あらすじ
「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。
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Posted by ブクログ
夏帆を読んだら、昔女性を描いた作品があったなと思い再読
そうそうこんな感じで、ぐいぐいきます
22歳で初めて恋に落ちたすみれ
そんな恋を見守る僕
年齢、性別、国籍も関係なく激しく人に惹きつけられてしまう…そんな情熱な恋
読み終わってしまった
Posted by ブクログ
久しぶりに読みました。
大学生の頃に読んで以来だったけど、所々覚えているもんだなと思った。でも感じ方が違って新鮮さを感じました。
以前より解像度高く読めました。
Posted by ブクログ
学生時代に読み終えた本を再度手に取る。内容はすっかり忘れていた。
小学校の先生である主人公と、小説家志望のすみれによる奇妙な物語。
舞台が東京からギリシャ、そして東京に戻る。話の進行も主人公の一人称から、すみれの手紙への切り替わり、また戻る。
読後に残った言葉は、喪失感。人との繋がりが、自分にどう影響するのか。
失った後、手に入れる前に戻るのでは無くて、全くの別人になる。失う傷はあまりにも大きくて、繋がりは張り詰めた緊張感の中で今にも崩れそうなバランスを保っている。
面白い読書体験だった。
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冒頭の吸い込まれるような文章に圧倒される。いちばん気持ちいい風が吹く。恋も愛も夏も出会いも別れもいまここにある。すみれもミュウもにんじんもぼくもきっと温かい場所にいる。なんて美しいんだろう。なんてきれいなんだろう。
Posted by ブクログ
これもまた純度100%の恋愛小説。心がぎゅっとなる。ミュウがタイトルになっているけれど、主人公こそが「スプートニク」じゃないか。地球を中心に、行き場のない想いは永遠の巡回を続ける。
いつも通り振る舞ってみせながら、すみれを失い、やがて水を失った草木のようにしなびていく主人公にえも言われぬ感情を抱く。自分自身の中に飼っている純な部分を取り出されて見せつけられるような、そんな感覚。宇宙空間に突如投げ出されたかような無防備さ。失って実感する「愛」が、一番真に感じられるのは不条理でしかない。けれど、そんな不器用な愛の形が私は好きで、そんな小説を描く小説家のことも大好きなのです。
P.s. 村上春樹を誇張したかのような文章で、良い(間違いなく本人の作品なのだけど)。
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わたしは、主人公のような男友達が欲しかった、性的に交わることはできないという事実は、残酷なのかもしれないけれど、すみれとKくらい心の通った相手というのがほしい。
血を流さなくてはいけない。
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表題のスプートニクは、旧ソ連が打ち上げた人工衛星の名前ですが、「旅の連れ」という意味だそうです。ロシア人がなぜ「ひとりぼっちでぐるぐる回る人工衛星」にそんな名前をつけたのか?という作中の疑問に、もっともだなあと感じてしまう。愛と性欲、同性愛の入り混じる複雑な三角関係と、消えてしまったすみれの謎、ギリシャの小さな島の情景描写の繊細さに否応にも惹き込まれてしまう。複雑な読後感の一冊だった。
Posted by ブクログ
はああ〜何度読んでも好きすぎる。なんて寂しくて耽美でロマンチックで優しい気持ちなれる作品なんでしょう。
2つの軌道が重なり巡り合い、また離れる。次出会った時すみれがすみれであるという、KがKであるという根拠はない。それはミュウにしてもガールフレンドにしてもそうで。
またいつか出会うでしょうね、燃え尽きない限り。仮に出会えなくてもその記憶と共に生きていける。
素敵なフレーズが散りばめられてて宇宙みたい。
Posted by ブクログ
まだ読んだことのない作品の方が多いけれど、今まで読んだ村上春樹作品の中でいちばんすき。日曜日の夜明け前にすみれが記号と象徴の違いを電話で僕に問う一連のやりとりがすごく気に入ってしまって、何回も読んだ。
僕 がすみれに色んなこと(「何かを学ぶときに、 一度それはそうゆうものだと受け入れないと進まないことと、きちんと理解しないと進まないことがある。 」とか、 「簡単に説明できることには落とし穴がある。あまり急いで結論に飛びつかないほうがいい。」とか)昼夜問わず丁寧に言葉を選んで教えてくれるたび、純粋な心配からの忠告に感じたり、すみれに対する想いゆえの祈りに感じたりもした。でも、ずっと優しくて良い人だな、と思った。
果たされなかった約束を、「美しい約束の多くがそうであるように、」と言ったり、好きな表現や会話がたくさんあった。終わり方も好きだった。
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相変わらず居心地のいい村上作品。終わり方も、村上作品の中では上位レベルで好き。すみれのようなかけがえのない存在が身近にいるぼくが羨ましく、ぼくのような心強い友人がいるすみれが猛烈に羨ましい。ワインが飲みたくなった。
Posted by ブクログ
ある瞬間を境に全く別の自分になる。表面的には何も変わらない、誰も気づかない、けれど明確に今までの自分は存在しない。そういうことが多々あります。
残された側の人間が希望を持てるような物語の締め方が好きでした。
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村上春樹の小説を読んだときの感想は、内容を理解したというより、「本を読ませてもらった不思議な体験だった」というものになる。
幻想的で詩的で、そこで起きていることが何を意味するのかは、うまく説明できない。それでも文章はするすると身体の中に入ってきて、読み終えたあとには強烈な印象が残っている。
特に印象的だったのは、ミュウが語る、スイスの小さな町の観覧車での不思議な体験だ。現実にはありそうもない出来事なのに妙なリアリティがあり、この場面だけが独立した悪夢のように記憶に残った。
『スプートニクの恋人』にはラブストーリーの要素がある。しかし、恋愛について何かを説明する物語というより、孤独や喪失、触れられない相手への思いが、ひとつの長い詩になったような小説だった。
最後に、なぜすみれが戻ってきたのかはよく分からない。それでも戻ってきてよかったと思った。一方で、その帰還さえ現実ではなく、「ぼく」が見ている幻想なのではないかという感じも残る。
この本を読んで、自分自身を見つめ直したわけではない。何か教訓を得たわけでもない。酒やたばこのように、理屈より先に身体へ入り、あとに感覚を残す娯楽に近い。ただし、それは映画やドラマでは代わりにならない。小説でしか摂取できない何かを、確かに受け取ったと思う。
Posted by ブクログ
人工衛星のように周りを回るだけで、本当には重なれない関係性が切ない 沁みる
人と人の関係における「近いのに届かない」感じがすごく伝わってくる どんなに理解したいと願っても、どうしても埋まらない距離がもどかしい
現時点村上春樹の中で1番好き
Posted by ブクログ
『海辺のカフカ』に続き読んだ村上作品の2作目
なんで今作を選んだんだっけか
序盤から村上節が効いててとても引き込まれた。冗長には感じられず、心地よいテンポ感だと思えた。ただ他の人の感想を読むと、(特にすみれの文章は)村上さんの持ち味を幾分か誇張させたものらしい
海辺のカフカと比較した時、どちらも共通のテーマを扱っているなという感じがして、一部読んでいて展開が想像できた。パラレルワールドや不完全(になってしまったよう)な人間、愛と性欲と孤独とアイデンティティなどなど。
村上さんのギリシャの島や保安室の情景描写がリアルで、二つの全く異なる場所を続けて描くことで、読んでいて夢から覚めたような、まるで全く別の物語を読んでいるような感覚にもなったが、主人公Kにとっても夢と現実の区別も付かなくなるような、とても乖離した一連の出来事だったのだと体験できた。
よくわからないけど絶対に意味を持つであろうモチーフもたくさんあり、考察のしがいがありそうだが、大した感想は書けない。もっと何も気にせずゆっくり読書できる時間が欲しいな
Posted by ブクログ
一目惚れしたミュウとともに訪れたギリシャの小島でミュウの過去を聞いたのちに失踪するすみれ。すみれを愛していながらも先に進むことができないぼく。時に体を重ねる教え子の母。4人の男女が巡り合い、すれ違い、そして永遠に別れていく。スプートニクのように。
Posted by ブクログ
小説家を目指す、性欲のない、すみれ。そのすみれが好きになった40代のキャリアウーマン、ミュウ。そしてすみれと親友関係にあり、彼女に恋心を抱く、ぼく。
相変わらず、何がおもしろいのか言語化できないんだけど、おもしろい。
というか、好き。
文章から漂う芳しさに浸っていたくなる。
中国の門の話をすみれの手記とからめてちゃんと理解できたら、さらに楽しめたのかもなぁ。
Posted by ブクログ
村上春樹節がよく出た言い回しの文章で、少々くどい事もあるけれど、すらすら読み進めることができた。
音楽や風景の描写がギリシャでの主人公の焦りや矛盾する心情を美しく映し出していたと思う。
ノルウェイの森と似ていて、好きな女性の喪失が描かれている。
全体のテーマとしては現実の自分と空想の中の自分の対比。空想の中の自分と比べて、現実の自分の居場所や立場が分からなくなってしまうという物語。
最後にすみれと電話ボックスから話す場面があるけれど、それが現実での出来事なのか、主人公ただの空想なのか、結局その後に出会うことができたのか、何も分からないまま物語が終わる。その後の物語は読者に委ねられる辺りも凄く良かった。
好きな場面が2つ。
①「どれだけ眺めまわしても、わたしはたしかにわたし自身なんだけれど、なにかいつもとは違うと感じるのです。でも「いつも」がどんなだったか思い出せない。ーリアルな脱構築的な錯覚にとりつかれています。」
→言っていることは凄く難しいが何故か共感できる。私は修学旅行中のホテルやどこか遠くに行った時の夜に今自分が見ているのは本当に現実なのかという感覚に襲われることがある。状況は全く違うけれど、それと似た感覚なのかなと思った。
②「もし人間が平等じゃないとしたら、あなたはだいたいどのへんに位置しているんですか?」
→先生vsスーパーマーケットの警備員
散々言われた後の最高の皮肉がかっこいい。
Posted by ブクログ
とても面白い本でした。最初から最後まで夢中になって読んでいました。全体を通して表現方法に驚かされました。何故このような大量の比喩やイメージを物語としてまとめられることができるのか不思議に思いました。理解出来なかった表現も多々ありましたが、そんなものをかき消すぐらい素敵で心に残る物語でした。
Posted by ブクログ
2026.32
ずっと読んでみたかった作品
読み始めたら止まらなくなって
一気に読んだ
村上春樹の文章読んでると帰ってきた気持ちになる
これがほしかったんだよねとなる
寂しくて孤独で悲しくてでもなぜか心地良い
不思議な感覚
じめっとしながらもかわいているような感じ
途中読みながら泣いたのは
喪失感を一緒に感じていたのだと思う
読み終わった後
これを1999年に書いたのかと思った
村上春樹作品のなかでもかなり好きだった
死ぬまでに行きたい場所が増えた
Posted by ブクログ
これまで読んた(読んだと言っても数冊たが)村上春樹の巧みなメタファーにカッコよさと深みを感じていたが、この作品については少々くどさを感じた。理由は分からない。だが、村上作品の深い霧のかかった森の中に吸い込まれ、幻想の中にいるような世界観は健在。読みやすく一気に読んでしまった。
Posted by ブクログ
村上春樹はなんとなく敬遠していた、今回が初体験なのである。とにかくお洒落、知識が豊富で文章がキラキラしている。受ける印象は人それぞれなので、そこが嫌味に感じる方もいるだろう、わたしは正直良い意味で驚いた。遅きに失した感はあるが、村上春樹は要チェック。
スプートニクとはロシア語で「旅の連れ」という意味だとか、すみれの周りを回る彼とミュウが旅の連れだとしたならば、彼らはけっして交わることが出来ない。なぜならば彼らは地球の周りを回る人工衛星なのだから。謎かけの様にラストの場面でにんじん(彼の生徒)が万引きで補導される。にんじんの母親は彼の恋人でもある。彼がにんじんを連れ立って帰宅する途中、排水溝に保管庫の鍵を捨てる行為がなんとも意味深だ。
Posted by ブクログ
ノルウェイの森でレズビアンセックスを見せられてもやっとしたものの、この本も最初にぱら読みするとまたあるじゃないの、フェルディナンド…。
気を取り直してじっくり読み始めてみれば、確かに今作にとってあの性描写は必要なものであった。
身を守るための精神分裂の比喩として、あちらの世界とこちらの世界。遊園地からの、自分だが自分ではない、おそらくレイプされている場面だが、俯瞰して見ている自分。
すみれもあちら側にいったのかもしれない。
「人々は荷車を引いて古戦場に行き、そこに散らばったり埋もれたりしている白骨を集められるだけ集めてきた。歴史のある国だから古戦場には不目由しない。そして町の入り口に、それらの骨を塗り込んだとても大きな門を作った。慰霊をすることによって、死んだ戦士たちが自分たちの町をまもってくれるように望んだからだ。でもね、それだけじゃ足りないんだ。門が出来上がると、彼らは生きている犬を何匹か連れてきて、その候を短剣で切った。
そしてそのまだ温かい血を門にかけた。ひからびた骨と新しい血が混じりあい、そこではじめて古い魂は呪術的な力を身につけることになる。そう考えたんだ」すみれは黙って話のつづきを待っていた。
「小説を書くのも、それに似ている。骨をいっぱい集めてきてどんな立派な門を作っても、それだけでは生きた小説にはならない。物語というのはある意味では、この世のものではないんだ。本当の物語にはこっち側とあっち側を結びつけるための、呪術的な洗礼が必要とされる」p26
Posted by ブクログ
ハルキの中では好きなほう。全部読んでるわけじゃないけど。
ハルキの小説ってまあある意味で世の中のあらゆる「僕」のリアルでありアクチュアルなんだろうけど、どこまで行っても「わたし」の物語にはなり得ない。だから全部ふーんて感じで意識がページを上滑りしてしまう。
Posted by ブクログ
主人公が抱える、相手を思う気持ちにとても切なさを感じた。そばにいて何でも話せる関係でありながら、その思いが相手に受け入れられることはない。そのもどかしさや苦しさを読みながら、「恋をしている男性は、みな、このような気持ちなのだろうか」と想像した。
また、この作品では主人公だけでなく、登場人物全員の孤独が描かれていることが印象的だった。人生や置かれている環境はそれぞれ異なるが、どんな人も悩みや孤独を抱えながら生きている。人は誰かとつながりを求めながらも、最後まで完全には分かり合えない孤独な存在なのだということを改めて考えさせられた。恋愛小説であると同時に、人間の本質的な孤独を描いた作品だと感じた。
Posted by ブクログ
◯主人公の経歴が村上春樹の親父だよね?
◯遠い太鼓での経験からのギリシャなんだほうな。
◯スミレがいなくなったあと、妄想世界でしか語られなくてよくわからない。
◯村上春樹、幻想世界好きだよな〜。
◯不倫相手の『いつからか誰も私に楽しい話も綺麗な話もしてくれなくなった』って言葉が印象的だった。
若いときは、性的に見られたり異性が寄ってくることは迷惑だって言ってるのに、年齢を重ねて結婚して急に誰からも相手にされなくなると辛いって、意味がわからない。
Posted by ブクログ
村上作品ではよく女性が失踪する。突然帰ってきたり来なかったり‥異次元空間に行ってたりして、世界が二重に見えたり歪んで見えたりする。異次元空間に行くには入口があるのだけど、ここではギリシャの小さな島。そのどこかに入口を見つけてすみれは行ってしまった。そこにはすみれが愛しているミュウ(17歳年上の既婚女性)の半分かたわれがいて、現実世界ではできないような肉体関係も持っているのでしょう。僕はその入口を見つけようと山を登ってみたけど、辿り着けなかった。終盤、万引き少年が登場するが、彼は何のメタファーなんだろうか。人は自分の意思とは関係なく、何かに引きずられるように何事かを犯してしまうことがある‥てことなのかしら。違うか。
挿話として、死後飼い猫に食べられちゃうお婆さんの話が出てくるが、何故かこの話は知っていた。「スプートニクの恋人」初めて読んだと思っていたけど‥それとも短編集のどこかに入ってたかしらん?
Posted by ブクログ
パッとしないんだけれど、悪くない。
私の中ではKは最後、実際にはすみれと話していないんだと思う。
それでも、すみれは完全に消えてしまったわけではない。
あちら側へ煙のように去ってしまったすみれと、こちら側に残された僕はもう会えないのかもしれない。でもそれでいい。お互いの中には確かに存在し続けている。その繋がりだけで十分なのだと思った。
【わたしはそのへんにうようよしている世間知らずのトンマな女の子たちの一人で、自意識だけが強くて、かなうわけのない夢を追いかけていただけなんだって。】
すみれはとてもかわいい
Posted by ブクログ
主人公の男の子Kがすみれの質問に答えるかんじがとても好きだった。ちゃんと中身と意味のあることをでも簡潔に伝えてくれる感じ。
これまで読んだ村上作品に登場する男性の中で1番好きかもと思った。
登場人物全員が満たされていないことがこの物語のキーポイントで、それゆえにむこうの世界を想像したり、実際にそちらに行ってしまう人がいるという話だと思った。
私も最近とくに、この現実で生きるよりもどこかに行ってしまいたい、ずっと眠りこんでいたいと思うときがあるため、なんとなくこの物語の主題に共感を覚えた。
ミュウからの連絡で外国に行くあたりはなんだかありきたりでつまらなく感じた。
すみれと主人公の会話にすべての価値がある作品。
最後、主人公はあちらの世界に行ったのだといいなと思う。