【感想・ネタバレ】スプートニクの恋人のレビュー

あらすじ

「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

冒頭の吸い込まれるような文章に圧倒される。いちばん気持ちいい風が吹く。恋も愛も夏も出会いも別れもいまここにある。すみれもミュウもにんじんもぼくもきっと温かい場所にいる。なんて美しいんだろう。なんてきれいなんだろう。

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2026年07月28日

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これもまた純度100%の恋愛小説。心がぎゅっとなる。ミュウがタイトルになっているけれど、主人公こそが「スプートニク」じゃないか。地球を中心に、行き場のない想いは永遠の巡回を続ける。
いつも通り振る舞ってみせながら、すみれを失い、やがて水を失った草木のようにしなびていく主人公にえも言われぬ感情を抱く。自分自身の中に飼っている純な部分を取り出されて見せつけられるような、そんな感覚。宇宙空間に突如投げ出されたかような無防備さ。失って実感する「愛」が、一番真に感じられるのは不条理でしかない。けれど、そんな不器用な愛の形が私は好きで、そんな小説を描く小説家のことも大好きなのです。
P.s. 村上春樹を誇張したかのような文章で、良い(間違いなく本人の作品なのだけど)。

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2026年07月08日

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わたしは、主人公のような男友達が欲しかった、性的に交わることはできないという事実は、残酷なのかもしれないけれど、すみれとKくらい心の通った相手というのがほしい。
血を流さなくてはいけない。

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2026年07月03日

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表題のスプートニクは、旧ソ連が打ち上げた人工衛星の名前ですが、「旅の連れ」という意味だそうです。ロシア人がなぜ「ひとりぼっちでぐるぐる回る人工衛星」にそんな名前をつけたのか?という作中の疑問に、もっともだなあと感じてしまう。愛と性欲、同性愛の入り混じる複雑な三角関係と、消えてしまったすみれの謎、ギリシャの小さな島の情景描写の繊細さに否応にも惹き込まれてしまう。複雑な読後感の一冊だった。

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2026年06月27日

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ネタバレ

はああ〜何度読んでも好きすぎる。なんて寂しくて耽美でロマンチックで優しい気持ちなれる作品なんでしょう。

2つの軌道が重なり巡り合い、また離れる。次出会った時すみれがすみれであるという、KがKであるという根拠はない。それはミュウにしてもガールフレンドにしてもそうで。
またいつか出会うでしょうね、燃え尽きない限り。仮に出会えなくてもその記憶と共に生きていける。

素敵なフレーズが散りばめられてて宇宙みたい。

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2026年06月11日

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これは村上春樹が、割と初期に書いた小説らしいのだが、名前だけは知っているものの、なかなか読むに至らなかった。「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」という、彼のインタビューを集めた本を読んだとき、何度もこの本の名前が出てきたことで、これは読まなければ、と思ったのだった。

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2026年05月04日

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小説家を目指す知性ある女性すみれと、すみれを好きになってしまった主人公、そしてすみれが恋心を抱いてしまったアセクシャルな女性、ミュウという三つ巴の関係性。互いが互いに思うことが混濁し、やがて夢との境界がわからなくなる。そんな小説。

意外と読むのに時間がかかってしまって、感想を書くために本を見返すことになりました。

題名の「スプートニク」は、ソ連が打ち上げた人工衛星の事を示している。スプートニクの恋人とは、結婚式でビートニクと誤用したエピソードから名付けられたミュウのあだ名である。物語序盤では上記の意味合いしか説明されない為ただの語感の話かと思っていたけれど、そもそもスプートニクの和訳は「旅の連れ」という意味もある為実際のすみれとミュウの関係性を示していて伏線回収的な面白さがある。

本作のテーマの1つは、直感的には「夢」であると感じた。「夢の中ではあなたはものを見分ける必要がない。ぜんぜん、ない。…だから夢の中では衝突はほとんどおこらない」という文面は、銀杏boyzの曲『駆け抜けて青春』の女性パート部分を思い出す。存在するものと存在しないものの区別がつかなくなるほど、相手を思うという発想が素敵でした。

個人的には上記の他、
『この女性はすみれを愛している。しかし性欲を感じることができない。 すみれはこの女性を愛し、しかも性欲を感じている。 ぼくはすみれを愛し、性欲を感じている。 すみれはぼくを好きであるけれど、愛してはいないし、性欲を感じていない。 ぼくは別の匿名の女性に性欲を感じることはできる。しかし愛してはいない。』という文面がとてもよかった。恋にまつわるいろんな状態が不思議な言い回しで記述されているし、ある種「愛」に制欲が伴わないという特殊な状態を肯定する感じが良かった。

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2026年04月30日

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わたしは村上春樹が好きだ。
この世界観に惹き込まれたらなかなか抜け出せないのを自分で分かっているので、1Q84以降簡単には手を出せなかったのだけれど、
過去作を読みたい衝動に駆られて…手に取ったこちら。
どこか儚く繊細で素敵な1冊でした。

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2026年04月29日

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ネタバレ


まだ読んだことのない作品の方が多いけれど、今まで読んだ村上春樹作品の中でいちばんすき。日曜日の夜明け前にすみれが記号と象徴の違いを電話で僕に問う一連のやりとりがすごく気に入ってしまって、何回も読んだ。

僕 がすみれに色んなこと(「何かを学ぶときに、 一度それはそうゆうものだと受け入れないと進まないことと、きちんと理解しないと進まないことがある。 」とか、 「簡単に説明できることには落とし穴がある。あまり急いで結論に飛びつかないほうがいい。」とか)昼夜問わず丁寧に言葉を選んで教えてくれるたび、純粋な心配からの忠告に感じたり、すみれに対する想いゆえの祈りに感じたりもした。でも、ずっと優しくて良い人だな、と思った。

果たされなかった約束を、「美しい約束の多くがそうであるように、」と言ったり、好きな表現や会話がたくさんあった。終わり方も好きだった。

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2026年07月09日

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『スプートニクの恋人』は、記憶にある限り、私にとって初めての村上春樹作品だった。中2の頃に手に取ったと思う。
その時の第一印象は「性描写が強くてむり」。全くいいと思えなかった。
その後は一度春樹作品からは離れ、次に手に取ったのは高2の頃の「1Q84」。この小説は私の心を強く打ち、そのあとは時期によってくっついたり離れたりの波はありつつ、自分の人生にとって春樹作品は確実に欠かすことのできない1ピースであり続けている。

だから今回、『スプートニクの恋人』は15年ぶりくらいに読み返したことになる。
きっかけは失恋しそうになっているから笑。恋愛小説が読みたかった。
読み始めてあれ…?あんまり性描写激しくない。他の春樹作品と比べると全然。
当時の私は何がそんなにしっくり来なかったんだろう。そんな風にふしぎに思いながら読み進めた。

そして途中で、たしかに他の春樹作品ほど没入できていないかも、とふと気づいた。
その理由を自分の中に注意深く探ってみると、多分分かった、この小説(特に前半)はすみれとミュウという2人の女性が主人公なわけだけど、この2人が私にとってしっくり来ない。
要は、共感もできず魅力的にも感じなければ、なぜそういうエキセントリックな体で存在しているのかも分からず、「架空の人物」感がすごい。
それが語り手の「僕」を介して語られている。
「僕」は彼女たちの存在に疑問を持っていないらしいが(惚れてもいるので)、読者からしたら「僕」も介されているのでより彼女たちが掴めない。
頭がおかしいことは全く構わないのだが、なぜ頭がおかしいのか分からないと読者は置いてけぼりになる。

…と思っていたのだけど、「僕」が前面に出てくるあたりからどんどん引き込まれていき、ギリシャについた頃からはいつもの春樹作品のように没入して楽しめた。
ギリシャの島の風景をありありと思い浮かべながら読めたし(一昨年の夏の旅行で、ギリシャの島々を目前に結局トルコ国境から出なかったから、憧れもひとしお)、「あちら側とこちら側」という慣れ親しんだ春樹モチーフにはもちろんしっくり来た。

特にすみれを失った主人公の心情描写が本当に素晴らしく、何度も読み返してしまった。
雄大なアクロポリスですさまじい寂寥に襲われる場面。なんだかとても圧倒された。
「すみれの存在が失われてしまうと、ぼくの中にいろんなものが見あたらなくなっていることが判明した。まるで潮が引いたあとの海岸から、いくつかの事物が消えてなくなっているみたいに」
「人にはそれぞれ、あるとくべつな年代にしか手にすることのできないとくべつなものごとがある。それはささやかな炎のようなものだ。注意深く幸運な人はそれを大事に保ち、大きく育て、松明としてかざして生きていくことができる」
「ぼくはもう二度と、これまでの自分には戻れないだろう。明日になればぼくは別の人間になっているだろう。しかしまわりの誰も、ぼくが前とは違う人間になって日本に戻ってきたことには気づかないはずだ。外から見れば何ひとつ変わってはいないのだから。それにもかかわらず、ぼくの中では何かが焼き尽くされ、消滅してしまっている。どこかで血が流されている」

大切な人を失うとはどういうことなのか、その喪失感がこれでもかというほど克明に記されている。
いま私もまさに大切な人が自分から離れていこうとしていて、読んでいて胸が引き裂かれそうになった。
私は、この松明を抱きしめて生きていくしかないのだ。きちんと抱きしめとおせるだろうか。炎を絶やさず、自分の中であの温もりを記憶し大切に持ち続けられるだろうか。
いろんなものが見当たらなくなった人生を、これからどうして生きていけばいいのか。

「どうしてみんなこれほどまで孤独にならなくてはならないのだろう、ぼくはそう思った。
どうしてそんなに孤独になる必要があるのだ。これだけ多くの人々がこの世界に生きていて、それぞれに他者の中になにかを求めあっていて、なのになぜ我々はここまで孤絶しなくてはならないのだ。何のために?この惑星は人々の寂寥を滋養として回転をつづけている」

まさに20億光年の孤独…!!!!!
名文すぎて涙が出る。
地球にはこんなに人がいるのに、なぜよりによって大好きな人と分かり合えなくて、わざわざ孤独にならないといけないんでしょうね。
寂しくて孤独な時って宇宙のこと考えたくなるのどうしてでしょうね。
春樹作品って、いつも小説のどこかが、その時々の自分の状況や心情と響き合う。だから読んでいて胸が震える。だから人生に寄り添ってくれていると感じる。
今回もまさにそうだった。

…というわけで、この小説は読み始めた直後は違和感からスタートしたものの、「僕」の出現によりいつもの通り大変しっくりくるものになった。
このことについて考えてみると、たまに耳にする、「村上春樹は女性を描くのがうまくない」みたいなフェミニズム的批判に思い至る。
私は春樹作品が大好きであまりそういう風に思ったことがなかったけど、この小説では「女の主人公が前面に出てくる時にはついていけないけど男の主人公が出てきた途端しっくりくる」という経験をし、初めて「あ、これなのかな」と思った。
つまり、春樹くんが描く女性は女性的には「ハテナ?」な女性が多く、(秀逸な女性描写ができないからといって男性作者が責められるいわれはないのではとも思うけど、)それは見方によれば「男性にとって都合のいい架空の女性を拵えてるだけだ」という批判につながりうるのであろうということ。今回実際に抱いた違和感により、確かにそういう側面はあるかもしれないと理解はできた。
まあでもそうであっても、春樹作品がいつでも自分の今の心と呼応して何かを感じさせてくれることは揺るぎない事実であり、今回もとても読んで良かった。
いつもありがとうございます。

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2026年02月23日

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ネタバレ

村上春樹の小説を読んだときの感想は、内容を理解したというより、「本を読ませてもらった不思議な体験だった」というものになる。
幻想的で詩的で、そこで起きていることが何を意味するのかは、うまく説明できない。それでも文章はするすると身体の中に入ってきて、読み終えたあとには強烈な印象が残っている。
特に印象的だったのは、ミュウが語る、スイスの小さな町の観覧車での不思議な体験だ。現実にはありそうもない出来事なのに妙なリアリティがあり、この場面だけが独立した悪夢のように記憶に残った。
『スプートニクの恋人』にはラブストーリーの要素がある。しかし、恋愛について何かを説明する物語というより、孤独や喪失、触れられない相手への思いが、ひとつの長い詩になったような小説だった。
最後に、なぜすみれが戻ってきたのかはよく分からない。それでも戻ってきてよかったと思った。一方で、その帰還さえ現実ではなく、「ぼく」が見ている幻想なのではないかという感じも残る。
この本を読んで、自分自身を見つめ直したわけではない。何か教訓を得たわけでもない。酒やたばこのように、理屈より先に身体へ入り、あとに感覚を残す娯楽に近い。ただし、それは映画やドラマでは代わりにならない。小説でしか摂取できない何かを、確かに受け取ったと思う。

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2026年08月05日

Posted by ブクログ

人工衛星のように周りを回るだけで、本当には重なれない関係性が切ない 沁みる
人と人の関係における「近いのに届かない」感じがすごく伝わってくる どんなに理解したいと願っても、どうしても埋まらない距離がもどかしい
現時点村上春樹の中で1番好き

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2026年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『海辺のカフカ』に続き読んだ村上作品の2作目
なんで今作を選んだんだっけか
序盤から村上節が効いててとても引き込まれた。冗長には感じられず、心地よいテンポ感だと思えた。ただ他の人の感想を読むと、(特にすみれの文章は)村上さんの持ち味を幾分か誇張させたものらしい
海辺のカフカと比較した時、どちらも共通のテーマを扱っているなという感じがして、一部読んでいて展開が想像できた。パラレルワールドや不完全(になってしまったよう)な人間、愛と性欲と孤独とアイデンティティなどなど。
村上さんのギリシャの島や保安室の情景描写がリアルで、二つの全く異なる場所を続けて描くことで、読んでいて夢から覚めたような、まるで全く別の物語を読んでいるような感覚にもなったが、主人公Kにとっても夢と現実の区別も付かなくなるような、とても乖離した一連の出来事だったのだと体験できた。
よくわからないけど絶対に意味を持つであろうモチーフもたくさんあり、考察のしがいがありそうだが、大した感想は書けない。もっと何も気にせずゆっくり読書できる時間が欲しいな

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2026年07月12日

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一目惚れしたミュウとともに訪れたギリシャの小島でミュウの過去を聞いたのちに失踪するすみれ。すみれを愛していながらも先に進むことができないぼく。時に体を重ねる教え子の母。4人の男女が巡り合い、すれ違い、そして永遠に別れていく。スプートニクのように。

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2026年06月06日

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小説家を目指す、性欲のない、すみれ。そのすみれが好きになった40代のキャリアウーマン、ミュウ。そしてすみれと親友関係にあり、彼女に恋心を抱く、ぼく。

相変わらず、何がおもしろいのか言語化できないんだけど、おもしろい。
というか、好き。
文章から漂う芳しさに浸っていたくなる。

中国の門の話をすみれの手記とからめてちゃんと理解できたら、さらに楽しめたのかもなぁ。

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2026年05月29日

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村上春樹節がよく出た言い回しの文章で、少々くどい事もあるけれど、すらすら読み進めることができた。
音楽や風景の描写がギリシャでの主人公の焦りや矛盾する心情を美しく映し出していたと思う。
ノルウェイの森と似ていて、好きな女性の喪失が描かれている。
全体のテーマとしては現実の自分と空想の中の自分の対比。空想の中の自分と比べて、現実の自分の居場所や立場が分からなくなってしまうという物語。
最後にすみれと電話ボックスから話す場面があるけれど、それが現実での出来事なのか、主人公ただの空想なのか、結局その後に出会うことができたのか、何も分からないまま物語が終わる。その後の物語は読者に委ねられる辺りも凄く良かった。

好きな場面が2つ。
①「どれだけ眺めまわしても、わたしはたしかにわたし自身なんだけれど、なにかいつもとは違うと感じるのです。でも「いつも」がどんなだったか思い出せない。ーリアルな脱構築的な錯覚にとりつかれています。」
→言っていることは凄く難しいが何故か共感できる。私は修学旅行中のホテルやどこか遠くに行った時の夜に今自分が見ているのは本当に現実なのかという感覚に襲われることがある。状況は全く違うけれど、それと似た感覚なのかなと思った。

②「もし人間が平等じゃないとしたら、あなたはだいたいどのへんに位置しているんですか?」
→先生vsスーパーマーケットの警備員
散々言われた後の最高の皮肉がかっこいい。

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2026年05月28日

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とても面白い本でした。最初から最後まで夢中になって読んでいました。全体を通して表現方法に驚かされました。何故このような大量の比喩やイメージを物語としてまとめられることができるのか不思議に思いました。理解出来なかった表現も多々ありましたが、そんなものをかき消すぐらい素敵で心に残る物語でした。

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2026年05月24日

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2026.32

ずっと読んでみたかった作品
読み始めたら止まらなくなって
一気に読んだ
村上春樹の文章読んでると帰ってきた気持ちになる
これがほしかったんだよねとなる
寂しくて孤独で悲しくてでもなぜか心地良い
不思議な感覚
じめっとしながらもかわいているような感じ
途中読みながら泣いたのは
喪失感を一緒に感じていたのだと思う

読み終わった後
これを1999年に書いたのかと思った
村上春樹作品のなかでもかなり好きだった
死ぬまでに行きたい場所が増えた

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

これまで読んた(読んだと言っても数冊たが)村上春樹の巧みなメタファーにカッコよさと深みを感じていたが、この作品については少々くどさを感じた。理由は分からない。だが、村上作品の深い霧のかかった森の中に吸い込まれ、幻想の中にいるような世界観は健在。読みやすく一気に読んでしまった。

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

非現実的なところがいいです。
少しだけ夢うつつな雰囲気。
自然の描写も美しいし、香りまで感じるような気がします。
村上春樹さんの作品は細かく丁寧な性描写が多く、それが嫌になってしまう。そこだけを見てしまうと楽しめないので、そこは美しいものであるということを自分に言い聞かせて言い聞かせて思い込んで、村上春樹さんの小説はこういうものなんだとひっくるめて受け入れて読む。
慣れてくると、とても素敵な作品ばかりなことに気がつく。不思議な世界観。好きになりました。

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2026年05月09日

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ネタバレ

感想を書くためにあらすじを見てやっと思い出したのだが、読んだ当初はかなりインパクトがあり今も自分の血肉になっている作品。なんだか観覧車に乗って自分の部屋を覗く場面をすごく覚えている。

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2026年05月07日

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初村上春樹
読み始めてわりとすぐにこれ中学生の頃に国語の問題集で読んだなと気づくあたりすごい作家なのかなと思った。十数年も前なのに覚えてるってすごい。
比喩が秀逸というか、よくこんな表現思いつくなーと思いながら読んでた
艶かしくて魅力的な女性を描くのが上手、、

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

村上春樹はなんとなく敬遠していた、今回が初体験なのである。とにかくお洒落、知識が豊富で文章がキラキラしている。受ける印象は人それぞれなので、そこが嫌味に感じる方もいるだろう、わたしは正直良い意味で驚いた。遅きに失した感はあるが、村上春樹は要チェック。

スプートニクとはロシア語で「旅の連れ」という意味だとか、すみれの周りを回る彼とミュウが旅の連れだとしたならば、彼らはけっして交わることが出来ない。なぜならば彼らは地球の周りを回る人工衛星なのだから。謎かけの様にラストの場面でにんじん(彼の生徒)が万引きで補導される。にんじんの母親は彼の恋人でもある。彼がにんじんを連れ立って帰宅する途中、排水溝に保管庫の鍵を捨てる行為がなんとも意味深だ。

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2026年05月13日

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主人公が抱える、相手を思う気持ちにとても切なさを感じた。そばにいて何でも話せる関係でありながら、その思いが相手に受け入れられることはない。そのもどかしさや苦しさを読みながら、「恋をしている男性は、みな、このような気持ちなのだろうか」と想像した。

また、この作品では主人公だけでなく、登場人物全員の孤独が描かれていることが印象的だった。人生や置かれている環境はそれぞれ異なるが、どんな人も悩みや孤独を抱えながら生きている。人は誰かとつながりを求めながらも、最後まで完全には分かり合えない孤独な存在なのだということを改めて考えさせられた。恋愛小説であると同時に、人間の本質的な孤独を描いた作品だと感じた。

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2026年08月01日

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◯主人公の経歴が村上春樹の親父だよね?
◯遠い太鼓での経験からのギリシャなんだほうな。
◯スミレがいなくなったあと、妄想世界でしか語られなくてよくわからない。 
◯村上春樹、幻想世界好きだよな〜。

◯不倫相手の『いつからか誰も私に楽しい話も綺麗な話もしてくれなくなった』って言葉が印象的だった。
いときは、性的に見られたり異性が寄ってくることは迷惑だって言ってるのに、年齢を重ねて結婚して急に誰からも相手にされなくなると辛いって、意味がわからない。

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2026年07月17日

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村上作品ではよく女性が失踪する。突然帰ってきたり来なかったり‥異次元空間に行ってたりして、世界が二重に見えたり歪んで見えたりする。異次元空間に行くには入口があるのだけど、ここではギリシャの小さな島。そのどこかに入口を見つけてすみれは行ってしまった。そこにはすみれが愛しているミュウ(17歳年上の既婚女性)の半分かたわれがいて、現実世界ではできないような肉体関係も持っているのでしょう。僕はその入口を見つけようと山を登ってみたけど、辿り着けなかった。終盤、万引き少年が登場するが、彼は何のメタファーなんだろうか。人は自分の意思とは関係なく、何かに引きずられるように何事かを犯してしまうことがある‥てことなのかしら。違うか。

挿話として、死後飼い猫に食べられちゃうお婆さんの話が出てくるが、何故かこの話は知っていた。「スプートニクの恋人」初めて読んだと思っていたけど‥それとも短編集のどこかに入ってたかしらん?

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

パッとしないんだけれど、悪くない。

私の中ではKは最後、実際にはすみれと話していないんだと思う。
それでも、すみれは完全に消えてしまったわけではない。
あちら側へ煙のように去ってしまったすみれと、こちら側に残された僕はもう会えないのかもしれない。でもそれでいい。お互いの中には確かに存在し続けている。その繋がりだけで十分なのだと思った。

【わたしはそのへんにうようよしている世間知らずのトンマな女の子たちの一人で、自意識だけが強くて、かなうわけのない夢を追いかけていただけなんだって。】
すみれはとてもかわいい

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

主人公の男の子Kがすみれの質問に答えるかんじがとても好きだった。ちゃんと中身と意味のあることをでも簡潔に伝えてくれる感じ。
これまで読んだ村上作品に登場する男性の中で1番好きかもと思った。

登場人物全員が満たされていないことがこの物語のキーポイントで、それゆえにむこうの世界を想像したり、実際にそちらに行ってしまう人がいるという話だと思った。
私も最近とくに、この現実で生きるよりもどこかに行ってしまいたい、ずっと眠りこんでいたいと思うときがあるため、なんとなくこの物語の主題に共感を覚えた。

ミュウからの連絡で外国に行くあたりはなんだかありきたりでつまらなく感じた。
すみれと主人公の会話にすべての価値がある作品。

最後、主人公はあちらの世界に行ったのだといいなと思う。

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2026年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ストーリーとしてはありきたりだけど、初の村上作品。比喩めちゃくちゃおおくてこんな感じなんだと。性描写もすごいな。

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2026年05月13日

Posted by ブクログ

村上春樹の作品群の中では結構例外的な小説かもしれない。全体的に主人公の存在が薄く、すみれを語るための語り手として使われており、物語全体を通して春樹が違う角度からの試みとして書いたのだろうわかる。
従来の春樹作品が好きな人からしたら評価が低いのは納得できる。個人的にはもう少し評価されてもいい作品。

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2026年05月03日

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