あらすじ
「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。
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Posted by ブクログ
はああ〜何度読んでも好きすぎる。なんて寂しくて耽美でロマンチックで優しい気持ちなれる作品なんでしょう。
2つの軌道が重なり巡り合い、また離れる。次出会った時すみれがすみれであるという、KがKであるという根拠はない。それはミュウにしてもガールフレンドにしてもそうで。
またいつか出会うでしょうね、燃え尽きない限り。仮に出会えなくてもその記憶と共に生きていける。
素敵なフレーズが散りばめられてて宇宙みたい。
Posted by ブクログ
まだ読んだことのない作品の方が多いけれど、今まで読んだ村上春樹作品の中でいちばんすき。日曜日の夜明け前にすみれが記号と象徴の違いを電話で僕に問う一連のやりとりがすごく気に入ってしまって、何回も読んだ。
僕 がすみれに色んなこと(「何かを学ぶときに、 一度それはそうゆうものだと受け入れないと進まないことと、きちんと理解しないと進まないことがある。 」とか、 「簡単に説明できることには落とし穴がある。あまり急いで結論に飛びつかないほうがいい。」とか)昼夜問わず丁寧に言葉を選んで教えてくれるたび、純粋な心配からの忠告に感じたり、すみれに対する想いゆえの祈りに感じたりもした。でも、ずっと優しくて良い人だな、と思った。
果たされなかった約束を、「美しい約束の多くがそうであるように、」と言ったり、好きな表現や会話がたくさんあった。終わり方も好きだった。
Posted by ブクログ
村上春樹の小説を読んだときの感想は、内容を理解したというより、「本を読ませてもらった不思議な体験だった」というものになる。
幻想的で詩的で、そこで起きていることが何を意味するのかは、うまく説明できない。それでも文章はするすると身体の中に入ってきて、読み終えたあとには強烈な印象が残っている。
特に印象的だったのは、ミュウが語る、スイスの小さな町の観覧車での不思議な体験だ。現実にはありそうもない出来事なのに妙なリアリティがあり、この場面だけが独立した悪夢のように記憶に残った。
『スプートニクの恋人』にはラブストーリーの要素がある。しかし、恋愛について何かを説明する物語というより、孤独や喪失、触れられない相手への思いが、ひとつの長い詩になったような小説だった。
最後に、なぜすみれが戻ってきたのかはよく分からない。それでも戻ってきてよかったと思った。一方で、その帰還さえ現実ではなく、「ぼく」が見ている幻想なのではないかという感じも残る。
この本を読んで、自分自身を見つめ直したわけではない。何か教訓を得たわけでもない。酒やたばこのように、理屈より先に身体へ入り、あとに感覚を残す娯楽に近い。ただし、それは映画やドラマでは代わりにならない。小説でしか摂取できない何かを、確かに受け取ったと思う。
Posted by ブクログ
『海辺のカフカ』に続き読んだ村上作品の2作目
なんで今作を選んだんだっけか
序盤から村上節が効いててとても引き込まれた。冗長には感じられず、心地よいテンポ感だと思えた。ただ他の人の感想を読むと、(特にすみれの文章は)村上さんの持ち味を幾分か誇張させたものらしい
海辺のカフカと比較した時、どちらも共通のテーマを扱っているなという感じがして、一部読んでいて展開が想像できた。パラレルワールドや不完全(になってしまったよう)な人間、愛と性欲と孤独とアイデンティティなどなど。
村上さんのギリシャの島や保安室の情景描写がリアルで、二つの全く異なる場所を続けて描くことで、読んでいて夢から覚めたような、まるで全く別の物語を読んでいるような感覚にもなったが、主人公Kにとっても夢と現実の区別も付かなくなるような、とても乖離した一連の出来事だったのだと体験できた。
よくわからないけど絶対に意味を持つであろうモチーフもたくさんあり、考察のしがいがありそうだが、大した感想は書けない。もっと何も気にせずゆっくり読書できる時間が欲しいな
Posted by ブクログ
感想を書くためにあらすじを見てやっと思い出したのだが、読んだ当初はかなりインパクトがあり今も自分の血肉になっている作品。なんだか観覧車に乗って自分の部屋を覗く場面をすごく覚えている。
Posted by ブクログ
パッとしないんだけれど、悪くない。
私の中ではKは最後、実際にはすみれと話していないんだと思う。
それでも、すみれは完全に消えてしまったわけではない。
あちら側へ煙のように去ってしまったすみれと、こちら側に残された僕はもう会えないのかもしれない。でもそれでいい。お互いの中には確かに存在し続けている。その繋がりだけで十分なのだと思った。
【わたしはそのへんにうようよしている世間知らずのトンマな女の子たちの一人で、自意識だけが強くて、かなうわけのない夢を追いかけていただけなんだって。】
すみれはとてもかわいい