小説・文芸の高評価レビュー
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自身が己という人間のために生きていることを少なくとも今は疑っていないしそこに対する罪悪感などは一切有していないのだと信じている。だからこそ自身の生命の意義や目的を思索する自由を有しているのであり、一方でその意義や目的の儚さを知り苦悩するのである。ではもし自身という生命が神なるもののために存在しているのだとしたらどうだろうか。意義や目的はすなわち神への示す姿を美しくあらせ続ける、すなわち決して成し遂げられることのない徳と呼ばれるものを生涯追求し続けることと同義となり、だからこそ人はその生命を疑念なく送ることができるのかもしれない。しかしそこには思索の自由の余地はなく、徳を阻害するもの、すなわち自
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1.何も無いと言われている温泉街で父の旅館を引き継いだ岩屋は若い所で新風を吹き込んで欲しいと温泉旅館組合の理事長に推される。東京の旅行代理店に営業に行き四宝堂に寄るとスタンプ集めが趣味のお客さんと出会う2.「ほゞつゑ」のお客さんの話。歌手の山里は演歌歌手の付き人をする事になる。ジャンルが違うと反発するが喫茶店で会った時、低姿勢で喉に良いからとココアを注文する姿を見て断れなくなる。3.ヤマトエンタープライズの専務の十郎は四宝堂へ消しゴムを買いに行き、スーパーカー消しゴムを見つけ小学生の頃の思い出に浸る。4.中学生が部活の部員募集のポスターを作りたいと四宝堂に来るのだが、大きさは?紙の種類は?どん
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ネタバレドイツの作家マルク・ラーべのトム・バビロンシリーズ第二弾。
ベルリン国際映画祭で女性が刺される映像が流される。どうやら女性は市長の娘で、本物のスナッフビデオなのか、それとも作成された映像なのかがわからない。ただし臨床心理士のジータは、映像の中にあった『19』の数字に嫌な予感を覚え…
二ヶ月連続で刊行されただけあって、前作「17の鍵」と前後編のような立ち位置。関連しすぎていて、連続して読まないと細かなところまで楽しめないかも(サラッと復習してから読んだ方が良い)。
前作よりミステリ的には薄くなったが、エンタメ度は段違い。今作の疾走感は前作以上。前作のように現代パートがありつつ、今回はジータ -
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ネタバレ邑子さんと雪乃ちゃんのシスターフッド、結花ちゃんの木南くんへの片想い、晴一さんと広道さんの人生がふとしたきっかけで交わったこと、人と人が関わって紡がれるその人たちだけの関係性が今回も大好きすぎる。
一穂さんの小説に出てくる人たちは本当に一人一人「ここ」に生きているなあって気持ちにいつもさせられて。今回は連作短編だからより一層、角度を変えれば全員が脇役であり主役であって、例えば誰の目にも温和な上司として映っている人だって、みんな完璧ではなくて常に悩みもがいているなあっていうのがすごく愛おしかった。
全部好きだったけど、「眠れぬ夜のあなた」は特に印象的でタイトルの意味がわかると切ない。晴一さんは結 -
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さすが天才、小川哲さん。今回もすごすぎました。まだ下巻を読んでいないのでストーリーの全容については見えてないものの、題材の設定と、構成と、キャラクターの置き方と、ト書きやセリフの秀逸さがすごい。ポルポト政権の少し前からのカンボジアを舞台としたフィクション小説。テーマ設定や視点の置き方に「地図と拳」に似たものを感じます。キャラクターが多種多様なんですが、どの人も必要。物語に有機的に作用しているのが素晴らしい。そして、ところどころ、ト書きやセリフにめちゃくちゃ笑える…www。残忍で胸が痛くなる展開も多分にありつつ、シュールさで笑えるところもありつつ、読んでいて感情がすごく渦巻く。活字のエンタメでこ
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読み終わって思ったのは、
これは集団?群衆?社会?に対する作者の考察。
朝井リョウのエッセイのようなポップな文体で、社会に対する考察が書かれているから、私は「なるほど、こんな考えもあるのね〜」と楽しく読めた。
「私」の脳内再生音は朝井リョウの声だった笑
朝井リョウはどうして、こんなにもマイノリティ側の葛藤やもどかしさ、やるせなさを文章に落とし込めるんだろう…。
ミソは小説って部分で、どこまでも「主人公はこう思っている」と読めるところ。「それに属する人の全てがそうではないよ」と読める。
異性愛者個体全てが、共同体の発展を願っていないわけではない。ただ、尚成という個体は、家族、学校、友人
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