれるように精進します。って本を読んだ時には思うけど、なかなか難しいのが現実、、、
Posted by ブクログ
主人公の抱えている悩みである、何かを生み出していたいという感情がすごく理解できた。彼は家庭環境が理由でそう感じているのだろう。私自身も美術の才能がなく、兄姉が美術の才能があり劣等感を感じた。今、私が持っている趣味は消費するものばかりな気がしている。そんなことから私も何かを生み出せる人間でいたいと思っている。
Posted by ブクログ
今まで読んだ瀬尾さんの本の中で1番好きだな
優しい瀬尾さんの世界観が大好き
梨木君の心を読む力はすごい能力なんかじゃないっていうのが、なんていい設定なんだともう拍手
香山と過去の暗い話を打ち明け合って距離を縮めるシーンが好き
「打ち明け話にどうでもいい話。こんなことを繰り返しながら、ぼくたちは少しずつ確かなものを手に入れていくんだ。そんな当たり前のことを知ったような気がした。」
梨木君は、それまで特別な力で距離を縮めてきたと思っているのだろうけど、本当は梨木君の共感力や行動力が人の心を動かしたんだね
あったかい気持ちになりたくなったら、また読もう
Posted by ブクログ
日常生活にちょっとありえない設定を持ち込んでくるいつもの構成、大学生の年代なら何の取り柄もないという主人公のコンプレックスを抱えてる人も多いと思う。
Posted by ブクログ
めっちゃ好き。本筋としては、面白いながらも梨木がそこまでの特別さを感じなかった。が、文末の店長目線での話の梨木がスーパーコミュ力オバケかつフットワークの軽さがよくわかる話で最高だった。
自分視点では特別なことをしていないという意識から、マイルドに語られてたのか、と。語り部の妙を感じる、最高のエピローグだった。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの本ということで手に取った本。
何でも平凡な主人公は自分に重ねてしまい読み進める。誰かのためになるなら、自分の事は気にせずに突き進める匠は全然平凡ではなく、みんなの進む力になっていた。それぞれの登場人物は個性的だったけど、それぞれの事を考えて動ける匠はすごい。
最後は心にグッときて涙しました。
Posted by ブクログ
ちょっとした仕草や表情、雰囲気で、何となく他人の気持ちがわかるときもあるけれど、なかなかその気持ちの中に踏み込んでいくのは難しいと思います。自分が思っているのと違ったらとか、迷惑かもしれないと思ったりするからです。
それをなんなくやってしまうのが、主人公の梨木匠でした。バイト先のオムライス屋のとんでもない店長と、なかなか心を開いてくれない常盤さんとのことなど、優しさあってのことだと思いました。
人の心には寄り添えるのに、自分のことはあまり語らず無頓着な匠。その彼のそばにいつもふらっと現れる河野さんの優しさも、さりげなくて素敵だなと思いました。
皆、本当は誰かに優しくしてほしいという気持ち、自分のことをわかってほしいという気持ちがあると思います。色々なことがあるのが人生だけれど、人の心に寄り添える優しさがあれば、何かが変わっていくような気がしました。
本編を読後、装画をみると、フルーツタルトがとても素晴らしいものに思えます。
本編の後のアフターデイズは、とんでもない店長、大竹さんの目線でみた物語。大竹さんの優しさがにじみ出ていました。北條さんのテンポのよさもおもしろかったです。
この本は優しさいっぱいで、読者の今の私の心にとても響く小説でした。瀬尾まいこさんに感謝です。
Posted by ブクログ
平凡な男子大学生が超能力を手に入れる物語――
そう思って読み始めたんだけど、
あれ、なんだ、これって普通のことじゃない?
読み手によっては、この能力が本当にエスパーのように映ったりするのかもしれない。
この、どっちなんだろ?っていう曖昧さが絶妙なバランスでたまらなかった。
察する文化が根づく日本では、
人の気持ちを読む力自体は、程度の差こそあれ多くの人が持っている。
人の気持ちに気づくこと。
そして、それを行動に移すこと。
多くの人が気づいていながら見ないふりをする中で、選び取って行動することは確かに普通じゃないと気付かされた。
それにしても…、、大きな起承転結や伏線回収があるわけじゃないのに、人と人と関係性の物語をどうしてこんなに面白くかけるのだろう。
この物語の結末はどこへ行くんだろう?って、
友達の人生を覗き見するようなワクワクさを感じながら読める。
そしていつもの如く、気づいたら読み終えている。
Posted by ブクログ
「人のこころが読める」平凡な主人公が、周囲の大切な人たちへ優しさを分け与えていく物語。
あったかくて優しいお話でした。食べもので例えるなら、風邪をひいたときのおかゆのよう。疲れた身体に沁みる…
Posted by ブクログ
自分の個性、特徴は?
改めて考えた時、サラッとは言えないな…
特別な能力は持っているのか?
そんな能力あったら知りたいわ!笑
本作は平凡な学生の生活が描かれていると思っていたけど、超能力を持っている梨木くんのあれこれ。
目に見えない声が出て聞こえるって…
梨木くんも一学生がもつ悩みを持ちながらも、自分の能力に驕ることなく、人のために行動する力!それこそ、素敵な力だな。そして、周囲に良い影響も与えていく。与えるだけではなく、その優しさも巡っていく。拘りよりも、周りに掬われている。
優しい作品でした♪
店長のオムライス食べたい!!!
Posted by ブクログ
自分より相手のことを思いやって優先して動ける人は本当にすごい。
今の時代、自分の利益しか考えられない様な人が増えている中、少し踏み込みづらいことでもその人を救うために行動できる人に私もなりたい。
Posted by ブクログ
全てにおいて平均で優れた才能がない自分に自信のない主人公。人の価値ってそんなもんじゃないよね、って思わせてくれるほっこりした物語。瀬尾さんの描くお話は温かくて好きです。
Posted by ブクログ
主人公は全てにおいて優れた才能はなく平凡であることに憤りを感じている。しかし、人の心が読めるくらい人に寄り添えるところ、そして人生を良い方向に導いてくれるところは、決して普通ではない特別な能力だと思う。そして著者の瀬尾まいこさんの作品はとっても優しかった。店長の大竹さんは現実の世界で自分が接していたらこんなに面白くポジティブな印象は感じられないと思う。それなのに全く悪い言葉を使わずに寧ろ面白く描けるところがすごいと思った。私の周りの環境も誰も傷つけることなく、優しい世界になったら良いなと思った。
Posted by ブクログ
普通っていけないことですか?
人の心を読める力に気づいた主人公。周りのみんなを次々と助けていく。
それだけでも普通じゃないと思う。
きっと主人公は究極の優しさを持ち合わせていたに違いない。
じんわりと感動が伝わる優しい物語でした。
Posted by ブクログ
出だしの嫌味な大竹がこっちが不快なくらいビンビン伝わるのに、だんだんとそして終盤とやわらかい人物像にやられる側も見ちゃいられない訳でもなくなるってどういう手法なのか
Posted by ブクログ
おもしろかった!
読みやすくてスイスイ読み進められた。
「単純明快に暗いところゼロで十代をやり過ごしているやつなんていないもんな」と香山君が言うとおり、
登場人物みんな何かしら抱えているけど、全体的に優しくて温かい空気感に包まれていてすごくよかった。
相手の考えてることがなんとなく分かる感覚って実際にあるけど、
そこから梨木君のように「なんとかしてあげたい」って動けることは凄いこと。誰にでも出来ることじゃないし少し勇気をもらえた。
それと自己開示。昔よりコミュニケーション迷子になることが多くなった自分にはより響いた。
そしてお気に入りは店長の誕生会。企画~当日のくだりまで面白くて何度も笑った。
『アフターデイズ』でも口角上がりっぱなしだった。
大竹さんが実際にバイト先の店長とかだったら怖いけど、可愛く見える不思議。
瀬尾まいこさん初心者だけど、読みたい本がたくさんあるので楽しみ。
Posted by ブクログ
「また違ったものを見せてくれる人がきっといる」
こんなお店にはもう出会えないかも?こんな人にはもう出会えないかも?というような思いで、新しい未来に向かって、旅立つ時、さよならするときの言葉で、出てきました。
出会って別れて繰り返していくけれど、その時々を大切に、出会う人たちとの関係性を大切にしていけば、いつでも、自分の周りには、素敵な人たちがいるはずだと、光が見えるラストでした。
Posted by ブクログ
人の心が読める不思議な力、最初はそれを信じながら読み進めていたが、それはその人その人が相手を思う人間力なのだと思った。でも読み取れたからといってその後どうしたら良いか分からず動けないこともあるのに、主人公の、相手のためならどんどん動くその行動力に尊敬。また自分自身も、相手のことは聞きつつも自己開示をすることが少なく上辺の付き合いになっていることが多いのかな?とも考えさせられた。相手を信じて自分を出すことって難しいなと思う。
Posted by ブクログ
単行本で読んでたのに、内容をさっぱり忘れていました。それぞれのキャラクターが本当に良いし、エピソードを通じてそれぞれが変わっていくさまもいい塩梅で、さすが瀬尾さんという感じ。巻末の店長目線のアナザーストーリーがこれまた楽しい。間違いなくお勧めできる1冊。
Posted by ブクログ
人の心を読める才能、そんな才能ほしい、と思いながらも、あったらしんどいだろうなとも感じた。
そんな中で、とにかく周囲がポジティブになれるように働きかける主人公はどこまでも心が綺麗だった。
じーんとする箇所はあったけれど、常盤さん、店長、河野さん、香山君、みんなとっても魅力的でもっと好きになりたいのに、それぞれについての話がちょっと少なくて物足りなかったかな。
Posted by ブクログ
ファンタジーぽさもありつつ、しっかり瀬尾まいこ色の優しさがしっかりある作品でした。だからこそ、後半のあの種明かしはもっと理由が欲しかったかな‥とも個人的には思った。
Posted by ブクログ
あらすじを読んだ時はもっと軽い話なのかと思っていましたが、読んでいくと登場人物に少しずつ色々な事情があって…
でも重たく感じさせずに、どんどん読み進めていけます。さすが瀬尾さん。
常盤さんの事情も想像通りでしたが、彼女が以前このオムライスを食べにきた話には、切なくなりました。
読み終わってから、改めて表紙の絵を見るとほっこりしました。
Posted by ブクログ
平凡って悪いことかなぁ?
才能がある人は、ほんの一握り、多くの人が平凡、
いいんじゃないかなぁ!平凡と言われようが、毎日、楽しいと思えれば、それが人生1番だと思う‼️
Posted by ブクログ
良くも悪くもさらっとした文章ですぐに読み終わりました。
なんとなくすわっとしすぎていて、わたしにはあんまり合わなかったかも、、、
・人にどう見られるかにこんなにもこだわっていて、それでいて隠したいその感情はこんなにも透けてみえていたのか。