無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
イタリアからスペインへと回った〈私〉は、ポルトガルの果ての岬サグレスで、ようやく「旅の終り」の汐どきを摑まえた。パリで数週間を過ごしたあとロンドンに向かい、日本への電報を打ちに中央郵便局へと出かけるのだが――。Being on the road――ひとつの旅の終りは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛するすべての人々に贈る、永遠の「旅のバイブル」全6巻、ここに堂々の完結! 井上陽水氏との対談「森の少女とカジノの男」を収録。「あの旅をめぐるエッセイVI 恐れずに」「あの旅をめぐるエッセイVII 若い旅人たちへ」が新たに追加された【増補新版】。※本電子書籍は、令和二年九月発行の新潮文庫(新版)を底本としています。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
読み終わってしまった。
他の人が同じルートを辿ったとしてもこのような旅にはならないだろう。
鋭い観察力と豊富な知識とNOと言える度胸と巧みな値切り交渉術とちょっと短気な人間ぽさと、そして何より類稀なる表現力があったからこそ、読んでるこちらが異国に想いを馳せることができたのだと思う。
ヨーロッパのいくつかの国にその昔行ったことがある。
この本に出てくる場所を訪れたのを思い出して懐かしく感じたと同時に、自分の観察力の無さを思い知らされた。
21歳という年齢と卒業旅行という浮かれた感じもあったかもしれない。
そういう意味ではある程度社会経験を積みつつ、勢いもそれなりにあって、体力も時間もある26歳って絶妙な時期なんだろうな。
旅先で出会う人との交流がいちばんの醍醐味のように思う。
人見知りだった私もここ数年で一期一会を楽しむことができるようになって、より旅が楽しく充実したものになっている気がする。
この先何十年経っても読み続けられる若者の旅のバイブルに、遅かったけど出会えてよかった。
Posted by ブクログ
ローマで知人のツテで訪ねた未亡人から、旦那の形見であるコートを貰うシーンが印象的でした。
未亡人にとってコートは旦那への想いが詰まった大切なものであろうに、たかだか数日もてなしをしただけの旅の若者に託してしまう。
それは筆者が自分の胸の内を正直に話したことで、心の距離が近づいたからかなと思いました。
筆者はアンカラで未亡人の旦那の愛人を訪ねていた。アンカラでのことをわざわざ正妻に話すこともないと躊躇していたが、お世話になっている相手に隠し事をすることに耐えかねて結局は話してしまう。ただ、未亡人は心の整理がついているようで、反応があっさりしていた。
むしろ女癖の悪いエピソードが旦那を深く思い出すきっかけになり、嬉しさも感じていたのではないでしょうか。そして胸の内を明かした筆者はただの共通の知人がいる客人から、大切な身内へと変わり、厳しい冬へと向かうこれからの旅路を案じて、大切なものを託したのではないかと思いました。
この未亡人とのやりとりをローマの休日に重ねて表現していて、とても美しいと感じました。筆者にとってもこのローマ滞在は一生美しい記憶として残るのでしょう。
深夜特急では全編共通して、旅を通して出会う人との触れ合いに厚みをもたせていることが魅力的です。自分も現地人との触れ合いが記憶に残る旅をしたいと感じさせてくれました。
追記:
あとがき代わりの井上陽水氏との対談「森の少女とカジノの男」も本編に負けず面白いです。2人はタイプの違う旅人で、されど共通点もあって、端から見れば酔狂な夢を大真面目に追求している、だからこそ日々の中にドラマを見出せるのだというメッセージ性がありました。
Posted by ブクログ
長い旅が終わった。
1巻から読み通して間もあけつつ約半年、いやもっと言えば、1巻だけ読んで投げてしまったのは4年も前だったか。
きわめて個人的な話だが、僕は続き物の本が苦手だ。司馬遼太郎なんかはいろんなシリーズの1巻だけを読んで放っておきどおしだし、そもそも複数巻というだけで尻込みして手を出せてすらいない本も多くある。
それでいて(元は3巻本とはいえ)6巻に及ぶこの小説を読み通せたのは、やはりデリーからロンドンへ、という地理的なタテ軸が明確にあったがゆえだろう。
いずれにせよ、長い「積ん読」を経て、僕の中の沢木氏もようやくロンドンに到達した。
感化されてアテのない旅に出るにはいささか手遅れの感もある年齢・状況だし、すでに何ヵ国かは旅したこともある。
それでもいい時期に読んだと思う。なぜなら僕だって「青春発墓場行」のバスの乗客に違いないのだから。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸