あらすじ
「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
私の名前も。すごく高い理想を重ねられている。
いわゆる名前負けしていると周りから言われたことがある。
だけども、そんな曲(槇原敬之)を聴きながら
まだ見ぬ私のことを思って母が名付けた
この事実が美しいと感じられたから序盤でこの本が愛しくなりました。
「あなたがどれくらい魅力的か、あなた自身にもそれはわからないんじゃないかしら」
自己肯定感が低い私にはお薬のように沁みた。
「大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、自分の頭で考えた小さなことだ」
正しい、正しくないも大切だけど、自分で考えることが、その物事に関係なくても自分の中の栄養になってるんだな。
Posted by ブクログ
主人公ぼく、すみれ、ミュウの三人を中心に話が進んでいくが、中盤辺りから、ぼくはミュウからすみれが突然失踪したことを知らされる。それで二人が滞在したギリシャに向かい、すみれの行方を追う。
Posted by ブクログ
村上春樹の作品、くどくて全然すきじゃないなと思ってたけど美しい比喩が散りばめられてて素敵、いつの間にかクセになってた☘️
すみれの夢の話を読んでる時、本当に嫌な夢を見たときみたいな不思議な感覚になった。言葉ってすごい。。。!
最終的にすみれは帰ってきたんだね
どういう風に戻ってきたのか私も聞きたかった
ミュウは抜け殻ではなくなったかな?
イタリア行ったばっかりだから出てきて嬉しかった☺︎
主人公は何故かジャルジャルの後藤イメージ
Posted by ブクログ
・スプートニクとは?と気になって。村上春樹の作品を読んだことがなかったから読んでみた
・「どんなことでもそうだけど、結局いちばん役に立つのは、自分の体を動かし、自分のお金を払って覚えたことね。本から得たできあいの知識じゃなくて。」
・最後のすみれは本当に戻ってきた?僕の夢?
・記号と象徴
Posted by ブクログ
クラシックの話題とおしゃれな会話がありとても都会的な雰囲気があるのだが、市営プールで泳いだり、バーではカナディアンクラブを飲んだりするシーンからは主人公は贅沢をしない日常的な雰囲気を感じます。このあたりの空気感が好きなんだよな。
そして物語は主人公をギリシャの小さな島に向わせ、そこでミュウが損なわれたことを知る。日本に帰ると教え子もまたミュウが損なわれたのと同じ「あちら側」に行ってしまったようになり、その母親との不倫関係も解消してしまう。
最終的にすみれは戻ってきたものの、なんだか失うことの方が多いじゃないかと寂しく思う。
また期間を置いて再読したいなと思わせる作品です。