感情タグBEST3
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切なくて痛い。痛いのに甘い。
大人だとわかっているのに泣きそうになるあの感情
この本を誰かに薦めるのはもっとあとのことになりそう、まだ自分の中で抱きしめていたい
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柚木作品の中でいちばん好き。
登場人物の誰のことも否定しない良さはそのままに、落ち着きがあり、教訓もあった。
一ノ瀬さんに読みながら惚れました。
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恋愛小説かと思いきや、人生の物語でした。
濃く深い内容に手が止まらず一気読み。
目まぐるしく変わる時代の背景とともに青子さんの印象も変わっていき、年齢を経るごとに逞しく強い女性に。
小さな期待をかき集め自分に都合よく解釈して舞い上がり、地べたに叩きつけられるのを繰り返すことに疲れた。
ずしんときました。
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私もいつか自分の力で稼いだお金で、職人さんの手からお寿司を食べたいと強く思った。就職のモチベーションになった一冊。あと、あの終わり方が切なくて艶やかで切なくて好き。ご馳走様でした!
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失礼ながら予想外に面白く一気に読んでしまいました。バブル期の東京は経験ありませんが、平成の後半ごろに高級なグルメのお店によく行きました。残念ながらここまで常連になるような通い方は出来ませんでしたが、あの頃が一つの人生のピークだったかも知れないと思うくらい良い時間を過ごさせてもらいました。記憶が蘇り、懐かしい読書となりました。
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名店は、常連客によって育てられるということ。単なるお金のやり取りを超えた関係。ホスト側だけでなく、ゲストも一緒になって、お互いを尊敬しあい、高め合うことで、よりよい空間が形成されるものなんだなあと。
澤見さんはきっと、青子の恋心に気づきつつ、その学習意欲と成長を評価し、お店の将来を託したのだろう。まさにメンターの役割を果たしている。
青子が早い段階から、一ノ瀬を「大本命」にして、通常の恋愛を超えたプラトニックな関係になっていた。一ノ瀬は、祐太郎や広瀬とは次元の違う存在だったのだろう。
恋人さえも連れて行かない、誰にも邪魔されたくない、とっておきの神聖な場所として、「すし静」を毎日想い続ける生き様を応援したくなる。
自分と向き合い、背筋を伸ばし、好きな食べ物と尊敬する人を通して、人生の機微を学べる場所があることは、その人にとって財産だと思う。本当に羨ましい。
私にとって、襟を正して臨むことのできる食べ物と空間は何だろうか?思い出を辿りながら、じっくり考えてみると面白い。
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銀座のとある高級鮨屋に魅せられた女性の、バブル期の前後10年間を描いたお話
1983年から1992年まで、1年につき1話の短編構成
鮨文学とでも名付けたい
やはり柚木麻子さんの食べ物の描写は読んでいて食欲をそそられる
それとともに、カウンターを隔てて青子と一ノ瀬さんの男女の機微がとてもプラトニックな感じでよい
澤見さんに諭されたように、お互いに成長しあってきた関係性というのが、むしろ男女の関係以上に深い繋がりを感じる
ま、最後の展開に批判的な人もいるだろうけど、この作品はそれまでの9年間をあそこで精算する事で完結する物語ですからね
私としてはあの展開は必要だったと思うよ
鮨屋のキリッとした雰囲気を感じる
というよりは高級割烹とか洗練された小料理屋にも共通する雰囲気なのだろうか
当時のCMや流行がところどころに描かれていて、懐かしさを感じる
あと、当時の常識的な行動や言動にも、そんなのが普通にスルーされていたなぁと思う
それに比べれば、現代って色々と配慮された時代になったものだとも思う
ってか、柚木さんはなぜこの時代の小説が書けるの?!
解説にも書かれてあるけど、当時は小学生くらいで大人の世界のあれこれは体験してないはずでしょ?
バブル期のあれこれは私も当時子供だったのでよくわからない
ただ、大人になってから多少は経済に関する知識が増えてからの理解では、東京および近辺の土地の値段だけが投機対象として異常に値が付き、土地取引に関する制限が設けられた事で一気に下落したというもの
それ以外の好景気は中心の出来事に付随する現象という認識
いつの世も、本来の価値以上の値がついたものはいつか元に戻るものですからねぇ
その間に上手く立ち回ればいいんでしょうけど、それができないのもまた真理
そんな時代を生きた人を描いた作品としてとてもマッチしていると思う
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バブルの時代を知らないけれど
当時から世に出ていた作品のように
細かく時代背景が描かれている。
固有名詞もたくさん出てきて
イメージがしやすいからか
とてもリアリティを感じます。
バブルを生き抜いた青子は今どうしているのかな…
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青子と一ノ瀬さんの行方が気になって夢中で読みました。青子の華やかな生活も、バブルが弾けて暗い未来が来ると分かっているからこそ、読んでいて切なく、辛かった。最初から最後まで面白かったです。久々の読み終わりたくない作品でした。
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青子の我が道を進む姿がかっこよくもありつつ
そこは真似したくない、、というところもあって
とにかく見届けたくなる展開でした。
最後のサビは正直複雑でした、、。
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パワフルな主人公だったなぁ〜〜。
恋人の修羅場に遭遇しちゃったり胃潰瘍で入院する羽目になったり、決して良いことばかりじゃなくて、悩んだり迷ったりするけど、自分のしたいことやありたい姿と真摯に向き合って、自分の中で答えを出して突き進んでいく姿が素敵だった。
最後の終わり方も好きだし、タイトルも内容が凝縮されてて絶妙!好き!
青子の成長する姿と共にバブル時代の全貌が見えたし、お鮨が食べたくて仕方なくなるし、柚木麻子の繊細な描写万歳すぎる.......(『BUTTER』で出会えて良かった(ㅠ-ㅠ)
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最後の終わり方、良かったです。
お鮨を握る手を、素敵と思う気持ちも、
カウンターで見つめてしまう気持ちも、
どちらも分かりすぎる。
お鮨はやっぱり特別で格別で
暖簾をくぐる時から、気持ちが高揚するのも激しく共感。
握る側にはなったことはないですが、
あの特別な食べ物を、
数秒で作り上げる手と、
美味しくするための、お客様には見えないたくさんの努力と。
バブル期の加速していく高揚感と、
女性として若いことが価値として重要だった時代。
いまの時代の女性は、少しずつでも生きやすくなってるかも、
と再認識しました。
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◾️record memo
多くを求めすぎると、すべてを失うことがある。
それでもいい。他人の幸せな家族の風景を思い浮かべ、自分をすり減らすのはもうやめよう。
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アッコちゃんシリーズ、『BUTTER』に続き5作品目だが、著者が描く美食と女性の成長物語にハマりそう。女性の成長をよく書かれている飛鳥井さんも好きだが、飛鳥井さんはさっぱり、柚木さんはねっとりという感じ。
バブルで日本中が浮かれていた頃、高級鮨店の味と板前の手に魅了された青子が不動産の会社で活躍し、鮨店に通い詰める。確かに男性の、特に職人さんの手に惚れるという気持ちはよくわかるが、ここまで手にフォーカスした小説は珍しいのでは?恋愛感情は抱くものの発展することはなく、手で心を通わせる2人に少し憧れる。
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バブル期について大学で学んでいたからこんな感じなのかと思った。バブル期すごい。
どの時代でも自分のお金で贅沢をしたいと思う女性は強い。私も行ってみたいお寿司屋さんがあるけれど、まだ座れないなと思ってる。早く座れるように近づきたい。
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個人的に、自分が何物でもないと、悟っている人の強さは計り知れないと、思う。
そこに自分がいる理由とプライドを持って生きる人のたくましさも好きだけれど、自分の互換は常にあって、絶対的存在ではなく、何物でもないと理解している人の方が、好き。
その手を握れて、よかったね。
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お鮨食べたくなった。
パートナーがいる、いないとか、家庭がある、ないとか、そんな枠じゃなくて、1人の人間もして、何を大切にしたいかを考えて生きていきたいと思った。
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今まで読んだ柚木さんの作品とは、少し目指すものが違った印象。
とても読み応えがあった。
もしかしたらその時代を知っているから面白かったのかもしれないので、星4つ。
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10年に渡る恋愛と東京を描いた一冊。
こんな生き方をしたいとか、こんな生き方は嫌だとか、1つに縛られるんじゃなくて、主人公みたいにどんどん自分で世界を開いていきたいと思った。
1人の人を心のどこかで思い続けるのは切なくもあり素敵でした。
手に関する描写が繊細で、想像が膨らみます。
「一ノ瀬さんがいつ、どんな姿で、どんな場所で働いていても、私は見つけ出すわ。この手を決して忘れないもの。忘れられるわけがないもの」
「この手をずっとにぎりたかったの」
「私の体には血が通っている。思っているより、ずっと力に満ちている。だから、きっと生きていける。明日からも。」
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1983年からの10年間、バブル期の始まりから終わりまでを都心で経験したOLの、仕事と恋愛を描く。
不動産業界に身をおいていた主人公は、時代の大波をもろに受けて翻弄される。そんな中での心の拠り所は、一人で通う高級寿司店だった。
コロナ禍で心も体も引きこもりがちなこのご時世に読むと、主人公の考え方や言動はハチャメチャに見えるかもしれないが、あの頃はこんなふうに日本中が地に足のつかないまま活気のなかを突っ走っていた。
私自身はさほど浮かれた生活をしていたわけではないけれど、それでもバブルの恩恵は少なからず受けていたな、とあの時代を思い出す。若さと可能性が無限に思えて、仕事もプライベートも充実していたっけ。そんな懐かしさも相まってひと息に読んだので、評価は星1つ分おまけ。
高級寿司店のカウンターで一人、経験はないけれど年齢を重ねた今ならできそう。
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やはり柚木さんは、食べ物の描写がすごい!今の所Butterがダントツだけど…
途中、
えーーー!!!
となってしまって青子と思いが重なり切なくなる。社会人2年目の初めての土地で働いていた頃、ここに来れば頑張れる、そう思ったbarを思い出した。久々に行ってみようかな。
P125
自分が東京に残った理由がようやくわかった。仕事や恋愛に未練があったわけではない。誰かと強く関わりたかった。誰かの人生に足跡を残したかった。
深いなぁ。
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深夜に読むと鮨の描写が美味しそうでお腹が空いた。バブルの時代の価値観がこういう時代だったのか〜と主人公の痛さに最初は好きになれないな、と思ったが目まぐるしく起こる出来事と心理描写に引き込まれて一気に読んでしまった。10年色々あった上でのラストの持ってき方が素敵だった。面白かった。
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高校生のときに読み、社会人2年目で上司に鮨屋に連れて行っていただいてまた読みたくなり2回目。
さすがに高校生の私はバブル時代の世で働くとは思ってなかったけど、IT中小企業で働く私がいる世界との乖離が激しい。笑
自分の力で欲望を満たす幸せに気づいて突き進む主人公、私は好きだ!自分の幸せが見えて欲深くなってくると他の人に合わせるのが難しくなりますよね、価値観のズレがわかりすぎちゃうんだもんって思いました。それを受け入れあえることも大事だけど、相手の価値観が社会的に正しいと言われているものだと弱気になるのよ……まぁとにかく永遠に欲望を満たし続けるぞ!!!!!!
お鮨の描写がとにかく美味しそう、色気がある。。
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その手をにぎりたい
恋愛もの?と思いきや
お寿司からはじまった。
ズケ
田舎から東京に出てきたOLさんが 退職を決めて
銀座の高級寿司をご馳走になる。
その品格を捨てがたく田舎に帰るのをやめ 高級寿司店に通い始める。
照れとか虚勢もなく 素直に自分の力で高級寿司を食べようとする姿
怖がりで見栄っ張りな自分を顧みて
恥ずかしく羨ましく思い 一気に完読
まだ 人生やり直せるかなぁ?
還暦は赤ん坊に帰ると言われるから
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昭和の終わりから平成初めのバブル期、銀座の高級寿司店の常連となったOLの話。読みやすかった。バブルを懐かしく思う。青子を憎めないのは何故だろうか?
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とても読みやすい文章で、特に食事に関する描写が本当に素晴らしい。
柚木さんと同世代なのでバブルの時代の描写がどこまでリアルなのかは分からないけど、華やかな時代とその終わり、空気感が変わっていく様子を子供ながらに見上げていた頃を思い出した。
ミキはいい女。
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バブル期って、こんな感じだったのかぁ~。望むものを手に入れようとがむしゃらに働き、何が正しかったのかも分からないまま必死でもがいて、でも、手にしたと思っていたものたちが突然色を失う。
そんな、熱にうかされたような時間の中で、「すし静」だけは、ずっとそこにありつづけてくれた。そういう、核となるものをちゃんと見つけられていた青子に、良かったねって言ってあげたくなった。
青子と一ノ瀬さん。恋愛という形ではなかったけど、同じ時代を共に生きてきた2人だからこそ共有されるラストに、このお話の時間の流れが全て詰まっていた。
Posted by ブクログ
すごく面白かった。私も20代後半はそう思ってたし、友達と似たような会話した、と共感した。一ノ瀬さんと恋愛ではない男女の関係を築けたことが素敵。