【感想・ネタバレ】その手をにぎりたいのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

名店は、常連客によって育てられるということ。単なるお金のやり取りを超えた関係。ホスト側だけでなく、ゲストも一緒になって、お互いを尊敬しあい、高め合うことで、よりよい空間が形成されるものなんだなあと。

澤見さんはきっと、青子の恋心に気づきつつ、その学習意欲と成長を評価し、お店の将来を託したのだろう。まさにメンターの役割を果たしている。

青子が早い段階から、一ノ瀬を「大本命」にして、通常の恋愛を超えたプラトニックな関係になっていた。一ノ瀬は、祐太郎や広瀬とは次元の違う存在だったのだろう。

恋人さえも連れて行かない、誰にも邪魔されたくない、とっておきの神聖な場所として、「すし静」を毎日想い続ける生き様を応援したくなる。

自分と向き合い、背筋を伸ばし、好きな食べ物と尊敬する人を通して、人生の機微を学べる場所があることは、その人にとって財産だと思う。本当に羨ましい。

私にとって、襟を正して臨むことのできる食べ物と空間は何だろうか?思い出を辿りながら、じっくり考えてみると面白い。

0
2022年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

◾️record memo

多くを求めすぎると、すべてを失うことがある。

それでもいい。他人の幸せな家族の風景を思い浮かべ、自分をすり減らすのはもうやめよう。

0
2023年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やはり柚木さんは、食べ物の描写がすごい!今の所Butterがダントツだけど…

途中、
えーーー!!!
となってしまって青子と思いが重なり切なくなる。社会人2年目の初めての土地で働いていた頃、ここに来れば頑張れる、そう思ったbarを思い出した。久々に行ってみようかな。

P125
自分が東京に残った理由がようやくわかった。仕事や恋愛に未練があったわけではない。誰かと強く関わりたかった。誰かの人生に足跡を残したかった。

深いなぁ。

0
2022年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バブル期って、こんな感じだったのかぁ~。望むものを手に入れようとがむしゃらに働き、何が正しかったのかも分からないまま必死でもがいて、でも、手にしたと思っていたものたちが突然色を失う。
そんな、熱にうかされたような時間の中で、「すし静」だけは、ずっとそこにありつづけてくれた。そういう、核となるものをちゃんと見つけられていた青子に、良かったねって言ってあげたくなった。
青子と一ノ瀬さん。恋愛という形ではなかったけど、同じ時代を共に生きてきた2人だからこそ共有されるラストに、このお話の時間の流れが全て詰まっていた。

0
2024年04月21日

「小説」ランキング